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「“この人のために”という思いが曲を書く原動力になっている」
タイの人気BLドラマの日本版『Love in The Air-恋の予感-』主題歌
『Inside you』と結成17年目で迎えた激動の’24年を総括する!
リアクション ザ ブッタ全員インタビュー&動画コメント

 2年前に突如TikTokでバズりバンドに起死回生のチャンスをもたらした『ドラマのあとで』(’17)を追い風に、今年の5月には初のベストアルバム『REACTION THE BEST』をメジャーリリース。以降は自身の全国ツアーはもとより各地の大型フェスやイベントに出演するなど、精力的に活動してきた彼らが挑んだ新たなステップは、ドラマのタイアップ! 世界中で大ヒットしたタイのBLドラマ『Love in The Air』の日本リメイク版となる『Love in The Air-恋の予感-』の主題歌として書き下ろされたのが、新曲『Inside you』だ。ドラマの前半/後半でスポットが当たるカップルが入れ替わる構成を歌詞にも生かした切なきポップソングは、挿入歌として同時に起用された過去曲『lowkey』(’23)共々、激しくも優しい愛が展開されるストーリーを彩るのに一役買っている。2月11日(火・祝)愛知・エレクトリック・レディ・ランドより、過去最大規模の全国ツアー『リアクション ザ ブッタ ONEMAN TOUR 2025』をスタートさせる3人が、同曲はもちろん結成17年目にして迎えた激動の’24年を総括するインタビュー!



真っすぐな愛の歌ができた


――10~12月にかけて行われた『リアクション ザ ブッタ 対バンツアー2024 A/W』の大阪・LIVE SQUARE 2nd LINE公演を見ましたが、単純に言うとファンが増えたし、お客さんの思いも熱くなったというか。

佐々木(vo&b)「大阪は特にそうかもしれないです。今年はジャイガ(=『OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2024』)だったりカンラバ(=『KANSAI LOVERS 2024』)だったり、いろんな方に見てもらえるチャンスをいただけたので、そこで出会った方もツアーに来てくれたと思うんですよね。あと、何気に2nd LINEが今年初めてだったのもあって、ちょっと思いもこもりつつ」

木田(g)「今年はとにかくたくさんツアーを回ったので、初めましての段階からお客さんとだんだん打ち解けてきた感じがあって。だから僕らも、ライブでグッと前に出やすくなっていると思います」

――大野(ds)くんの故郷の滋賀 BARI-HARIにもツアーで行けましたね。

大野「ちょうど僕が高校生ぐらいの頃にできたライブハウスで、2階にリハーサルスタジオもあるんですけど、その窓のところにたまって"ちょっと銭湯行く? この後メシどうする?"みたいな話をよくしていたなと思い出して」

佐々木「(大野は)会場入りから終始ニコニコしていましたよ。お客さんもたくさん来てくれましたし」

――そんなツアーのさなかに新曲『Inside you』が発表されました。今作はタイの人気BLドラマの日本リメイク版『Love in The Air-恋の予感-』の主題歌ということで。

佐々木「今回は先にタイの原作を見ることができたんですけど、4人の主役=2組のカップルの話が、ドラマの前半/後半でそれぞれ進んでいく。その後半にある、2人で涙を流しながら思いを伝え合うシーンにグッときて。俺はお前が抱えている傷も受け止めるという愛情...自分も"この人のために"という思いが曲を書く原動力になっているので、すごく素直に書けました。そこからみんなに、さらに内容を膨らませるための意見をもらった結果、嵐、雨、風、空という天気にまつわる4人の主人公の名前を歌詞に盛り込んでみようと」

木田「主人公の名前が歌詞に入ったのはうまいなと思ったし、特にサビ頭の伸ばすメロディが...あのパーンと開ける感じが、空の広さを表現できていてお気に入りですね」

――もう少し言葉を詰め込みたくなるような間でもあるから、そこは思い切ったなと。

大野「確かにこの長い譜割りは、最近の(佐々木)直人くんでは珍しいかもしれないですね」

――そもそも1つのドラマの中に2つの物語があって、前半と後半できっちり分かれているのも珍しいですよね。

佐々木「原作を見たとき、こんなにバッチリ入れ替わるのかと思って新鮮でした。それで歌詞も1番と2番でストーリーを分けたので、そういう構成も自然とできて」

――歌詞にある"僕史上最大級の愛で"はキラーワードですね。

佐々木「今回は恋愛ドラマの曲だと強く示したかったので、これは自然と出てきましたね」

木田「今まではピアノとかオルガンとか僕らが弾いていない楽器の音も音源には入れていたんですけど、今回は真っすぐな愛の歌ができたので、サウンドも勇気を持って、バンドの音だけで真っすぐにいこうと決めて」

――イントロの不協和音っぽいギターも耳に残りますね。

佐々木「イントロが切ないからこそ、サビがポップでもキュッと締まる。ポップな中に切なさがあるのが好きなので、それを音でも表現できたのは良かったなって」

木田「この曲をライブで演奏すると、サビでお客さんが一斉に手を上げて...何だかすごく一体感があるんですよ。同じものを見ているというか、曲に込めた気持ちが通じているんだろうなって」

佐々木「あと、歌詞に"エール"という言葉が入っているので、ライブだとお客さんに向けて歌えるのでいいですね」

大野「ラブソングと応援ソングって、どっちかにハッキリ寄せた方が刺さりやすいと思うんですけど、この曲はいいバランスでブッタ印がちゃんと入っているなと」

――MVのコメント欄を見ても、原作ファンの方からのリアクションも上々です。



佐々木「原作を愛している方にどう映るんだろうと思って怖かったんですけど、ちゃんと歌詞の意図を汲み取っていただけて...。あとは、韓国でも結構MVを見てもらえているみたいで、いろいろと可能性は広がるなって」

――『一目惚れかき消して』('23)のMVで演技に挑戦済みの佐々木くんが、BLドラマに出る日も近い?(笑)

佐々木「脚本・監督の灯敦生(ともり・あつき)さんのポッドキャストに出演したときも、"次にそういう機会があったらどうします?"みたいな話になったんですけど、丁重にお断りして...ぜひ音楽でまた関わらせてくださいと(笑)」

――地上波ではなくFODという動画配信サービスのドラマだからか、描写も攻めていましたね。

佐々木「そこも醍醐味なんでしょうね。このジャンル自体が好きな方も多いし、BLはBLのエンターテインメントとしての楽しみ方があるんだなと思いました。MVに出てもらった南雲奨馬くんと濱屋拓斗くんも、例えばイチャイチャするようなシーンにも慣れていて、すごくナチュラルで。南雲くんは体育会系な感じで、濱屋くんは純粋の塊みたいな...人柄も役と合っていましたね」

木田「本当にキラッキラしていました!」

佐々木「さらに、監督さんが気に入ってくださったみたいで、『lowkey』も挿入歌で使っていただけて...!」



――前回のインタビューで、"『ドラマのあとで』や『Seesaw』('21)が証明してくれたように、いい曲を書いていたら後からでも認めてもらえる"という話をしましたが、『lowkey』でもそのことが証明されましたね。まだ十分に日の目を見ていない、いい曲がいっぱいありまもんね。ブッタの17年の珠玉の楽曲が。


ようやくいろんなものを取り返し始めた


――'24年はメジャーリリースも含め、人生で最も濃い一年になったんじゃないですか。

木田「めちゃめちゃ濃かったですね。年始めの頃にやったワンマンとか、今年の感じが全くしない(笑)。ツアーを3本回ってMVを録って、新曲を出して、フェスに出て...17年やってきても、まだまだ新しいことができるんだなって。それを凝縮したような一年でした」

――"初の渋谷CLUB QUATTROワンマン、本当に成功するのか?"みたいな状況が今年の3月ですから、言ったってそんなに前じゃないですもんね。

佐々木「だからめっちゃ不思議な感じですよ。クアトロでのメジャーリリースの発表は大きなスタート地点で、そこからはずっとダッシュし続けているというか、全部が全部、目の前のことを必死にやっていった感覚はあります」

木田「今までは行けなかった場所でも主催でツアーを切れて、『リアクション ザ ブッタ 対バンツアー2024 A/W』では物販に立って直接お客さんとお話したんですけど、"来てくれてありがとうございます"と言ってくれたりもして...これは途中でバンドをやめていたら来なかった瞬間でしたね」

佐々木「鹿児島とかは初めて行ったんですけど在住の方が多くて、今まで待っていてくれたんだなと感じましたね」

――そして、来年2月より過去最大規模の『リアクション ザ ブッタ ONEMAN TOUR 2025』が始まります。

佐々木「初めてワンマンをする会場もあって、そこで長尺の、僕らだけのライブを見てより好きになってほしいし、ファイナルの東京・LIQUIDROOMも初めてなので。対バンツアーと地続きで更新し続けられたらいいなと」

木田「対バンツアーでは、自分たちがカッコいいなと思って呼んだバンドのライブを出番前に見るので、めちゃめちゃ刺激を受けたんですよ。なのでワンマンツアーは、そこで受けた刺激で成長したブッタを見せたいですね」

大野「広島と香川と宮城が初ワンマンなんですけど、仙台のLIVE HOUSE enn 2ndの店長の沼田(慎介)さんには、何とか東名阪でワンマンができるようになってきた5~6年ぐらい前から、"そろそろうちでもワンマンをしてくださいよ"と言われていて(笑)。でも、そこからコロナ禍に入って、仙台自体に行きづらくなってしまって...それを越えてついにワンマンができるのはうれしいし、広島のセカンド・クラッチもずっと通っている場所なので」

佐々木「高松のDIMEは去年、桃色ドロシーのツアーで初めて行かせてもらって。伝統のあるライブハウスなので、高松巡業的にも欠かせない場所ですね」

大野「ようやくいろんなものを取り返し始めたのかなと思いますね。まだ言っているのかよと思われそうですけど、コロナ禍で離れ離れになった人たちと再会したいワンマンツアーでもあります」

――3月9日(日)の大阪公演は前回同様Shangri-Laで。ここを売り切って次に行けたらきれいですね。ファイナルのLIQUIDROOMは、去年のクアトロの頃ほど不安な感じはしないですけど、気のせいですかね?(笑)

大野「いや、不安は全然ありますよ!(笑)」

木田「常に抱えていますから(笑)」

佐々木「"(そのキャパなら)余裕だな!"みたいな気持ちで一回やってみたいですよ(笑)。そこはもうね、当然、頑張らないといけないですけど、そのエネルギーを燃やしていくためのワンマンツアーでもあるので。これからもライブをやり続けて、音楽を生み続けて、しっかり広まる曲を作っていきたいです」


Text by 奥"ボウイ"昌史




ライター奥"ボウイ"昌史さんからのオススメ!

「インタビューってだいたいどのアーティストも年に1回ペースがほとんどで。なのにブッタは、'23年11月配信の初のアルバム『酸いも甘いも、好きも嫌いも』、'24年5月リリースの初ベスト『REACTION THE BEST』、そして11月配信の今回の新曲『Inside you』と、去年末に初めて取材したのにもう3回目ですよ。そこからも、ブッタがどれだけ多忙な1年を過ごしてきたか分かります。ライブで言えばもっと大阪に来てますからね彼ら。ただ、そんな日々を迎えるまでに費やした月日は17年。そのせいか最近は、"まだ10年しかやっていないのに諦めるなよ"とか他のバンドに言いたくなっちゃいますよ(笑)。たま~にライブハウスの手書き看板の昔の画像がSNSに流れてきたときも、"このバンド、懐かしいな~"とか思って見ていたら、対バンに"リアクション ザ ブッタ"って書いてあって、"この頃にはもういたんだ!"とビックリ(笑)。早めに音楽に見切りをつけて、第2の人生でビジネスマンとして成功する人、アイドルに曲を書き作家としてうまくいく人、グッズの会社を作ってもうける人もいる。でも、ブッタみたいに武骨にやり続けてチャンスをつかむ人もいる。後者の方を応援したくなるのは何なんでしょうね。え、あなたも?(笑)」

(2024年12月26日更新)


Check

Movie

新曲&ライブの思い出を3人で語る!
リアクション ザ ブッタの動画コメント

Release

FODで好評配信中のBLドラマ主題歌は
持ち味の切なきポップソング!

 
Digital Single
『Inside you』
発売中
SACRA MUSIC

<収録曲>
01. Inside you

Profile

リアクション ザ ブッタ…写真上より、木田健太郎(g)、佐々木直人(vo&b)、大野宏二朗(ds)。’07年結成、埼玉県発スリーピースバンド。10代の頃からバンド選手権で入賞を重ね、数々の大型フェスに出演。’22年より続々とタイアップに抜擢され、TikTokを中心に“共感できる恋愛ソング”として『ドラマのあとで』(’17)が話題に。Spotify日本のバイラルチャートで24週連続チャートインし最高位7位にランクインし、今もなお広がり続けている。'24年5月には、初のベストアルバム『REACTION THE BEST』をメジャーリリース。同年11月3日には、タイの人気BLドラマの日本リメイク版『Love in The Air-恋の予感-』主題歌『Inside you』を配信。

リアクション ザ ブッタ オフィシャルサイト
https://rtb-music.com/

Live

大阪でのイベント出演を経て
年明け2月より過去最大のツアーへ!

 
【大阪公演】
『2nd LINE pre.
「RED HOME PARTY」DAY3』
チケット発売中
▼12月27日(金)15:00
LIVE SQUARE 2nd LINE
前売2000円
[出演]Bocchi/リアクション ザ ブッタ/浪漫派マシュマロ/声にならないよ/the paddles/Organic Call/CAT ATE HOTDOGS
LIVE SQUARE 2nd LINE■06(6453)1985
※12/25-31のいずれかの前売チケットをあらかじめお持ちでしたらドリンク代のみで他の日も入場できます。会場内の入場規制がかかった場合は当日チケットをお持ちの方の優先入場になります。再入場の際、ドリンク代600円いただきます。開演時間が変更になる場合があります。アーティスト出演キャンセルによる払い戻しは行いません。

【大阪公演】
『Blue Groove Classic』
チケット発売中
▼1月22日(金)19:00
梅田Zeela
前売3800円
[出演]Half time Old/13.3g
梅田Zeela■06(6316)1199

【大阪公演】
『大阪 早春の陣』
一般発売未定
※チケットのお引き取り方法は【店頭引取】のみとなり、1月26日(日)昼12:00以降にチケット引換えが可能となります。
▼2月2日(日)17:00
Shangri-La
スタンディング3900円
[出演]メリクレット/友希
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※未就学児童は入場不可。

~1/8(水)11:00まで先行抽選受付中!
チケット情報はこちら

 
 
『リアクション ザ ブッタ
 ONEMAN TOUR 2025』

【愛知公演】
▼2月11日(火・祝)
エレクトリック・レディ・ランド
【広島公演】
▼2月22日(土)セカンド・クラッチ
【香川公演】
▼2月23日(日)DIME
【北海道公演】
▼3月1日(土)PLANT
【福岡公演】
▼3月8日(土)DRUM SON

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中
※販売期間中はインターネット販売のみ。チケットは、3月2日(日)10:00以降に引換えが可能となります。
▼3月9日(日)17:30
Shangri-La
オールスタンディング4000円
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※未就学児童は入場不可。

チケット情報はこちら

 
【宮城公演】
▼3月15日(土)LIVE HOUSE enn 2nd
【東京公演】
▼3月20日(木・祝)LIQUIDROOM

Column1

「時代に残る曲を書いていきたい」
結成17年目にして決意の初ベスト
『REACTION THE BEST』を
メジャーリリースし
過去最大の対バンツアーへ出発!
リアクション ザ ブッタが語る('24)

Column2

「ここまではもうめちゃめちゃ
 酸っぱかったですから!(笑)」
TikTokを追い風に16年かけて
たどり着いたブレイク前夜!?
人生の機微を描いたラブソング集
『酸いも甘いも、好きも嫌いも』を
リアクション ザ ブッタが語る('23)