cinema staff ×『進撃の巨人』=『great escape』!!
話題沸騰の人気アニメの後期エンディングテーマに抜擢された
cinema staff飯田(vo&g)&辻(g)がとことんぶっちゃける!?
タワレコ公開インタビュー&インストアライブをレポート!
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今や原作コミックの累計部数は2300万部を突破。巨人が全てを支配する世界で、その餌と化した人類との戦いを描いたダークファンタジー『進撃の巨人』。そんな話題沸騰の人気アニメの後期エンディングテーマに抜擢されたのが、cinema staffのニューシングル『great escape』だ。静と動が一進一退の攻防を繰り返す壮絶なパフォーマンス、轟音の真っ只中でもきっちりと歌を聴かせる稀有な存在である彼らは、まさにライブで叩き上げられてきたロックバンド。そのcinema staffのサウンドスケープと、今をときめく『進撃の巨人』との幸福な化学反応が産み落とした『great escape』は、’03年の結成以来、そして昨年のメジャーデビュー以降をもって見ても、一歩一歩自らの足で着実に歩んできた彼らが、過去最高の注目を浴びるタイミングと言えるだろう。そこで、この重要曲を紐解くべく、リリース日前日の8月20日にタワーレコード梅田NU茶屋町店にて急遽行われた、cinema staff×ぴあ関西版WEBの公開インタビューをお届け。普段の密室でのそれとは異なり、後半には会場のお客さんからの質問にもざっくばらんに答えてくれた、飯田(vo&g)&辻(g)のパーソナリティも随所に垣間見られる、抱腹絶倒(!?)、裏話満載のインタビュー、是非お楽しみください~!
僕らも負けないぐらい作品に入り込まないとってことで
まずは改めて漫画を読むことから始めて(笑)
――公開インタビューって、普通のインタビューよりちょっと緊張しますよね。
辻(g)「そうですねぇ。緊張しますね」
飯田(vo&g)「実際はこんなヘンな喋り方だったのかとか思われたり(笑)」
(一同笑)
――まぁでもね、今回の『great escape』はどデカいタイアップが付きましたけども。音楽界でも今やね、『あまちゃん』か『進撃の巨人』かっていうぐらいのネタですけど。
飯田「アハハ!(笑) なるほどなるほど」
――そもそもどういった流れで今回の新曲に取り組んだのかを聞かせていただきたいなと。
飯田「アルバム『望郷』を作った直後、ミックス作業をしているぐらいのときに、今回のタイアップの話を頂いて。それが2月の終わりぐらいだったんですけど、そこから1~2ヵ月ぐらいで一気に作って、オケまでちゃんとレコーディングせよという指令が来まして」
――指令(笑)。
辻「スケジュールは結構かつかつでしたね」
――やっぱり『望郷』は、あの段階でのcinema staffを出し切ったアルバムということで空っぽ状態だったと思うんですけど、あんな全てぶち込んだアルバムを作った直後に、まさかそんな制作が待っているとは。
飯田「そうなんですよ。ビックリしました」
辻「ちょっと休むつもりだったんですけど(笑)」
飯田「完全に空っぽでしたから。ホントに2年半ぐらいかけてちょこちょこ作って、やっと完成させたアルバムだったんで。ホントに…全てを出し切った後だった。でも、『進撃の巨人』という明確なイメージがあって、逆に入り易かったというか。あと今回は、cinemaの音源を先方に送って、バンド自体を気に入ってもらって選んでくれたんで、今まで通りやればいいかなというのはあったんですけど」
――とは言え、制作上ではやっぱりいつもとは違うわけじゃないですか。楽しかったのか、難しかったのか。
飯田「制作は楽しく出来ましたね。元々原作の漫画も読んでましたけど、ただ、好きな方ってそれ以上に詳しいじゃないですか。いろんなイメージが自分の中にある人も多いと思うんで、僕らも負けないぐらい作品に入り込まないとってことで、まずは改めて漫画を読むことから始めて(笑)」
辻「スタジオまで行ってるのに、まずはみんなで1~2時間ぐらい漫画を読み直すみたいな(笑)」
――それこそタイアップの話が来る以前に読んでいた作品なら、ちょっとビックリというか、俺らに!?っていう感じもありますね。
飯田「驚きました。アニメ化されるときも、“『進撃の巨人』がアニメになるんだって、立体機動装置とかどうなるんだろう?”みたいにみんなで話してたんで(笑)。その後にそのタイアップの話が来たんで、ホンットに驚きましたね」
――ちなみに普段から漫画は読むんですか? 最近読んでおもしろかった漫画はあります?
飯田「『行け!稲中卓球部』が大好きなんですけど、最近ではその(作者の)古谷実さんの『サルチネス』がホンットにオモシロいですね。それとか『監獄学園<プリズンスクール>』。これは講談社漫画賞を受賞してるんですけど。あとは『亜人』ですね。さっき本屋で、“『進撃の巨人』の次は『亜人』が来る”って書いてあったのを見付けて、どんなモンかと読んでみたらオモシロかったです(笑)」
辻「僕は酒の漫画は読みますね」
――酒の漫画って何?(笑)
辻「ラズウェル細木さんの『突撃!はしご呑み』とか」
飯田「あと、『孤独のグルメ』とか『深夜食堂』はもちろん読むよね」
――今日は会場の皆さんに、お2人への質問など事前にアンケートを取らせていただきましたけどね、お客さんもやたらとメシのことを聞いてくる(笑)。
辻「アハハ!(笑) そんなグルメな感じ出してないんですけどね」
飯田「何でですかね? ちょうどお腹が空いた時間だったからじゃないですか?(笑)」
――そういう漫画とか映画とかもそうですけど、それが音楽に還元されたりインスパイアされることってあります?
辻「酒を呑んで酔っ払った状態でスタジオに入ると、何かちょっと脳が活性化してるのか分からないですけど、いつもは出ないモノが出たりはします(笑)」
――それ漫画じゃなくて酒の方にインスパイアされとるやないか(笑)。
オーダーはいくつかあって
速い曲、団結力を感じる歌詞、の2つが大きなところ
――楽曲のやり取りの中で何かオーダーみたいなものはありました?
飯田「いくつかあって、その中でも、速い曲、団結力を感じる歌詞、の2つが大きなところで。『進撃の巨人』のエンディングだったんでバラードではないと思ってたんですけど、速い曲ということでイメージしやすかったですね」
――楽曲自体も『進撃の巨人』に寄せるんじゃなくて、cinema staffの良さ、絵にもちゃんとハマる部分があって。
飯田「今回の曲ってキメがスゴく多いんですよね。アニメのエンディングということで音に絵がつくこと、ここで画面が切り替わるだろうなぁみたいなところはみんな意識してましたね」
――cinema staffの曲を聴いてていつも思うんですけど、これライブで弾きながら歌えるんかな?って(笑)。
飯田「この曲は…最初弾けなかったです(笑)」
――アハハハハ!(笑)
辻「むっちゃムズカシイよね」
飯田「ムズカシイです、今回は。この前のワンマンでやってみたんですけど、Aメロと歌メロのリズムが全然違うんで。相当練習しましたね」
――それこそ、絵にハマったところも想像してという発言がありましたけど、今日は早速ここにいる皆さんにもPVを観ていただこうと思います。
――これはどこで撮ったんですか?
飯田「東京の旧吹上トンネルっていう場所なんですけど、心霊スポットでちょっと有名らしいです(笑)」
――ですよね。何か不穏な空気出てますもん(笑)。
飯田「夕方から夜にかけて撮影したんですけど、ライトで照らしてないと真っ暗で、夜はホントに怖かったですね。このPVに出てる女の子と男の子は実は兄妹なんです。最初は普通に兄妹とかも意識せず頼もうかと思ってたんですけど、歌詞に“俺はお前だ”と出てくるように、兄妹なら結構意味的にも通じるんじゃないかってことでお願いして」
――これはこれでまた、アニメの絵面とはまた違う良さがありますね。
飯田「そうですね、ガッツリ演奏して。この心霊スポットで撮ったから辻が骨折したんじゃないかっていう(笑)」
(※辻は7月11日の渋谷クラブクアトロワンマン前日に骨折)
辻「この1週間後ぐらいにはギブス付けてました(笑)」
僕らがホントに自信がある場所というか、ライブだとギリギリのところまで
僕らが一番カッコいいと思う姿を見せられるんで
――今回の『great escape』に関しては亀田誠治さんがプロデュースで参加されて。それこそ数多くのアーティスト手掛けてきた方ですけど、第一印象はどうでした?
飯田「先に僕以外のメンバー3人が亀田さんと会ったんですけど」
辻「会うまではめっちゃ緊張してたんですけど、すごくフランクな感じで、最初に言われたのが、“飯田くんにいい声だねって伝えといて!”って」
飯田「ハハハ!(笑) そんな風に言ってくださるなんて、嬉しいですよね。その後改めて1人で会ったときも、すぐに握手しに来てくださって。前から友人だったんじゃないかっていうくらい」
辻「めっちゃ優しかったもんね」
――でも確かに、先ほどもリハで歌ってましたけど、やっぱいい声してんなぁって。
辻「してますよね、ホントに」
――いい声してますよね~?
(お客さんも頷く)
飯田「観に来てくれてありがとうございます! あざーっす!(笑)」
――作業の途中段階で亀田さんが合流したということですけど、実際に一緒にやってみて感じることはありました?
飯田「やっぱりアドバイスが的確というか、一番大きく変わったのは、レコーディングのサウンドメイキングがスゴく早い。ホントに安心して演奏に集中出来たのは大きかったですね」
――今まではエンジニアさんと結構時間を掛けて音作りしていたところが。
飯田「やっぱりセルフプロデュースだと、“コレ!”という正解がないじゃないですか。だからたっぷり時間を掛けてしまうんですよね。レコーディング前にはCDを持ち寄ってイメージを描いてから音作りに入るんですけど、その段階がなくてパッと音を出してOKというか。音作りから演奏まで熱の冷めやらぬまま、スムーズにいきましたね」
――今回はc/wがライブテイクなので、ホントに“1曲入魂”みたいな。みんなが空っぽになった状態で1曲だけに挑める環境もタイミングもなかなかないですよね。
辻「そうですね。1曲だけのレコーディングって初めて」
――出来上がったとき、いつもと違う手応えだったりはありました?
飯田「今回に限らず、毎回“こんなカッコいいものが出来てしまった!”と思ってるんです。ただ、cinema staffが今まで出してきた音源も改めて聴いてもらえる、きっかけになる曲にはなったんじゃないかなと思います」
辻「曲を作ってレコーディングするまでがこんなに短かったのは、3~4ヵ月で全てが出来上がった曲は初めてだったんで、その早さと熱がそのまま入ってる感じはスゴいあります」
――カップリングも7月11日のライブテイクじゃないですか。それが8月21日リリースの作品に入ってることにもビックリしましたね。
辻「相当ね、スタッフチームには焦らせてしまったなぁと」
飯田「しかも録ってから“ここはこうして欲しい”みたいなところもあったから、何回もやりとりして。もうコレでいいじゃん!って内心思われてたかもしれないですね(笑)」
――しかも、例の骨折による辻さんの、ライブなのに座って弾き切った貴重なテイクが収録されるという(笑)。
辻「いつもより多分、上手く弾けてる(笑)」
――アハハハハ!(笑) でも、このカップリングにはcinemaの意地みたいなモノも感じたというか。タイアップっていう良くも悪くも騒がれがちな楽曲を聴いてくれた人たちに、自分たちがどういうバンドなのかを示す。ライブテイクがアレだけのボリュームで入っていることにも心意気も感じましたけどね。
飯田「そうですね、らっぱ…ラッパって言っちゃった(笑)」
(一同爆笑)
飯田「やっぱ(笑)、ライブに来て欲しいんですよね。僕らがホントに自信がある場所というか、ライブだとギリギリのところまで僕らが一番カッコいいと思う姿を見せられるんで」
辻「しかも今回はゲストが入った曲を収録してるんです。アップライトベースにPeople In The Boxの(福井)健太、チェロに高橋淳子さんを呼んで6人編成でやった曲とか、また違った感じで聴けるんじゃないかなぁって思います」
――今作で新たにcinemaに興味を持ってくれる人も多いと思いますけど、今まで聴いてくれてた人にとっても、刺激のあるアイテムになりましたね。
(2013年9月24日更新)
Check
Release
『進撃の巨人』後期エンディング曲&
30分を越えるライブテイクで構成!
Single
『great escape』
発売中 1300円
ポニーキャニオン
PCCA-03900
<収録曲>
01. great escape
02. cinema staff【僕たちの秘法】tour Final@2013.07.11 渋谷CLUB QUATTRO
・望郷
・世紀の発見
・into the green
・革命の翌日
・西南西の虹
・溶けない氷
Profile
シネマ・スタッフ……写真左より三島想平(b)、辻友貴(g)、飯田瑞規(vo&g)、久野洋平(ds)。’03年に三島、飯田、辻にて結成。’06年に久野が加入し現体制に。愛知や岐阜のライブハウスを中心に活動を続け、残響recordより『document』(‘08)『Symmetoronica』(‘09)『Blue,under the imagination』(‘10)とコンスタントにミニアルバムをリリースし、ドラマティックな旋律とスリリングな変拍子が絡み合うエッジィな轟音サウンドを軸に、幾多のロックフェスでも堂々たるパフォーマンスで大観衆を魅了。’11年には初のフルアルバム『cinema staff』発表し、’12年6月には1st EP『into the green』でメジャーデビュー。続いて同年9月には4thミニアルバム『SALVAGE YOU』を、今年5月にはメジャー1stフルアルバム『望郷』をリリース。オルタナティヴ/エモ/ポストロックに影響を受けたセンス溢れるポップなメロディと、それとは対照的な直情的で衝動性の強い攻撃性を持ち合わせたギターロックバンド。
cinema staff オフィシャルサイト
http://cinemastaff.net/
Live
残響recordの猛者どもと廻るツアー
を経た後も、全国各地でライブ!
【仙台公演】
チケット発売中 Pコード203-133
▼9月28日(土)15:00
仙台CLUB JUNK BOX
オールスタンディング3000円
[出演]te’/People In The Box/mudy on the 昨晩/cinema staff/ハイスイノナサ/chouchou merged syrups./KUDANZ/peelingwards
G・I・P■022(222)9999
※未就学児童は入場不可。
【東京公演】
チケット発売中 Pコード207-066
▼10月5日(土)14:30
新宿LOFT
スタンディング3000円
[共演]akutagawa/静カニ潜ム日々/malegoat/kuh/ハイスイノナサ/裸体/TESUSABI/peelingwards/uri gagarn
VINTAGE ROCK■03(3770)6900
【岐阜公演】
チケット発売中 Pコード207-990
▼10月26日(土)14:00
EVENT HALL club-G
前売3800円
[共演]ASPARAGUS/kidd/my young animal/plenty/KEYTALK/他
ジェイルハウス■052(936)6041
【仙台公演】
一般発売9月29日(日)
Pコード207-515
▼11月1日(金)19:00
仙台 darwin
スタンディング3800円
[共演]POLYSICS
G・I・P■022(222)9999
【東京公演】
『THE WILD ONE』
一般発売10月5日(土)
Pコード213-051
▼11月11日(月)19:00
Shibuya O-EAST
スタンディング3200円
[出演]J/UNISON SQUARE GARDEN/cinema staff/asobius
Shibuya O-EAST■03(5458)4681
~9/26(木)23:59まで先行予約受付中!
【東京公演】
一般発売10月27日(日)
Pコード208-348
▼2014年1月18日(土)18:00
SHIBUYA-AX
1Fスタンディング3000円
VINTAGE ROCK■03(3770)6900
チケットの購入はコチラ!
Column
転換期を迎えた初のフルアルバム
『cinema staff』リリース時の
メンバー全員インタビュー
&傑作動画コメントが到着!