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溢れるメンバー愛と大阪愛に笑いと涙!?
The SALOVERSメジャーデビューアルバム
『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』発売記念!
弾き語り&秘蔵エピソード満載の公開インタビューに完全密着!! (2/3)

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“何で台湾?”って言われると、多分叫んでるお客さんも分かってない(笑)


――今回のアルバムは音楽的な変化ももちろんありますけど、昨年のすごく沈んだ時期から抜け出して、ここにたどり着いた過程も変化の要素としてはありますよね?

古舘「インディーズの頃って結構内向的というか、ちょっと暗めの感じでやってたんですけど、今考えるとそんなにしんどくないのに“しんどい自慢”みたいな。しんどブリたがったんでしょうね」

(一同笑)

古舘「人って本当にしんどくなってくると、しんどい曲なんてイヤになってくる。それは感じましたね。だから今回のアルバムを作る前に結構落ち込んでたんで、それがあったからこそ、何かちょっと自分として開けたというか」

――端から見てたらThe SALOVERSってすごくいい活動が出来ているバンドというか、ちゃんといい作品を作って、少しずつみんなに知られてって、活動的には順調に見えたんですけど、何で落ちてたんですかね?

古舘「実際バンドを始めて、高校時代にライブハウスを廻ったりと地道にやってた時期もありますけど、ずーっとそれを続けていたわけじゃなくて。早い段階からスカウトされたんで、インディーズでやりつつも、いずれメジャーに行く道筋は見えてたから、周りからの期待値ももちろんあったし。何ですかね…まぁいろんな要素がありますけど、結構落ち込んでましたね。バンドってしんどいなって」

――楽しいはずのバンドが。

古舘「だからずーっとシンプソンズとかスパイダーマンとか、アメリカン・アニメばっか観てました」

――それを観てる間は忘れられる? でも、その話だけ聞いたら完全に引きこもりやん(笑)。それこそ『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』はすごくアッパーな、攻めのアルバムになったと思うし、さっき目つきが変わったという話ありましたけど、僕もそれをすごく感じて。僕の勝手な印象ですけど、以前はステージに立ったときの強さに対して、降りたときのかよわさがあったというか。今はそれが一致してるというか、ギャップがない。眼差しも強くなったし、ライブにも自信と闘争心が感じられる。今作はブログでも“過去の作品とは全くリンクしない”という発言がありましたけど、それこそアジアン・テイストが溢れたこの世界感はどこから来たんですか?

古舘「そのことを結構聞かれるんですけど、元をたどってもいっつもよく分かんないですよ。だから何となくしか答えてなかったんですけど…ホントに今ふと思い出した! いっつも取材とかで何を聞かれても、こんな事どこにも話してないんですけど」

――やった!(笑)

古舘「高校2年ぐらいのときに、曲を作るときにコードでも何でも素材がちょっとでも出来たら雄太に聴かせてたんです。あるときバッキングというか、♪ジャーンジャーンジャーンジャーンっていう2コードを思い付いて。雄太を家に呼んで聴かせたら、“あ~次はチャイナできたか”って言われて」

――おぉ~(笑)。

古舘「突然。俺もビックリして。それでまぁ『China』って曲を書いたんですけど(笑)」

thesaloversreport_talkyuta.jpg藤川「(笑)」

古舘「それ以来、何かそっちに足を踏み外してしまって…」

(一同爆笑)

藤川「俺のせい!?(笑)」

――重要人物ですね。その一言がThe SALOVERSの音楽性を転換させたきっかけになった。

藤川「そうですね。ウマいこと言えば(笑)」

――そんな自覚は一切なく(笑)。それこそ『オールド台湾』(M-3)をオンエア等で聴く機会が多かったと思うんですけど、この曲を書いた頃はまだ台湾に行ったことがなかったとなると、じゃあもう何で台湾をモチーフにしたのかは…。

古舘「謎です(笑)。でも“台湾!!”って叫ぶのは、1つの“アンセム”って言うとちょっと大袈裟ですけど、ライブでみんなが叫んでくれるんじゃないかって。そこは僕の狙った部分ですね。でもそれはもう閃きで、“何で台湾?”って言われると、多分叫んでるお客さんも分かってない(笑)」

――そうやね(笑)。

古舘「でも何だか言いたくなる。そういうことだと思います」

――例えばお客さんもフェスでThe SALOVERSを初めて観るとなったら、絶対に心の中で“台湾!!”って叫びたいと思ってるはずだから。そういう意味では全く見ず知らずの人たちを、理由もなくつなげるパワーがあるかもしれない、この言葉には。


この週末は、大阪での自分を振り返る2日間になると思う


――レコーディング上の苦労とかは何かありました?

古舘「レコーディング中にですね、“土偶”っていう言葉をですね…」

――皆さん“土偶”ってイメージ出来てますかね? 今(笑)。


古舘「“土偶”っていう言葉は知ってても、多分皆さん日常ではあまり使わないと思うんです」

――言わないね。俺もインタビュー中に“土偶”って言ったことないもん。

(一同笑)

古舘「今回のレコーディング期間は半年ぐらいあったんですけど、“土偶”っていう言葉をめっちゃ言いました」

(一同爆笑)

――何で? 何でなん!?(笑)

古舘「事のはじまりは雄太なんですよ」

――マジで? 呼んでよかったわ~今日(笑)。

古舘「録りがウマくいかなかったり、アレンジで悩んだりとかすると、ドンドン顔が茶色くなっていくんですよ」

――アハハハハ!(笑)

藤川「自覚はあるんです(笑)」

――何か土っぽくなっていく(笑)。

古舘「そうそうそう。一生懸命にやってると、僕もつい雄太に“お前ちゃんとやれや!”ってにちょっとキツめに言っちゃうんですよ。でも言い過ぎると、もう顔面が真っ茶色になって」

(一同笑)

古舘「それ以来“土偶”って呼ばれるようになったんですよ。でも、最初は雄太だけだったんですよ。“また雄太土偶~。土偶が1体出来上がりました~”みたいな」

(一同笑)

古舘「でも、最終的には土偶が4体出来上がって」

(一同爆笑)

――全員!?(笑)

古舘「全員、土偶になった(笑)」

――そりゃハードなレコーディングだな。確かにさっきのリハのときも、そう言えば土偶っぽかった(笑)。

藤川「アハハハハ!(爆笑)」

――追い詰められてた(笑)。

古舘「そうそうそう。追い詰められてましたね」

――じゃあメンバー全員土偶になるくらい追い詰められて(笑)。それだけ苦労した分、出来上がったときの達成感も大きかったんじゃないですか?

藤川「ありましたね~」

古舘「確かに。やっぱりフルアルバムっていう重さは感じましたね」

thesaloversreport_talk5.jpg ――あと、今作には最後の『何処かの土地に』(M-11)にコーラスで田中茉裕(たなか・まひろ)さんが参加されてますけど、これはどういったつながりで?

古舘「僕らのいるレーベルがやってるオーディションに応募してきたらしくて、スタッフが知ってたんです。ちょうどそのとき、手伝いでその音源の整理とかをやってて、結構なおっちゃんとかも応募してきてて、マジか!とか」

(一同笑)

古舘「担当の人に“今回いい人いたんですか?”みたいなことを聞いたら、“最終ギリギリで来たよ”って聴かせてもらったのが田中茉裕さんで、その瞬間にもうホンットに衝撃を受けて、エンドレスリピートし続けて。いざ会ったら向こうもThe SALOVERSがすごく好きだったらしくて、めちゃくちゃ嬉しくて。今回のアルバムに『何処かの土地に』を入れることになったとき、彼女の声が絶対に合うなと思って呼んだんです」

――The SALOVERSって古舘くんの声がやっぱり1つの武器あり核だと思うんですけど、そこに女性の声が絡んでくるのが、すごく新鮮に聴こえましたね。

藤川「歌入れ前の状態からホントに何倍も良くなって、もうみんなで“うわ! これキたなぁ~!!”って」

――さらに今作には、いしわたり淳治さんも参加してくれてますが、いしわたりさんみたいなキャリアのあるアーティストとのやり取りはどうでした?

古舘「あの、さっき言い忘れてたんですけど。5体土偶が出来上がってました」

(一同爆笑)

――いしわたりさんも!? マジで!?(笑)

古舘「はい(笑)。5体目出来ました」

――相当ハードなレコーディングやな…淳治氏も土偶になったの? だってSUPERCARだよ!?

古舘「はい(笑)」

――何があったの? それ。

古舘「いや、もう何もかもがウマくいかなかった」

(一同爆笑)

古舘「めっちゃ楽しいって言えば楽しいんですけどね。もうホントに何て言うんですかね、5人とも学生に戻ったみたいで。今日は僕と雄太が来てオモシロがってもらえてますけど、実は他の2人も相当頭がイカれてるんで(笑)。ホンットに僕らの方がまともなんです、実は」

――The SALOVERSのまともチームが来たんや(笑)。

古舘「2人は天才っていうか逸材なんで、相当キャラが立ってるんですよ。例えばYouTubeを流して、ケバにゆずの『夏色』を歌わせるんですよ。それがもう音痴過ぎて、みんなで30分くらいずっと笑ってたり」

――それの罰ゲームとしての坊主とかじゃないよね?(笑)

古舘「それは違います(笑)」

――ブログをさかのぼって読んでたら、The SALOVERSの中に暗黙のルールがあると。何かミスったら坊主にしなきゃいけないようだけど。

古舘「自分から書いといてアレなんですけど、書いたことによってオフィシャルのルールになってしまってるんで、言わなきゃよかったなぁって(笑)」

――アハハハハ!(笑) いつか順番が回って来るかもしれない。

古舘「そうそうそう。坊主になると、“あ、何かまたやらかしたんだ”って思われるんだなっていう」

――そうやね。俺も思ったもん(笑)。

古舘&藤川「(笑)」

――アーティスト写真をもらって、“あれ? こんな髪型だったっけ?”って。これ、何かやらかしたんだな~って。

藤川「思いますよね、絶対」

――とは言えまぁ素晴らしいアルバムが出来て、ツアーに向けては何かありますか?

古舘「自分たちもお客さんもみんなで楽しめるというか、満足感の得られるライブをホント全ヵ所でしたいなぁと思ってるんですけど」

藤川「僕はやっぱりツアーに向けて相当練習したし、今いない(藤井)清也(g)とケバもすごい練習してて。あとは当日を待つだけなんで、かましてやりたいなって」

――今回のアルバムなんかは特に、ライブでやったらめちゃくちゃ楽しいだろうなって曲が多いですよね。しかも9月29日(土)梅田クラブクアトロでの大阪ワンマンは、古舘くんが1年間DJを務めたFM802の番組『MUSIC FREAKS』の最終回前夜ということで。いろんな意味で感慨深い1日になりそうですね。

古舘「そうですね。今年1年間、僕に関しては2週に1回はFREAKSでその翌週はライブとか、ホンットに毎週のように大阪に来まくった1年だったから。人生の内1年でこんなに通った場所はない!ってくらい来た場所なんで、その1年間の区切りなのかなって。もちろんこれでサヨナラじゃないですけど、この週末は、大阪での自分を振り返る2日間になると思いますね」




(2012年9月27日更新)


Check

Set List

まさかのカバーからラップまで!?
公開取材前に行われたインストア

New Album『珍文完聞
-Chin Bung Kan Bung-』発売記念
古舘佑太郎と藤川雄太(The SALOVERS)
弾き語りと公開取材@FLAKE RECORDS

9月16日(日) at FLAKE RECORDS

01. ビオトープ -生物生育空間-
02. 雨降りのベイサイド
03. 君が誰かの彼女になりくさっても
※カバー曲
04. 愛しておくれ

Release

『オールド台湾』他破壊力抜群の11曲
メジャーデビューアルバム堂々完成!

Album
『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』
発売中 2800円
EMI MUSIC JAPAN
TOCT-29061

<収録曲>
01. ビオトープ -生物生育空間-
02. チンギスハンとヘップバーン
03. オールド台湾
04. サイケデリックマリー
05. 雨降りのベイサイド
06. サイゴンで踊ろう、雨のダンス
07. 仏教ソング
08. サルたち
09. ディタラトゥエンティ
10. 愛しておくれ
11. 何処かの土地に

Profile

サラバーズ…写真左上より時計回りに、古舘佑太郎(vo&g)、藤川雄太(ds)、小林亮平(b)、藤井清也(g)。平均年齢20,5歳の若きロックバンド。’08年、高校の同級生だった4人で結成。’10年に『FUJI ROCK FESTIVAL '10』のROOKIE A GOGOステージに出演、一躍話題に。同年9月に1stアルバム『C'mon Dresden』を発表。当時まだ10代ながら様々なイベント&ロックフェスでのステージを経験。’11年5月には2ndアルバム『バンドを始めた頃』を発表し、ロックシーンにおける若手の要注目バンドとして、俄然注目を集める。’12年に入り、2月より『スペースシャワー列伝JAPAN TOUR2012』に参戦、同月に1stシングル『ディタラトゥエンティ』をリリース。さらに7月には期間限定生産のプレデビュー盤として代表曲をコンパイルした『いざ、サラバーズ!』を発売、9月5日にアルバム『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』にてメジャーデビュー。古舘が1年間パーソナリティを務めたFM802のレギュラー番組『MUSIC FREAKS』(日曜22:00~24:00 ※隔週での担当)は9月30日(日)にて最終回を迎える。現在は、デビューアルバムを引っ提げた『The SALOVERS 秋集ワンマンツアー2012サラバーズ珍道中~あきあきするよ~』の真っ最中。

The SALOVERS オフィシャルサイト
http://thesalovers.com/


Live

デビューアルバムを引っ提げた
ワンマンツアーも中盤戦に!

Pick Up!!

『The SALOVERS
 秋集ワンマンツアー2012
 サラバーズ珍道中~あきあきするよ~』
【大阪公演】
チケット発売中 Pコード176-787
▼9月29日(土)18:00
梅田クラブクアトロ
オールスタンディング2800円
キョードーインフォメーション■06(7732)8888
※未就学児童は入場不可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


【札幌公演】
チケット発売中 Pコード175-356
▼10月8日(月・祝)18:00
BESSIE HALL
オールスタンディング2800円
WESS■011(614)9999

【広島公演】
チケット発売中 Pコード173-267
▼10月13日(土)18:00
広島Cave-Be
オールスタンディング2800円
夢番地広島■082(249)3571

【福岡公演】
チケット発売中 Pコード172-686
▼10月14日(日)18:00
DRUM SON
スタンディング2800円
キョードー西日本■092(714)0159
※6歳未満入場不可。

【東京公演】
チケット発売中 Pコード174-565
▼10月20日(土)18:00
CLUB QUATTRO
オールスタンディング2800円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999