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土井コマキのシネマライフ


今回紹介するのは…
『チキンとプラム
~あるバイオリン弾き、最後の夢~』

チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~
(C)Copyright 2011Celluloid Dreams Productions - TheManipulators - uFilm Studio 37 - Le Pacte- Arte France Cinema - ZDF/ Arte - Lorette Productions- Film(s)

マルジャン・サトラピ監督の最新作!
独特の色彩表現と繊細な映像で贈る
切ない愛の物語

【あらすじ】

2007年のカンヌ国際映画祭で話題を呼んだ『ペルセポリス』のマルジャン・サトラピ監督の最新作。大切なバイオリンを失い、死を決意した男の人生と、彼の胸に残る叶わなかった恋の顛末をユーモアを交えて描き出す。主演は、『潜水服は蝶の夢を見る』等で注目される演技派俳優マチュー・アマルリック、そして『ブルーベルベット』のイザベラ・ロッセリーニ、『そして僕は恋をする』のキアラ・マストロヤンニら、ヨーロッパが誇るミューズが艶やかな華を添えた、世にも美しい独特の色彩表現と繊細な映像で贈る切ない愛の物語。主人公ナセル・アリは天才音楽家と称される日々をおくっていたが、大切なバイオリンを壊されてしまい、生きる喜びを失い死ぬことを決意する。そして最期の8日間で、彼はこれまでの人生を振り返る。空っぽな音だと叱られた修業時代と絶大な人気を得た黄金時代の日々。さらに、今も忘れられない叶わなかった恋にも想いを馳せ――。

【Movie Data】

●11月10日(土)より、梅田ガーデンシネマ、
京都シネマ、シネ・リーブル神戸にて公開

公式サイト
http://chicken.gaga.ne.jp/

「土井コマキのシネマライフ」一覧

コマキ's レビュー

芸術家の話ではあるけれど、全ての大人に通じる物語
深まり行く秋にぴったりな映画です

主人公の天才音楽家、ナセル・アリが、死を決意し最期の8日間で自らの人生を振り返るという少し変わったラブストーリーです。空っぽな音を奏でるアリにバイオリンの師匠が言う、とても印象的だった言葉があります。「失くしたものは、全て君の弾く音の中にある」。情緒のない言い方をしてしまうと“芸の肥やし”というやつです。煙、雲、ため息…など掴めないもの、消えてしまうものが映画の中には象徴的に出てきます。壊れたバイオリン、失くした恋…手に入らなかったものは、だからこそ美しく愛しい。人は何かを失った時に、労る気持ちや傷つくことの痛みなど、何かを知ったり手に入れるのだと思う。芸術家はそれを作品にして表現する。それが「失くしたものは、全て君の弾く音の中にある」ということかもしれない。では芸術家ではない人はどうか。やはり何かを失った後に発する言葉や、他人への振る舞いは、以前とは違うはず。とすると芸術家でなくとも、人はみな「失くしたものは、全て君の弾く音の中にある」のではないか。芸術家の話だけれど、全ての大人に通じる話なのではないかと思う。深まり行く秋にぴったりな、じっくり鑑賞してほしい映画だと思いました。


 

コマキは見た! その①

チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~

デビュー作『ペルセポリス』同様、自身のコミックが原作ということで、ちょっと作り物っぽさが残った背景も、ファンタジー度が増して効果的です。とにかく美しい映像がとても素敵。アニメと実写の混ざり具合がいい感じ。どこを切り抜いても絵本に出来そうな美しさ。幻想的でちょっとノスタルジックな色合いもいいです。

コマキは見た! その②


女性のエレガントな衣装が素敵。特にすっと目を惹く上品な足下。ストッキングを履いたふくらはぎの曲線が結構色っぽくていいかも。私は、ししゃもふくらはぎなので履けないけど。ナセル・アリの視点を伺うと、文化系男子にとって女子のどこが魅力的で、何がアウトなのか、よくよく分かります。あ~単純!

 

コマキ's select 『チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~』に捧げる“5 Songs”


映画を観て、選びに選び抜いたコマキ的
『チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~』に
捧げる5曲を発表!

①八代亜紀「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」

②Tamas Wells「Thirty People Away」

③sleepy.ab「アーケイディア」

④初恋の嵐「Nothin'」

⑤Edith Piaf「Sous Le Ciel De Paris」

儚くきえてしまった大切なものを思い浮かべる曲たちを選びました。
①は先日発売になった小西康晴プロデュースによる八代亜紀さんのジャズアルバムより。ナイトクラブで歌い始めたころを思い出してレコーディングしたんですって。わたしハスキーな女性ボーカルが好きなのだと再認識しました。このアルバムいいですよ~。
②③は悲しいけど美しい。いつか共演してほしいって思う2組。
④は狂おしいほど切ない失恋の曲。
⑤エディットピアフをおいて他に人生の切なさを歌い上げる人はいません。あぁ、いい5曲だなぁ。

 

「millibar×チキンとプラム~あるバイオリン弾き、最後の夢~」
スペシャルメニューが登場!

カルーチャー情報の発信地カフェ「ミリバール」にて、
本作品の公開を記念して、期間限定で作品をイメージした
特別メニューが登場します。こちらも要チェック!!

キャンペーン期間:11月5日(月)~11月25日(金)

【スペシャルメニュー】
☆リゾットを詰めたチキンのロースト赤ワインソース
 ~プラム風味~:1,000円
☆すもものモワールショコラ:600円
☆ヴァンショー:600円
※3点セットでご注文頂きますと1,800円に!

特典1:
期間中に本作の劇場鑑賞券の半券提示で会計時に合計金額から100円OFF

特典2:
カフェ「ミリバール」に設置してある割引券付きチラシを本作鑑賞前に提示すると、劇場窓口表示料金から200円OFF(一般のみ)
※梅田ガーデンシネマのみ有効
※1枚につき2名様有効
※他割引券、割引制度との併用不可
※オールナイト、レイトショーを除く

欧風食堂ミリバール
【住所】大阪市西区立売堀1-12-17 artniks bld.1F
【営業時間】11:30~23:00(※タイアップメニューの提供は15:00~22:00)
【TEL】06-6531-7811
【HP】http://www.artniks.jp/millibar

 

次回更新は11月16日(金)予定!


(11月1日更新)


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