ホーム > マンスリー・センチュリー 2016 > 第9回 12月-1月〔December-January〕
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 作品68「田園」
年が改まり2017年。日本センチュリー交響楽団は首席指揮者飯森範親を迎えて、1月13日(金)、14日(土)の2日、ザ・シンフォニーホールで第214回定期演奏会を行う。今回注目されるのが、ハーゲン弦楽四重奏団のチェロ奏者、クレメンス・ハーゲンの登場だ。ザルツブルクのモーツァルテウム管弦楽団の首席ヴィオラ奏者を父に持つ4人の兄弟で結成されたハーゲン弦楽四重奏団は、途中メンバーの変遷はあったものの、精緻なアンサンブルによって30年以上にわたって国際的な評価を獲得してきた。クレメンスはカルテットのチェリストとして、またソリストとして活躍。ニコラウス・アーノンクール指揮/ウィーン・フィルとの共演をはじめ、ヨーロッパの数々の桧舞台で名演を残している。
今回センチュリーと共演するのはドヴォルザークのチェロ協奏曲。このジャンルの華やかな部分を代表する名作であり、ボヘミアへの郷愁と情熱が渦巻く大きな演奏が“常に”期待される作品である。しかし今回は緻密な演奏で知られるハーゲンと、お互いの音を聴き合う能力に長けた、室内楽的な感覚を持つセンチュリーとの出会い。この曲の持つ熱い高揚感はそのままに、ドヴォルザークの細部へのこだわりが見えるような、より密度の高い演奏も期待できるのではないだろうか。従来の演奏とは一味違うクールな魅力のドヴォルザークに出会えるかも知れない。
後半にはベートーヴェンの交響曲第6番「田園」を。ベートーヴェンが愛したというウィーン北部、ハイリゲンシュタットの緑が香る全5楽章だ。だがこの曲が書かれた1808年にはすでにベートーヴェンは聴力のほとんどを失い、そのため、そこに描かれた音のひとつひとつはただの自然描写に留まらない、彼の理想と憧憬を反映したものであるという。不屈の精神が遺した珠玉のような名品。やがて嵐は去り樹々や鳥たちは再び歌い始める。新しい年のはじめに聴くにふさわしい、心洗われる作品である。
指揮:本名徹次
司会:若宮テイ子
演奏:日本センチュリー交響楽団
【曲目】
SF交響ファンタジー第1番
「おくりびと」より
「戦場のメリークリスマス」よりMr.Lawrence
「ラストエンペラー」よりラストエンペラーのテーマ
「インディー・ジョーンズ」よりレイダースマーチ
「ジュラシック・パーク」より
「シンドラーのリスト」より
「パイレーツ・オブ・カリビアン」
「交響組曲ハリー・ポッター」
映画音楽を取り上げたコンサートが人気だ。音楽を聴きながら、映像を思い描く時、人はなんとも言えない幸福な思いに包まれる。その思いの奥底にはかすかなほろ苦さや切なさも含まれていて、誰しもが過ぎた時間に懐かしく思いを馳せるのだ。さて、今回日本センチュリー交響楽団がお届けするのは、そんなシネマ・コンサートのひとつ。12月11日(日)、岸和田市の浪切ホールで開催されるその名も「シンフォニックシネマコンサートin浪切」。これが実にセンチュリーらしい内容なのだ。
まず指揮者に注目。本名徹次はオーケストラ・ニッポニカの初代音楽監督として、日本の優れた作曲家たちに光を当ててきた個性的な指揮者のひとり。国内外の主要なオーケストラへの客演を果たしつつ、現在ベトナム国立交響楽団音楽監督兼首席指揮者としてアジアにおけるクラシック音楽の普及に尽力している。前半には「SF交響ファンタジー第1番」(伊福部昭)や「おくりびと」(久石譲)そして「ラストエンペラー」(坂本龍一)など日本の作曲家たちの作品が並ぶが、こんな指揮者が振る日本の映画音楽が面白くないわけが無い。センチュリー独特のしなやかな弦の音色、迫力に満ちた管・打楽器の響きが本名徹次の絶妙の指揮を得て、色鮮やかな日本・アジアの風景へと誘ってくれることだろう。
そして後半にはハリウッドの大ヒット映画からの音楽が演奏される。名匠ジョン・ウィリアムズの多彩な側面を伝える「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」や「シンドラーのリスト」「ジュラシック・パーク」からの作品をはじめ、沸き立つような興奮や、時に涙を誘う哀切な旋律といった映画音楽ならではの豊かな表現が、聴く者を夢見るような銀幕の世界に連れて行ってくれる。司会はFM大阪DJの若宮テイ子。その映画と音楽への愛に溢れた言葉の数々がセンチュリーの力強い演奏とひとつになって、きっと素敵なステージとなることだろう。寒い冬のひととき、心の底から温まる映画音楽の世界へどうぞ。
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日本センチュリー交響楽団の、2017年度のシーズンプログラムが発表された。この1年をセンチュリーは2019年の創立30周年に向けた新たな3年の入り口と位置づけ、文字通り「発展」の年であった2016年を引き継ぎつつ新たな高みを目指す。また首席指揮者飯森範親、首席客演指揮者アラン・ブリバエフ、アーティスト・イン・レジデンス、小山実稚恵という布陣はそのままに、それぞれにチャレンジングなプログラムや新たな共演の場が実現している。発表のポイントは以下の通り。年間プログラムを参照しながらお読みください。 ■シンフォニー定期演奏会/いずみ定期演奏会「ハイドン マラソン」 いずみ定期演奏会は年4回。3シーズン目を迎えたハイドンマラソンで、周辺の(知られざる)作曲家たちもまじえながら、ハイドン中期の作品を中心に取り上げていく。ここでも首席ホルン奏者、水無瀬一成(No.35)、首席コントラバス奏者、村田和幸(No.36)のふたりが、ソリストとして登場。オーケストラの水準の高さを示すとともに楽団員の個性も聴かせる、センチュリーの新機軸といえるだろう。一方、後半にはハープの吉野直子(No.37)、ヴァイオリンの堀米ゆず子(No.38)ら、国際的に活躍する演奏家たちも登場し、ハイドンとその時代の音楽にさらなる深みと奥行きを与えていく。 ■センチュリー豊中名曲シリーズ ■エンジョイ・センチュリーシリーズ/三重特別演奏会 |
■シンフォニー定期演奏会
A席6,000円 B席4,500円 C席3,500円 D席1,500円
第216回 定期演奏会 4月21日(金) 19:00開演 (18:00開場) 4月22日(土) 14:00開演 (13:00開場) 【指揮】飯森 範親 【ピアノ】江崎 昌子 エロール:歌劇「ザンパ」序曲 ショパン:ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 作品11 モーツァルト:レ・プティ・リアン K.299b モーツァルト:交響曲 第31番 ニ長調 「パリ」 K.297 |
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第217回 定期演奏会 6月16日(金) 19:00開演 (18:00開場) 6月17日(土) 14:00開演 (13:00開場) 【指揮・ヴァイオリン】ドミトリー・シトコヴェツキー アダムス:管弦楽のためのフォックストロット「議長は踊る」 コリリアーノ:「レッド・バイオリン」組曲 シューマン:交響曲 第2番 ハ長調 作品61 |
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第218回 定期演奏会 7月7日(金) 19:00開演 (18:00開場) 7月8日(土) 14:00開演 (13:00開場) 【指揮】ヤーノシュ・コヴァーチュ 【チェロ】イェンス=ペーター・マインツ リスト:交響詩「前奏曲」 S.97 シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 作品129 コダーイ:ハンガリー民謡「飛べよ孔雀」による変奏曲 コダーイ:ガランタ舞曲 |
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第219回 定期演奏会 9月15日(金) 19:00開演 (18:00開場) 9月16日(土) 14:00開演 (13:00開場) 【指揮】飯森 範親 【ピアノ】ジョージ・ヴァチナーゼ 【ヴィオラ】丸山奏 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 作品30 カンチェリ:ステュクス 〜ヴィオラ、混声合唱と管弦楽のための |
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第220回 定期演奏会 10月20日(金) 19:00開演 (18:00開場) 10月21日(土) 14:00開演 (13:00開場) 【指揮】秋山 和慶 【ヴァイオリン】アリーナ・イブラギモヴァ ブラームス:大学祝典序曲 作品80 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77 シベリウス:交響曲 第1番 ホ短調 作品39 |
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第221回 定期演奏会 11月17日(金) 19:00開演 (18:00開場) 11月18日(土) 14:00開演 (13:00開場) 【指揮】レオン・フライシャー モーツァルト:交響曲 第39番 変ホ長調 K.543 ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 Op.98 |
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第222回 定期演奏会 2018年1月19日(金) 19:00開演 (18:00開場) 1月20日(土) 14:00開演 (13:00開場) 【指揮】飯森 範親 【ピアノ】アレクサンダー・ガヴリリュク プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第1番 変二長調 作品10 ブルックナー:交響曲 第4番 変ホ長調 「ロマンティック」 WAB104 (1878/1880年稿) |
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第223回 定期演奏会 2018年3月16日(金) 19:00開演 (18:00開場) 3月17日(土) 14:00開演 (13:00開場) 【指揮】アラン・ブリバエフ 【ピアノ】小山実稚恵 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18 ボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」 ショスタコーヴィチ:交響曲 第9番 変ホ長調 作品70 |
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■いずみ定期演奏会
いずみホール
A席4,500円 B席3,500円
いずみ定期演奏会 No.35 ハイドンマラソン 5月26日(金) 19:00開演 (18:00開場) 【指揮】飯森 範親 【ホルン】水無瀬 一成 ハイドン:交響曲 第90番 ハ長調 Hob.Ⅰ:90 モーツァルト:ホルン協奏曲 第2番 変ホ長調 K.417 ハイドン:交響曲 第76番 変ホ長調 Hob.Ⅰ:76 ハイドン:交響曲 第92番 ト長調 Hob.Ⅰ「オックスフォード」 |
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いずみ定期演奏会 No.36 ハイドンマラソン 8月11日(金・祝) 19:00開演 (18:00開場) 【指揮】飯森 範親 【コントラバス】村田 和幸 ハイドン:交響曲 第60番 ハ長調 Hob.Ⅰ:60 「うっかり者」 ディッタースドルフ:コントラバス協奏曲 第1番 変ホ長調 ハイドン:交響曲 第54番 ト長調 Hob.Ⅰ:54 ハイドン:交響曲 第78番 ハ短調 Hob.Ⅰ:78 |
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いずみ定期演奏会 No.37 ハイドンマラソン 12月8日(金) 19:00開演 (18:00開場) 【指揮】飯森 範親 【ハープ】吉野 直子 ハイドン:交響曲 第41番 ハ長調 Hob.Ⅰ:41 アルブレヒツベルガー:パルティータ ヘ長調 ハイドン:交響曲 第52番 ハ短調 Hob.Ⅰ:52 ハイドン:交響曲 第43番 変ホ長調 Hob.Ⅰ:43 「マーキュリー」 |
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いずみ定期演奏会 No.38 ハイドンマラソン 2018年 3月9日(金) 19:00開演 (18:00開場) 【指揮】飯森 範親 【ヴァイオリン】堀米 ゆず子 ハイドン:交響曲 第38番 ハ長調 Hob.Ⅰ:38 「こだま」 モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K.216 ハイドン:交響曲 第26番 ニ短調 Hob.Ⅰ:26 「嘆き」 ハイドン:交響曲 第47番 ト長調 Hob.Ⅰ:47 「回文」 |
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■センチュリー豊中名曲シリーズ
豊中市立文化芸術センター 大ホール
S席4,500円 A席3,500円 B席2,500円
センチュリー豊中名曲シリーズ Vol.2 5月7日(日) 15:00開演 (14:00開場) 【指揮】本名 徹次 【ピアノ】児玉 麻里 【ピアノ】児玉 桃 ベートーヴェン:交響曲 第1番 ハ長調 作品21 プーランク:2台のピアノのための協奏曲 ニ短調 FP 61 サン=サーンス:動物の謝肉祭 |
(左)指揮:本名 徹次 (C)Komatsu Yuji (中)ピアノ:児玉 麻里 (C)Felix Broede (右)ピアノ:児玉 桃 (C)Marco Borggrve |
センチュリー豊中名曲シリーズ Vol.3 9月30日(土) 15:00開演 (14:00開場) 【指揮】延原 武春 【クラリネット】持丸 秀一郎 ウェーバー:歌劇「オベロン」 序曲 モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 ベートーヴェン:交響曲 第6番 ヘ長調 作品68 「田園」 |
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センチュリー豊中名曲シリーズ Vol.4 |
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センチュリー豊中名曲シリーズ Vol.5 2018年1月28日(日) 15:00開演 (14:00開場) 【指揮】小泉 和裕 ワーグナー:歌劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より 第1幕への前奏曲 ワーグナー:ジークフリート牧歌 作品103 ベートーヴェン:交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」 |
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エンジョイ・センチュリーシリーズ ドラゴンクエスト スペシャルコンサート 11月2日(木) 19:00開演 (18:00開場) ザ・シンフォニーホール A席5,000円 B席4,000円 C席3,000円 【指揮】渡邊 一正 【お話】すぎやま こういち すぎやまこういち:交響組曲「ドラゴンクエストⅥ」幻の大地 |
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エンジョイ・センチュリーシリーズ 中川晃教シンフォニックコンサート 11月12日(日) 15:00開演 (14:00開場) 豊中市立文化芸術センター 大ホール SS席10,000円(グッズ付きスペシャルシート) S席8,000円 A席6,000円 【指揮】梅田 俊明 【ヴォーカル】中川 晃教 アルバム「POPSSIC」より”終わりのない愛”、”HAPPYDAY” ミュージカル「モーツァルト!」より”僕こそミュージック”他 |
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三重特別演奏会 ドラゴンクエスト スペシャルコンサート 7月22日(土) 15:00開演 (14:15開場) 三重県文化会館 大ホール S席5,000円 A席4,000円 B席3,000円 指揮:飯森 範親 お話:すぎやま こういち すぎやま こういち:交響組曲「ドラゴンクエストⅤ」天空の花嫁 |
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(2016年11月**日更新)