木村「こういう場に立つのは久々なので緊張しています」
木村拓哉と杉咲花が出席した
映画『無限の住人』京都プレミア・イベントレポート
映画『無限の住人』京都プレミア・イベントが3月30日(木)に京都市内で行われ、主演を務める木村拓哉と共演の杉咲花が出席。集まった約1000人のファンを熱狂させた。
映画の原作は、コミック界のアカデミー賞と言われるアイズナー賞受賞という快挙を達成し、日本国内はもちろん海外でも高い評価を得ている沙村広明の同名漫画。謎の老婆に無限の命を与えられた伝説の侍・万次(木村)が、両親を殺された少女・凜(杉咲)の用心棒として剣客集団(福士蒼汰ら)との壮絶な戦いに身を投じていく姿を描く。何度斬られても何度でも“凜を守る”と決意する万次の姿が圧巻の、かつてない“ぶった斬り”エンタテインメントだ。
イベントは、映画の主題歌であるMIYAVIの「Live to Die Another Day -存在証明-」が鳴ると同時に、特設ステージの真上にあるテラスから木村と杉咲が登場してスタート。二人は集まった多くのファンを見渡しながら階段を下りてステージへと移動した。その時点でものすごい声援が会場に響き渡ったが、ステージに着いた木村が魅惑の低音ボイスで一言「よろしくお願いします」と言うだけでさらに歓声は大きくなっていた。
――ではご挨拶からお願いいたします。
木村拓哉(以下、木村):今日はお集まりいただいてありがとうございます。こういう場に立たせていただくのは久々なのでちょっと緊張しています。4月29日、公開がせまってきております。是非その際には僕らが全員で作った『無限の住人』を受け取ってください。どうぞよろしくお願いします。
(会場:大きな拍手)
杉咲花(以下、杉咲):こんなにたくさんの方々が映画を楽しみに待ってくださっているのかと思うと本当に嬉しいです。今日はどうぞよろしくお願いします。
(会場:大きな拍手)
――2015年11月から翌年1月にかけて京都で行われた撮影。思い出に残っていることはありますか?
木村:今、今日、このタイミング、での京都は素晴らしい気候なんですけど、撮影時は“極寒”だったんです。順光(じゅんこう)と言って、正面から太陽の光が当たっているときは、普通に話していても息が白く映らないんですけど、横や後ろからの斜光(しゃこう)っていう光になると白い息が映ってしまうので、氷入りの紙コップが配られて氷を噛み砕いて口の中を冷やしてからやってましたね。
――体が震えたり大変だったのでは?
木村:衣装は着流しで素足に草履を履いているだけ。寒さ対策はとくになくて、ずっとそのスタイルでしたね。
杉咲:木村さんはしかもカイロを1枚も貼らずに。
木村:いや、嫌じゃないですか。ぐぁっとアクションした後にボトッと落ちたら(笑)。
(会場:笑)
杉咲:すみません。わたしは10枚くらい貼ってました。
(会場:笑)
――では杉咲さんは?
杉咲:わたしも氷の話をしようと思ってたんですけど。…(少し考えて)本当に寒い撮影だったんですが川につかったまま死体を演じられていた方もいて。ガクガク震えながらみんなで寒さを乗り越えました。
――京都の思い出は総じて“寒かった”ということでしょうか。
木村:確かに寒かったことは寒かったんですけど、冷えた空気だからこそ澄みきった空気感が映像に全て投影されていると思いますし、やっぱり京都という環境が撮影を可能にしてくれたところが大いにあるので。先ほど太秦のスタジオからこちらの方にお邪魔したんですけど、スタジオの方たちみなさんが必ず「おかえり」と言ってくださるんで「ただいま」という言葉で、いつも作業させてもらえることに感謝しています。
――撮影時にその方々から刺激を受けたようなことはありましたか?
木村:僕らがアクションをさせてもらっているのを参加くださった役者さんら、みなさんが注意深く愛情深く見つめてくださっているので、そういう方たちからサムアップ(親指を立てる)だったりとか、監督のOKとは別に、頷きながらみなさんが次の支度に入っていかれるような光景を見るといい現場に参加させていただいてるなぁと感じましたね。男性も女性も、性別を問わずワンカットワンカット全力で支えてくださいました。
――初めての三池組については?
木村:共通言語はもちろん日本語なんですけど、海外の作品に参加しているようなモチベーションがものすごく熱くて高い、すごく独特な組でした。
――杉咲さんから見て、万次と木村さんの似ているところはありましたか?
杉咲:万次さんは自分の体をはってまで凜を守る用心棒なんですけど、それと同じように木村さんは寒い中撮影していても相手のことをまず気づかってくださるんです。「寒いからコート着とけよ」とか言ってくださって。自分のことより相手を思いやってくださるというのが共通する部分だなぁと思います。
木村:(一瞬、照笑)やっぱり女性は冷えちゃいけませんから。少しでも暖を取ってもらわないと。「着れば?」って言うと1回目は絶対「大丈夫です!」(ちょっと杉咲の話し方を真似て)て言うんですよ、でも「いや大丈夫じゃねぇだろ、着ろよ」って言うと「はいっ!」(またもや真似て)て。毎回。あの、僕、面倒くさがり屋なんですよ。傷だらけのメイクをしてもらった上からコートを着たり、またそれをいちいち脱いだりするのが面倒なので(自分は)そのままいただけです。
――撮影地である京都を皮切りに全国10都市周るキャンペーンを行うとのことですが、それへの意気込みをお願いいたします。
木村:直接みなさんと向かい合って作品を手渡せることが嬉しいんです。特別な思いになってしまうかもしれませんけど、こういうキャンペーンを通じてまた熊本にお邪魔できることもすごく楽しみです。
杉咲:ここまで多くの場所にお邪魔させていただくのはわたしにとって初めての経験ですごくドキドキしているんですけど、直接みなさんのもとに自分の足でお届けにいけることは本当に嬉しくてとても楽しみです。
――撮影時は“極寒”でしたが、暖かい春の京都でやってみたいことはありますか?
木村:(桜の団扇を振る客を見て)分かった分かった(笑)。みなさんが持ってくださってるのもそうなんですけど、やっぱり桜じゃないですか? でも、暖かい京都は初めてなので逆に「寒くねぇ!」って個人的に今、違和感があるんですけど、せっかくこんな気候のときに来れたので神社やお寺を周ってみたりしたいなぁと思いますね。昨日収録で嵐山のほうへ行ったんですけど、今までは早朝の嵐山しか通ったことがなかったので、こんなに人がいるんだって思いました。
杉咲:わたしはかき氷が好きで『無限の住人』の撮影中も時間が空いたら食べに行ったりしたんですけど、やっぱり冬なので、すごい寒かったんです。ガクガク震えてしまって。でも暖かくなってきたのでそろそろいいかなと。
木村:昨日のその撮影でも「かき氷を食べたい」って言い出したのでいろいろ周ったんですけど「この時期にやるかい! 4月からや!」って言われました。
――では最後に木村さんからメッセージを。
木村:ワンカットも見落とすことなく受け取ってほしいので、映画館の客席に着く前に必ずお手洗いを済ませて、すっきりした状態で最初から最後まで堪能してほしいです。どうぞよろしくお願いします。
(2017年3月30日更新)
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