ツボをつく音楽の使い方は、映画『モテキ』の魅力のひとつ。
さらに物語も突っ込み所がいっぱいで、幸世ダメ出し女子会をしたくなるはず

私は、特に麻生久美子さんが演じたるみ子に注目して観てました。誰でも恋をしたら、好きな人に似合う女子になりたいって無意識に努力すると思うんです。ただ「頑張るから嫌いにならないで」的なことを言葉にはしないですよね。それを言ってしまうるみ子はやっぱり重い？　私は、そこまで言わせた幸世が悪いと思う。それから思わせぶりなみゆき。私は幸世に対して絶対本気だと思うなぁ。誰かに救ってもらいたいと思っていて、それは幸世だとどこかで気づいてるんですよ。だけど幸世とくっついたら生活レベルは落とさなきゃいけないし、仕事の人間関係もメンドクサイことになる。踏み切れないわけです。だから、さらってしまって欲しいわけです。そんな女心がワカランのか、幸世よ。そりゃワカランよな…。ワカランから幸世やもんな。幸世のように発達しすぎた自我の為に素直に行動できず、くすぶり続け、自分の趣味世界サブカルにますます寄りかかってしまう人種。それを能町みね子女史(※)は「モテない系」と命名したんですよね。実際に恋人がいるとかいないとか既婚未婚とか関係なく。あぁ他人事とは思えない。