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『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2023』
ライブレポート
【LIVE HOUSE Antenna・12月27日(水)~29日(金)】 (1/3)

12月27日(水)・28日(木)・29日(金)の3日間、インテックス大阪にて開催された、FM802が送るロック大忘年会『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2023』。LIVE HOUSE Antenna(12月27日(水)~29日(金))のライブレポートが到着!

写真提供:FM802

【12月27日(水)】

●BREIMEN

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「たっぷりやった方が良いでしょ、去年病欠だったんだからさ」

2022年も『RADIO CRAZY』へ出演予定だったものの体調不良により無念のキャンセルとなったBREIMEN。1年越しの"リベンジ"の舞台は、思いのほかセットリストがスムーズに進行しすぎたため、アドリブで曲を追加する嬉しいハプニングも起きた。

フリーキーなセッションから曲が形づいていくファンクナンバー「ドキュメンタリ」で幕を開けたBREIMENのステージは、ボーカル&ベースの高木祥太が「昨年は直前で体調不良になってしまいました。ホンマすんまへん! ホンマすんまへん!」と関西弁で平謝りしながら「ODORANAI」へとなだれ込んでいく。高木の手拍子に合わせてクラップが巻き起こり、さらに「飛べますか、大阪」の掛け声を合図にオーディエンスもジャンプするなど序盤から一体感が生み出された。

MCではギターのサトウカツシロが「朝7時半の新幹線で大阪に向かう予定が、朝のスキンケアに時間をかけすぎて(新幹線に)乗り遅れました」と明かして笑わせれば、サックスのジョージ林も寝坊で新幹線に乗り遅れてまさかの出番寸前に会場入りだったと話す。舞台裏でドタバタ劇が起きていたにも関わらずセットリストは余裕を残しているのだがら、おもしろい。

「『チャプター』挿む?」「そうすると時間オーバーするんじゃない?」「ま、一回やってみよう」とメンバー同士で確認し合って急きょ演奏された「チャプター」が味わいを深めた。メロディアスで深遠なサックスの音色にじっくり聞き入るオーディエンス。同曲がクッションとなって次の「YONAKI」はさらに大人っぽいムードへ。「MUSICA」では林がサックス、フルート、クラリネットへと木管楽器を次々持ち替えていくなどバラエティに富んだスタイルに。ファンクやR&Bを取り入れたナンバーで踊らせつつ、多彩な音も堪能できたステージングだった。

Text by 田辺ユウキ
Photo by ヨシモリユウナ

●Bialystocks

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レディクレ待望の初出演となったのはBialystocks。サポートに西田修大(gt)、Yuki Atori(ba)、小山田和正(ds)を迎えたバンドセットで、最高に上質な音楽をLIVE HOUSE Antennaに響かせてくれた。先に菊池剛(key)とバンドメンバーが登場、甫木元空(vo)が出てくるなり『Upon You』でライブをスタート。ソウルフルで伸びやかな歌声が気持ち良く会場を包み込み、フロアはクラップで応える。甫木元が「Bialystocksです! よろしくお願いします!」と挨拶し、続けて『コーラ・バナナ・ミュージック』へ。爽やかな雰囲気からは一転、ベースの低音がブンブン響き、ギターがわななき、スモークが煙り、天まで届きそうなハイトーンボイスのシャウトが大迫力で迫ってくる。さらに『Over Now』では浮遊感のあるピアノに乗って、波のようにハイとローを行き来するボーカルのパワフルさに度肝を抜かれる。ジャズピアニストでもある菊池の奏でる美しい旋律とグルーヴィなアンサンブルが全身を喜ばせた『頬杖』、甫木元のとんでもないハイトーンボイスに頭のてっぺんが痺れた『灯台』、芸術的サウンドで没入させた『I Don't Have a Pen』を経て、甫木元が監督をつとめた映画『はだかのゆめ』の劇中歌『ごはん』を牧歌的に響かせる。こんなにも楽曲ごとに違う表情が見れるなんて。ライブを見る度に最高を更新している印象の彼らだが、さらにレベルアップしている。抜群の安定感と、その上で遊ぶように繰り出すハイクオリティのアレンジ、ソウルフルで息つく間もないボーカル。自分たちの武器と魅力を存分にステージ上で提示した。甫木元は、興奮したような満足したようなニュアンスを含ませて「初めて出させていただき本当にありがとうございます! こんなにたくさん来ていただいて。最後まで楽しんでください!」と笑顔で挨拶し、ラストチューン『Nevermore』を大きな声で、鮮やかに伸びやかに歌い切った。次は大きなステージで見たい。そう思わせてくれた充実の35分だった。

Texy by ERI KUBOTA
Photo by ヨシモリユウナ

●Laura day romance

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今回が「RADIO CRAZY」初参戦となる彼らは、サポートを引き連れ6人編成でステージに。まずは淡いライティングのなか「waltz」でゆったりと。時に音を歪ませメランコリックにも仕立てて、会場を徐々に"Laura色"に染め始める。オーディエンスのシルエットも揺れ出し、さらに「well well | ええと、うん」で一層引き込む。甘くせつなく耳に残るメロディや、熱を帯びる声でつかんだあとは、テンポアップして「sweet vertigo」のポップテイスト。ひとクセを潜ませながらもキャッチーなサビや細かく弾むリズムは楽しく、腰に手を当てて歌う井上花月(Vo)の姿もキュートだ。すると「wake up call | 待つ夜、巡る朝」では吐息まじりのボーカルで湿度を上げる一方、アンサンブルには浮遊感も。心地よく脱力したら、もう一度、彼ららしい軽やか、かつエバーグリーンなメロディで魅了。"書きたい 繋げたい"のリフレインも焼きつく。そして、約1年9か月ぶりとなる久々のワンマンツアーが2024年2月に控えることを伝えてファンを喜ばせ、「sad number」と「happyend | 幸せな結末」で締めくくりへ。センチメンタルだがきらめくポップ、はかなくもさわやかな歌声、ふわりとやわらかなコーラス、美しく一つになるバンドサウンドetc.。観客は小さくうなずくようにして耳を傾け、それらを堪能。温もりあるラストシーンにじわりと拍手が沸いた。

Text by 服田昌子
Photo by ヨシモリユウナ




(2024年2月 5日更新)


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Set List

【12月27日(水)】

●BREIMEN
01. ドキュメンタリ
02. ODORANAI
03. IWBYL
04. yonaki
05. MUSICA

●Bialystocks
01. Upon You
02. コーラ・バナナ・ミュージック
03. Over Now
04. 頬杖
05. 灯台
06. I Don't Have a Pen
07. ごはん
08. Nevermore

●Laura day romance
01. waltz
02. well well | ええと、うん
03. sweet vertigo
04. wake up call
05. 書きたい
06. sad number
07. happyend | 幸せな結末

【12月28日(木)】

●オレンジスパイニクラブ
01. パピコ
02. 君のいる方へ
03. モザイク
04. ルージュ
05. ピンクフラミンゴ
06. キンモクセイ
07. 急ショック死寸前
08. 敏感少女

●シャイトープ
01. 桃源郷
02. None
03. 誘拐
04. ランデヴー
05. 部屋
06. tengoku
07. マーガリン

【12月29日(金)】

●カネヨリマサル
01. ラクダ
02. はしる、夜
03. 関係のない人
04. ひらりとパーキー
05. 26
06. もしも
07. ガールズユース

●ammo
01. フロントライン
02. 突風
03. おもしろい方へ
04. 寝た振りの君へ
05. CAUTION
06. 星とオレンジ
07. これっきり
08. ハニートースト
09. 包まれる

●鉄風東京
01. BORN
02. 外灯とアパート
03. 東京
04. TEARS
05. 遥か鳥は大空を征く
06. 21km

その他のライブレポート

『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2023』

●12月27日(水)【DAY1】はこちら
●12月28日(木)【DAY2】はこちら
●12月29日(金)【DAY3】はこちら

『FM802 RADIO CRAZY
RADIO de LIVE CRAZY』

RADIO CRAZYのライブ音源のみでお送りする9時間のスペシャル放送

●日時:2月12日(月・祝)
18:00~深夜3:00までの3部構成!

■第一部 18:00~
DJ=浅井博章/土井コマキ
■第二部 21:00~
DJ=落合健太郎/田中乃絵
■第三部 24:00~
DJ=板東さえか/樋口大喜

※オンエアアーティスト詳細は後日発表予定です(すべてのアーティストの音源O.A.ではございません)