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お久しぶりから2年連続など、常連監督の最新作が百花繚乱
ずばり《第12回 大阪アジアン映画祭》の必見作はコレだ!

3月3日(金)~12日(日)まで、梅田ブルク7、ABCホール、シネ・リーブル梅田、をはじめとした会場で開催される大阪春の風物詩《大阪アジアン映画祭》(以下、《OAFF》)。第12回を迎えた今年は、新会場に阪急うめだホールが加わり、利便性がアップ! 買い物ついでや仕事帰りに、ぜひ選りすぐりの最新アジア映画を楽しんでほしい。

過去最多の計58本(うち、世界初上映16本、海外初上映3本、アジア初上映2本、日本初上映29本)が上映される今年の《OAFF》。その特徴としてプログラミング・ディレクターを務める暉峻創三氏は、「今年の特集企画[アジアの失職、求職、労働現場]に象徴されるように、現代社会を映し出そうとしている作家は労働に絡むテーマを描き、優秀な作品を生み出している」と分析。また、コンペティション部門を16作品と過去最大作品数にした狙いについて、「香港映画の新作、しかも新世代の作品が良品揃いで、香港映画界にとても大きな変化が起こっている。そのうねりを《OAFF》のコンペティション部門を観た人に感じてもらいたい」と語ってくれた。

映画祭のプログラミング・ディレクター暉峻創三氏に聞く
今年の映画祭の見どころとは―― その②
常連監督作品に注目!
 
『ミセスK』
《OAFF2010》に盟友、故ヤスミン・ハフマド監督出演作の『心の魔』が上映されたホー・ユーハン監督。ベティ・ウェイという名でも知られてきた香港のベテラン女優、カラ・ワイがクールなアクションを披露。香港を代表する俳優サイモン・ヤムも出演の今アジアで最注目のアクション映画が現地公開に先駆け、オープニング作品で登場! 豪華ゲストの登壇も期待できそう。

 
 
『PARKSパークス』
ABCホールでの初開催となった《OAFF2009》で『彼方からの手紙』が上映された瀬田なつき監督。商業作品でも瀬田カラーで透明感と独特のポップさを併せ持つ作風は健在。今回は井の頭公園を舞台に、瀬田作品でお馴染みの染谷将太や、橋本愛ら人気俳優を迎えて描く音楽青春映画が登場!

 
 
『キタキタ』
《OAFF2014》コンペティション部門スペシャル・メンションの『アニタのラスト・チャチャ』シーグリッド・アーンドレア P・ベルナード監督最新作。今回は全編北海道ロケのラブストーリーを世界初上映!

 
 
『七月と安生』
コンペティション部門が設置された記念すべき《OAFF2011》で見事初代グランプリを受賞した『恋人のディスクール』デレク・ツァン監督の最新作。高校生の恋の三角関係と運命のいたずらを瑞々しいタッチで描く青春映画。

 
 
『77回、彼氏をゆるす』
《OAFF2015》コンペティション部門で主演シャーリン・チョイがスペシャル・メンションを得た『セーラ』ハーマン・ヤウ監督の最新作。シャーリン・チョイと再タッグを組んでいる。「今までにないタイプのラブコメ。主人公が小津安二郎のファンであるという設定が、スパイスとして魅力的に機能している」
 
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『一日だけの恋人』
《OAFF2011》でABC賞を受賞した『アンニョン! 君の名は』バンジョン・ピサンタナクーン監督最新作。前作は韓国を舞台にしたロードムービーだったが、今回は北海道が舞台。主演は『アンニョン! 君の名は』のチャンタウィット・タナセーウィー。異国を舞台にしたロードムービー、前作との違いをチェックするのも楽しいかも。

 
 
『至福』
《OAFF2014》で『もしもあの時』が上映されたジェロルド・ターログ監督最新作を世界初上映。「前作は大人のラブストーリーだったが、今回は打って変わって刺激的な作品に。作家のふり幅の大きさを感じてもらえるはず」。映像の美しさには定評のあるターログ監督。最新作にも注目だ。

 
 
『女士の仇討』
《OAFF2016》で『荒らし』が上映され、今年の《OAFF》開催期間中シネ・リーブル梅田で『クレイジー・ナイン』のタイトルで公開されるファイアー・リー監督最新作を世界初上映。今回は、3人のスーパーウーマンが暴れまくる!「往年のショウ・ブラザーズ映画を思わせる作風」だとか。
 
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『52Hz, I LOVE YOU』
《OAFF2012》で『セデック・バレ』が圧倒的支持を受け観客賞を受賞、《OAFF2014》の『KANO』(プロデュース作。劇場公開タイトル『KANO 1931海の向こうの甲子園』)も見事観客賞を受賞したウェイ・ダーション監督最新作。今まで一貫して日本と台湾の関係に根差した作品を撮ってきたウェイ・ダーション監督だが、本作はそのテーマから離れ、さまざまな愛の形に悩むカップルの物語を描く音楽ラブストーリー。新ジャンルに期待大!

 
 
『わたしは藩金蓮じゃない』
《OAFF2009》で『誠実なおつき合いができる方のみ』(劇場公開タイトル『狙った恋の落とし方。』)がクロージング上映、《OAFF2015》「東日本大震災から4年 メモリアル3.11」で『唐山大地震』が上映されたフォン・シャオガン監督最新作。中国を代表する女優ファン・ビンビン主演。「今までヒットメーカーで鳴らしてきた監督だが、思い切りアートに寄った作品になっているため、日本公開が決まっていない」というお宝作品。

 

取材・文/江口由美




(2017年2月15日更新)


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Event Data

《第12回 大阪アジアン映画祭》

会期:3月3日(金)~12日(日)
会場:梅田ブルク7、ABCホール、シネ・リーブル梅田、阪急うめだホール、他

※料金、上映スケジュール等詳細は公式サイトをご確認ください。

【公式サイト】
http://www.oaff.jp/2017/ja/index.html

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