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噂のガールズバンドHAPPY BIRTHDAYが2ndアルバム
『今夜きみが怖い夢を見ませんように』で見せた変化とは?
揺れ動く感情から生まれた躍進作に秘められたまさかの本音(笑)
ネタバレ必至のインタビュー&動画コメント! (2/2)

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だって私たち、3ヵ月前とは人が違うわけですよ!(笑)
 
 
――長い期間をかけて少しずつレコーディングすると、時間的に追い詰められずに作業出来るメリットもあるんですけど、長期間ゆえにヘンに緊張感が続くみたいなところもあると思うんですけど、今回はどうでした?
 
きさ「うん。短い方が好きですね(笑)。キツいですね、あの、正直(笑)」
 
あっこ「だって私たち、24歳なんですけど、3ヵ月前とは人が違うわけですよ!(笑)」
 
――アハハハハ!(笑)
 
きさ「ドンドンコロコロ考え方も変わっていくので、例えば、“よし、こういう言葉使いでやろう”とか思っても、1ヵ月後には“違う!”って普通になったりするんですよ(笑)。やっぱ早いんだと思うんですよね、その移り変わりというか、コロコロ具合って言うんですか?(笑)」
 
――もはや早過ぎて変わってないように見えるぐらいかもしれない(笑)。
 
あっこ「アハハハ!(笑) 揺れ動いてるのが通常の状態っていう(笑)」
 
――最初の方に録った曲と、それこそ後半に録った曲のテンションとか、ヘンな話技術すら…。
 
あっこ「そうなんですよ!」
 
きさ「まぁそのときそのとき最大限でやってるので、それが集まったアルバムでもオモシロいかなって(笑)」
 
――『わたしは君のママじゃない』(M-3)と『君だったら』(M-4)の流れはストーリーがスゴく浮かびますよね。前も言いましたけど、女の人も引き摺るんだなぁって。新しい人がいても思うって、正直ありますもんね。
 
きさ「引き摺りますよね。フフフフ(笑)。コレはつなげて入れようと思ってました。歌詞もつなげましたし」
 
あっこ「あと、『君だったら』はドギツい。初めて聴いたとき、もう痛い痛い!って(笑)」
 
――これは今までのHAPPY BIRTHDAYの王道の世界感というか。ホンマに切なさ絞り出しますよね?(笑) あと、『DAIKIRAI-DAISUKI』(M-10)って明確な対象がいます?
 
きさ「いるっちゃいるんですけど、自分ですね。もうこんときはイヤだったんですよ、何もかも(笑)。もう何もかもくだらないと思って書きました(笑)」
 
――アハハハハ!(笑)
 
きさ「この曲を作ったときはマジで嫌だったんですけど、今は“あ、あたしこの曲スゴい好きだな~”って思っちゃうんです(笑)」
 
――自分で作ったのに嫌なんてあるんですね。
 
きさ「コレは元々人に提供するつもりで作ったので、いつもの自分らしいメロディがないし、どうしたらいいのかなぁって。何とか楽しく出来るようにというか…何か悔しかったんですよ、ホンットに。もう過去のことだから言えるんですけど。コレは自分も含めてみんなをバカにしてます(笑)。もう、みんな死ね! みたいな気持ちでした、ホンットに(笑)」
 
――アハハハハ!(笑)
 
きさ「言っちゃった(笑)。だってもう引き出すの上手いんですも~ん。も~全部言っちゃうもん(笑)」
 
――それが仕事ですから(笑)。そう考えたらやっぱり、作業は大変だったってことですね。だって前回のインタビューのときは、テンションもめっちゃ高かったから。
 
あっこ「そうですよね! 『嘘でもかわいいと言って』のときは、スゴいテンション高かった。覚えてる」
 
――イェー!!って感じやった。
 
きさ「え、今、低いっすか!?」
 
――ちょっと低めやね(笑)。
 
きさ「マジっすか!? それは…そうかぁ(笑)」
 
――まぁでも大人にもなりますから。
 
あっこ「フフフフフ(笑)。日々葛藤してるんですよ、いろいろ(笑)」
 
 
人が分からないようにフザけてる
 
 
――あと、先行シングルの『イチャイチャチュッチュキャピキャピラブラブスリスリドキドキ』(M-2)もね、J-POP史上まるで聞いたことがないタイトルです(笑)。
 
きさ「何か最近“結構ウケんな”みたいな感じで作ってる曲が多いっすね(笑)」
 
――客観的というか、自分で作ったんだけど他人事みたいな感じ?
 
きさ「“オモシローい”みたいな、コレ客観的でもないですね。何なんですかね(笑)」
 
――自分で自分をオモシロがってるのかな?
 
きさ「そうですね! それだ! それです。人が分からないようにフザけてるので、誰が見ても分かんないところで、プッとか思ってるんですよ(笑)」
 
――どんな遊びだ(笑)。
 
きさ「例えば最後の『目を開けて』(M-11)の“甘過ぎるリップバーム”って、“リップバームって何だよ、リップクリームって言えよ”みたいに内心思ってるんですよ(笑)」
 
――それめっちゃ個人的な楽しみやん!(笑)
 
きさ「“りぼんの絵文字”だって! ブリッコプゥ~みたいな(笑)。キャピキャピした曲にしーよぉ♪みたいな」
 
――アハハハハ!(笑) でもこの歌詞の感じが、本人そのままのイメージだと思ってる人も絶対いますよね。聴く人はむしろそうであって欲しいと思ってるかも。
 
きさ「そうですそうです。だから、もう思われてもいいやと思って。でも、とにかくこの曲は、若い女の娘に聴いて欲しかったし、興味を持って欲しかったんです。“リップバームって何~?”ってあっこには言われましたけど(笑)」
 
――それでいうとHAPPY BIRTHDAYがHAPPY BIRTHDAYを演じるみたいなところはありますね。
 
あっこ「うんうん。ライブで最近演劇もやってるんですけど、“アハハハハァァァって、こんな声出してる自分プッ”みたいなのはありつつ、それも含めて演出だから。普通に考えて、こんな人いないじゃないですか?(笑)」
 
――アハハハハ!(笑)
 
あっこ「演じてるわけですよ。でも“あっこちゃんってこういう娘なんだ…”って別に思わないじゃないですか」
 
――何でそんなことをやってるんでしょう?
 
きさ「曲を伝えるために」
 
あっこ「ホントそう。あと自分がまんまでいるのは恥ずかしい。シャイガールだから(笑)」
 
――アハハハハ!(笑) さっきの話で言うと、HAPPY BIRTHDAYがHAPPY BIRTHDAYを演じるじゃなくて、オモシロがってる。
 
あっこ「そうそう! それですそれです! まさにそれ! 上手いですね~日本語が(笑)」
 
きさ「確かにHAPPY BIRTHDAYがHAPPY BIRTHDAYをオモシロがってる。ちょっとオモシロがってますね(笑)。言われて気付いた(笑)」
 
あっこ「もちろん譲れない、ちゃんと伝えたいガチな部分があるからこそのなんですけどね。それがズレたら本末転倒になるから。そこに自信があるからこそのコレっていうのは、ちゃんと書いといてくださいね?(笑)」
 
――さっきね、“何でそんなことやってるの?”って聞いたとき、すぐに“曲を伝えるため”って出てきたから、やっぱそうじゃないとねって。曲をみんなに届ける、伝える、刺さらせるために、HAPPY BIRTHDAYがHAPPY BIRTHDAYをオモシロがった結果が、『今夜きみが怖い夢を見ませんように』なんだって。
 
あっこ「私はそういうことをやってる大人たちって、スッゴイ痛快だしオモシロいなと思ってて」
 
――まだみんなは、ガチだと捉えてるかもしれないけど(笑)。
 
あっこ「アハハハハ!(笑)」
 
きさ「そうですよね。でも、コレ言っちゃったじゃないですか(笑)」
 
――コレ載せるしね(笑)。でもまぁそれは人それぞれの捉え方やから。そういう風に捉えてもらってもいいし、本人が絶対そういう人間じゃなきゃいけないわけじゃないし。
 
あっこ「私はそういう裏話を聞くと、逆にアガりますけどね(笑)。マジ!? 超最高じゃん! オモシロい! コイツらいいじゃん!!って思う派です」
 
きさ「でも自分の言いたくないことは言ってないっていうことは絶対なので」
 
――みんなの求めることに応えるために思ってもないことをやり始めるとオカシくなるんですけど、自分のやりたいこと、言いたいことをちゃんと言ってるから、こういう風にオモロがってるんですって言えちゃう。これで好きなことやってなかったら、苦しくて言えないもん。
 
きさ「うん。そうですね、確かに」
 
あっこ「ただのサーカス団とかエンターテイナーになっちゃうから(笑)。そうではないから」
 
――そう考えたら次の3rdアルバムも、また絶対変わってきますよね。
 
きさ「全然違うかもしれないですね。想像付かない」
 
あっこ「逆に反動でめっちゃ内に籠ってね(笑)」
 
きさ「最近もう反動来てるからね(笑)」
 
あっこ「作ってるときは内に籠ってたんですよ…今はこんなに楽しいのに、ってなってるかも(笑)」
 
――アルバム作ったときと出すときで、テンション変わってるのやめてください(笑)。
 
きさ「アハハハハ!(笑)」
 
あっこ「女心は大変(笑)」
 
きさ「そういう意味でも、いろいろ素直な波が今回は入ってるよね」
 
あっこ「うん、オモシロい。何かこうやって話してたら、このアルバムがまたオモシロく感じてきた」
 
 
『今夜きみが怖い夢を見ませんように』って
お母さんが子供に言うでも、恋人に言うでも友達に言うでも、
兄弟でも何でも、語りかける感じで言えたらいい言葉だなって
 
 
――今回のタイトル『今夜きみが怖い夢を見ませんように』は、どこからきたんですか?
 
きさ「私がイメージしたのは、お母さんが“おやすみ”って言ってる感じ。自分的にはおばあちゃんの曲『ありがとうまたね』(M-8)を入れたのが結構デカかったので、そういう家族のおやすみっていう光景がスゴい浮かんで、これは恋愛だけに縛られたタイトルにはしたくないなって。あとは、好きだった人が毎晩怖い夢を見てたので(笑)」
 
――何があったんや(笑)。
 
きさ「あと、もうちょっとみんなに語りかけられる題名にしたいなって、いつも思ってたんですよ。『今夜きみが怖い夢を見ませんように』ってピッタリだなって」
 
――それこそ、この言葉って恋だけじゃなくて、めっちゃ“愛”ですもんね。
 
きさ「そうなんですよ。好きな人とか愛しい人に向かって、お母さんが子供に言うでも、恋人に言うでも、友達でも兄弟でも何でも、そういう感じで言えたらいい言葉だなって。そういう気持ちで今回はアルバムを作ってきたので」
 
――何かこう、不思議なアルバムですよね。
 
きさ「何かヘンですよね? 私もスゴいそう思ったんですよ(笑)」
 
――何か変化の過程のアルバムのような気もします。
 
きさ「この何なんでしょう感がいいなって思ってたんですけど、曲によって声とか違い過ぎますね(笑)」
 
――しかも曲ごとにキャラクターが分かれてて、それを自分がホントに思ってる場合と、オモシロがってそうしてる場合とがあるから、人格あり過ぎよね(笑)。あと、この不思議なアルバムが出た後は(笑)、ライブもあってね。
 
あっこ「さっきも言った、1つのショーとしてじゃないけど、ライブに入り込ませるようにちょっと芝居を混ぜて」
 
きさ「今まではやっぱり泣きの曲が多かったので、あっこのオモシロい部分をドカーン!って出して、メリハリを付けて。泣いてばっかも疲れる、笑ってばっかもちょっと暗い曲多いしみたいな感じだし、そのバランスを曲と芝居とかで、流れとして面白く組み合わせて観せていけたらなって。ただ私がネガティブなバラードを歌っているバンド2人組っていうんじゃなくてね。最近は2人で何かオモシロいことをやろうとしてますね」
 
あっこ「それも曲に自信があるからこそというか。それをやることによって引き立てばいいなって」
 
――ライブもね、どういう見え方をするのか。何かでも、疲れそうですね、終わった後(笑)。
 
あっこ「超疲れます! 気疲れ!(笑) あたし楽屋でガチで練習してますからね、芝居の(笑)。楽屋の鏡の前で、“マーガレット、あたし!”みたいなことをずっとやってますから(笑)」
 
――人知れない努力があるんだぞと(笑)。お前ら退いてんじゃねぇぞと(笑)。ライブも楽しみにしていますよ。本日はありがとうございました!
 
きさ&あっこ「ありがとうございました~!」
 
 
Text by 奥“ボウイ”昌史
 



(2013年3月22日更新)


Check

Release

全方位型女子目線×ポップなメロディ
2枚のシングルを含む2ndアルバム

Album
『今夜きみが怖い夢を見ませんように』
【初回限定盤DVD付】
※MUSIC VIDEO+スペシャルコンテンツ
発売中 3360円
Sony Music Associated Records
AICL-2523-2524

<収録曲>
01. 恋暴動
02. イチャイチャチュッチュキャピキャピラブラブスリスリドキドキ
03. わたしは君のママじゃない
04. 君だったら
05. 期待外れのメリーゴーランド
06. 魔法のタイムマシン
07. 1989
08. ありがとうまたね
09. ぼくがそばにいる
10. DAIKIRAI-DAISUKI
11. 目を開けて

【通常盤】
発売中 3059円
Sony Music Associated Records
AICL-2525

<収録曲>
同上

Profile

ハッピー・バースデー…写真左よりあっこ(ds)、きさ(vo&g)。’88年生まれ、東京都出身の2人組。’07年、美容専門学校の入学式で運命の出会いを果たし、同年9月にあっこが小説家になるために中退。翌’08年8月にはきさが音楽と恋愛に狂い中退。お互い別々のバンドで活動する中、’10年2月に新宿の270円均一居酒屋にてHAPPY BIRTHDAYを結成。4月には所属していたお互いのバンドが解散し、HAPPY BIRTHDAYに専念。6月にバンド名を飴玉音楽室に改名するものの、すぐに元に戻す。同年11月、1st アルバム『デートに行けない日曜日』をリリース。’11年10月にアルバム『ファーストキス』でメジャーデビュー。バンド名の由来は、ネット上で検索してもすぐにヒットしないような名前でも、いつか絶対に上位に出てくるバンドになる、との想いが込められている。

HAPPY BIRTHDAY オフィシャルサイト
http://www.happybirthday1988.net/


Live

アルバムのリリースツアー後も
関西でのライブが続々!

 
『「ムーンプリズムパワー☆メイクラブ」
【今夜きみが怖い夢を見ませんように】
 OSAKA NIGHT!』
チケット発売中 Pコード189-604
▼3月24日(日)18:00
阿倍野ROCKTOWN
オールスタンディング3000円
GREENS■06(6882)1224
※公演当日、高校生以下の方は学生証提示で500円返金。

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『GLICO LIVE“NEXT”』
一般発売3月30日(土)
Pコード196-931
▼5月23日(木)19:00
心斎橋JANUS
オールスタンディング2000円
[出演]キドリキドリ/HAPPY BIRTHDAY/ピロカルピン
[司会]飯室大吾
GREENS■06(6882)1224
※16歳未満は入場不可。

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