脱アフロからの決意表明
棘のライブバンド道を走り始めた鶴が
年明け1/5(土)・6(日)に勝負の梅田クラブクアトロ2DAYS!
決戦の日を前に語るインタビュー&動画コメントが到着
'08年のメジャーデビュー以降、4年で3枚のアルバム、2枚のミニアルバム、8枚のシングルと駆け抜けてきた3ピースバンド、鶴。今春発表のアルバム『我がまま』のツアーより、トレードマークであるアフロヘアを卒業。30歳という節目、そして幾多のライブバンドを目の当たりにし、素の自分たちで、裸で戦っていきたいという決意あってのネクストステージ。あれから約半年、アフロ卒業のきっかけとなったSCOOBIE DOをはじめとする屈強なるライブ猛者への憧れ、そして同じ土俵で戦っていかなければならない、大変ながらも素晴らしい世界。今、鶴には新しい未来が見え始めようとしている。実際に走り始めて、何を感じたのか。改めて3人に語ってもらった。
ノーアフロの3人が年始のライブの魅力を語る動画コメント!
――今年の春にトレードマークだったアフロを卒業したわけですが、改めて何故アフロをしていたのか、そして卒業した流れも教えてもらえますか?
秋野(vo&g)「鶴を始めたときに、胸キュンになるキラキラしたメロディの音楽をしたいと思ったんですね。そしたらディスコミュージックやソウルミュージックに行き着き、それは=アフロの音楽だなと(笑)。アフロになり、それはそれで申し分ないくらいキャッチーだったんですけど、違うものも伝えたくなったというか…気持ちと見た目が合わなくなったんですよ。アフロについて話し合うアフロ会議というのは、2年に1度はやっていたんです。メジャーに上がるタイミングでも真剣に考えたのですが、やっぱりアフロでやっていこう!となって」
神田(b)「より、本気のアフロに寄せていこうと」
秋野「だから搬入搬出から打ち上げまで徹底してアフロでやってましたね。インディーズの頃も、お世話になっているスタッフに“売りづらい”と言われたことがあって(笑)。そのときもアフロをやり続けるか、卒業するか、どっちかに振り切ろうと思っていたんですよね」
神田「最初はアフロも発展途上だったので、本気のアフロを発注し出したりして(笑)、意識は変わっていきましたね。いわゆるディスコやソウルなど、その時代のファッションや音楽も勉強しましたし」
――インディーズ時代、そしてメジャーに上がるときと、常にアフロへの意識を高めていったわけですよね。なら、アフロを卒業するときはいったい?
神田「ここにはSCOOBIE DOも一枚絡んでるんですが(笑)。まぁ僕はグレー派で、秋野くんが辞めたい派で、笠井くんは断然続けたい派だったんです。要は素でやるカッコよさに気付き出したんですよね」
笠井(ds)「その気持ちは分かりながらも、アフロを腹括って背負っていく覚悟を貫きたかったんです」
秋野「アフロ時代後半は、気持ち的にはアフロを辞めたかったので、ないつもりでやっていましたね。なので、まだアフロを辞めて1年も経ってないですけど強くなりましたよね。音楽で持っていく意識が高まったと思います。やる方も観る方も噛み合ってきているし、全体的にライブを楽しむ空気が出来つつありますね」
――僕もアフロ卒業後のライブを観させてもらったんですけど、以前の鶴のライブに不可欠だった“こんばんは、鶴です!”のコール&レスポンスも、今やなくても成立すると思えたんですね。以前はお客さんがそれを待ち望んでいた空気があったんですが、今はそこだけじゃなくて、本当にライブを楽しみ始めているというか。
神田「そうなんですよね。今までやっていたそういう盛り上げの部分がなくても、成立する感じになってきて。ライブにおける他の要素の割合が上がってきたというか」
笠井「アフロのときは、“こうじゃなきゃいけない”という自分たちでの縛りがあって。アフロを外してからののびしろが半端じゃなくて、結果として良かったと思います」
鶴の将来へのヒントが、SCOOBIE DOをはじめとする
ライブバンドにあるような気がする
――さっきのSCOOBIE DOが1枚絡んでる話になりますが、いわゆるライブバンドたちへの憧れ、そして同じ土俵でやりたいという気持ちが強くなったのかなと。
秋野「僕らの世代だとテッペンには、SCOOBIEがいるんですよね。その上はフラカンだったり、そういうライブハウス現場の帝王たち…強者たちに憧れたんですよ。ナチュラルに好きなことをやって、突き詰めているというか。自分たちも同世代にスゴいと思われたいんですよ」
神田「SCOOBIEは“LIVE CHAMP”なんですけど、ライブ以外でもトータルでチャンプなんですよ。1日の過ごし方、動き方が完璧なんです。昔は憧れていただけど、今は同じ土俵に立っている感じはするんですよ。まだまだ勝てないですけど、何か鶴の将来へのヒントがSCOOBIEをはじめとするライブバンドにあるような気がするんです」
笠井「SCOOBIEは同じ土俵とは言え、遥かに上にいますから。俺らが今そう思っている気持ちを、下の世代のバンドに俺らが思わせたいんです」
秋野「SCOOBIEは完璧ですよね…。でも、SCOOBIEが持ってない部分が僕らにはあると思うし、そこなら点を取れるんじゃないかと。バラードの感覚だったり、間口の広さだったり。ライブの持っていき方は、盗みたいと思います」
――少し話はそれますが、今年の『OTODAMA’11-‘12~音泉魂~』に秋野さんが見学に来られてたじゃないですか。あれがとても印象的で、本気でライブバンドとしてやっていきたいんだなと感じました。
秋野「来年絶対に出たいので覗きに行ったのですが、観たらその世界に入っていける自信がなくなりましたね(苦笑)。これがライブハウスの現場バンドの世界かと…。でも、やれると信じてますし、ぶっとくなりたいです」
神田「その世界で戦っていきたいし、いくべきだし、やってみたいと思ってます。揉まれたいですから」
秋野「一目置かれるバンドになりたいんです。でもライブハウスの世界が、あんなに荒れている険しい畑だと思わなかったけど…(笑)」
笠井「美味しいモノは収穫出来るけど、その分荒れてるし険しい畑だから、生き抜くのは大変だよね(笑)」
鉄板の曲が2日間で1回しか使えない(笑)
――2013年、その意気込みの一発目として、年明け1月5日(土)・6日(日)と梅田クラブクアトロにて、被り曲なしのライブ2DAYSがあります。
秋野「まぁそこまで深い意図があるわけじゃないんですけど(笑)、2日間やって勢いを出していきたいなと」
笠井「普段のライブはリリース仕立ての音源の曲がメインになるので、やりたいけどやれない曲もあるんですよ」
神田「鉄板となる決めどころの曲はあるんですが、その固定概念を発展させていきたいなと。バラードでもガッツポーズを出させたいですし。今、駒を育成中です!」
秋野「鉄板の曲が2日間で1回しか使えない(笑)」
笠井「今までにない流れになりますし、やってみないと分からないとこもありますね」
秋野「懐かしい曲をやれるなと思ったものの、普段から結構やってますし(笑)。だから、ハートで勝負ですよ。アフロを引退して、よりハートオンリーだなと思ってますし、今はまっさらな状態ですね。だから気持ちいいですよ。この世界で戦っていくしかないと、再確認させられています。今はライブ中、頭もブンブン振り回せますからね(笑)。だから、暴れたいです!」
笠井「状態は、本当に良いですから」
神田「前しか見ていないです」
――本当に決意が伝わってくるインタビューでした。年明けの2DAYS、楽しみにしています!
Text by 鈴木淳史
(2012年12月26日更新)
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