ホーム > インタビュー&レポート > 「やっぱりこの4人じゃないとダメなんだ」 ブルエンに訪れた第二の青春。充実のツアー前半戦の思い出から 新曲『BLADE』、話題のリクエスト企画までを語り尽くす! BLUE ENCOUNTインタビュー&動画コメント
『BLADE』はBLUE ENCOUNTである意味や必要性を改めて感じた曲
――先日、ゲスト出演した『FM802 MINAMI WHEEL 2025 -New Age- FINAL』は、後進の学生バンドたちに大きな背中を見せたライブでしたね。
田邊(vo&g)「独特の緊張感がある現場でしたし、そんな中で自分たちができることは、この20年で培ってきた全ての武器を出し惜しみぜずやり切ることだったので。たった7曲でしたけど、しっかりとBLUE ENCOUNTの歴史を若人たちに振りかざしました。先輩からのライブハラスメントです(笑)」
――アハハハハ!(笑) 楽曲、音圧、演奏力、あるゆる面で圧倒的でしたよ。
辻村(b)「そこにいる全員に夢を追いかけていたので、僕らも奮い立ちましたね」
――5~8月には『BLUE ENCOUNT tour 2025 "Meet the Quintetto"』の前半戦が行われましたが、まずは振り返って印象深かった公演はありますか?
田邊「秋田のClub SWINDLEと、長野のCLUB JUNK BOXは灼熱でした。空調が効かなかった物理的な暑さは置いといて(笑)、特に長野は全ての波長が合っていた日でしたね。『Alliance of Quintetto』自体がライブハウスを想起して作ったアルバムでしたけど、自分たちのマインドとかメッセージ性がようやくカチッとハマってきて、今までで一番いいライブができた感覚があって。コロナ禍やツジ(=辻村)の渡米を経ていろいろと乗り越えてきた中で、"やっぱりこの4人じゃないとダメなんだ"と、4人でいる確固たる意味が確立された日だったと思います」
辻村「僕はこのツアーで久々に日本の各地を堪能できましたし、9年ぶりぐらいに行ったライブハウスもあったんですけど、印象的だったのは鹿児島のCAPARVOホールと熊本のB.9 V1ですね。鹿児島のライブ当日は僕の誕生日で祝ってもらえたんですけど、次の日の熊本も田邊とよっちゃん=高村佳秀(ds)の誕生日が近かったのでお祝いして。お客さんと一緒に誕生日を祝えるのは人生においてもなかなかないなと思って」
――辻村さんが渡米してからここ2年はゲストベーシストを迎えてライブをしてきて...やっぱりこの4人なんだと改めて再認識できたなら、いい旅でしたね。
田邊「マジでそうですね。必要な時間でしたし、この2年で楽曲もレベルアップしましたから。最近は、辻村と高村が僕が書いた曲をブラッシュアップしてくれるので、辻村がアメリカに行ってディグってきた知識も生かされますし、今回のツアーでもその刺激はしっかり確認できていますね」
――新曲の『BLADE』も7月にリリースして間もないのに、すでにライブでも結構なアンセム感を漂わせていて。
田邊「もう定番曲に、代表曲になったんだなと思います。ブルエンっぽさもたっぷりあるし、『BLADE』はBLUE ENCOUNTである意味や必要性を改めて感じた曲でもありますね」
――ブルエンのお家芸とも言える疾走感×爆発力が凝縮された一曲で、『名探偵コナン』等で知られる青山剛昌原作のTVアニメ『真・侍伝 YAIBA』とのタイアップ曲ということで。
田邊「本当に光栄でしたし、そもそもこのお話をいただく前に、"再アニメ化決定!"みたいなニュースを見ていたのでうれしかったですね。去年の夏ぐらいに制作チームの皆さんとZoom会議をしたんですけど、そこのキックオフで監督さんの熱量や思いを伺うことができて。今回は初めてのマインドで作ってみたくて、普段ならすぐ弾き語り音源をスマホに収めるのをあえて寝かせて、改めて原作を一巻から読み解いたり、打ち合わせの内容を反すうしたり...ここでスタジオに入らないと締め切りに間に合わないという最初で最後のプリプロでできたのが『BLADE』なんです。しかも、最初のクールで1番の歌詞、次のクールで2番と、2期連続で使っていただけるとのことで、ファンの皆さんに"これだよね"と言ってもらえる、この作品に合うブルエン印のロックでエイトビートなナンバーを作りたいなと」
辻村「あとは、僕らが作るからにはアニメで聴いて、ライブで見ても遜色がないように、その熱量をちゃんと音源にも入れたいなと思って。座って弾いても汗をかくぐらい、いい意味で突っ込み気味の演奏をしてみました。あと、よっちゃんとトラックを作っていて、『真・侍伝 YAIBA』で流れるなら剣で戦っているような効果音を入れたらどうだろうという話になって。ただ、やり過ぎると逆にダサくなっちゃうし音楽的じゃないから、剣の音がちゃんとパーカッシブになるようにこだわりましたね」
田邊「若かりし頃から青春を彩ってくれた青山剛昌先生の作品の一部になれたのはうれしかったですし、視聴者の方と同じタイミングで作画の完成版を見たんですけど、頭の中で思い描いていたまんまの世界が広がっていたので、テレビの前で思わずガッツポーズしました(笑)。まだ雲の上にいるようなふわふわした感覚ですけど、ライブで歌うと不思議なことにちゃんとブルエンの曲になるんです。"真剣"というのが曲のテーマなので、さっき話した『FM802 MINAMI WHEEL 2025 -New Age- FINAL』で若い学生バンドたちの"真剣"と相まみえて、意図せずその日を総括することになったとき、これは確実にブルエンの曲になっているなと感じましたね」
ライブはAIじゃ表現できないから
――今後も国内外のフェスやイベントに出演しつつ、11月よりいよいよ『BLUE ENCOUNT tour 2025 "Meet the Quintetto"』の後半戦、ファイナルシリーズへ突入します。
田邊「今年は何か...青春ですね。久々に4人で全国津々浦々でライブして、酒を飲んで、みんなで街を練り歩いて...これぞバンドマンということをやれていて。ツジが渡米前はどうしても焦りと不安でピリついてかみ合わない時期もあったし、単純にビザの手続きの難航もあってツジ自身も結構大変でしたけど、自分たちがやりたいことをやり切って、やり続けた今だからこそ、この信頼関係でまたツアーを回れている。去年、おととしはツジがいない中でBLUE ENCOUNTを世に出し続けることに重きを置いていましたけど、今はしっかり人と人の間で音楽をやれているので」
辻村「それが音とかライブにも出ているんじゃないかな? 逆に悪いときもそうだし、やっぱり僕らは無垢でいたいというか、変に賢くやらない方がBLUE ENCOUNTらしい大事なところが伝わるんじゃないかと思っていますね」
――冒頭で話した『FM802 MINAMI WHEEL 2025 -New Age- FINAL』のライブを見て思いましたけど、時代やトレンドがどうこうじゃなくて、目の前ですごいライブを見せられたら理屈抜きに感動できる単純明快な気持ち良さがあって。こんなライブができている間はバンドは絶対に大丈夫だと確信しました。
田邊「これからもライブって一生そういうものなんでしょうね。ライブはAIじゃ表現できないから、体験という経験値の居場所になるので、きっちり続けていきたいなと思いますね」
――そして、ファイナルシリーズは単なるアルバムツアーではなく、ライブの定番曲3曲とレア曲3曲をファンにリクエストしてもらって、選ばれた楽曲とアルバム曲を織り交ぜたセットリストになると。中間発表も出ていましたが、各地の特色があって面白いですね。
田邊「例えば、定番曲の1位によく入っている『#YOLO』('19)なんてミニアルバムの曲で、MVも作ってないから、まさかでしたね。フェスでもそんなにやってなかったんで」
辻村「ただ、ライブでは爆発的に盛り上がるもんね。レア曲の『MEMENTO』('14)とかは予想がつかなかったな」
――気持ちは随時変わるでしょうけど、現時点で2人がそれぞれ3曲選ぶとしたら?
田邊「まだまだリクエストを受付中ですから、ファンの皆さんにはあくまで参考にしていただくということで、僕は定番曲なら『ハミングバード』('20)が大好きなので入れたい。あとは『だいじょうぶ』('16)と『ONE』('12)ですね。これはもう絶対にやりたいし聴きたい。僕がいつもセットリストを作るんですけど、やっぱりその時々でマインドが変わるんですよ。それこそ『だいじょうぶ』はあまりセトリに入ってなかったんですけど、この前の長野でアンコールの最後に持ってきたら、みんなの反応がすごくて」
辻村「爆発力があるのにハッピーなのもいいよね」
――辻村さんにはレア曲から3曲選んでもらいましょうか。
辻村「1曲目は『ミュージック』('18)ですね。以前、メンバーが各々セットリストを決めるライブがあって、当時も入れたぐらい大好きで。『#YOLO』と同じぐらい盛り上がる曲だと思うし、イントロの歓声がすごかったイメージがあります。意外と日の目を浴びないけどめっちゃカッコいい曲なので、もっとセットリストに入れてくれないかなって。ライブで育つはずだし、フェスとかでもやりたいんですよ。って今、必死にプレゼンしてます(笑)」
田邊「どうしても最終ジャッジが僕になっちゃうから(笑)」
辻村「あと、『それでも、君は走り続ける』('18)は、僕がアメリカに行っている間もすごく支えられた曲で、渡米前に日本武道館でやらせてもらったときも、『だいじょうぶ』とはまた違うハッピーさがあったんですよね。背中を押されるし、明るい照明が似合うというか、映像を見ていても4人が輝いているなと思うことが多い。別にランナーじゃなくても走り続ける理由はそれぞれにあると思うし、キラキラしながらも泣ける曲なので選ばせてもらいました。もう1曲は『opening』('13)ですね。これを選ぶ人はお客さんでも少ないと思う」
田邊「むしろ選択肢に入っていたのに驚いたわ(笑)。これならいつでもやれるよ」
辻村「僕はこの曲だから出る緊張感の中で、田邊が歌っている間に待っているのが好きで。"BLUE ENCOUNTです、よろしく!"でガーッとライブが始まる感じがいい意味で昔を思い出しますし、今ならまた情景も変わって、田邊の歌い方も違うんじゃないかな。『opening』からの『ミュージック』はアリじゃない? めっちゃ絵が見えたわ」
――これはフロントマンにはない発想で。そうやってみんなが思い入れを語れるほどブルエンが曲を出してきたと。
辻村「あのときの匂いまで鮮明に思い出せるというか...音楽っていろいろパッキングされてますよね」
田邊「聴いていた季節とかも思い出す。分かるな~」
――これならツアーの前半戦を見た人もまた違う角度で楽しめるし、しかも全箇所でセットリストが変わるから。
田邊「楽しみだな~今回のセットリストはギリギリまで決まらないので、照明さんとかスタッフチームが今、震え上がってます(笑)。お祭りな感じもあるし、だからこそアルバムの曲も映えてくるというか、今の僕たちがライブハウスに向けて作った『Alliance of Quintetto』が轟くと思っていて。リクエストのアイデアもツアーを回っている最中に浮かんだんですけど、自分たちが考える定番曲とかレア曲じゃなくて、みんなで作っていくセットリストにしたいなって。だから僕らも楽しく結果を仰ぎたいです」
"4人で音を合わせるのって楽しいよね"って興奮した
あの頃の感覚のままやり切りたい
――関西公演は11月29日(土)大阪・Zepp Osaka Baysideですが、中間発表も加味していったいどうなるのか。
辻村「現状レア曲の1位の『「77」』('18)なんて、ライブで全然やってないのにそれだけ待ち望んでる人がいるのはうれしいし、最近のBLUE ENCOUNTのライブはみんなで一緒に楽しもうという感じなので、ライブハウスの後ろまで一人残らず巻き込んで、いいライブにしていきたいと思っています」
田邊「大阪の定番曲の5位がインディーズ時代の『HANDS』('14)で、4位がドメジャーな『バッドパラドックス』('19)というのは、それぞれのタームで出会った人たちが投票してくれたのが伝わってきますね。ファイナルシリーズはちょうど昔から最新の曲までお届けできるツアーだし、僕らは今、青春真っただ中の原点に返れているので、初めてスタジオに入って、"4人で音を合わせるのって楽しいよね"って興奮した、あの頃の感覚のままやり切りたいと思います。4人の人間性が集まって作り上げるグルーヴの楽しさを見せたいですね」
――そんなに楽しんでいる4人を見たら次の10年への希望にもなりますし、ここまでの話を聞いていると、ファイナルシリーズは絶対に面白くなりそうです。
辻村「生でしか実感できない気持ちがあって、それがやっぱりライブの良さで醍醐味じゃないかと思ってます!」
Text by 奥"ボウイ"昌史
ライター奥"ボウイ"昌史さんからのオススメ!
「田邊さんは『バッドパラドックス』から6年ぶり、辻村さんなんて『BAND OF DESTINATION』('14)以来の取材と結構久々でありながら、いざ話せばそんなタイムラグをみじんも感じさせない相変わらずのトークスキル(笑)。新曲の『BLADE』もこれぞブルエンだけど、今だからこそのブルエンでもある仕上がりで、バンドとして一周回って今が一番楽しいというゾーンにいるのが作品から、ライブから、そしてインタビューからもひしひしと伝わってきます。『FM802 MINAMI WHEEL 2025 -New Age- FINAL』で見たライブもめちゃめちゃ良くて、底力あるな~と改めて。"ライブハラスメント"という新語をさらりと発明するのもさすがだわ(笑)。現在実施中のリクエスト企画についても話を聞いて、11月から再開するツアーががぜん楽しみになりましたよ。もう絶対にいいに決まってます! 今こそ見たい/見てほしいバンドです」
(2025年9月26日更新)
Single
『BLADE』
【初回生産限定盤DVD付】
発売中 4180円
SME Records
SECL-3216-17
<収録曲>
01. BLADE
02. GET BACK
03. BLADE-運命ver.-(TV size)
04. BLADE-絆ver.-(TV size)
<DVD収録内容>
『BLUE ENCOUNT
20th anniversary tour 2024-2025
「to B.E.continued」』
01. LAST HERO
02. DAY×DAY
03. ワンダーラスト
04. 有罪布告
05. HEART
06. JOIN
07. D.N.K
08. VS
09. The Chicken Song
10. city
11. DESTINY
12. ユメミグサ
13. YOU
14. chang[e]
15. バッドパラドックス
16. Survivor
17. ポラリス
18. ANSWER
19. gifted
EN. はじまり
・Making of「to B.E.continued」
【通常盤】
発売中 1320円
SME Records
SECL-3218
<収録曲>
同上
Digital Single
『BLADE-運命ver.-(TV size)』
発売中
SME Records
<収録曲>
01. BLADE-運命ver.-(TV size)
Digital Single
『BLADE-絆ver.-(TV size)』
発売中
SME Records
<収録曲>
01. BLADE-絆ver.-(TV size)
ブルー・エンカウント…写真左より、高村佳秀(ds)、田邊駿一(vo&g)、辻村勇太(b)、江口雄也(g)。熊本で結成された、4人組ロックバンド。’14年にメジャーデビュー以降、メッセージ性の高い歌詞と熱いバンドサウンドが話題となり、これまでも『銀魂』『僕のヒーローアカデミア』『BANANA FISH』などのアニメ主題歌のみならず、ドラマや映画、CMなど数多くのタイアップ曲を手掛ける。精力的にライブを行いながら、’23年2月には約6年半ぶりとなる東京・日本武道館でのワンマンライブを開催。翌3月より辻村の活動拠点がアメリカへ移り、日米2拠点での活動がスタート。アメリカ、上海、台北といった海外公演も大成功を収めた。'25年2月には、約5年ぶりとなる5thアルバム『Alliance of Quintetto』を、7月16日には、TVアニメ『真・侍伝 YAIBA』のオープニングテーマとなったシングル『BLADE』をリリースした。
BLUE ENCOUNT オフィシャルサイト
https://blueencount.jp/
『BLUE ENCOUNT tour 2025
“Meet the Quintetto”』
【北海道公演】
▼5月8日(木)北見オニオンホール
▼5月9日(金)CASINO DRIVE
▼5月11日(日)小樽 GOLDSTONE
【長崎公演】
▼6月18日(水)DRUM Be-7
【鹿児島公演】
▼6月20日(金)鹿児島CAPARVOホール
【熊本公演】
▼6月21日(土)熊本B.9 V1
【島根公演】
▼7月12日(土)APOLLO
【岡山公演】
▼7月13日(日)YEBISU YA PRO
【香川公演】
▼7月15日(火)DIME
【徳島公演】
▼7月16日(水)club GRINDHOUSE
【秋田公演】
▼8月2日(土)Club SWINDLE
【福島公演】
▼8月3日(日)Hip Shot Japan
【長野公演】
▼8月5日(火)長野CLUB JUNK BOX
【富山公演】
▼8月6日(水)Soul Power
【石川公演】
▼8月8日(金)金沢AZ
【神奈川公演】
▼11月7日(金)KT Zepp Yokohama
【新潟公演】
▼11月9日(日)NIIGATA LOTS
【宮城公演】
▼11月16日(日)SENDAI GIGS
【北海道公演】
▼11月22日(土)サッポロファクトリーホール
【愛知公演】
▼11月26日(水)Zepp Nagoya
【福岡公演】
▼11月28日(金)Zepp Fukuoka
チケット発売中 Pコード297-241
※販売期間中はインターネット販売のみ。チケットの発券は、11月22日(土)10:00以降となります。
▼11月29日(土)18:00
Zepp Osaka Bayside
1Fスタンディング6500円
2F指定席7500円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※未就学児入場不可、小学生以上チケット必要。開演時間/席種は変更となる可能性があります。公演自体が延期・中止となる場合を除き、いかなる理由に関わらずチケット購入後の払い戻しや再発行は行いません。
【広島公演】
▼12月6日(土)BLUE LIVE 広島
【香川公演】
▼12月7日(日)高松festhalle
【東京公演】
▼12月19日(金)Zepp Haneda(TOKYO)