「俺らは粘るよ」
ルーツと経験と3ピースの真髄を詰め込んだ自主レーベル第2弾
アルバム『Love&Soul』引っ提げツアーもクライマックスの鶴が
バンドの第2章と消えない情熱を語るインタビュー&動画コメント
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昨年は、結成10周年記念ベスト『グレイテスト鶴です~ベストじゃん!!~』のリリース、自主レーベルSoul Mate Recordの設立、その第1弾アルバムとなる『SOULMATE』を発表と、まさしくバンドの第2章突入を告げる大展開が巻き起こった3ピースロックバンド、鶴。そんな怒涛の1年を経て、今年9月に届いた自主レーベル第2弾アルバム『Love&Soul』の瑞々しいこと! 鶴の真骨頂と言えるソウル/ディスコなフレーバー満載のホットな楽曲群を構成する自由かつ経験に裏打ちされたバンドサウンド、それを機能させるギミックの行き届いた歌詞には、変わらぬ遊び心と音楽と共に生きていく覚悟がしっかりと刻まれている。リリースツアー『鶴TOUR 2014「Love & Soul ~愛と魂、時々エロス~」』もクライマックスを迎えた彼らに、バンドの現状報告を兼ねたインタビューを敢行。「俺らは粘るよ」。インタビュー中に飛び出したこんな何気ないひと言に、このバンドの消えない情熱と未来を感じたのは私だけではないだろう。
今年は自分から会いに行ったり
逆に会った人とさらに繋がろうとしたりした1年
――今年1年を振り返ってみてどうですか?
秋野(vo&g)「次のライブはどうしよう?って考えてたら、あっという間に1年経った感じですね」
――結成10年を越えてるバンドの言うことちゃいますよね(笑)。
神田(b)「(笑)。今までもいろんな人に出会う日々でしたけど、今年は自分から会いに行ったり、逆に会った人とさらに繋がろうとしたりした1年ですね。去年、レーベルを立ち上げてから徐々にそのモードが強くなっていって、3人の意識もすごく変わったと思います。今までもやってなかったわけじゃないですけど、これだけ意識してやると小さいことでも本当に結果が出るんだなって実感も出来ているので。もっとそれぞれが考えて動けば、もっといけるんじゃないかなという感じですね」
――鶴は熱いバンドのイメージがあるんですけど、そういう作業にそこまで意識がいってなかったのは意外な気も。
笠井(ds)「いろんなところに頼ってきて、いろんな人に助けてもらった分、自分たちが追いつかなかったところがあって。自主レーベルを始めて、こんなところでこういう人にお世話になってたんだ、みたいなことが再確認出来ましたね。あとは、だんだん力が抜けてきた感じがします。最初はちょっと気張ってたし、自分たちをこう見せたいというところもあったんですけど、徐々に受け取る側が素直にリアクションしてくれるのが一番いいのかな、みたいな気持ちになった変化はありますね」
秋野「バンド活動12年目なんですけど、自分たちで動かないと何も始まらないので、改めて気を引き締め直したのはありますね。1つ1つちゃんとモノにしなきゃいけないというか、ちょっとでもいいから爪痕を残していかないとっていう意識があるんですよね。最初はマニュアルチックに“やらなきゃいけない”って思ってたんですけど、最近はそれがナチュラルに、ただズケズケと入り込んでいく人たち、みたいな感じになってきたのかなって(笑)」
――音楽の世界で生きていく上で、いい音楽を生み出し続けるのは大前提としてあって。若い頃は音楽以外のことは関係ないように見えたりもするけど、ワンモアの人間力だったり繋がりで状況が変わったりしますもんね。
神田「それは大きいですね。いい曲を作って、いい演奏して、いいライブをすればいいだけではないですね」
――じゃあ今は、苦労もあるけどやりがいも感じつつっていう感じですかね?
秋野「そうですね~。今はまだ楽しめてますね(笑)」
――アハハハハ!(笑) 自主レーベルを立ち上げた時点で鶴としての第二期だと思うんですけど、『Love&Soul』を聴いて思ったんですけど、作品としてはここからかなっていう感じがしたんですよね。前作は自主レーベル第1弾という意味合いを自動的に背負うのに対して、今回は“この3人でやるんだ”っていう意識下のアルバムだと、聴いていてすごく感じました。
神田「まさにって感じですね」
秋野「今までにないカラーの鶴と、その心意気で作った自主1枚目の『SOULMATE』と比べるともう少しナチュラルで、“本来鶴が鳴らしている音はこうだよね”っていうのを今一度確認しての1枚になったので。だから意外と“らしい”というか、自分たちの真ん中に寄ったイメージで、リラックスした状態で全てがナチュラルに進みましたね」
笠井「空気感も自分たちの状態もすごくよくて、レコーディングのときも今まで以上にポジティブだし、スムーズだし。どこもつっかえることなく」
神田「それぞれが出来ることや分かっていることが増えた上で、昔みたいにって言ったらヘンですけど、本来の鶴の空気感でやれた現場だったので。一周して、踏まえた上での自由みたいなところがすごく楽しくて。それがスムーズさに繋がっていると思いますね」
――元来曲を書くペースは早くないとブログにも書いてましたけど、それでも今回は割とポンポン曲が出来たと。
秋野「そうですね、やらなきゃいけないですからもう(笑)。多少予定していた時期よりはズレがあるにせよ、書かないと回っていかないっていう責任感もあるので。あと、昔より明確に目的を持つようになりました。今回は鶴というバンドに立ち返るのがまず最初の目的だったので、そうなると曲選び、音のニュアンス、サウンドの感覚から全部に影響してくるので。そういうゴール地点を先に決めておけるようになったから、スムーズになったのかなと。昔はそこが曖昧だったので、それもいいよね、これもいいよねってなっちゃう。今ないものはやらん!っていうくらいだと潔く諦めもつくので、早かったですね」
あの頃の自分と今の自分とでは、背負っているものが全然違う
――レコーディング自体も、今でも改めて発見があったりして楽しいと。
秋野「毎回それぞれ発見があって、それを試して、作っていく。作業は昔から変わらず楽しいままで。“楽器が足りない”っていうのがいいんでしょうね。頭の中では音が鳴ってるんだけど、やれないもどかしさを楽しめてる。毎回諦めている(笑)。だって3人だものって」
――鍵盤とかギターをもう1人入れようと思ったことはない?
神田「メジャー時代はストリングスとか鍵盤をよく入れてたんですよ。その流れでワンマンの半分くらいはキーボードと一緒にやったり、シーケンスもちょっと使ったことはあるんですけど、まぁ合わなかったですね(笑)。確かに音は厚くなるんですけど、3人の方が自由だし、これで表現出来るでしょ俺たち、っていう感じなんですよね」
――もう辞めてやる!みたいなことは今までなかったんですか?
笠井「それはなかったね」
秋野「今のところないですね」
神田「ないよね」
――30歳とか、メジャーレーベルを離れるときってだいたい誰かが辞めて、続いていくバンドもいるし、休止しちゃうバンドもいる。鶴にはそういうことはなかったんですね。
秋野「なかったですね。じゃあ自分たちでやってみようって。周りの好きなバンドとかライブハウスで頑張ってるバンドをいっぱい見ていると、元々そういう姿に憧れてのアフロ卒業だったりもしたので、俺たちもやれるんじゃないかみたいな、そういう前向きな気持ちもあったんですよね」
神田「あと同世代のバンドがことごとく辞めていって、ちょっと意地みたいなものもあるんですよね。俺らは粘るよみたいな」
――それこそ『Life is Party』(M-2)の歌詞にも、“負けてもやめない勝つまでは たぶんそれがいいぜって”って。
神田「でも“たぶん”ですからね(笑)」
秋野「そこは自信がない(笑)」
――鶴もそうですけど、一度メジャーを経験して今では自主でやっているバンドも結構多いし、いい意味で“逆ギレの元気”が出てきているような(笑)。
神田「いいですねそれ(笑)。同世代くらいの30~40手前くらいのバンドとかと会うと、“中堅頑張ろうね!”、“何か起こそうぜ!”みたいな話になることがよくありますね」
――さっき話しに出た『Life is Party』は、若い頃にアホみたいに叫ぶポジティブじゃなくて、1周回って、後ろ向きなこと言ってても始まらないだろ?みたいにも感じるし。
笠井「そこを感じてもらえたら全てだよね(笑)」
秋野「鶴を始めて1~2年目くらいと言ってる内容って変わんない気がするんですよ。でも、あの頃の自分と今の自分とでは、背負っているものが全然違う」
――これが22~24歳くらいのヤツらだったら、お前ら何も知らないで、この後地獄がくるからな!って(笑)。
一同「アハハハハ!」
――今作がこの曲で始まっていることが全てというかね。
(2014年11月22日更新)
Check
Movie Comment
新作とグランフロント大阪とツアー
を語る(笑)鶴からの動画コメント!
Release
3ピースバンドのオイシイところが満載
ソウル/ディスコな自主レーベル第2弾
Album
『Love&Soul』
発売中 2300円
Soul Mate Record
POCS-1182
<収録曲>
01. Intro ~FM Love&Soul~
02. Life is Party
03. 公約数
04. U.F.O
05. 足跡
06. LoveLoveLove
07. アメリカン珈琲
08. 背伸び
09. Love&Soul
10. VSGG
11. トリップメーター
Profile
つる…写真左より、秋野温(vo&g=うたギター)、神田雄一朗(b=ウキウキベース)、笠井快樹(ds=テンパリドラム)。埼玉県鶴ヶ島市の中学校の同級生3人組で、’03年に結成。バンド名の由来は、鶴ヶ島の頭文字から。アフロヘアーと70sファッションが話題となり、インディーズにて3枚のアルバムをリリースした後、’08年にシングル『恋のゴング』でメジャーデビュー。’12年に映画『アフロ田中』主題歌『夜を越えて』をリリースし、この作品を最後に8年間トレードマークだったアフロヘアーを卒業。’13年には、結成10周年記念ベストアルバム『グレイテスト鶴です~ベストじゃん!!~』をリリース。自主レーベルSoul Mate Recordを立ち上げ、第1弾アルバム『SOULMATE』を発表。今年9月10日に第2弾アルバム『Love&Soul』をリリースした。
鶴 オフィシャルサイト
http://afrock.jp/
Live
リリースツアーもクライマックスへ
残すは大阪と地元埼玉のみ!
Pick Up!!
【大阪公演】
『鶴TOUR 2014「Love & Soul
~愛と魂、時々エロス~」』
チケット発売中 Pコード238-586
▼11月24日(月・休)17:00
umeda AKASO
オールスタンディング3500円
清水音泉■06(6357)3666
※小学生以上は有料、未就学児童は入場不可。公演当日、大学生以下の方は学生証提示で500円返金。
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【埼玉公演】
チケット発売中 Pコード240-163
▼11月30日(日)17:00
HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3
オールスタンディング3500円
ホットスタッフ・プロモーション■03(5720)9999
※大学生以下は当日会場にて500円返金。
要学生証。
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