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頬をなでる爽風と世界一のつり橋を臨む映画のような風景
今村モータースが挑む
神戸を舞台に情景を切り取るライブシリーズ第4弾
『この街に架かる橋と僕の帰り道』レポート! (1/2)

 神戸発のシンガーソングライターとして、『COMIN'KOBE』『トアロード・アコースティック・フェスティバル』『MINAMI WHEEL』など関西の様々なイベントでも、飄々とした佇まいを心地よく裏切る少年性を湛えた歌声と、いつかの情景を描き出すグッドメロディを礎に、その人を食った名前と存在感をじわじわ浸透させてきた今村モータースの“挑戦”。旧小学校となる北野工房のまち 講堂での『この街の夕暮れと僕の散歩道』、歴史的な異人館・北野サッスーン邸でのアコースティック/アンプラグドな昼夜2回公演『この街の異人館とふたつの灯り』、神戸の街を見下ろす山頂に佇む神戸布引ハーブ園 森のホールでの『この街のハーブ園と空中散歩』と、シチュエーションの妙で魅せてきた彼のコンセプトワンマンライブ、“この街”シリーズの第4弾の舞台は、世界一のつり橋・明石海峡大橋を臨む舞子公園の一角にある明治40年築の洋館、旧武藤邸。まるで海外映画のように雄大で美しい風景を背に、シリーズ初の無料2回公演で行った『この街に架かる橋と僕の帰り道』をレポート!

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 「ようこそ~(沈黙…)。あれ? 今日たまたま通りかかった人?(笑) いいとこでしょ~ここでやりたかったんです」と、まずは主宰のいつものノリのご挨拶から始まった(笑)この日のライブ。文句なしの晴天に、「しんどくなったらいつでも手を上げてくださいね、僕の兄貴もいるんで(笑)」とフードブースにいる実兄をさらりと紹介しつつ、奏で始めた1曲目は『メロディ』。海沿いのロケーションもあってか、風が吹き抜ける開放的な空気をまとって『ユリイカ』、『レインダンス』と歌い進めるその光景もさることながら、円形の武藤邸のテラスと共鳴し合うかのように、歌声とカホンの音色が、客席となる庭園に気持ちよく響いていく。
 

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 MCでは、「僕、サラサラシートみたいなの持ってるんで使って」とテラスの手すりにそれを置き客席を気遣いつつ(笑)、「ええとこやな~って今日50回ぐらい言うと思いますけど、今日、舞子駅で降りたらたくさんの人がいて。“ああ、いっぱい人が来てくれたんやな~”って思ってたら、みんな淡路島の違うフェスに行くみたいで(笑)」と、今日このライブに訪れた誰もがさっき思ったであろう想いを共有しつつ(笑)、一転『タワー』ではゆっくりと、じっくりと、その切なくてどこか懐かしい楽曲の世界観を頬をなでる爽風の如くじわじわと浸透させていく。
 

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 そして、キヨシ(perc)の抑制の利いたカホンのビートに誘われ、『点と点』へ。2人の背中越しに架けられた巨大なつり橋を過ぎ行く車の流れを背景に、自身の幼少期を過ごした舞子という土地で、今村モータースの音楽人生のテーマソングを歌う様は、何だかノスタルジックに響く。
 

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 「今日は~新しい~曲をやるぅぅぅぅ!」となぜかエロ詩吟調のMCはさておき(笑)、「ガス灯通りっていう、僕がぼーっとしに行く場所があるんです。最近はポケモンGOのせいもあってか人がいるんですけど(笑)、そこでキャピキャピした、“青春やなぁ”っていう感じの人を見てできた曲を」と、ここで新曲『踊るランドリー』を。“チクタク”という時計の針の音をフックに風景が移り変わっていくドラマティックなポップソングに続いて、前回の『この街のハーブ園と空中散歩』でも披露された『アコガレ』と、メロディセンスが際立つ2曲でグッと会場を引きつける。
 

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 「この前、初めてamazonで買い物して、めちゃ便利やねん。ポチったことある? なかなか家にいないときは、お近くのコンビニに届けてもくれるんですよ」「もう家いらんやん」(キヨシ)「いや、家はいるでしょ!」(今村)なんてやりとりで和ませつつ(笑)、『栄町通り四丁目』へ。蝉の鳴き声をバックトラックに、切ない歌声とアコースティックギターが風に乗ってどこまでも遠い空へと伸びていく。

imamuramotorsreport3_goodvibe1.jpg 「今日は2部構成なので、休憩を挟んでまたやります。できたらこのまま参加してもらいたいですけど!(笑) 皆さん予定もあるでしょうから」というタイミングで2人を横切りサラサラシートを取りに来たお客さんも抜群に機能しつつ(笑)、そのまま『ring』へ。今度は蝉の鳴き声ならぬ会場の手拍子が、まるで海外にいるような舞子公園の絶景に色を添えていく。
 

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「前半戦ラスト1曲でございます。僕、いつまで経ってもMCが上手くならないんですよ。でも、何か1つ形を成せば、僕が観てほしい景色とかを、言葉にせずとも感じてもらえるんじゃないかなというのは常日頃ありまして。ここまで来てもらって、まぁただのわがままですけど、基本は全て歌の中に詰め込んでいるつもりなので。今日はゆっくり、楽しんで帰ってください。この後もよろしくお願いします」
 

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 最後は優しいアコースティックギターの音色に導かれて、『thank you for the musicfan』を。会場にいる者全てがその想いをしっかりと受け取っていたのは、テラスに注がれた眼差しからも明白。これ以上ない晴天に恵まれた1部は、こうして幕を閉じた。
 

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“後半は加速する熱気と気温で身も心もアツくなった(!?)、第2部の模様をレポート!”

 


(2016年11月16日更新)


Check

Set List

最高の天気、最高の景色
“この街”シリーズ第4弾!

 
『今村モーターワンマンショー
「この街に架かる橋と僕の帰り道」』
7月30日(土) at 舞子公園 旧武藤邸 テラス

<第1部>
01. メロディ
02. ユリイカ
03. レインダンス
04. タワー
05. 点と点
06. 踊るランドリー
07. アコガレ
08. 栄町通四丁目
09. ring
10. thank you for the musicfan

<第2部>
01. プリン
02. 雨宿り
03. feel
04. アマノガワ
05. 帰り道
06. この街の夕暮れと僕の散歩道
07. HAPPY
ENCORE
08. 点と点

Release

“この街”シリーズの1年半が歌となった
待望の3rdアルバムが遂にリリース!

Album
『この街の夕暮れと僕の散歩道』
発売中 2000円(税別)
アームテックパブリシャーズ /
スペースシャワーミュージック
DDCZ-2128

<収録曲>
01. 踊るランドリー
02. プリン
03. ユニバース
04. 空想クラッシュ
05. home waltz
06. 帰り道
07. アコガレ
08. この街の夕暮れと僕の散歩道

Profile

いまむら・モータース…地元神戸を中心に活動。ライブハウス、カフェ等、幅広い場所で歌いつつ、『COMIN'KOBE』等関西主要イベントにも毎年出演。’13年にリリースした1st アルバム『夢見gachi商店街』が、各地CDショップにてオススメアーティストとして展開され好調なセールスを記録。翌’14年9月には2ndアルバム『おかわりのかわり』を発売。収録曲の『点と点』が、地元Kiss FM KOBEの同月の推薦曲“HOTRAXX ”に選ばれ、さらには9月26日付ウィークリーチャートでは1位を獲得。そして、'15年3月には北野工房のまち 講堂にて『この街の夕暮れと僕の散歩道』、同年7月には神戸北野サッスーン邸にて『この街の異人館とふたつの灯り』、同年12月には神戸布引ハーブ園 森のホールにて『この街のハーブ園と空中散歩』と“この街”ワンマンシリーズを重ね、 今年11月9日にはその集大成的3rdアルバム『この街の夕暮れと僕の散歩道』をリリースした。

今村モータース オフィシャルサイト
http://i-motors.info/
 

Live

ライブハウスという原点の風景に
浜端ヨウヘイを招いたレコ発ツーマン

 
『この街のライブハウスと旅の始まり』
チケット発売中 Pコード308-536
▼11月18日(金)19:00
神戸VARIT.
前売2800円
[共演]浜端ヨウヘイ
神戸VARIT.■078(392)6655

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Column1

森のホールが誘う
山頂の絶景と木のぬくもり
今村モータースの大いなる挑戦
神戸を舞台に情景を切り取る
ライブシリーズ第3弾
『この街のハーブ園と空中散歩』
をレポート!

Column2

北野サッスーン邸が
昼夜で劇的に景色を変えた
今村モータースの大いなる挑戦
神戸を舞台に情景を切り取る
ライブシリーズ第2弾
『この街の異人館とふたつの灯り』
をレポート!

Column3

変わらないでいるために、
変わり続ける。ルーツ、震災
ギター職人の道、dozens
そして神戸――ひらめきという
羅針盤を手に点と点を線にする
今村モータースの流浪の音楽人生
を語る撮り下ろしインタビュー