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音楽は国境を越えた!インストバンド・SAWAGIが放つ
風景も国境も越えたアルバム『Starts to think?』
アルバムの話と南アフリカツアーレポートの総集編!
SAWAGIインタビュー&動画コメント ※プレゼント有ります

 日本が誇る、大阪が生んだインストゥルメンタルダンスミュージックバンド、SAWAGIが、ニューアルバム『Starts to think?』を携え、今年1月に日本から遥か遠く離れた南アフリカ共和国よりツアーを開始した。昨年、同国の人気バンド、ショートストローの来日公演に参加したことをきっかけに、今回の南アフリカツアーが実現。もちろん、日本のバンドで初の快挙だ。SAWAGIを知る人はほぼ100%いない、という完全にアウェイの状況を自らの音楽で覆し、現地の人々のハートをわしづかみにし、躍らせた25日間の出来事は、ツアーレポート企画『私を南アフリカへ連れてって!!』に明らか。スパイ映画のようなスリルに富んだ『Kryptos』(M-6)や、星のきらめきを思わせる『horoscope』(M-7)とともに、無上の楽しさの中に何かを始めようとする強い意志がみなぎった『fuss uppers』(M-1)や『rush around in circle』(M-5)。それらを詰め込んだ大充実のアルバムと南アフリカで得た経験をひっさげた国内ツアーもいよいよ佳境にさしかかり、5月17日(日)は梅田Shangri-Laに凱旋。言葉で伝える以上に雄弁なSAWAGIのダンスミュージックを味わい尽くしたい。

音楽のおかげで国境を超えて友達もできるし。
そうです、音楽は国境を超えました!



――遅ればせながら、初の海外公演にして25日間にわたる南アフリカ共和国ツアーの大成功おめでとうございます!
 
全員「ありがとうございます!」
 
――今回の南アフリカツアーは、昨年4月にショートストローのジャパンツアーにSAWAGIが参加されたことがきっかけだったと。
 
雲丹亀(b)「はい。FLAKE RECORDS主催のショートストローの来日公演の東名阪広4公演を一緒に回らせてもらって。南アフリカツアーの話が出たのは秋ぐらいですね」
 
nico(ds)「最初に“南アフリカに行けるかもよ”って話があったときは、俺らも“ほんまに行くんか?”って半信半疑で」
 
雲丹亀「その場のノリで“お前ら、今度は絶対俺らの国に呼ぶから!”ってなる“外人あるある”みたいな感じかなとも思いつつ(笑)」
 
nico「ツアーを回っていくうちにショートストローのメンバーとむちゃくちゃ仲良くなって、俺らが参加した最後が広島だったんですけど、そこで敢えて英語でMCして、“次は南アフリカで一緒にやろう”って言ったんですけど、まさか実現するなんて思ってなくて。呼ばれたら呼ばれたで、“…南アフリカって!”って(笑)。遠いし、行ったことないから怖いし、最初に25日間っていう日程を聞いて“長っ!”って(笑)。でもこういう機会じゃないと南アフリカという国に行くこともないやろうし」
 
――ライブ初日に機材トラブルもあったとレポートにありましたね。
 
コイチ(key)「僕の鍵盤が初日で壊れました。日本とは電圧が違うんで、電圧トランスみたいなのは持って行ってて、リハーサルのときは大丈夫やったんですけど本番のセッティングをしてるときに音が鳴らなくなって。原因が分からずにテンパッてたんですけど、その日はショートストローのギャド(key)に鍵盤を借りて何とかやれて。次の日に楽器屋に連れて行ってもらったら、ヒューズが飛んでたみたいで。そういう電圧関係のトラブルが1回あったのと、そのまた別の日に今度は別の鍵盤が壊れてしまって。メインで使ってるものではなかったんで、そのツアーはメインのヤツとサンプラーで乗り切りました」
 
――いきなりのトラブルで“うわ、前途多難やん(泣)”みたいな感じはなかったですか?
 
コイチ「“どうしよう”って最初はテンパッてたんですけど、メンバーが上手いこと助けてくれて乗り切れて、あとはお客さんの反応がすごくよかったことも力になりましたね。音色がいつも通りじゃなくても、いい演奏のライブが出来たらいいかって思えて。とにかくお客さんのレスポンスが分かりやすかった」
 
――日本のお客さんとはどんなふうに違いました?
 
コイチ「とりあえず盛り上がる(笑)。ぼくらがやったライブハウスっていうのが日本のとはちょっと違って、会場にお酒を飲むスペースと、ご飯食べるスペースと、DJスペースとライブスペースがそれぞれあって1つの大きなエンタテインメントスペースみたいになっていて。僕らがライブする頃には、ある程度お客さん達も酔いが回って出来上がってて、もちろん演奏も聴いてるとは思うんですけど、とにかくわぁわぁ騒いでる人が多かった。日本のライブだと酒飲んでる人もいるけどやっぱり音楽を聴くことがメインで、お客さん達がそれほど派手な反応はしなくても聴いてくれてるイメージですけど、向こうの人は聴いてるか聴いてないかわからんけど(笑)、とにかく盛り上がるんですよ。そういうレスポンスがあるのがすごい楽しかったですね」
 
雲丹亀「確かに“(演奏を)聴いてんのか!?”って人はすごい多くて(笑)。日本では考えられへんほどの数のスマートフォンがライブ中にこっちに向けられてたり(笑)、自撮りしてる人もおるし。でも根底にあるのは演奏を楽しんでいて、曲が終わったら拍手も歓声もすごくて。南アフリカでの最初のライブの一音目を出すまでは緊張もあったんですけど、出してみたら反応もすごくあって。…ただやっぱりコイチさんの言う通り、ほぼほぼ酔っぱらいを相手にしている感じでした(笑)」
 
観音(g)「リハしてる最中に酒屋さんが納品しにくるんですけど、その酒の量がハンパじゃなくて(笑)。酒をコンテナで運んでくるぐらいのすさまじい量で、飲み終わったテキーラのビンも山のように積んであったりして。ライブの入場料も安いしお酒も安いから、その分お酒もじゃんじゃん出るし、いい循環なのかなって。それと、ライブ以外にあんまり娯楽がないんかなぁ。パチンコ屋もゲーセンもないし」
 
――よく、“音楽に言葉はいらない”とか“音楽は国境を超える”と言いますが、それが骨身にしみた25日間だったのではないかなと。 
 
観音「ライブが終わった後とかに、みんなすごく普通に話しかけてくれて、“coolだ”とか“awesome!”“great!”とかそういうことをすごくたくさんの人が言ってくれて。国境を超えたというか、自分たちの音楽が“伝わったんかな”という実感はすごくありましたね。なので日本の皆さんも、ライブが終わった後に、“カッコよかったです”とか恥ずかしがらずにもっと言って欲しいです(笑)。やっぱり嬉しいし、その一言を言ってもらえるだけで僕らの気持ちも上がるし、やってよかったとも思うし」
 
nico「たぶんバンドをやっていなくて南アフリカに行ってたらあの待遇じゃなかったやろうし、あれだけの人数の人としゃべったりコミュニケーションをとる機会もなかったと思うんですね。現地の人たちみんなが優しくしてくれるのも全部、俺らの音楽があるからやなと思ったし、めっちゃいい国やけど、ただ旅行で行ってたらこれほどの人たちと触れあえることはなかったやろうなって考えたりもして。音楽のおかげで国境を超えて友達もできるし。そうです、音楽は国境を超えました(笑)」
 
――(笑)。
 
nico「それと、音楽とかサッカーとか、言葉がいらない共通の話題があることだけでも全然違いますよね。英語がしゃべれなくても、“好きなバンドは?”って聞いて、バンド名を言っただけでも“おー!”って盛り上がる。俺ら現地でほとんど、“イエ~!”とか“テキーラ!”ぐらいしか話せてないし(笑)、それでも仲良くなれるのは、一緒にサッカーしたり、一緒に音楽を楽しんだり言葉以外の共通言語があったからやと思いますね」
 
――現地での移動時間が8時間、12時間、16時間とレポートにもありましたが、1日の半分とか3分の1が移動時間というのもなかなかタフですよね。
 
コイチ「でも僕ら東京から鹿児島へ車で移動するときとか、20時間とかかかるときもありますからね。それを考えるとあんま変わらへんというか」
 
雲丹亀「最初のほうは風景を見るのがすーごい楽しくてテンション上がってたんですけど、走れど走れど景色は変わらんし、さすがに12時間同じ景色が続いてると、最初こそ“うわぁ!地平線や!”ってなったけど、だんだんと“……まだ地平線かい”って(苦笑)」
 
nico「標高1000メートルぐらいのところを走ってるから、地平線は見えてるけど山もないしほんまに何もないんですよ。一度、移動の16時間起きといたろと思って、俺1人でずっと起きてたことがあって。そうするとね、もう風景っていう概念がなくなってくるんですよ」
 
――アハハハ!
 
nico「だって、目の前に白い布をバンって置かれて、そのままの状態が十何時間も続くような感じなんですよ?まったく何の変化もないから。携帯もつながらないし、みんな寝てるし、ほんまにすることないから風景を見て考えごとをするんですけど、だんだん考えることもなくなってきて。しまいに風景っていう概念について考え出して、そうなるともはや、風景なんていう概念はいらないということにたどり着きました (笑)」
 
――現地でスリに遭いそうになったり、貧富の差をあからさまに感じたり、犯罪行為が日常的にある地域もあったり。ただ、SAWAGIを聴きに来た人たちの尋常じゃない盛り上がり方や楽しんでいる様子をレポートを通して知った時に、人間的にとても豊かに思えました。SAWAGIの音楽に触れて、思うがままに楽しんでいる様がとても自由で豊かで、真の楽しみ方を知っているように感じられて。
 
雲丹亀「さっき観音も言ってたけど、楽しむことの選択肢が少なくて、その分楽しいことにパワーを注げるのかもしれないですね。飲食店も服屋さんも早くに閉まるし、夜中に開いてて遊べるのがライブハウスで、その分誰もが“うぉらぁ~!”って遊んでる感じもあって」
 
観音「ライブハウスもそんなに数がないみたいで、大阪で言うと心斎橋エリアぐらいの広さにライブハウスが2軒あるぐらいやって」
 
――とはいえ、誰のどんな音楽でも盛り上がれてOKかといえばそうじゃない気もします。現地の人にとっては、SAWAGIは日本という遠い国から来たどこの誰かも分からないバンドなわけですよね。
 
nico「確かに、俺らの前に現地のバンドがライブやってて、お客さんが全然入ってなかったこともあったし、逆に俺らが始まったらバーッて人が集まって来たことも結構あって。ライブ会場も全体的にパーティーなんですよね。ライブやってようがやっていまいが、友達と会って酒飲んでしゃべってるのも楽しいし、それでライブが良ければ反応する。それと、お客さん達みんなライブ中も結構デカい声でしゃべってるんですよ(笑)。最前列でチューしてる人とか、ずっと自分たちの写真撮ってるカップルとかもいて(笑)。でも音楽が楽しくなかったらその場から離れていくでしょうしね。俺らを聴きに来てる人たちは、みんなその場を楽しんでる感じがありましたね」
 
――nicoさんが書かれていたと思うのですが、SAWAGIが海外アーティスト初出演となった現地のフェス『Up the Creek Music Festival2015』のことを書かれていた中に“音楽はフェスの一つの要素”とあったのが印象的で。(8ページ目1/31)これまで日本で出演したフェスとは全然違いましたか?
 
nico「全然違うというか、日本のフェスの場合は音楽がメインになり過ぎてるという感じですね。たださっき言われたみたいに、誰のどんな音楽を投げ込んでもOKというわけではないなっていうのも思いました。それとめちゃくちゃ期待していた面として、南アフリカへ行って自分らがどのぐらい変わるかなと思ったんですね。南アフリカに行ったことで、ライブのスタイルとかライブに対する考え方とかが変わるかなって。でもいちばん持って帰りたいなと思ったのは、向こうのイベントのあり方なんですよね。日本だと、夜19時からのイベントやったら⒙時にオープンして、19時までDJが曲をかけてるけど特に誰も聴いてなくて、ライブが終わったら“ハイ、終了。みんな会場から出てくださーい”って感じじゃないですか?(苦笑)。南アフリカでは、リハの最中からバースペースが開いててお客さん達がみんな普通に入ってきて、こっちはリハやってるのに“お前ら、SAWAGIやろ?”って話しかけてくるし(笑)、昼の2時ぐらいからそんな感じでみんな酒飲んでて、ライブが始まる頃にはむちゃくちゃ人が増えてて。ライブが終わっても夜中2時ぐらいまでみんなそのまま酒飲んでワイワイしていて。ライブハウスのスタッフは大変やろなと思うけど、売り上げはスゴいあると思うし、その楽しみ方を日本の人に伝えられたらいいなと思ったんですね」
 
――いいですね!是非、やってほしいです。
 
nico「でも“昼の2時から開けて下さい”とか言ったら、ライブハウスはイヤがるやろな(笑)。どれだけの人が集まるかも関係あるんでしょうけどね。南アフリカは気候が良くて、ライブハウスもデカいし人も集まるし酒も安いし、メシ食うスペースも充実してるし」
 
――ライブのやり方以外に、南アフリカに行ったことで、何か内面的な変化はありましたか?
 
nico「……正直、何も変わってない(笑)。周りから見たら変わってるのかもしれないけど」
 
コイチ「それを実感できるタイミングっていつなんやろうな?(笑)。南アフリカでは4日連続とか立て続けにライブする機会もあって、そうすると演奏に関して気付く面が増えてくることもあって、それはよかったですね。ただ、それがどう自分の変化につながっているかは、まだ実感できてなくて」
 

 
このアルバムは、風景という概念を超越しました(笑)

 
 
――コイチさんのレポートの中で、ショートストローのアルバムを聴きながら移動していて『風景とのマッチングが100%』と書かれていて。ふと、SAWAGIの音楽にぴったりの景色はどこなんだろう?と思いまして。(11ページ目1/24)
 
コイチ「うーん。どうなんでしょう?“ここやったらこの曲が合うかな”とかはあるんでしょうけど……」
 
雲丹亀「曲によって見える風景は全然違うんで、アルバム1枚通して聴いたら1つの旅をしたような感覚になるものに出来たら、というのは作っている時もあったんですけどね。ただ、“この場所”っていうのはなかったかなぁ」
 
――本人が“自分達の音楽が似合う場所はここです”というものじゃないのかもしれないですね。『atride』(M-9)は宇宙を感じる瞬間もあれば和のテイストも感じるし、『Imbarance』(M-4)は、歌詞がなくても思わず歌えるんじゃないかと思うようなメロディーで。特定の場所だけにハマる音楽じゃなく、歌詞がないことが強みになって国境とか民族も超えて世界中の人と繋がれる音楽なのかな、という気もしました。南アフリカで受け入れられたこともそれを証明しているように思います。
 
nico「確かに。このアルバムは、風景という概念を超越しました(笑)」
 
――そこに繋がりましたか(笑)。けど本当に、聴いていて宇宙を感じるというか、大きなものに包まれているような心地よさもあり、詞はなくても勝手にメロディーを歌ったり、跳んだりはねたりしてもOKというように、自由に遊ばせてもらえる音楽であると思いました。
 
nico「ほんまにそうです。今のコメントは僕が言ったことにしといてください(笑)」
 
――(笑)また、SAWAGIという名前もいいですよね。分かりやすくて。
 
nico「海外に行ってやっとほんまにこの名前がよかったんやなと思いました。もともとインストをやると決めて、バンド名も海外にも出られる日本の言葉にしようって言って付けたんですね。海外の人にバンド名の意味を聞かれたときに、“こういう意味やねんで”って伝えるのがおもしろいなと思ったし、バンド名だけで音楽がイメージ出来るやろうし。今回も南アフリカで“サワギってどんな意味や?”って聞かれたときに、“レッツ・ダンスって意味や”とか、“メイク・サム・ノイズとかブリング・ザ・ノイズとか、とにかく騒げって言葉やねん”って言ったら“おお!いい名前やな”って言ってもらえて」
 
――バンド名ももちろんですけど、南アフリカに行ったことで、これまで自分たちがやって来たことに対してあらためて“カッコいい音楽をやってたんや”って、自信になったんじゃないでしょうか。
 
雲丹亀「すごく普通のことを言いますけど、ほぼ全部のライブで感じたのが、俺らが日本のスタジオで4人で一生懸命作った曲が、今、南アフリカのこの場所に鳴り響いているっていうことに感動して。曲自体もそうですし、4人で鳴らせてることも。キーボードのトラブルはあったにせよ、全部のライブで普通にちょっと、1人で勝手に感動してましたね。感慨深いというか」
 
観音「もちろん“世界でやりたい”という希望はあったけど、自分の人生でまさか南アフリカの人たちの前で演奏するなんて、そんな音楽人生を送れるとは思ってなかったんで、やっぱり感動しましたね。そんなことが起こるんやと」
 
――そういえばツアー後半のライブで『MOTOR POOL IS NOT DEAD』の大合唱が起きたとありましたね。(5ページ目2/6)
 
雲丹亀「前からショートストローのメンバーもその曲のイントロがすごく好きやって言ってくれてて、“タラッタッタッタッタッタ”ってよく歌ってて。一緒にツアーに同行してくれてたFLAKE RECORDSのDAWAさんが“歌いやすいメロディーやし、お客さんに歌わせてみたら?”ってアドバイスしてくれて、あるとき僕がマイク使って歌って手招きしたら、みんな歌うようになって。インストバンドやのに大合唱(笑)。日本ではやったことない試みでしたけどね」
 
nico「日本人でもあんなに歌わんでしょうね。またね、みんなマジで声がデカいんですよ。あれ、大阪でやりたいなぁ」
 
――5月17日(日)のShangri-Laでやりましょうよ!
 
nico「って、大々的にスベッたりして(笑)」
 
雲丹亀「みんな歌ってるけど音程はバラバラで、好き勝手に大声出してて、それがまた良くて。“俺、歌うのがヘタやから…”みたいなのは全然なくて、“楽しいやん!”“おもろいやん!”みたいなノリで歌ってるんですよ」
 
――“音程ハズしたらカッコ悪い”みたいに思う人もいないんでしょうね。
 
nico「南アフリカの人たちみんな、俺らを初めて観るわけやし、俺らの曲なんて絶対知らないでしょう?けど、一回歌わせたら最後まで歌うんですよ。曲がバン!てブレイクして音が終わってもそのままずっと歌い続けてて。“どんだけこいつら歌ってんの?”っていう(笑)」
 
コイチ「日本だったら、自分もみんなが歌ってる間ずっと弾き続けると思うんですよ。けど、南アフリカでそうなった時に、だんだんみんなの合唱に合わせて伴奏をしてる気分になってきて、それもスゴい感動しましたね」
 
雲丹亀「そういえば、手拍子しながら煽った時に思ったより手拍子が返って来なくて。めちゃめちゃ盛り上がってるのに“あれ?”ってなったんですけど、よくよく考えたらみんな片手に酒を持ってるから手拍子できなくて(笑)。それに気づいて片手を上げたら、今度はバーッとみんなの手が上がって。“もうええねんで!”ってぐらいまでずーっと手を上げてるから(笑)」
 
――大阪でも夜中2時ぐらいまでやりますか(笑)。
 
nico「僕らは全然いいんですよ(笑)。そもそも南アフリカってライブの打ち上げっていう概念がないんですよね。ライブが終わった後も、お客さんも出演者もみんなそのまま会場で飲んだり話したりワイワイしてるっていう。それっていいですよね?せっかくお客さんもおんねんから、そのままワイワイしたらいいと思うんですよ。ワンマンなんて打ち上げやっても反省会みたいになってつまらんから(笑)」
 
雲丹亀「Shangri-Laの屋上でブライ(=バーベキュー)やる?(笑)。南アフリカでブライやったときも、みんなが常にブライの周りにいるわけじゃなくて、日本でいう鍋奉行みたいな役割の“ブライ奉行”みたいな人がいて、ほかの人は男性も女性もみんな酒飲んでて、ベロベロになった頃にブライ奉行が“肉が焼けたよ~”って持ってくるっていう感じなんですよ。だから、みんなは飲んでたらいいし」
 
nico「Shangri-Laって夜中の2時まで騒いで大丈夫ですかね(笑)?」
 
――アハハハハ!では5月17日(日)のShangri-Laは南アフリカンスタイルが実現することを期待して(笑)。
 
nico「大阪は地元だし、特別感はありますよね。関西弁を喋ってるだけで面白いとは思ってもらえないし、昔っからの知り合いも観に来るんで厳しい場所ではあるんですけどね。ただ、大阪だけでしか出来へんことをやろうと、今ちょっとそんなんも考えてるんで楽しみにしててほしいです。それと、アルバム『Starts to think?』を聴いてほしいなっていうのが一番の思いですね。こういう音楽があるのをまだまだいろんな人に知ってほしいし、興味を持ってもらえたら。それで、“南アフリカでライブをやって来たのはこんなバンドなんや”って聴いてもらえたら嬉しいです」
 
観音「たまにtwitterとかで、“インストは苦手やけどSAWAGI聴いてみたらイケるわ”っていううれしい声を見たりすることもあって。インストってそんなに難しないねんでってことも伝えたいですね」
 
nico「国境も超えますからね」
 
観音「そう。実はポピュラリティがあんねんでってことを、今回のツアーに限らずこの先ずっと伝えられたらと思いますね」
 
コイチ「南アフリカでツアーした時も、僕らに求められてることってその場にいる人と盛り上がることなのかなと思ったんですけど、今回のツアーではアルバムの雰囲気を伝えたいというのもあって。盛り上がるのと同時に、ちょっとじっくり音楽を聴かせて、楽しい以外の感動の種類も産み出せたらなというのもテーマとしてはあります。純粋に音で感動してもらうというか、きれいやなとかクールやなとか、哀しいとか、いろんな情緒的なものを見せれたらなと思います」
 
――そういうのって、言葉(=詞)がなくてもあっても伝えられるし、感じられるものですよね
 
コイチ「そうですね。言葉がないのは難しいなと思う時もあるんですけどその分、おもしろさもあるんですよね」
 
雲丹亀「今までのライブのやり方って、みんなを巻き込んで煽って踊らせてというところもあったんですけど、今回からはコイチさんも言ってましたけど、音で伝えていくことを念頭に置いていて。初めて観に来てくれる人も、今まで来てくれてた人も、楽しみ方はそれぞれに丸投げというかお任せで、観てもらいたいし聴いてもらいたいし、それとともに実際に僕らがナマで演奏しているパワーを感じに来てください。そういうことを全部ひっくるめて、頑張ります!」



text by 梶原有紀子



(2015年5月 1日更新)


Check

Movie Comment

南アフリカ帰りで男らしさが増した!?
SAWAGIからの動画コメント

Release

美しいメロディ、パワフルなビート
国境を完全に越えた全11曲!

Album
『Starts to think?』
発売中 2315円(税別)
SOPHORI FIELD COMPANY
SPFC-0006

<収録曲>
01. fuss uppers
02. Jag Jag
03. Thonis
04. imbalance
05. rush around in circles
06. Kryptos
07. horoscope
08. colors.
09. atride
10. How’s your day
11. Trophy

Profile

サワギ…ダンスミュージックをコンセプトにロック、ジャズ、ファンク、エレクトロなどのエッセンスを取り入れたボキャブラリー豊富なアレンジを凝らす4人組インストゥルメンタルバンド。'09年に発売された1stアルバム『hi hop』はタワーレコードのレコメンド『タワレコメン』に選ばれ、同時に洗練されたライブパフォーマンスも噂となり『SUMMER SONIC'09大阪』にも出演を果たす。'11年には自身のイベント『Mitole』を大阪BIGCATにて主催し、その後活動の拠点を関西から東京へ移す。'12年8月、1100日ぶりのリリースとなった1stフルアルバム『Punch Games』をリリースし、翌'13年1月にrega、Nabowa、PETROLZ等を招いて渋谷、梅田QUATTROにて『Mitole』を開催。そのサウンドやライヴスタイルは各方面から注目を浴び、数々のアーティストのツアーサポート、来日アーティスト(ロータス、ショートストロー、マヤ・ヴィク、プロヴィアント・オーディオ等)と共演。'14年からバンド、DJが出演する自主企画『Parabola』を隔月で開催する等、精力的に活動中。Aira Mitsukiのプロデュース、カシオキッズ、ロウ・フリークエンシー・クラブ、藤井リナ、『The Best of jazzin' for Ghibli』(V.A)のリミックスといった活動も行っている。南アフリカでのツアーを経て、現在全国ツアーを敢行中!

SAWAGI オフィシャルサイト
http://sawagi.main.jp/


Live

長いツアーも残すは
東名阪ワンマン公演のみ!!

【愛知公演】
チケット発売中 Pコード251-741
▼5月10日(日)18:00
池下CLUB UPSET
オールスタンディング3000円
ジェイルハウス■052(936)6041

Pick Up!!

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード251-74
▼5月17日(日)18:00
梅田 Shangri-La
オールスタンディング3000円
GREENS■06(6882)1490

【東京公演】
チケット発売中 Pコード251-803
▼5月23日(土)18:00
渋谷WWW
オールスタンディング3000円
スマッシュ■03(3444)6751

【沖縄公演】
▼6月28日(日)18:30
沖縄 Output
前売2500円

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Column1

約2年半ぶりのアルバム
『Starts to think?』を引っ提げ
自身初となる南アフリカツアーの
レポート企画 『私を南アフリカに連れてって!!』

Column2

ダンスミュージックの向こう側へ
1100日ぶり大躍進の1stアルバム
『Punch Games』を手に
Sawagiが主催イベント
『Mitole』前に語った!
笑いと感動の秘蔵エピソード満載
全員インタビュー&動画コメント

Present

南アフリカのお土産を
1名様にプレゼント!

sawagi-present.jpg
※動物の置物、ステッカー、缶バッジ、キーホルダー、ノート
※応募受付は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。