インタビュー&レポート

ホーム > インタビュー&レポート > 噂のガールズバンドHAPPY BIRTHDAYが2ndアルバム 『今夜きみが怖い夢を見ませんように』で見せた変化とは? 揺れ動く感情から生まれた躍進作に秘められたまさかの本音(笑) ネタバレ必至のインタビュー&動画コメント!


噂のガールズバンドHAPPY BIRTHDAYが2ndアルバム
『今夜きみが怖い夢を見ませんように』で見せた変化とは?
揺れ動く感情から生まれた躍進作に秘められたまさかの本音(笑)
ネタバレ必至のインタビュー&動画コメント! (1/2)

 女子ならではの本音を赤裸々かつ痛烈に描いた詞世界を、きさ(vo&g)のキュートで切ない歌声とあっこ(ds)の天真爛漫でハッピーなドラムが繰り出すポップでカラフルなメロディに乗せ、人気上昇中のガールズバンドHAPPY BIRTHDAYが、2ndアルバム『今夜きみが怖い夢を見ませんように』を3月13日にリリースした。今作では、恋愛のすったもんだを舞台とした王道の世界観だけに留まらず、その対象は家族や友人、出会った人々へと向けられた大いなる愛にまで拡散。先行シングル『イチャイチャチュッチュキャピキャピラブラブスリスリドキドキ』(笑)をはじめとする独自の言語感覚と共に、サウンド面においても、泣きのバラードのみならずロッキンでオルタナティヴな新境地を見せるなど、ソングライターとしても稀有な輝きと予感を感じさせるきさの手腕が存分に発揮された1枚だ。そこで、着実にその名を広げつつある2人に、今後を占うニューアルバム『今夜きみが怖い夢を見ませんように』についてインタビューを敢行。’11年のデビューから歩んだ2年間の悲喜こもごもの感情と、インタビューを進める中たどり着いたまさかの本音(笑)。愛すべき2人のありのままの姿を是非キャッチして欲しい。きっと2人を好きになる!?

途中であっこ(ds)のスイッチが…2人からの動画コメント!

――前回取材したのはミニアルバム『嘘でもかわいいと言って』('12)の頃で、その後シングル『恋暴動/DAIKIRAI-DAISUKI』('12)も出しつつ、デビューから1年を過ぎ。活動も軌道には乗ってきたと思いますけども。

 
あっこ(ds)「自分たちのやりたいように、やりたいことをやるところに上手く踏み込んでいけてると思いながら、そのリアルな結果との歯痒さ、でも信じてるモノあるしみたいなこの“ア゛ァ゛~ッ!!”みたいな感じ(笑)。でも楽しい! 分かってくれるでしょ!? みたいな、今そういう段階です」
 
――今、ボディランゲージをめっちゃ使って話してくれた熱を、どこまで伝えられるか(笑)。
 
きさ(vo&g)「私も基本的には同じなんですけど、シングル『恋暴動/DAIKIRAI-DAISUKI』から聴いてくれる人が、お客さんが増えたりとかして。初めてアップテンポの曲をシングルで出したし、スゴい自由に、好きなように作った曲だったんですけど、“あ、こういうのもいいのね”じゃないですけど(笑)、ちょっとホッとしたというか。いいなと思って、明るい曲を作れるようになったかと思います。『嘘でもかわいいと言って』のときよりは」
 
――そうやってたどり着いた今回のアルバム『今夜きみが怖い夢を見ませんように』は、2人のTwitterとかを見てても、昨年通してずっと制作してるようなイメージがあって。
 
きさ「今回は夏くらいから1曲録って2曲録ってみたいに、割と長い時間をかけて少しずつレコーディングしてきたので、多分“今日はレコーディングです”みたいなツイートを上げると、また!? まだやってるの? みたいに見えたかなと思うんですけど(笑)。今回は、素直に、明るい曲を作ってみようという気持ちが強くあって。やっぱり『嘘でもかわいいと言って』のときに、暗い部分をたくさん出したなぁと思っていたので、私の前向きな今の気持ちを素直に書いて、恋愛だけじゃなくて、もうちょっと大きなところで人間のことを歌えたらなって。同時に、全部が恋愛の曲としても聴けるのかなって思っていたところはあります。恋愛の曲を書こうって、こだわって書いたことはなかったんですよ。ただ自由に書くと勝手にそうなっていただけなんですけど(笑)」
 
――やっぱり恋愛のすったもんだがHAPPY BIRTHDAYの1つの分かりやすいトピックだったと思うんです。けど、これはいいことなのかもしれないですけど、ある種のドギツさ、恋愛地獄みたいなところから(笑)、もうちょっとフラットな目線になったというか。
 
きさ「多分、私が今そういう感じじゃなかったんですね(笑)。やっぱり明るい曲が増えて、固有名詞とか自分の具体的なエピソードは減ったかもしれないですけど、逆にそれをやり過ぎてきた分、反動じゃないんですけど今はこういうことがやりたいなって。そしたらまた、もうちょっと具体的なことを書きたいとか…多分このアルバムの中でも行ったり来たりしてるんじゃないかなぁ(笑)。素直に自分が出たなって思ってます」
 
 
普通の女の娘が憧れるようなかわいい世界、かわいい物が大好きだけど
そういう世界に行けないしそういう女の娘にはなれないし
そういう女の娘が歌ってる音楽じゃない
 
 
――サウンド的な面でも、オルタナティヴでダウナーな『期待外れのメリーゴーランド』(M-5)なんかはスゴく新しい面が出たなと思ったんですけど、これはどういった流れでこういうアレンジに?
 
きさ「曲を作るときっていつも、弾き語りでアコギから作るか、エレキとドラムで合わせてリフから作るかだったんですけど、“リズムから作ったら?”ってあっこに言われたのかな? 私はリズムにちょっと疎くて、ついメロディに走りがちだったので、自分で同期で打ち込みを鳴らして、その上に歌を乗せたらいつもとちょっと違うモノが出来た…そんな感じです(笑)」
 
――この曲って同じフレーズの繰り返しで、そんなにシチュエーションを“説明”しないじゃないですか。歌詞の部分でも新しい試みですよね。
 
きさ「純粋に私の歌詞って息を吸うのが苦しいくらい言葉が多い(笑)。元々シンプルに少ない言葉で伝えるってことをやりたくても、具体的な説明が多くなってしまうタイプなんですよ。それはいいことだとも思ってたんですけど、今回は余計な部分を省いていく作業をしてみたかったので。『ありがとうまたね』(M-8)『ぼくがそばにいる』(M-9)『期待外れのメリーゴーランド』とかは、歌詞をシンプルに、説明し過ぎないで作ろうって」
 
――『期待外れのメリーゴーランド』の楽曲解説に“ずっと楽しみにしていたのに、いざ乗ってみると意外とつまらなかった”って書いてあって。
 
きさ「何か、普通の女の娘が憧れるようなかわいい世界、かわいい物が大好きだけど、そういう世界に行けないしそういう女の娘にはなれないしそういう女の娘が歌ってる音楽じゃない。憧れの場所に行きたいんだけど行けないっていう気持ちがずっとあるんです。私は遊園地が大好きなんですよ。私にとっての夢の場所みたいな。この曲は途中の間奏で、メリーゴーランドに乗って夢を一瞬だけ見て戻ってくる。“夢と現実”は女の娘が持ってる“憧れと日常”みたいなもので。メリーゴーランドって乗ってみると、意外と動かない。回ってるから動いてるように見えるけど、実際は上下にしか動いてないわけじゃないですか。なんで、“乗りたーい♪”とか言ってたけど、意外に“あ、何か終わっちゃったね”みたいな感じになるよね、と思って作ったんですけど(笑)」
 
――メリーゴーランドって、それこそポップスの世界でよく歌詞のモチーフになるモノでもありますよね。
 
きさ「そう。キラキラしたものという存在で出てくることが多い。でも見た目はキラキラしてるけど、実際はそうでもないんだよねって。そこがまた好きなんですけど」
 
――『ぼくがそばにいる』も、ある意味HAPPY BIRTHDAYの枠を越えたエモなロックバラードというか、ライブバンドと普通に対バンしても戦える曲ですよね。あと、やっぱりスゴく大きい愛だなと。多くを語らないことで伝わるモノがある。
 
きさ「うん。言葉を減らすとやっぱり、いろんな捉え方が出来るようになるし、スッと入りやすくなるかなぁって。でも苦手なんですけどね。つい、グチャグチャ言いたくなるので(笑)」
 
――そこが1つの個性でもありましたもんね。
 
きさ「で、またやってみたくなるんでしょうね(笑)」
 
――あっこさんはきささんの揺れ動く変化を見て、バンドの中での役割としてはどう立ち回る感じだったんですか?
 
あっこ「ドラマーとしてずっと思ってるのは、その曲が呼んでること意外はしないっていうか。でも、自分が“コレ!”と思うものがみんなもそうとは限らないから、その辺でヤキモキはしてたんですけど…価値観、感覚、みんなそれぞれが違うから、あんまり決め込み過ぎずに、この曲は私が自由に叩くのを求めてると思ったら自由にやる。スッゴい練って練って、それでもこうじゃないよねって言われたら、“OK! OK! こっちね”ってフラットな姿勢で行けるようにする。昔よりはレコーディングでも柔軟にやれたかな」
 
――今の発言がそうですよね。我を通すんじゃなくて、そういう見方もあるんだったらやってみようって思える自分がいたってことですよね。
 
あっこ「そうですね。あと合わせようと頑張ってても、自分ってやっぱ出ちゃうモノだから、“そんなに意固地にならないで、ちょっと強くやっちゃっただけ”って感じ(笑)」
 
――言うこと聞いてるように見せてちょっと出すっていう(笑)。
 
あっこ「ヤベッ(笑)。しぃー! ちょっとコレしぃーで(笑)」
 
――僕もバンドとかと話してて思うんですけど、君らの音楽の核はそんなことで変わるヤワなもんじゃないから、思い切って冒険したらいいのにって思うことありますもん。
 
あっこ「そうなんですよ。そういうことを言ってくださる人と出会ったりしたのもデカかったです。“もっと自由にやりなよ”とか、“肩の力抜いて”とか。レコーディングのエンジニアさんも言ってくれるし、きぃちゃんも言ってくれるし。だから、あたしが自分で縛ってたなって。ホント、みんなのお陰で」
 
 

 


(2013年3月22日更新)


Check

Release

全方位型女子目線×ポップなメロディ
2枚のシングルを含む2ndアルバム

Album
『今夜きみが怖い夢を見ませんように』
【初回限定盤DVD付】
※MUSIC VIDEO+スペシャルコンテンツ
発売中 3360円
Sony Music Associated Records
AICL-2523-2524

<収録曲>
01. 恋暴動
02. イチャイチャチュッチュキャピキャピラブラブスリスリドキドキ
03. わたしは君のママじゃない
04. 君だったら
05. 期待外れのメリーゴーランド
06. 魔法のタイムマシン
07. 1989
08. ありがとうまたね
09. ぼくがそばにいる
10. DAIKIRAI-DAISUKI
11. 目を開けて

【通常盤】
発売中 3059円
Sony Music Associated Records
AICL-2525

<収録曲>
同上

Profile

ハッピー・バースデー…写真左よりあっこ(ds)、きさ(vo&g)。’88年生まれ、東京都出身の2人組。’07年、美容専門学校の入学式で運命の出会いを果たし、同年9月にあっこが小説家になるために中退。翌’08年8月にはきさが音楽と恋愛に狂い中退。お互い別々のバンドで活動する中、’10年2月に新宿の270円均一居酒屋にてHAPPY BIRTHDAYを結成。4月には所属していたお互いのバンドが解散し、HAPPY BIRTHDAYに専念。6月にバンド名を飴玉音楽室に改名するものの、すぐに元に戻す。同年11月、1st アルバム『デートに行けない日曜日』をリリース。’11年10月にアルバム『ファーストキス』でメジャーデビュー。バンド名の由来は、ネット上で検索してもすぐにヒットしないような名前でも、いつか絶対に上位に出てくるバンドになる、との想いが込められている。

HAPPY BIRTHDAY オフィシャルサイト
http://www.happybirthday1988.net/


Live

アルバムのリリースツアー後も
関西でのライブが続々!

 
『「ムーンプリズムパワー☆メイクラブ」
【今夜きみが怖い夢を見ませんように】
 OSAKA NIGHT!』
チケット発売中 Pコード189-604
▼3月24日(日)18:00
阿倍野ROCKTOWN
オールスタンディング3000円
GREENS■06(6882)1224
※公演当日、高校生以下の方は学生証提示で500円返金。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


『GLICO LIVE“NEXT”』
一般発売3月30日(土)
Pコード196-931
▼5月23日(木)19:00
心斎橋JANUS
オールスタンディング2000円
[出演]キドリキドリ/HAPPY BIRTHDAY/ピロカルピン
[司会]飯室大吾
GREENS■06(6882)1224
※16歳未満は入場不可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


Column

コレを読めば全てが分かる!?
昨年の『嘘でもかわいいと言って』
コンビネーション抜群インタビュー