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「真面目に遊んでる部分がなくなったら終わりなので」
Kroiのシーンへの回答にして最新のシグネチャーサウンド
『MAGNET』を携えたツアー中にとことんぶっちゃける!?(笑)
長谷部悠生(g)×千葉大樹(key)×益田英知(ds)インタビュー

 ’21年にメジャーデビュー以来、快進撃を続けるKroiによるポップとアートの黄金配合とでも言うべきリードトラック『PULSE』で、高らかに幕を開ける最新EP『MAGNET』。同作は、先行配信された『Hard Pool』や『風来』をはじめ、“Kroiというバンドと、その楽曲が人を惹きつけるような引力を持った存在になって欲しい”というリリース時のステイトメントの実現を確信する強烈なナンバーの連続。シーンを生き抜く類まれなバランス感覚を磨きながら、音楽的実験やルーツミュージックへの愛を欠かさない、5人の現在地がしっかりと刻まれている。そこで今回は、リリースツアー『Kroi Live Tour 2023 “Magnetic” BLUE / RED』真っただ中のKroiから、長谷部悠生(g)、千葉大樹(key)、益田英知(ds)に、新作にまつわる秘蔵エピソードに加え、ツアーの途中経過やこだわりのグッズ、バンド内の人間関係に体重(笑)、果てはインタビューにおける名ゼリフ合戦etc…多岐にわたるトピックを語ってもらった。と、ここまではまぁいいだろう。だがなぜか、彼らは映画『スター・ウォーズ』のコスプレをして取材現場にやってきた(笑)。音楽も、それを広める活動も、一筋縄ではいかないKroi最高!

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お客さんのおかげでよりいいツアーになってる


長谷部(g)「ギターを担当しております、ジェダイ・マスター・ヨーダこと長谷部悠生です」

益田(ds)「ラムダ級T-4aシャトルを担当しております、ドラムの益田英知です」

千葉(key)「キーボードを担当しております、炭素冷凍されたハン・ソロです」

益田「千葉大樹ね(笑)」

――パートや名前より、何のコスプレをしてるのかが分かるのがありがたいわ(笑)。

(一同笑)

――僕も長くこの仕事をしてますけど、こんなキャンペーンは初めてですよ。前回のインタビューでは内田怜央(vo)さんと関将典(b)さんが来てくれて、"飛び道具ではなくKroiの良心が来て安心しました(笑)"と話してたんですけど、今回はきれいに入れ替わりで飛び道具の皆さんが(笑)。

益田「その通り過ぎるよね?」

長谷部「アハハ!(笑) とにかく喜ばせたかったという」

――でも、フロントマンやリーダーじゃなくても語れるのは、Kroiの強さですよね。

千葉「この人(=長谷部)なんて、冠のラジオ(=FM FUJI『ROCK VOLTAGE Kroi長谷部悠生のロゼッタスペース』)も始まったんで、バリバリしゃべるキャラですから」

――その話を聞いたとき、Kroi初のレギュラー番組が何でギター単独やねんと思いましたけど。

(一同爆笑)

益田「何も考えてなかった。全員で"これで売れそう!"とか言ってました(笑)」

――『Kroi Live Tour 2023 "Magnetic" BLUE / RED』も真っ最中ということで、まずはその近況を聞きたいなと。長谷部さんのTwitterを見ていても、毎ライブ後にすごく充実感を感じているようで。

長谷部「ちょうどコロナ禍になったタイミングでメジャーデビューしたので、基本的にライブは声を出しちゃダメな状態でずっとやってきたんですよ。でも、今回のツアーから声出しが解禁されて、こっちのテンションも上がって、みたいな感じで...毎回お客さんと高め合えてますね。今までとは全然違いますよ」

――よく"ライブはお客さんと一緒に作るもの"だとは言いますけど。

千葉「本当にそうですね。やっぱり今までは盛り上がってくれてるんだろうなとは思いつつ、お客さんの反応がどうしても全部は分からない部分もあったので。それでやりやすくなった曲とか、輝き出した曲もあって、お客さんのおかげでよりいいツアーになってるんじゃないかな」

益田「今回のツアーは、今までよりシームレスな演出ができればと、かなり試行錯誤して作り上げてきたので、Twitterとかを見ていても、我々が力を入れたところはお客さんにも伝わっている実感はありますね」

――前ツアーの追加公演の東京・LINE CUBE SHIBUYAでは、千葉さんが途中で紅茶を飲むティータイムがあったり、いろいろと試みてましたけど、それとはまた違う純粋なライブとしての見せ方というか。

益田「そうですね、真面目な演出です」

千葉「どの格好で言うねん!」

――手にハリボテの翼を付けたまま(笑)。

長谷部「あの日はやり過ぎちゃったんで、一回ちょっとブレーキをかけようって(笑)」

――Kroiはユーモアと柔軟さがあるからそこまで遊べちゃうけど、そっちが加速し過ぎてイロモノに見られてもね。

長谷部「そうですね」

――ヨーダの顔をして言う"そうですね"の説得力のなさがすごい(笑)。

長谷部「アハハ!(笑) 今はこういうはけ口(=コスプレ)もできたし、それこそラジオ番組とか他の場所でもそういう部分は見せられるようになったので」


5人で話し合うことで、それがKroiの色になる


――バンドの状況がだんだん良くなってきて、規模が拡大していく中でのシーンとの付き合い方、どこまでポップでどこまでアートにいくのか...誰もがメジャーで活動する上でぶち当たる命題だと思うんですけど、『MAGNET』は、それへの現段階でのKroiの回答のような作品ですね。

長谷部「東京で言えばZepp DiverCity(TOKYO)が埋められるようになってきて、今度は全国のZeppでそうなるのが次のステップだと思うんですけど、そのためにもいろんな人に聴いてもらわなきゃいけない。ポップさと自分たちのやりたいことの調和というか、そのバランスは制作前にみんなで話しましたね」

――そのバランスで、俗に言う"魂を売ったな"に見えるか否か、センスが問われる。

長谷部「2ndアルバム『telegraph』('22)のレコーディングが終わったぐらいの頃は、次は超ドープにやろうと話してたんですけど、ツアーを回ってライブをしていく中で、"何か今じゃないよね?"と変わっていった感じがします」

益田「元々やろうとしていたことは割とニッチな方向だったんですけど、今年最初に出す作品でもあったし、毎年勝負ではありますけど特に今年は大事だなとみんなが思っていて...ある意味、恐怖心もちょっとあったと思うんですよ。ここでやり過ぎるべきではないという冷静な自分たちが出てきたのかなと(笑)」

千葉「1人だといき過ぎちゃったり、逆に守りに入り過ぎちゃったりもするんですけど、5人で話し合うことで、それがKroiの色になる。そういう意味では、めちゃくちゃ"バンド"かもしれない」

――時にぶつかり合うこともあるんですか?

長谷部「例えば、今回のリード曲を『PULSE』(M-1)に決めたときも意見が割れることはありましたけど、後腐れのあるもめごとにはならない。みんなが納得する形で活動できていると思いますね」

――個人的にも、街鳴りしていて"これって誰の曲だろう?"と気になるのは『PULSE』だなと思いました。耳に残るサビのポップさや軽快さと同時に、一筋縄ではいかない部分も感じさせてくれる。



千葉「ありがたいです、そういうことですよね完全に。これが一番最後に手を付けた曲で、かつリードに決まって出すタイミングとか役割が全部見えた状態で着手できたのも良かったところで。最初はもっとポップだったのをそれぞれのパートで、特に悠生のギターのフレーズとかでKroiらしさを出していこうと」

長谷部「平場のリフとかをちょっとフックのあるフレーズに書き換えたり、元々はサビにギターが入ってなかったんですけど、広がりを考えたら絶対に欲しいなと思ったので、少しエスニックなテイストを加えて楽曲の裏テーマとして入れてみたり。それによってただポップではない、深みのある曲になりましたね」

益田「レコーディングを繰り返しやってきて、エンジニアさんとのやり取りの中で伝えたいニュアンスとのギャップが縮まってきたし、マイキングのノウハウがたまってきたのもあって、ドラムの質感的にも狙った音を出せるようになってきました。かつ、『telegraph』から変わったところを言うと、例えば『PULSE』だと、バックビートのスネアはどうせゲート(=音量系のエフェクト処理)である程度つぶすから、どのくらいのタッチで出音があった方がいいとか、そういう部分まで話してからレコーディングに挑めたので。より千葉のミックスを意識して、無駄のないドラミングができたのは大きな収穫だったなと」

――それはバンド内でミックスまで行うKroiならではですね。

益田「完成形のイメージを最初から千葉に聞いてやり取りができるので、ありがたいですね」

千葉「ただ、益田さんは筋トレをしてないから、キックが弱くて(笑)。僕は益田さんと同じ24時間営業のジムに結構通ってるんですけど、益田さんはキーホルダーだけぶら下げて、一生行かないんですよ」

益田「アッハッハ!(笑) それがこの体型の違いになっているという」

――デビューして20キロ太ったと言ってましたもんね。

益田「いや、今はもう25キロかな?(笑)」

――音楽業界=不摂生な仕事とは言え、やはり板の上に立つ人は見た目も大事なんじゃないですか?

千葉「ただね、バンドに太っちょが1人いると面白いなと思うんですよ、正直(笑)」

長谷部「ちょっと前までは太っちょ4人とガリ1人だったんですよ。千葉さんも俺も太っていて」

千葉「僕は去年15キロぐらい痩せたんですよ。怜央も去年から10キロぐらい落としたのかな? 今は益田さんだけが太っちょな状態で、これは結構いい感じだなと思って」

長谷部「益田さんが痩せてた頃は、すっげぇ弱そうだったんですよ(笑)。全然いいドラムを叩きそうじゃなかった」

千葉「アハハ!(笑) あれはマジでショボそうだった。今の方が全然いい」

――でも、その言葉に益田さんが甘えちゃう(笑)。前回のインタビュー=『Small World』('22)時は?

長谷部「あれは太っちょ4人の頃ですね(笑)」

益田「メイクさんに顔の輪郭にめちゃくちゃシェードを入れてもらって(笑)」

――まぁ今は写真のレタッチの技術も本当にすごいですから何とでもなる。しかもめちゃくちゃ自然だから、実際にこの目で見たものしか信じたらダメだなと思いました(笑)。

千葉「ライブで見なきゃダメだと(笑)」

――そうそう。だからぜひツアーに...ってどんな振りやねん!(笑)


Kroiシグネチャーな音の鳴りを研究していけたら


――今作を通してこだわったところや意識したポイントはあります?

千葉「海外のバズってる曲を聴くとすごく音数が少なかったり、めちゃめちゃ単純なループに歌だけを乗せていて、その方がキャッチーで耳に残りやすかったりもするので、音数が多かった『telegraph』よりもっとメジャーな聴こえ方にできないかなと、全曲で試行錯誤しましたね。たくさん音を入れると派手で迫力のある曲にはなるんですけど、そうじゃないアプローチをしていった方が日本だと稀有な存在になれるのかなと。特にサビですよね。今後の課題としても、Kroiシグネチャーな音の鳴りを研究していけたらと考えています」

――日本だから日本の流行りに乗っかって、じゃなくて、グローバルな視野を取り入れる。



千葉それも海外の猿マネじゃなくて、それを日本人がやったときにちょっとヘンな鳴りになって、独特の質感が生まれたらいいなと。あとはEPとして聴くにあたって、『Hard Pool』はシングルからミックスし直しました」

――今回はギター、ベースをアンプで鳴らして録るのではなく、ダイレクトにライン録音したというのも意外でした。ついアンプの方が雰囲気が出るのかなと思ってしまいがちですが、むしろラインで録った方が"近さ"が出たと。



長谷部「いいギターを買ったことで、いいラインを録る方法を見つけることができたので。アンプでも録ってみて、どれぐらいラインの音を混ぜるのかとかも、『PULSE』『Cosmic Pillow』(M-3)『風来』(M-6)辺りで研究できて...やっぱりラインが一番タイトに聴かせられますね」

――『Astral Sonar』(M-2)やインストの『cranberry』(M-5)も、EPという少ない曲数の中でメリハリを出すのに機能していますね。ただ、『Astral Sonar』は益田さんが寝てる間に完成していたとも(笑)。

益田「素材録りだけして千葉さんに音を渡したんですけど、何なら最初は構成も知らなかった(笑)」

千葉「アハハハハ!(笑) いや~ここまで興味がないと気持ちいいですよね」

――とは言えKroiって、益田さんの発言をきっかけに物事が動き出すことも結構ありますよね。

千葉「こいつ、ウソをつかないんで。それに腹が立つときもあるんですけど、役に立つときもあるというか」

益田「アハハハハ!(笑) 腹が立つときもあるの?」

千葉「あるよ(笑)」

益田「怖ぇ〜!」

――あと、『Astral Sonar』だけ宅録環境で録ったらしいですね。

長谷部「『風来』のレコーディングのとき、初めてビンテージギター(=70年製のGibson ES-335)を買ったんですよ。それが94万円もするんですけど、宅録するときに使うオーディオ・インターフェイスは、1万円ぐらいの安いやつをずっと使っていて。お家で録るこれを本採用するなら、いいインターフェイスも買わなきゃなと思って、AMS Neve 88Mっていう20万円もするやつを買ったんですよ。それを94万円のギターで弾いて」

(一同爆笑)

――計114万円の音がここに(笑)。ミュージシャンって楽器とか機材に呼ばれるフレーズがありますもんね。

長谷部「そうやって『風来』を録ったとき、素の音=ラインの音がすっごく良くて感動して」

――やっぱり値段には理由があるということですね。そう考えたら、悪くない投資ですね。94万円のギターを買ってなかったら、20万円のインターフェイスを買おうとは思わないですから。

長谷部「こっちも後に引けないですしね(笑)」

益田「こういう録り方でもメジャーの作品として通用するのが分かったから、レコーディングのやり方は今後も広がっていきそうだよね。ただ、『MAGNET』が完成したとき、最初は何か濃過ぎて疲れそうだなと思ったんですよ」

長谷部「そこを『Astral Sonar』と『cranberry』が中和してくれてるというか、抜け感を出してくれる感じが」

――『cranberry』は、基本的にジャムの一発録りだったとしても、この音の間引き方は結構大胆だなと。

益田「そうですよね。最初の8小節はドラムだけとか、絶対に飛ばすだろって」

千葉「さっきはポップさがどうとかいろいろ言いましたけど、そういうバンドが出す音じゃないですよね(笑)」

長谷部「いき過ぎたよね(笑)。俺らのエゴを出した」

千葉「逆に100%やりたい放題やれるのはジャムしかないんですよ。あとはやっぱり、お客さんに聴いてもらうとか、そういういろんなところとの戦いを楽しむ、みたいな感じなので」

――現状のKroiの最先端でやるべきことをやり、ちゃんと遊んでもいる。『MAGNET』はいいトライアルでしたね。



益田「真面目に遊んでる部分がなくなったら終わりなので。忘れないようにしないとね」

――この雰囲気のままどこまでいけるのかはKroiのテーマだし、もしKroiにそれができたなら、後続のバンドにも道を切り開くことになるかもしれない。

千葉「確かにそれができたらカッコいいですよね」

長谷部「今のところヘンなバンドのままでいられてるんで、今後もそうでありたいですね」


やっぱりライブハウスとホールは全然違うもので
ホールはより"ショー"というか、魅せる要素が強い


――冒頭で現在開催中のツアーの途中経過について聞きましたけど、大阪では5月12日(金)Zepp Namba(OSAKA)に加え、セミファイナルの6月2日(金)オリックス劇場でもライブがあります。ホール公演のオリックス劇場で他に誰がライブをしてるのか試しに調べてみたら、ASKA、斉藤和義、DISH//、EXILEのATSUSHIやTAKAHIROとかで。

益田「あれ、時期尚早だった?」

――あとは"しまじろう"コンサートね(笑)。

益田「アハハハハ!(笑)」

――オリックス劇場=お茶の間に進出できた人がやる会場というイメージですね。

千葉「しまじろうなんて、一番有名な虎じゃない?」

――虎界で(笑)。

益田「前のツアーでLINE CUBE SHIBUYAでやったときに抱いたKroi内の感想は、やっぱりライブハウスとホールは全然違うもので、ホールはより"ショー"というか、魅せる要素が強いなって」

千葉「そういう会場でお客さんと一緒にどうライブを作っていくのか。ライブハウスとは絶対にやり方が違うし、最終的にそこをうまく組み上げていけるツアーになったらいいなと」

――あと、Kroiと言えばこだわりのツアーグッズにも注目で。

長谷部「ありがとうございます!」

――だって、グッズについてだけ語るインタビューまで受けてましたもんね。

千葉「あれさ、真面目に語り過ぎだよね?」

(一同笑)

長谷部「いや、違うのよ。俺が正式にグッズを担当し始めたとき、めちゃめちゃ調べたんですよ。例えば当時は、モデルを起用して撮影までするバンドはいなかったんですけど、最近はそういうバンドもちょっとずつ増えてきて。だから、俺らはずっと前からやってるんだぞと示したくて、一回記録に残しておこうとインタビューを受けて」

――今やマーチャンダイズはバンドを運営していく上で大事なツールですもんね。だからこそ、お客さんがお布施みたいに買ってパジャマにするとかじゃなくて、ちゃんと普段使いできるものがいい。今回のKroiのグッズを見て、メッシュトートバッグが欲しいなと思いました。サウナとかに行くときに良さそう。

千葉「あれ、めちゃかわいいですよね」

長谷部「しかも結構入るんでいいですよ。いるんですよねマジで、適当なグッズを出しているバンドが...出すからにはちゃんといいものを出そうよと」

千葉「確かにそうだよね。でも、グッズの話になった途端に、何かすごく怖いんだけど...」

(一同爆笑)


1回見ても2回見ても、全く別のライブパフォーマンスになっていると思う


――本当に多岐にわたる話を聞かせてもらいましたけど、リリースツアーもまだ中盤ということで、これから出会うリスナーやオーディエンスに向けて、それぞれに何かあれば。

長谷部「今までもたくさんツアーをやってきましたけど、今回は準備時間が最長なんですよ。合宿もして、アレンジだったりライブに向き合ったツアーが今のところできているので、この記事を読んで、まだチケットを買ってないよという方は見逃さないでほしいですね!」

益田「他のアーティストさんと対バンをして気付いた部分があって、我々にももっとできることがあるなとアレンジや演出を頑張ってきたんですけど、今回のツアーをやっていく中でもっともっと良くなると思ったし、新しいアイデアも取り入れていきたい。1回見ても2回見ても、全く別のライブパフォーマンスになっていると思うので、今しか見られないKroiを見に来てほしいです!」

――いいですね~キャッチ(=記事全体や段落の見出しになるような秀逸な言葉)になりそう。

長谷部「いいじゃん。俺はまだ、キャッチに選ばれたことがないんだよね」

千葉「え、じゃあ何か言い直す?」

――いや、ダメでしょ。いいことを言おうと思って話すのはフェイクですよ。偽物だからそんなの。

(一同笑)

千葉「試しにちょっと言ってもらっていい?」

長谷部「やっぱり...日本一ライブがうまいバンドになりたいです!」

千葉「ダサッ! おいおいおい」

――何なら、普通に発言を丸ごとカットするかも。

(一同爆笑)

千葉「パンチラインはいつでも用意しておかなきゃいけないと(笑)」

長谷部「怜央ならどう言うかな?」

益田「何か怜央もその辺をちょっと意識して、インタビューで話してるような気がする」

長谷部「やめたれよ(笑)。でもやっぱり、キャッチになるのは怜央が多いんだよな」

――やっぱり曲を書いて歌う人からグッとくる言葉が出てくるのが一番きれいですから。千葉さんはどうでしょう?

千葉「今年は何でライブをより頑張り始めたかと言うと、いろいろと刺激的なライブを見たんですよ。それに立て続けに食らった自覚があって、"ライブってもっと良くなるんだ!"ってみんなで興奮して、合宿までして頑張ったんで。今年は音源はもちろん、このツアーにとどまらず、ライブの可能性をもっと広げていけたらなと思ってます。ツアーが始まって...やっぱり本番でお客さんが盛り上がってると、弾いたり叩いたりするフレーズが絶対に変わるんですよ。その瞬間に合うフレーズは、リハとは全然違う。そういう自分自身に興奮するし、イレギュラーで生まれる一体感がすごく楽しい...ってこれ、キャッチを狙ってるみたいですけど(笑)」

(一同爆笑)

千葉「そういうところも楽しんでもらえると思うので、ぜひライブに遊びに来てください!」

Text by 奥"ボウイ"昌史




(2023年5月12日更新)


Check

Release

ルーツとチャレンジの応酬で魅せる
2nd EPは刺激的で濃厚な全6曲!

 
EP
『MAGNET』
発売中 4400円
ポニーキャニオン/IRORI Records
【Blu-ray付】PCCA-06192
【DVD付】PCCA-06193

<収録曲>
01. PULSE
02. Astral Sonar
03. Cosmic Pillow
04. Hard Pool
05. cranberry
06. 風来

<Blu-ray/DVD収録内容>
『Kroi Live Tour 「BROADCAST」』
from LINE CUBE SHIBUYA(2023.01.08)
01. Drippin' Desert
02. Pixie
03. Monster Play
04. a force
05. Juden
06. Funky GUNSLINGER
07. Balmy Life
08. Mr. Foundation
09. Flight
10. 侵攻
11. 夜明け
12. Not Forever
13. Never Ending Story
14. WATAGUMO
15. Network
16. HORN
17. Shincha
18. Hard Pool
19. Fire Brain


【通常盤】
発売中 1650円
ポニーキャニオン/IRORI Records
PCCA-06194

<収録曲>
同上

Profile

クロイ…写真左より、益田英知(ds)、関将典(b)、内田怜央(vo)、長谷部悠生(g)、千葉大樹(key)。R&B/ファンク/ソウル/ロック/ヒップホップなど、あらゆる音楽ジャンルからの影響を昇華したミクスチャーな音楽性を提示する5人組バンド。バンド名の由来はあらゆる音楽ジャンルの色を取り入れて新しい音楽性を創造したいという考えで、全ての色を混ぜると黒になることからくる“黒い”から命名。’18年2月にInstagramを通じてメンバー同士が出会い結成、10月に1stシングル『Suck a Lemmon』でデビュー。’21年6月、1stアルバム『LENS』でメジャーデビュー。リード曲の『Balmy Life』が全国47局以上のラジオ局でパワープレイを獲得するなど、注目を集める。音楽活動だけでなく、ファッションモデルやデザイン、楽曲プロデュースなど、メンバーそれぞれが多様な活動を展開し、カルチャーシーンへの発信を行っている。’23年3月29日には、最新作となる2nd EP『MAGNET』をリリースした。

Kroi オフィシャルサイト
https://kroi.net/

Live

ライブハウス/ホールツアーに加え
サマソニ他イベントでも大阪へ!

 
『Kroi Live Tour 2023 “Magnetic”
 BLUE / RED』

「BLUE」
【神奈川公演】
▼4月13日(木)KT Zepp Yokohama
【静岡公演】
▼4月15日(土)LiveHouse 浜松 窓枠
【愛知公演】
▼4月16日(日)ダイアモンドホール
【福岡公演】
▼4月22日(土)・23日(日)DRUM LOGOS
【北海道公演】
▼5月6日(土)・7日(日)ペニーレーン24

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中
※販売期間中はインターネット(PC・スマートフォン)のみでの販売。
▼5月12日(金)19:00
Zepp Namba(OSAKA)
1Fスタンディング4800円
2F指定席4800円
夢番地■06(6341)3525
(平日昼12:00~17:00)
https://www.yumebanchi.jp/
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。本公演は「音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に沿って開催いたします。

【岡山公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月13日(土)YEBISU YA PRO
【東京公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月18日(木)Zepp Shinjuku(TOKYO)
【宮城公演】
▼5月20日(土)仙台Rensa
【石川公演】
Thank you, Sold Out!!
▼5月26日(金)金沢AZ
【新潟公演】
▼5月27日(土)NIIGATA LOTS

Pick Up!!

「RED」
【大阪公演】

チケット発売中
※販売期間中はインターネット(PC・スマートフォン)のみでの販売。チケット発券は5/26(金)10:00以降より可能となります。
▼6月2日(金)18:30
オリックス劇場
指定席5800円
夢番地■06(6341)3525
(平日昼12:00~17:00)
https://www.yumebanchi.jp/
※未就学児童は入場不可。小学生以上は有料。本公演は「音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に沿って開催いたします。

チケット情報はこちら


【大阪公演】
『GREENROOM BEACH'23』
チケット発売中
※チケットはインターネットでのみ販売。
発券は6/3(土)10:00となります。
Pコード236-754
▼6月11日(日)昼12:00
SENNAN LONG PARK(泉南りんくう公園)
1日券8800円 2日通し券14000円
[出演]Def Tech/KICK THE CAN CREW/Kroi/Awich/never young beach/GOMA&The Jungle Rhythm Section/YONA YONA WEEKENDERS/yonawo/
ego apartment/NIKO NIKO TAN TAN
GREENROOM Co.■03(6692)0939
※小学生以下のお子様は保護者1名につき1名のみ入場無料。アーティストの出演日、出演ステージが変更となる場合があります。出演アーティスト変更による払戻はいたしません。リストバンドに変えての入場。

チケット情報はこちら

 
 
【東京公演】
▼6月23日(金)NHKホール

【大阪公演】
『SUMMER SONIC 2023』
一般発売5月27日(土)
※発券は8/13(日)10:00以降となります。
Pコード236-754
▼8月20日(日)11:30
舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
1DAYチケット16000円
プラチナチケット27000円(特典付)
[出演]BLUR/FALL OUT BOY/SEKAI NO OWARI/TWO DOOR CINEMA CLUB/ケツメイシ/PALE WAVES/WANIMA/JXDN/YOASOBI/NIALL HORAN/HONNE/GABRIELS/ENHYPEN/SKY-HI/BE:FIRST/THUNDERCAT/WET LEG/HOLLY HUMBERSTONE/ずっと真夜中でいいのに。/張惠妹 aMEI/岡崎体育/落日飛車 SUNSET ROLLERCOASTER/Kroi/UMI/キタニタツヤ/礼賛/Tele/梅田サイファー/他
キョードーインフォメーション■0570(200)888
※大阪府青少年健全育成条例により、16歳未満の方は19:00(保護者が同伴する場合その他規則で定める場合にあっては、20:00)から翌日の5:00まで、16歳以上18歳未満の方は22:00から翌日の5:00まで立ち入り禁止となります。サマソニ大阪会場にご来場の方は速やかにご自宅及び宿泊施設へお戻りください。
※未就学児は保護者1名につき1名まで無料(入場エリアの制限あり)、プラチナチケットは未就学児入場不可。小学生以上チケット必要。出演者は予定のため変更の可能性あり。出演者変更に伴う払戻し不可。大阪公演と出演者が異なる可能性あり。雨天決行。各会場入場制限実施の可能性あり。この公演は会場内にカメラが設置されます。会場内の映像・写真が公開されることがあります。オフィシャルHP(http://www.summersonic.com)内の「注意事項」を必ず確認、了承の上、チケットをご購入ください。新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドラインはhttps://www.creativeman.co.jp/covid-19-guidelines/よりご確認ください。

チケット情報はこちら

 

Column1

Chilli Beans.、Kroi、ラッキリ、
yama、Klang Rulerが競演
『SOUND CONNECTION
-Harvest Begins-』
ライブレポート('23)

Column2

「もう音楽だけなんですよ
 自分が誠実でいられるのは」
音と言葉で今を描いた
『Small World』、新曲『Pixie』
Kroiの野心と狂気と飽くなき探求心
内田怜央(vo)×関将典(b)
インタビュー&動画コメント('22)

Recommend!!

ライター奥“ボウイ”昌史さんの
オススメコメントはコチラ!

「Kroiはメンバー個々のキャラが立ちまくってるからこそ、近年の取材でトップレベルに笑ったかも(笑)。この雰囲気、文章から伝わればいいな~。既存のメジャーの宣伝フォーマットにのっとりつつも、むちゃをする(笑)。そういう意味では彼らの音楽のアプローチにも似てる気がしました。その辺のバランス感覚、嗅覚は相変わらず素晴らしいです。そんな今作では、『風来』の歌詞がすごくいいなと。在日ファンクのホーン隊も参加した70sソウル等のルーツミュージックを反映しつつ、最新の言葉が乗っている。これを今の音楽にしちゃった反射神経はすごいなと思いました。サビの“Oh 辺鄙なままいれたらいいな/とは思うけどしっかりしなきゃ”というラインには、バンドの目指すスタンスと同時に葛藤も感じさせます。最初に会うまでは、こんなイケてる音を鳴らしてスカしたヤツらだったら本当にヤダなと思ってたんですけど(笑)、Kroiは違う。ふと見せるバンドの内面や時代性、誠実さとユーモア、信頼できるよなぁ。多分そういうところもお客さんは嗅ぎつけてるんじゃないかな。安易なムーブメントではなく、音楽と人も含めて愛してくれてるような。前回のインタビューを公開したときも、反応してくれたアカウントの動向を見てると、やっぱり濃い人、面白い人が多いし(笑)。全然さらっとしてない、にわかじゃない。ちゃんとした理解者に支えられている感じがしたんですよね。だからこそ今のKroiの躍進がある。今回の記事も、現在開催中のツアーも、そんな方々にとことん楽しんでほしいな!」