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溢れるメンバー愛と大阪愛に笑いと涙!?
The SALOVERSメジャーデビューアルバム
『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』発売記念!
弾き語り&秘蔵エピソード満載の公開インタビューに完全密着!! (1/3)

 あどけなさと狂気が共存するハスキーなボーカルに、独特の語感と視点で繰り広げられる詞の世界観、ヒリヒリするような熱さと緊張感をまとったソリッドなサウンドを武器に、9月5日リリースのアルバム『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』にて、遂にメジャーデビューを果たしたThe SALOVERS。同作収録の『チンギスハンとヘップバーン』がFM802の9月度ヘビーローテションに選ばれるなど、注目度上昇中のロックシーン驚異のニューカマーが、9月16日、大阪・南堀江のレコードショップ・FLAKE RECORDSにてリリース記念イベントを開催した。当日は古舘佑太郎(vo&g)と藤川雄太(ds)を迎えたインストアライブに加え、新アルバムの話から質問コーナーなどなど終始リラックスした空気の中、普段は聞けないエピソードトークが飛び交ったぴあ関西版WEBの公開インタビューを実施! 9月29日(土)には梅田クラブクアトロにてレコ発ワンマン、そして翌30日(日)には古館が1年間DJを務めたFM802のラジオ番組『MUSIC FREAKS』も最終回を迎える今、大賑わいで行われたThe SALOVERS×ぴあ関西版WEBのコラボ企画をプレイバックレポートします!

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 The SALOVERS×ぴあ関西版WEBがコラボを果たした同イベントは、まずはインストアライブからスタート。FLAKE RECORDSでのアルバム先着購入者&ぴあ関西版WEBでのご招待に当選した幸運なお客さんを前に、古舘と藤川が登場。普段は古舘単独でのインストアライブが多いため、この日は非常にレアなシチュエーションだ。が、登場するや「9月5日にメジャーデビューアルバム『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』発売したThe SALOVERSのボーカルの古舘佑太郎です! そしてこちらが、ついこの間ベスト盤を発売したコブクロさんの…」と、サングラス姿の藤川がコブクロの黒田俊介(vo)に似てるとからかう古舘に、会場は大盛り上がり。さらに古舘が、「しかも今、この人めっちゃ緊張してるんですよ。(真似しながら)“俺、初めてだからぁ、アウェーだとどうしていいか分かんない”って」と伝えると、客席からも思わず「ホームだよホーム!」の掛け声が(笑)。


 「一応、雄太を緊張させないために、敢えてあんまりセットリストを教えてない」というツンデレ対応の古舘の優しさに触れながら(笑)、イベントはしょっぱなからいいムード。曲を決めてないのをいいことに、客席からダンスを要求され藤川がステップを披露する一幕もありつつ(さすが関西のお客さん!)、まずはアルバムでも冒頭を飾る『ビオトープ -生物生育空間-』(M-1)を。藤川のカホンが活きる躍動感溢れるナンバーに、会場も自ずと肩を揺らす。

thesaloversreport_live2.jpg「僕らもバンドがドンドン大きくなっていくのを夢見てやってますけど、ファンクラブってあるじゃないですか? ファンクラブって何か慈善活動のような、正しき行為だと僕は思ってるんですよ。だから、The SALOVERSもいずれファンクラブを作りたいなって思ってるんだけど、そういうときの“大阪支部”みたいなものを、ホント今日みたいなイベントに、今ここに集まってくれてる皆さんみたいな人に任せたいな」

 思わず古舘がそう語るほど、会場にはアットホームな空気が流れ、続くメランコリックなミドルバラード『雨降りのベイサイド』(M-5)に、じっと聴き入る会場。

 MCでは、客席から藤川が古舘をおんぶしていた目撃証言が投げられたところから(笑)、学生時代に藤川に肩車されたままスーパーでガムを買った幼なじみらしいエピソードに飛び出すなど(笑)、トークでも大サービス。そしてサービスと言えば、「僕の好きな奇妙礼太郎さんの曲を、歌詞が飛ぶかも分かんないですけど、久しぶりにちょっとやってみます」と、名曲『君が誰かの彼女になりくさっても』のカバーも披露するレアなシーンも!

「大阪は何かThe SALOVERSを甘やかしてくれる存在というか(笑)、優しいんだよな。いわゆるバンドとして大阪に来るまでは、もうハッキリ言って縁もゆかりもない土地だったんですけど、この1年間で僕の中の大阪っていうのは、だいぶ意味合いが、人生が変わったんですよね。バンドとしても人としてもホントに大阪に助けられてるというのがあるから、今ここに来てくれてる輪を、デッカくしていきたいんなぁと思うんですよ。大阪のみんなには僕らのこと全部受け入れて欲しい気持ちがあるから、今後もThe SALOVERSを引き続きよろしくお願いしますっていう気持ちを込めて、最後の曲。雄太がラップやるんで」

 古舘の感動的かつ突拍子もない発言に会場も大歓声!(笑) 最後はアルバムでもエンディングを飾る『愛しておくれ』(M-10)を披露。約束通り藤川の爆笑フリースタイルラップも炸裂するなど(笑)、終始和気あいあいとした空気の中、アコースティックライブは終了。そして、続いてはいよいよ公開インタビューへ!

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“もっと人に知ってもらいたい”っていう気持ちは
今までになかった感覚なんです



――早速、まずはインストアライブ観て頂きましたけど、なかなか聴けないカバーあり、まさかのフリースタイルラップが、しかも結構な長尺で(笑)。

古舘「ホントいつ終わるのかなぁ?って(笑)」

――今日はリハから観てましたけど、やっぱり長年連れ添っただけあって、古舘くんのSっ気のある指導が(笑)。

(一同笑)

――いいコンビだなぁと思いながら観てましたけども。今回はぴあ関西版WEBの公開取材ということで、ここFLAKE RECORDSでのインストアライブと共に、ニューアルバムの話を聞きつつ、皆さんから届いた質問に答えつつで進めていきたいなと!

古舘&藤川「よろしくお願いしまーす!」

――『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』がリリースされたばかりですけど、今作がメジャーデビュー盤ということで、今の率直な気持ちを聞かせてもらいたいなと。

古舘「ちょうど1年ぐらい前に『バンドを始めた頃』(インディーズ盤)という作品を出したんですけど、また新しいアルバムを出したら、自分がこの1年で変わった部分も分かるかなぁと最初は思ってたんですけど…いつもアルバムを出した直後は絶好調でテンション高くて、その後ちょっと落ち込んだりまた上がったり、そのアップダウンもいまだにあるという意味では、人ってそんなに変われないんだなって。でも、精神面では変わった面が1つあるんですね」

――おぉ。それは?

古舘「レコーディング中はそんなの関係ねぇって気持ちだったんですけど、発売日と共に“もっと人に知ってもらいたい”っていう気持ちが強く湧き出てきたのは、今までになかった感覚なんですね。ただ、アルバムが出来るたびにずっと絶好調で過ごせる気になるんですけど、実際は完全な満足感を得られず、また違う作品を作っていくんだなって気はします。だから人って尽きないんだなって」

――逆に言うと、だからこそ作り続けられるかもしれないですね。

古舘「そうですね。ずっと完結しないと思います。ずっと作り続けなきゃいけない。アーティストって」

――(藤川)雄太くんはどうですか?

thesaloversreport_talkyuta2.jpg藤川「まぁやっと出せたんで、それはすごく嬉しく思いますね。ツアーに向けてまた動き出したし」

――僕がこうやってThe SALOVERSとちゃんと話すのって、去年の『GLICO LIVE“NEXT”』っていうイベント以来で。あの日観に行かれた方ってどれくらいいるんでしょうか?

~お客さんが挙手~

古舘「おっ! いらっしゃる」

――僕はライブレポートで入ってたんですけど、ライブも観つつ、ライブ後の皆さんの様子も見つつ、そこで話して。さらにこの1年のThe SALOVERSのライブも時折観ながら、今作のいろんな雑誌やWEBのインタビューのコメントを読みながらも思ったんですけど、やっぱり“変わった”と思うんですよね。さっき人はなかなか変われないと言ってましたけど、僕はそれでも劇的にと言っていいくらい、特に古舘くんは変わった印象を受けたんです。

古舘「やっぱアルバムを作っていく内に、斜に構えてた部分、型を気にしてた部分が、ライブでもそうですけど、全くなくなりました。確かにスタンスとかもちょっと変わったかもしれないですね」

――それはアルバムを作る上で変わらざるを得なかったのか、変わりたかったのか。

古舘「去年の10月頃、自分的にホント“うわぁ~うまくいかねぇな”って思いつつ、雄太には“次のアルバムが完成したら、人としてめっちゃ変われてるはず”みたいなことも言ってたんですよ。そのときと今は確かに違うのかも」

――雄太くんはある種悩んでる、変わっていく姿を傍で見て来たと思いますけど。

藤川「僕が何か一番変わったなぁと思うのは、目つきが変わったなぁって」

古舘「何か気持ち悪い…」

(一同笑)

藤川「他は何かもう毎日一緒にい過ぎて、よく分かんないですけど」

古舘「一緒にい過ぎて変わったか変わってないかがよく分かんないんですよね。半年ぶりに会うんだったら、“ちょっと身長大っきくなったね~”とか、“相変わらず器小っこいね~”とか言えるんですけど、それがない(笑)」

――それだけ一緒にいるんですね。幼い頃からの仲間とバンドを組んでここにいるというのもすごく不思議な縁というか。そもそもThe SALOVERS結成のいきさつって?

thesaloversreport_talkfuru.jpg古舘「単純に僕が音楽をやりたくなったんです。僕がまだ中学校1~2年生くらいのとき、姉の同級生にバンドをやってる男の子がいたんですけど、その人のライブに姉が風邪を引いたかなんかで行けなくなって。“代わりにちょっと行って来なよ”って言われて、行ってみたんです。そしたらまぁ音楽的にどうこうというより、いわゆるバンドマンによくある、“うわ、お兄さんたちカッコいい、モテそう!”みたいな気持ちで、“バンドっていいな”って思ったんです。それまでは野球部だったし坊主だったのもあって、バンドをやってみたい気持ちが徐々に自分の中で沸き上がって、雄太とかベースのケバ(=小林亮平)とかを誘った感じですね」

――なるほど。じゃあ音楽=バンドだったんですね。

古舘「そうですね。今は結構クラシックとかも聴いたりするんですけど、そのときはクラシックを聴くと虫酸が走ってましたね」

――アハハハハ!(笑)

古舘「自然とロックを」

――選んで。雄太くんは最初に古舘くんから声を掛けられたとき、もちろんドラムはやってなかったんですよね?

古舘「彼はバンドに誘う前から“ドラムがやりたい”ってずっと言ってたんですよ」

藤川「ドラムってカッコいいからね」

古舘「でも、ドラムをやらせるのはホントは嫌だったんです。カッコいい雄太が何かイヤだったんで」

(一同笑)

古舘「ドラムで“ウォー!”とかやられたら、何か僕が恥ずかしい気持ちになっちゃう(笑)。でも、ドラムがいなかったんで渋々“やる?”って聞いたら、“うわぁ! やる!”ってことになったんですけど。でも、その5日後くらいの学校の帰り道、2人でバス停に並んでたんですけど、僕が定期を忘れたんですよ。でも、雄太が何10枚綴りかの回数券を持ってたんで、“1枚貸して”って言ったら“ヤだ!”って言われて(笑)。“貸せよ! 明日小銭で返すよ”“イヤイヤ貸さないよ”みたいなやり取りでケンカしたんで、一旦ドラムの件はなしになったんです」

(一同爆笑)

――えーっ!?(笑)

古舘「次の日には、もうキーボード兼マネージャーっていうポジションに就いたんですよ」

――じゃあ最初はキーボードやったんや。

藤川「いや、それもお願いして“キーボードにさせて頂いた”みたいな」

(一同笑)

――何だその主従関係は(笑)。

古舘「その後ドラムの子が見付かってバンドはやってたんですけど、高校に入ってオリジナルを始めてちょっとした辺りで辞めちゃったんで。念願の彼が(笑)」

――そういういきさつがあったんですね(笑)。




(2012年9月27日更新)


Check

Set List

まさかのカバーからラップまで!?
公開取材前に行われたインストア

New Album『珍文完聞
-Chin Bung Kan Bung-』発売記念
古舘佑太郎と藤川雄太(The SALOVERS)
弾き語りと公開取材@FLAKE RECORDS

9月16日(日) at FLAKE RECORDS

01. ビオトープ -生物生育空間-
02. 雨降りのベイサイド
03. 君が誰かの彼女になりくさっても
※カバー曲
04. 愛しておくれ

Release

『オールド台湾』他破壊力抜群の11曲
メジャーデビューアルバム堂々完成!

Album
『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』
発売中 2800円
EMI MUSIC JAPAN
TOCT-29061

<収録曲>
01. ビオトープ -生物生育空間-
02. チンギスハンとヘップバーン
03. オールド台湾
04. サイケデリックマリー
05. 雨降りのベイサイド
06. サイゴンで踊ろう、雨のダンス
07. 仏教ソング
08. サルたち
09. ディタラトゥエンティ
10. 愛しておくれ
11. 何処かの土地に

Profile

サラバーズ…写真左上より時計回りに、古舘佑太郎(vo&g)、藤川雄太(ds)、小林亮平(b)、藤井清也(g)。平均年齢20,5歳の若きロックバンド。’08年、高校の同級生だった4人で結成。’10年に『FUJI ROCK FESTIVAL '10』のROOKIE A GOGOステージに出演、一躍話題に。同年9月に1stアルバム『C'mon Dresden』を発表。当時まだ10代ながら様々なイベント&ロックフェスでのステージを経験。’11年5月には2ndアルバム『バンドを始めた頃』を発表し、ロックシーンにおける若手の要注目バンドとして、俄然注目を集める。’12年に入り、2月より『スペースシャワー列伝JAPAN TOUR2012』に参戦、同月に1stシングル『ディタラトゥエンティ』をリリース。さらに7月には期間限定生産のプレデビュー盤として代表曲をコンパイルした『いざ、サラバーズ!』を発売、9月5日にアルバム『珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-』にてメジャーデビュー。古舘が1年間パーソナリティを務めたFM802のレギュラー番組『MUSIC FREAKS』(日曜22:00~24:00 ※隔週での担当)は9月30日(日)にて最終回を迎える。現在は、デビューアルバムを引っ提げた『The SALOVERS 秋集ワンマンツアー2012サラバーズ珍道中~あきあきするよ~』の真っ最中。

The SALOVERS オフィシャルサイト
http://thesalovers.com/


Live

デビューアルバムを引っ提げた
ワンマンツアーも中盤戦に!

Pick Up!!

『The SALOVERS
 秋集ワンマンツアー2012
 サラバーズ珍道中~あきあきするよ~』
【大阪公演】
チケット発売中 Pコード176-787
▼9月29日(土)18:00
梅田クラブクアトロ
オールスタンディング2800円
キョードーインフォメーション■06(7732)8888
※未就学児童は入場不可。

チケットの購入はコチラ!
チケット情報はこちら


【札幌公演】
チケット発売中 Pコード175-356
▼10月8日(月・祝)18:00
BESSIE HALL
オールスタンディング2800円
WESS■011(614)9999

【広島公演】
チケット発売中 Pコード173-267
▼10月13日(土)18:00
広島Cave-Be
オールスタンディング2800円
夢番地広島■082(249)3571

【福岡公演】
チケット発売中 Pコード172-686
▼10月14日(日)18:00
DRUM SON
スタンディング2800円
キョードー西日本■092(714)0159
※6歳未満入場不可。

【東京公演】
チケット発売中 Pコード174-565
▼10月20日(土)18:00
CLUB QUATTRO
オールスタンディング2800円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999