関西最大のライブサーキット
『MINAMI WHEEL 2012』の出演者の中から
独断と偏見と愛をもってススめる
ラインナップ“推しメン”企画リターンズ・第7弾！

　大阪ミナミ一帯のライブハウス20ヵ所以上を舞台に繰り広げられる、関西音楽シーンの秋の名物イベント『MINAMI WHEEL』。パス1枚で1日ライブ見放題のスタイルで、これからの音楽シーンを担う注目新人を中心に、今年もジャンルレスに300 組以上が出演する同イベント。ぴあ関西版WEBでは、昨年好評を博したカウントダウン企画として、関係各者が選んだオススメアーティストをピックアップする『MINAMI WHEEL 2012 “俺の推しメン” リターンズ』を今年も始動。そして遂にミナホも開催目前！　第7回目にしてラストを飾るのは、顔面同様濃いインタビューで真相に迫る、当ぴあ関西版WEB音楽担当：奥“ボウイ昌史”がレコメンド！

--------------------------------------------------------------------------------

　まさか自分で作ったコーナーを自分で締めることになるとは思いませんでした。今年はそれだけ追い詰められているのです。だって、この原稿を書き始めたのが、ミナホ当日の15:23です。だからここは開き直って、“これから何を見て廻ろうかな？　グヘヘヘ”とワクテカしているお客さんと同じ状況で、脳内ミナホクルージングを開始しようと思います。誰か僕にウォッカのレッドブル割りをください。追い詰められています。

　まずは初日、オススメしたいのは南壽あさ子です。正直焦りました。しょっぱなから“なす”で変換しても文字が出て来ない。コピペしました。追い詰められています。ショートカットなだけで好きになるという国指定の難病に冒されている僕は、すいません。この娘は顔面から入りました。しかも黒髪となるとご飯三杯いけます。しかし、いざ音を聴いてみると…素朴で胸にしんしんと降り積もるささやかな感情の機微…どこか田舎の風景を喚起させる世界観に惹かれるじゃありませんか。会場でガン見していてる僕にやましい感情はありません。優しく見守ってください。あとは、信頼してる鬼、じゃなくて敏腕ディレクターさんが手掛けているのを知って間違いないと確信するつづくバンド、どこか孤独な楽曲も好きですが、方言バリバリMCにギャップ萌えの真空ホロウも観たい。彼らは何かクセになるんです。

　そして2日目。今年の名前・オブ・ザ・イヤーの死ぬまで生きるもんズは観たい。人は見た目で判断していいと思っている僕なので(だってそこに絶対に人が出るから)、バンド名とかアー写とかジャケットは大事です。そこにセンスが全く感じられないけど曲はいいなんてバンドは少ないと思います。残念ながら年内で解散が決まっているそうなので、気になる人はチェックを。河内REDSもレペゼン南河内の僕は反応せざるを得ません。河内REDSなのに今は奈良在住という裏切り行為には拳も震えますが、歌詞が沁みるので許します。夜行性のドビュッシーズも名前最高、音も荒くれ者のはぐれ狼な感じでずっと気になってました。あと、ヴィレバンであてもなくウロウロしたときにうっすらと遠くから聴こえてきた歌声…何だか気になってふらふら～っと近付いていったところにあったのがタルトタタン。いわゆる“今の音”と言えるアイドル風味の浮遊系のエレクトロポップ。気になります。NAMPA BOYSも自分たちの見せ方のコンセプトから引きずりこんどいて曲もいい。そして、先入観なく観て欲しいのが中島卓偉です。昔ビジュアルぽかったとか思ってませんか？　そんな概念とか微塵に吹っ飛ばすくらいのエゲつないボーカリストです。ツイッターを見ていると、名言botと見間違えるくらい真理を突いた言葉ばかりでビックリします。出会いを求めるなら先入観はホント敵なんです。あと、忘れらんねえよは、僕を信じて“このインタビュー”を読んでください。ここに全て書きました。これ読んで無理だったら無理だと思います。ただ、何か感じるものがあったら、このバンドとは長い付き合いになりそうです。是非ミナホ中にそんなあなたと呑みたいです。さ・ら・に、岩崎愛ちんぐは某セカイ●イチというバンドの某岩崎●慧という大酒呑みの妹なんですが、元々持っていた才能が、ここにきて遂に開花してきた予感がヒシヒシ。新作もすばらしい。何より人間的に愛すべき娘だから、もちろん歌もいいんです。この娘も酒呑みですが…。あと、ハグレヤギもDr.DOWNERも試聴したけどいいなぁ。ビッケブランカも洋邦いいとこどりのハイブリッドだし、soratobiwoは個人的によく行くライブバー酔夏男の店長がフロントマンなので、オススメしておけば向こう半年は1杯目無料にしてくれると思うので入れておきます。真摯な姿勢が音にも現れているバンドです。応援してるよ。しかし、いいバンドいっぱいいるなぁ。

　そして、ようやく3日目。現時点で16:19です。もうスタートがリアルに近付いてきてヘンな汗が出てきそうです。この日のしょっぱなはpechica。もうとにかく『sublimation』って曲がおもちゃ屋の前で泣き叫ぶ子供のようにジタバタしたくなるほど良いです。きったん(vo&p)は今までにライブを観た時間より呑んでる姿を見てる時間の方がたぶん長いと思いますが、ステージに上がったときにちゃんと“アーティスト”になる。日常と地続きもいいですが、こういうスイッチも魅力的。あとこのバンドはベースがスゴい。フレーズ、音色共に、ベースヒーローになれる資質を持ったプレイヤーだと思います。そして、今気付きましたがこの企画、3日目不利です。(飯室)大吾も言ってましたが、正直疲れてきてます。あといっぱい書き過ぎたかな…って自重するムードが自分に出てきてます。いかん俺！　今自販機でビタエネC買ってきました。“HEALTHY & REFRESH”って書いてあるので、多分大丈夫だと思います。続いてはEG。エレキギター弾き語りのアーティストです。これがまた、切なさ成分たっぷりの歌声にも透明感と世界観のあるギターにもストーリー性が高くメロディアスな曲にも、全てにオリジナリティがある稀有な男です。聴いたことがあるようで実はない音楽だと思います。あと、“え？　宮崎あおいミナホ出んの!?”って思ったら山崎あおい。って書きたかっただけなんですけど、試聴したらなかなか良い(笑)。爽やかでほのかな光を感じさせる正統派ポップスですね。そうじゃない部分もライブでは観たい。そして、関西のインディーシーンにおいて“誰かいいのいないの？”と聞かれたら、個人的に一番に名前を出すシンガーソングライターが浜田一平です。“午前三時の吟遊詩人”とはよく言ったもので、ものすごく世界観を言い表していると思います。憂いのある歌声とメロディは空気が震えるというか…期待しているアーティストです。呑めるしエロいしそういうとこも好きです。チャンスを掴んで欲しいですね。あと奥ボウイとしては外せないのはSTOROBOYですね。皆さんご存知だと思いますが、ボウイに悪い人はいません。サウンドは超クールですよ。ニューウェイヴでダンサボーですよ。何だよ。カッコ良過ぎるよ。ズルいよ。オシャレだよ。しかもたぶんそれに嫌味もないよ。きっと顔もいいに決まってる。じゃあもう勝てないよ。LEO今井とかQUATTROとか80kidzとか好きだったらチェックしてください。そうじゃなくてもチェックしてください。

　という感じで今17:05です。他にもオススメしたいバンドはいっぱいいるんです。去年も含めて例年推してきたバンドもそうですし、僕は最後発ということで、他のセレクターの方がすでにオススメしてくれたアーティストは極力外しました。それでもこれだけいるんだからミナホってスゴい。それでは後ほど会場でお会いしましょう！　バイバイ～。

（2012年10月12日更新）