エアロスミスにニルヴァーナ、レニクラ、ストーンズ、ビートルズ、 ディープ・パープルにポリスまで。問答無用のロック大名曲を 多彩なアプローチでフラプラ流に料理した痛快作『Rocks!』! Fried Prideインタビュー&動画コメント
表現力豊かな女性ボーカルと日本最高峰のテクニックを誇る超絶ギタリストのデュオで、ジャズ~ソウル~ロック~フラメンコなどのあらゆる音を独自に咀嚼した音を深化させ続けるFried Pride。最新作『Rocks!』では、タイトル通りにディープ・パープルやビートルズからニルヴァーナにレニー・クラヴィッツ、福原美穂をゲストに迎えてのポリスまで。問答無用なロックの大名曲を彼らならではの多彩なアプローチで料理した痛快作となっている。恒例のクリスマス前のビルボードライブ大阪公演を皮切りに、年明け1月にかけて関西シリーズが続くフラプラのShiho(vo)と横田明紀男(g)に話を聞いた。
まだやっていない名曲やコレは無理だよねと避けてきた曲
――これまでもロックの曲は取り上げられていましたけれど、全曲それで固めたのは初ですよね?
横田(g) 「今までにもやってきましたけど、まだやっていない名曲やコレは無理だよねと避けてきた曲もあったし、80~90年代くらいの曲もありましたからね。僕はニルヴァーナとかあまり知らなかったし」
――横田さんは、世代的にそうですよね。
横田 「ニルヴァーナが流行っていた頃には、僕の関心はスティーヴ・ルカサーがどう弾いているとか個々のプレイヤーに向かっていて、バンドサウンドのロックにはあまり目が向いていなかったので。なので、今回にやる際に聴いてみて、改めて新鮮でしたね」
――逆に、Shihoさんにとっては、80~90年代のニルヴァーナやレニー・クラヴィッツといった辺りは完全にリアルタイムだったんじゃないですか?
Shiho(vo) 「私は中学生や高校生の頃にはロックばかり聴いていたので、今回の曲選びは結構楽しかったですね」
――お2人はずっと一緒に活動されていますが、音楽リスナーとしてはかなり世代差がありますよね。
横田 「16歳差だから2世代違いますよね。僕がロックを一番熱心に聴いていたのは、初期のサンタナやジェフ・ベックが、レニー・ホワイトやスタンリー・クラークとかと一緒にやっていた頃で。そのジェフ・ベックの『ブロウ・バイ・ブロウ』が出た’75年が、彼女の生まれた年ですからね(笑)」
イントロ数秒で何の曲か分かるロックの曲は昔の方が多かったんだな、と
――ロックファンなら誰もが一度は聴いたことがあるようなクラシック揃いですけど、アレンジなどの面で苦労されたことなどはありましたか?
横田 「やっぱりディープ・パープルの『紫の炎(Burn)』(M-6)とかはギターのリフがあまりにも有名だから、その扱いに苦労しましたね。弾かないわけにはいかないけど、弾き過ぎるとちょっと違うかなというところで」
――ザ・ナックの『マイ・シャローナ』(M-2)とかニルヴァーナの『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』(M-4)とか、ギターのリフがメロディ以上に有名な曲が今回は多いですよね。
Shiho 「イントロ数秒で何の曲か分かるロックの曲は昔の方が多かったんだな、と改めて思いましたね。ただ、それを再現するときにバンド形態だとまた違うと思うんですけど、歌とギターだけでそれをどうするかというのはいつも悩みの種だったりして。前に『スモーク・オン・ザ・ウォーター』(‘72)をやったときも、ガットギターであのフレーズを演奏しても仕方がないので、歌詞を付けて歌ったりもしましたし」
――フラメンコ色の濃厚な冒頭のエアロスミス『イート・ザ・リッチ』(M-1)など、有名な曲だからこそこういうアプローチで来たか!という面白さは、リフの扱いも含めて際立っていますね。
横田 「もちろん原曲と同じように有名なリフから始めることも出来るんですけど、そうするとどうしても演芸チックになってしまうし、最初にそのフレーズを出してしまうと、最後までそのテンション感を保たなければならなくなってしまうんですよね。バンドだとそれが出来るかもしれないけど、2人のダイナミクスの最大値を考えると、最初は控えめに引き算したところから始めて、最後にマックスを持っていくような感じにしないといけないんですよね」
――確かに、聴いている内にだんだんと有名なリフなどが見え隠れしてきて、後半に待ってましたのフレーズが現れるアレンジになっている曲が多いように思いました。逆にビートルズの『ミッシェル』(M-7)などは、原曲に忠実でありながらもやはり独自のものになっていましたが。
Shiho 「どういう風に歌おうか?というのが難しかったのは『ミッシェル』でしたね。聴いている分にはとても好きな曲なんですけど、すごくアレンジを変えるような曲でもないし、そのまま普通に歌うと“で?”ということになるので、もうちょっとフレンチポップス風に出来ないか発音を研究したり、出来るだけマイクに近付いてウィスパー調で歌ったりしました」
――横田さんは、今回にプレイ面で特徴的だった点などはありましたか?
横田 「今回はジャカジャカとストロークで弾いている曲が多くて、考えてみるとギターソロが少ないですね。だから今回は、テイク30録りました、みたいな感じではなくスンナリと完成したところがあって、出来上がりを聴いてすぐカッコイイなと思えました。ソロがいっぱい入っている作品だと、後から自分のアラを探すような聴き方ばかりしてしまって、実は1~2年くらい聴けなくなってしまうんですよ(笑)。でも、今回は完成した後もよく聴いていますね」
今回のアルバムの収録曲も、発売日当日のライブから
全然違うバージョンになっていたので(笑)
――そんな痛快なロッククラシック集を携えて、クリスマス前の12月23日(火・祝)にはビルボードライブ大阪を皮切りに、1月には神戸・和歌山・京都と関西圏でのワンマンライブが行われます。
Shiho 「ライブでは意識していなくてもその場でアレンジが変わっていったりするし、今回のアルバムの収録曲も、発売日当日のライブから全然違うバージョンになっていたので(笑)。それはそれで楽しいし、その日のその場のライブでしか聴けないものを聴いて欲しいので、ぜひ会場に足を運んでいただけたらと思います」
横田 「いつもアルバムを再現するという形ではライブをやっていないですけど、この8小節は別にいらなかったねと、後から気が付くことも実際にあるんですよ。例えば『紫の炎(Burn)』なんて、すでにCDとは違ったものになっているし」
Shiho 「もちろんCDを録音した時点では、そのときのベストを出しているんですけど」
横田 「ホントはCDを発表して2~3ヵ月のツアーを廻った後に、ライブ盤を出せるといいんですけどね(笑)」
Shiho 「関西には年明けにもまた戻ってきますので、その頃にはまた変化していると思います(笑)」
Text by 吉本秀純
ビクターエンタテインメント・吉村宥美さんからのオススメ!
「フラプラのライブはとにかく楽しい!! ほんでグッときたり、ホロリときたり、リーダー(=横田)コールしたり(笑)。あらゆる感情をフルに活用させられるライブは他にないでしょう。特に、2人の夫婦漫才のような掛け合いにはいつも爆笑させられます。ああ、もちろん! 音楽は極上!! 回を重ねるごとにアレンジがどんどん変わるので、フラプラのライブはいつだって一期一会です。ぜひ、極上エンタテインメントを体感しに来てください。最後に、ライブをより楽しめる魔法をお教えしましょう。先月リリースしたニューアルバム『Rocks!』買うてー! そうしましたら、より一層、楽しんでいただけますよ」
(2014年12月19日更新)
Check
Movie Comment
ギタープレイにジャケも見せちゃう フラプラの2人からの動画コメント!
動画を再生するには、videoタグをサポートしたブラウザが必要です。
Release
ロッククラシックを大胆調理! 名曲揃いの最新カバー盤
Album 『Rocks!』 発売中 3000円(税別) ビクターエンタテインメント VICJ-61706 <収録曲> 01. イート・ザ・リッチ 02. マイ・シャローナ 03. エターナル・フレーム 04. スメルズ・ライク・ ティーン・スピリット 05. 自由への疾走 06. ローズ 07. ミッシェル 08. 紫の炎 09. 悲しみのアンジー 10. 見つめていたい 11. ラヴィン・ユー・ベイビー 12. ゲット・ディジー
Profile
フライド・プライド…写真左より、横田明紀男(g)、Shiho(vo)。’01年に日本人として初めて米国の名門レーベルであるコンコードからアルバム『Fride Pride』を発表しデビュー。’04年作の『That's My Way』ではマーカス・ミラーやマイク・マイニエリをゲストに迎え、NYのブルーノートでの公演も行うなど、国内外で高い評価を集めながらコンスタントにアルバムを発表し続けている。’13年にはインドネシアで開催される世界最大級のジャズフェスである『Java Jazz Festival』にも参加した。最新作『Rocks!』を11月19日にリリース。Fried Pride オフィシャルサイト http://www.friedpride.com/
Live
リリースツアー絶賛開催中! 関西各地にも続々登場
『Fried Pride CD発売ツアー「ROCKS」』【大阪公演】 Thank you, Sold Out!! ▼12月23日(火・祝) 16:30/19:30 ビルボードライブ大阪 自由席11500円(クリスマス・プレート、 グラス・シャンパン付) ビルボードライブ大阪■06(6342)7722 ※未就学児童及び高校生同士の入場不可。 18歳未満は成人の同伴が必要。【神戸公演】 チケット発売中 Pコード250-889 ▼1月23日(金)20:00 Live Hall クラブ月世界 前売り5500円 Live Hall クラブ月世界■078(331)6540
チケットの購入はコチラ!
【和歌山公演】 チケット発売中 ▼1月26日(月)19:30 OLD TIME 前売5000円 OLD TIME■073(428)1950【京都公演】 チケット発売中 Pコード249-806 ▼1月27日(火)19:30 LIVE SPOT RAG 前売一般5150円 LIVE SPOT RAG■075(255)7273
チケットの購入はコチラ!
【大阪公演】 ▼3月20日(金)・21日(土)
Mister Kelley's
Column1
ジャズとスリルと音楽と 70~80年代のヒット曲を網羅した 前作『EVERGREEN』インタビュー
Column2
3.11以降の想いとアルバム 『LIFE-source of energy』 を語った'12年のインタビュー!