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土井コマキのシネマライフ

 

今回紹介するのは…
『ゴーストライター』

ゴーストライター(C)2010 SUMMIT ENTERTAINMENT, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

『戦場のピアニスト』の
名匠ロマン・ポランスキー監督による、
ベルリン国際映画祭で監督賞を
受賞したサスペンス

【あらすじ】

『戦場のピアニスト』で、アカデミー賞監督賞をはじめ、世界各国の幾多の賞を受賞した巨匠ロマン・ポランスキー監督の6年ぶりの最新作。英国の作家ロバート・ハリスの小説をもとに、元英国首相が自伝出版のために雇ったゴーストライターが、ある秘密に気付いたことから政界の陰謀に巻き込まれてゆく過程をスリリングに映し出している。緊張感あふれるストリーテリングは圧巻のひと言だ。ユアン・マクレガーが謎が謎を呼ぶ政界の暗部に翻弄される主人公のゴーストライターを演じ、元英国首相アダム・ラングには007シリーズでおなじみのピアース・ブロスナン、そしてラングの秘書を『セックス・アンド・ザ・シティ』のサマンサこと、キム・キャトラル、また名優トム・ウィルキンソンもキーパーソンとして登場するなど、演技派俳優たちによる演技合戦も本作の見どころだ。

【Movie Data】

●シネ・リーブル梅田ほかにて絶賛公開中

公式サイト
http://ghost-writer.jp/

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コマキ's レビュー

観賞後の第1声は、さすがロマン・ポランスキー監督!
としか言いようがない!

思い返してみて、改めてすごいと思うのは、画面の色が思い出せないことです。フルカラーの映画のはずなのに、カラーの印象がない。記憶が全てモノクロ。モノクロ映画なのに色鮮やかな印象を受ける映画を見た事はありますが、こんなの初めて! オープニングからイヤな予感がするんですが、それが最後まで途切れないんです。天気に例えると曇天続き。心の中に重く黒い雲がずっとたれ込めていて気持ちが圧迫されます。舞台は、名も無い孤島に建つ、超近代的なラング邸宅。壁一面がガラス窓で、開放感のあるオフィス。温度も湿度もベスト、そして清潔で居心地が良いはず。素晴らしい住環境! なのに、のしかかってくる、息が詰まるような重い空気。目にするもの全てが怪しく見えてくるから不思議。あの建物には何かが棲んでいる…。サスペンスには完璧な舞台です。もちろん謎が深まり解明されてゆく流れも、完璧! 何回も「あれ?そうなの?」と自分の推理が覆されました。超古典的なものと超現代的なものが謎解きのキーになってるし…。いやはや本当におもしろかったです。さすがポランスキー監督!

 

コマキは見た! その①

ゴーストライター

『セックス・アンド・ザ・シティ』でエロス大爆発なサマンサを演じていたキム・キャトラルが、ゴーストライターに自伝執筆を依頼した元英国首相の秘書役なんです。階段を上るタイトなスーツの後ろ姿、あのボディラインはエロい! 絶対怪しい! 元首相と色っぽい関係? なんて、女はすぐに詮索してしまいがちですが、そんな私を含めて、女は怖い生き物ですね。

コマキは見た! その②

ゴーストライター

ユアン・マクレガーのシワから目が離せませんでした。ユアンってあんなに眉間にシワがありましたっけ? あれほど追いつめられたら、そりゃシワも寄るでしょうが…。眉間のシワってすごい同情心をかき立てられますね。気づいたら私も眉間に力が入り「深入りするな、逃げろ」って真剣に心配してしまいました。ユアン・マクレガーの眉間のシワに賞をあげたいです。

 

コマキ's select 『ゴーストライター』に捧げる“5 Songs”


映画を観て、選びに選び抜いた
コマキ的『ゴーストライター』に捧げる5曲を
発表!

①「Sleep Warm」Cornelius

②「ゲルニカ」中村一義

③「決別の旗」おおはた雄一

④「フェンスのある家」ORGE YOU ASSHOLE

⑤「After Image」toe

①はコーネリアスのハートウォーミングな1曲。この温かさは、現代的な正統サスペンス映画にピッタリだと思う。エンディングにこういう音楽があってもいいな…心安らかに眠れるように…。
②は、お金、名誉、利権がらみのいざこざは永遠に続くんだろうなという悲しみに捧げます。
③はラストシーンの主人公はきっとこういう気分で、あの後、全てを忘れて一般市民の生活に戻るためにお酒でも飲みにいったはず!な1曲。
④の世界観を感じる、とても印象的な元首相邸宅。
上質で理知的な⑤をあの家で聴いてみたい。

 

次回更新は10月21日(金)予定!


(10月7日更新)


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