頬をなでる爽風と世界一のつり橋を臨む映画のような風景
今村モータースが挑む
神戸を舞台に情景を切り取るライブシリーズ第4弾
『この街に架かる橋と僕の帰り道』レポート!
(2/2)
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「流れで話すの無理なんで、今言います。11月9日にアルバム『この街の夕暮れと僕の散歩道』が出ます!」というまさかの大発表から始まった第2部(笑)。陽が移動するとともにお客さんも日陰を求めて大移動するのも、フレキシブルな環境な野外ライブならでは。1曲目の名曲『プリン』では、「ここでギターソロが入ります」というリハにはなかったキヨシのブッコミに動揺しつつ、ギターソロならぬボーカルソロで乗り切る今村モータース(笑)。
そして、「こんなに晴れるとは思ってなかったなと。雨の1つでも降ってくれたら…とは思ってないです(笑)。晴れてよかった」という言葉の意味は、次の曲が『雨宿り』だから。切ない歌声に沿うキヨシの心地いい低音コーラスにお客さんの声も加わったところで、「“この街”シリーズはぴあ関西版WEBのレポートが毎回入ってるんですけど、盛り上がってる方が奥さん(=筆者)も書きやすいんちゃうかな!?」って、マップちゃんナイスサポート!(笑)
「この街シリーズも今回で4回目となりました。今日は『この街に架かる橋と僕の帰り道』です。学生の頃は、毎日この道を通ってたっけ…いや、毎日っていうのはちょっと嘘(笑)。そんな大事な場所でライブができて幸せです」
“この日がなければ、今日にはつながってなかった/今日を大事に生きる/あの日を大事に生きる/今この瞬間を楽しんで生きる/あなたと一緒に楽しむ、この瞬間が好きです/盛り上がれ~♪”なんて粋な即興も間奏に織り交ぜた『雨宿り』が生み出したグッドヴァイブな光景は、「神戸の鬼の“クラップ・ユア・ハンズ・マスター”と呼ばれてますんで!」という『feel』でも続行。あたたかな拍手が楽曲を後押ししつつ、ここで“ラララ♪”のコーラスがいつの間にかネコ派の“ニャンニャン♪”とイヌ派の“ワンワン♪”にスイッチする、ワル乗り大盛り上がりも!(笑)
ここで一転、海上行き交う船を眺めながら、祖母の元へと通った思い出を話しつつの『アワノガワ』が、優しく胸に染み渡っていく。船のモーター音と蝉の鳴き声、そして吹き抜ける風と絶景。ここにしかない景色が、“この街”シリーズの意義を語らずとも描いていくよう。
「高校生のときぐらいにこの辺に引っ越してきて、すごいまじめに水泳部にも通ってましたけど、思春期特有の時期にもう旧武藤亭はここにあって、ぼーっとしたりして…。あと、若い頃に“この人めっちゃ好き!”という人にここで告白して、見事に成功しました! もうその人は傍にはいないですけど(笑)。ライブで恋愛のこと話すの初めてちゃうかな(笑)。そんなこんなを歌にしてみました」
会場中がグッと聴き入り1つになった『帰り道』では、今村モータースの楽曲が描く世界観と目の前に広がるロケーションのマッチングが、本当に素晴らしい。多くのスタッフに感謝を述べながら、第2部もいよいよ終盤戦へ。『この街の夕暮れと僕の散歩道』では自ずと手拍子も生まれ、少しずつやわらいでいく日差しの中、そよぐ風が歌声が会場を満たしていく。
手拍子もそのままに、ラストは『HAPPY』! 大きな拍手に包まれながらステージを後にした2人も、途切れないそれに呼び戻され、アンコールに再び『点と点』を。素晴らしい天気と海沿いの美しい景色に恵まれた第2部は、“この街”シリーズの行く末と同時に、ニューアルバムへの期待を高めるのに十分なひとときをもたらしたのだった。
Text by 奥“ボウイ”昌史
Photo by はやしまこ(maco-j)
(2016年11月16日更新)
Check
Set List
最高の天気、最高の景色
“この街”シリーズ第4弾!
『今村モーターワンマンショー
「この街に架かる橋と僕の帰り道」』
7月30日(土) at 舞子公園 旧武藤邸 テラス
<第1部>
01. メロディ
02. ユリイカ
03. レインダンス
04. タワー
05. 点と点
06. 踊るランドリー
07. アコガレ
08. 栄町通四丁目
09. ring
10. thank you for the musicfan
<第2部>
01. プリン
02. 雨宿り
03. feel
04. アマノガワ
05. 帰り道
06. この街の夕暮れと僕の散歩道
07. HAPPY
ENCORE
08. 点と点
Release
“この街”シリーズの1年半が歌となった
待望の3rdアルバムが遂にリリース!
Album
『この街の夕暮れと僕の散歩道』
発売中 2000円(税別)
アームテックパブリシャーズ /
スペースシャワーミュージック
DDCZ-2128
<収録曲>
01. 踊るランドリー
02. プリン
03. ユニバース
04. 空想クラッシュ
05. home waltz
06. 帰り道
07. アコガレ
08. この街の夕暮れと僕の散歩道
Profile
いまむら・モータース…地元神戸を中心に活動。ライブハウス、カフェ等、幅広い場所で歌いつつ、『COMIN'KOBE』等関西主要イベントにも毎年出演。’13年にリリースした1st アルバム『夢見gachi商店街』が、各地CDショップにてオススメアーティストとして展開され好調なセールスを記録。翌’14年9月には2ndアルバム『おかわりのかわり』を発売。収録曲の『点と点』が、地元Kiss FM KOBEの同月の推薦曲“HOTRAXX ”に選ばれ、さらには9月26日付ウィークリーチャートでは1位を獲得。そして、'15年3月には北野工房のまち 講堂にて『この街の夕暮れと僕の散歩道』、同年7月には神戸北野サッスーン邸にて『この街の異人館とふたつの灯り』、同年12月には神戸布引ハーブ園 森のホールにて『この街のハーブ園と空中散歩』と“この街”ワンマンシリーズを重ね、 今年11月9日にはその集大成的3rdアルバム『この街の夕暮れと僕の散歩道』をリリースした。
今村モータース オフィシャルサイト
http://i-motors.info/
Live
ライブハウスという原点の風景に
浜端ヨウヘイを招いたレコ発ツーマン
『この街のライブハウスと旅の始まり』
チケット発売中 Pコード308-536
▼11月18日(金)19:00
神戸VARIT.
前売2800円
[共演]浜端ヨウヘイ
神戸VARIT.■078(392)6655
チケットの購入はコチラ!
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昼夜で劇的に景色を変えた
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Column3
変わらないでいるために、
変わり続ける。ルーツ、震災
ギター職人の道、dozens
そして神戸――ひらめきという
羅針盤を手に点と点を線にする
今村モータースの流浪の音楽人生
を語る撮り下ろしインタビュー