LOSTAGE 五味岳久の奈良からの手紙~LOVE LETTER form NARA~|LOSTAGE|五味岳久|FLAKE RECORDS|和田貴博|DAWA|音楽|連載|ぴあ関西版WEB

ホーム > LOSTAGE 五味岳久の奈良からの手紙~LOVE LETTER form NARA~ > 第7回 FLAKE RECORDS 和田貴博さん



 

Profile

和田貴博(写真右)
大阪・堀江のレコードショップ、FLAKE RECORDS代表。シフトレコードなどのショップスタッフを経て2006年に独立、開業。新譜の洋楽レコードをメインに、交流のある邦楽アーティストの新譜も取り扱う。また、レーベル「FLAKE SOUND」も展開し、コンスタントにタイトルをリリースしている。2013年には海外のWEBサイトにて「あなたが死ぬ前までに訪れるべき魅力的な世界のレコード店 27選」に選ばれた。通称DAWAさん。五味さんの経営するTHROAT RECORDSにおいては、師匠にあたる。

FLAKE RECORDS
http://www.flakerecords.com/

五味岳久(写真左)
ロックバンドLOSTAGEのボーカル&ベース。地方発信/地域密着をモットーに、地元奈良を拠点に独自の活動を展開中。メジャー/インディーを問わず、様々なジャンルのアーティストとの親交も深い。2011年、結成10年目の節目に自主レーベルTHROAT RECORDSを設立。2014年8月6日にニューアルバム『GUITAR』をリリース。発売記念ツアー『LOSTAGE GUITAR TOUR 2014』も全国11ヶ所で開催。

LOSTAGE HP
http://www.lostage.co/

五味岳久オフィシャルサイト
http://takahisagomi.com/

THROAT RECORDS
http://throatrecords.tumblr.com/

Release

【FLAKE SOUND】

SONDRE LERCHE
『PLEASE』
9月17日(水)発売予定
★日本先行発売

SONDRE LERCHE『PLEASE』

¥2,037(税抜)/FLAKES-109

<収録曲>
01. Bad Law
02. Crickets
03. Legends
04. At Times We Live Alone
05. Sentimentalist
06. Lucifer
07. After The Exorcism
08. At A Loss For Words
09. Lucky Guy
10. Logging off

 

BELLMAN
『MELOPOI A』
発売中

BELLMAN『MELOPOI A』

¥2,000(税込) / FLAKES-108

<収録曲>
01. Melopoii a
02. Breathe and drown
03. My favourite beat
04. Nineteen
05. Killing reason
06. Just for today
07. Accident by art
08. Insomnia
09. Your sister
10. Counting corners


OUTATBERO
『UP ON SOMEWHERE』
発売中

OUTATBERO『UP ON SOMEWHERE』

¥1,620(税込) / FLAKES-107

<収録曲>
01. up on somewhere
02. up on somewhere (DJ iToy Remix)
03. harps
04. no town
05. no town (PsysEx Remix)
06. forget all
07. division
08. up on somewhere (Masahiko Takeda Remix)

 

The Chimney Sweeper
『The Vowel』
発売中

The Chimney Sweeper『The Vowel』

¥2,000(税込)/FLAKES-106

<収録曲>
01. Correct Animal
02. Close To The Future
03. La France
04. Little Strange
05. Bayou
06. Crevice For Loss
07. Soda
08. The Vowel

 

【LOSTAGE】

LOSTAGE
『GUITAR』
発売中

GUITAR

¥2,300(税込)/DDCZ-1968

<収録曲>
01. コンクリート / 記憶
02. Nowhere / どこでもない
03. いいこと / 離別
04. Guitar / アンテナ
05. 深夜放送 / Unknown
06. Flowers / 路傍の花
07. Boy / 交差点
08. Good Luck / 美しき敗北者達

Live

【FLAKE RECORDS】

『「NEWTOWN」発売記念
インストアライブ』
▼9月4日(木)20:00

FLAKE RECORDS
[出演]DENIMS
※入場無料(優先入場券お持ちの方優先)
[問]FLAKE RECORDS

Pコード:235-623
[TONE FLAKES Vol.67]
『Letting Up Despite Great Faults JAPAN TOUR 2014』
▼9月6日(土)18:00

心斎橋CONPASS(大阪)
前売り-4000円(オールスタンディング、整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]Letting Up Despite Great Faults/
HAPPY/Awesome City Club/
juvenile juvenile
[問]CONPASS[TEL]06-6243-1666
チケット情報はこちら

Pコード:235-954
[TONE FLAKES Vol.68×旅するコンコス
『~まちといろ 100のいろ~』]

▼9月7日(日)13:30
酒游舘
全自由-4300円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]KONCOS/くもゆき(おおはた雄一と福岡晃子fromチャットモンチー)/THE KEYS/
HAPPY/ROTH BART BARON/他
※地酒の試飲あり。飲酒される方は要身分証明書。
[問]FLAKE RECORDS
[TEL]06-6534-7411
チケット情報はこちら
(その他チケット取扱)
FLAKE RECORDS(店頭)

Pコード:240-405
[TONE FLAKES Vol.69]
『くもゆき "くもゆきのいろ" × ジェームスアンドチャーリー "ジェームスアンドチャーリーII" リリースパーティ!』
▼9月8日(月)19:00

digmeout ART & DINER(大阪)
前売-3300円 当日-3800円(ドリンク代別)
[出演]くもゆき(おおはた雄一と福岡晃子from チャットモンチー)/ジェームスアンドチャーリー(谷川正憲from UNCHAINと綾部健司from U&DESIGN)
※小学生以下は入場無料
[問]FLAKE RECORDS
(その他チケット取扱)
FLAKE RECORDS(店頭)
digmeout ART & DINER(店頭/電話:06-6213-1007)

『「The Ice Age」
アナログ発売記念インストアライブ』
▼9月25日(木)20:00

FLAKE RECORDS
[出演]ROTH BART BARON
※入場無料(優先入場券お持ちの方優先)
[問]FLAKE RECORDS

Pコード:241-417
[Tone Flakes vol.70]
The Chimney Sweeper/Yogee New Waves

▼9月28日(日) 17:30
CONPASS
前売り-2300円(オールスタンディング、整理番号付、ドリンク代別途要)
[共演]OUTATBERO/Juvenile Juvenile
[問]CONPASS
[TEL]06-6243-1666
チケット情報はこちら

『「Little Girl」発売記念アコースティックインストアライブ』
▼10月4日(土)20:00

FLAKE RECORDS
[出演]Old Lacy Bed
※入場無料(優先入場券お持ちの方優先)
[問]FLAKE RECORDS

9月6日(土)10:00~一般発売
[TONE FLAKES Vol.71]
プロヴィアント・オーディオ/マヤ・ヴィク


Pコード:241-961
▼10月29日(水) 19:00
Shangri-La(大阪)
自由-4500円
[問]Shangri-La
[TEL]06-6343-8601

Pコード:242-027
▼10月27日(月)・28日(火) 19:00
LIVE HOUSE FEVER(東京)
オールスタンディング-4500円
[共演]有
[問]LIVE HOUSE FEVER
[TEL]03-6304-7899

Pコード:242-028
▼11月2日(日) 19:00
アーリービリーバーズ(福岡)
オールスタンディング-4500円
[問]アーリービリーバーズ
[TEL]092-738-7337

Pコード:242-335
▼10月30日(木) 19:00
梅田クラブクアトロ(大阪)
前売-4500円
[共演]有
[問]梅田クラブクアトロ
[TEL]06-6311-8111

※各公演とも、整理番号付、ドリンク代別途要。

チケット情報はこちら

 

【LOSTAGE】

『LOSTAGE GUITAR TOUR 2014』

▼8月7日(木)19:00

新代田FEVER(東京)

▼8月21日(木)18:45
磔磔(京都)

▼8月30日(日)19:00
伊那GRAM HOUSE(長野)


▼9月14日(日)18:30
UMBER(静岡)
前売-3000円 当日-3500円
[ゲスト]COMEBACK MY DAUGHTERS
[問]UMBER[TEL]054-294-8086

Pコード:237-890
▼9月15日(月・祝)18:30
名古屋HUCK FINN(愛知)
前売-3000円(整理番号付)
[問]HUCK FINN[TEL]052-733-8347
チケット情報はこちら

Pコード:237-378
▼9月18日(木)19:30
Fandango(大阪)
オールスタンディング-3000円(整理番号付)
※小学生以上は有料。
[問]GREENS[TEL]06-6882-1224
チケット情報はこちら

▼9月20日(土)18:30
柏ALIVE(千葉)
前売-3000円 当日-3500円
[ゲスト]Crypt City
[問]ALIVE
[TEL]04-7143-2088

▼9月21日(日)18:30
仙台BIRDLAND(宮城)
前売-3000円 当日-3500円
[問]BIRDLAND
[TEL]022-223-7926

▼9月23日(火)19:30
札幌KLUB COUNTER ACTION(北海道)
前売-2500円 当日-3000円
[問]COUNTER ACTION
[TEL]011-222-1413

▼9月28日(日)18:30
福岡KEITH FLACK(福岡)
前売-3000円 当日-3500円
[問]KEITH FLACK
[TEL]092-762-7733

Pコード:238-087
▼9月27日(土)19:00
広島・4.14
前売り-3000円(整理番号付)
[問]4.14
[TEL]082-249-3024
チケット情報はこちら

Pコード:238-093
▼10月30日(木)19:00
CLUB QUATTRO(東京)
スタンディング-3300円
[問]エイティーフィールド
[TEL]03-5712-522
チケット情報はこちら

※全会場、ドリンク代別途必要。

9月13日(土)10:00~一般発売
Pコード:242-446
LOSTAGE presents [生活2014]
▼10月25日(土) 14:30

STUDIO PARTITA(大阪)
オールスタンディング-4300円(整理番号付、ドリンク代別途要)
[出演]LOSTAGE/LITE/
MO’SOME TONEBENDER/
ZAZEN BOYS/他
※小学生以上は有料。プレゼント付。
[問]GREENS
[TEL]06-6882-1224
チケット情報はこちら

Pコード:234-530
『HUSKING BEE』
▼11月13日(木) 19:00

金沢vanvanV(石川)
スタンディング-3300円(整理番号付・別途ドリンク代必要。)
[ゲスト]LOSTAGE
※未就学児童は入場不可。
[問]FOB企画[TEL]076-232-2424
チケット情報はこちら

『スペースシャワー列伝100巻記念公演
 -第122巻 洒落の宴-』
▼11月25日(火)19:00

新宿LOFT(東京)
[出演]LOSTAGE/□□□/8otto/他
オールスタンディング-3800円(ドリンク代別)
[問]http://www.spaceshowertv.com/
retsuden/100

LOSTAGE 五味岳久さんがインタビュアーとなり、“今、気になる人”と会い、それぞれの生活圏から見えている景色や、これから見たい光景を語り、考える、連載企画『奈良からの手紙』。第7回はFLAKE RECORDSの和田貴博さんとの対談です。対談収録後、「愛ゆえの平行線…」とつぶやいた五味さん。その真意は対談の中に!

 

「俺は大阪を背負ってるっていう自覚は要るんじゃないですか。
言わんでいいすよ。『俺は大阪を』とか言わんでいいけど」(五味)

 

五味岳久
(以下、五味)

では、始めましょうか。一応、この連載の趣旨を説明すると…。

和田貴博
(以下、和田)

知ってる! 端折っていい!

五味

初めて要らんって言われた(笑)。じゃあ、DAWAさんがFLAKEを始める前後の流れは端折りましょう。今、新しくレコード屋を始める人がちょいちょい出てるじゃないですか。それはどうですか? 僕もそうですけど。

和田

どんどんやってほしい。同業者は増えてほしい。

五味

同業者って思ってるんですか?

和田

思ってるよ。早く大阪にディスクユニオンができへんかなって思ってる。絶対、相乗効果が出るやん。取り合いして負けるのは価格だけやと思ってるから。

五味

価格で負けても別の部分で勝てるってこと?

和田

そう。勝てると思ってるから。

五味

それは何でなんですか?

和田

それは個人店の強み。臨機応変なところ。全部自分で仕入れて、自分で売れる枚数を売ろうとしてるから。そういう臨機応変さで大手に負けてたらつぶれるやん、絶対。

五味

大阪にもディスクユニオンできたらいいなって言ってましたけど、大阪に思い入れはあるんですか?

和田

それはないな。

五味

別にどこでもいい?

和田

どこでもいいわけじゃないけど、大阪で育ってるから大阪でやってるだけで。

五味

地元意識とか。

和田

あんまりそういう意識はない。奈良の場合はさ、同じレベルの人がおらへんやん。LOSTAGE規模のバンドは他におらへんし。だから背負って立った感が出てくるかも知れんけど。しかも俺、レコード屋やから。

五味

「俺が大阪を盛り上げなあかん」っていう自覚は?

和田

そんなんないよ。

五味

いや、これはそういう対談やからさ。そんなふうにぶった切られたら“俺、何やってんねやろ”ってなるやん。

和田

それは、それぞれやから。

五味

まあ、そうですけどね。やっぱ地方都市じゃないですか、大阪も。

和田

地方都市感は意識してるよ。東京と大阪って一緒に括られたりするやん。でも全然違う。大阪は地方都市。ただ、外国人のツアーとかすると、大阪の方が人が入んねん。

五味

それは何でなんですか?

和田

それは頑張ってきたからかなぁって思う。

五味

地元のお客さんが多いってこと? DAWAさんとのところ、通販もやってますやん。お客さんは遠方の人もいるわけじゃないですか。地方都市のいちレコード屋としてやってて、全国に顧客がいるのはどういう感じなんですか?

和田

それで言うと、FLAKEが見つけてきたものを買ってくれてる感じは、実はそんなになくて。

五味

あ、ないんや。

和田

他で売り切れたものが残っているとか、FLAKEでしか買われへんからしゃあなしに買っている感もあるんやろうなと、ずっと思ってる。

五味

それは何でなんですか?

和田

送料がかかるやろ、どう考えても。Amazonの方が安かったりするし、送料無料で売ってるわけやんか。でもFLAKEでは、そういうアイテムはあんまり売れへん。

五味

じゃあやっぱ通販でレコードを買ってくれる人は限定やからとか?

和田

多分。今やったらmymeansがめっちゃ売れてるとか、レコード・ストア・デイで余ってる分が売れるとか。もちろん信用して買ってくれている人もいると思うけど、大半はそうだと思う。

五味

それはどう思ってるんですか? 実際。

和田

売上げが上がるからいい。それとはまた別で、(アーティストが)「FLAKEに置いてください」って言ってくれるのは、そういう信頼を得ているところまで行ってんねんなって思って、それはいいなと思う。

五味

やってきたことの成果。

和田

そうそうそう。「FLAKEだけで売ってください」って言う人もおるわけやんか。こっちが売りたいって言わんでも。レコードを出すのもそうやし。それは最近、増えた感じがする。バンドが置きたがってくれる。恐縮やけど。俺らは「流通した方がいいやん」って言うよ。最近やったらJAMES AND CHARLY――UNCHAINの谷川くんがやってるユニットとか。そういうのは、やってきた結果なんかなって思う。

五味

店に置いているものが日本のインディーズも増えてきていると思うんですけど、DAWAさんの他のインタビューを読むと、基本、“俺のところは洋楽やから”みたいな感じじゃないですか。そもそも何で洋楽がメインなんですか?

和田

昔から洋楽が好きやったから。

五味

何でなんですか? 日本のバンドのライブとか行ってたでしょ?

和田

行ってたよ。

五味

何でそんな洋楽にこだわるんですか? こんだけ日本のバンドが出入りしてるのに。

和田

(日本のバンドは)FLAKEで売らんでもいいやんって思ってる。

五味

は~…。何で?

和田

なんとなく、感覚。

五味

金とか?

和田

…金は関係ないかな?

五味

金、関係なくないですか? 金金金金言うてるやないですか。

和田

(笑)金なかったら商売できへん。

五味

そうなんですけど、よく言えば柔軟というか、悪く言えばぶれている。自分でも言ってたから。大きい軸としての洋楽が…。

和田

大きい軸は自分の感覚。この先、めっちゃ邦楽にはまることもあると思う。そうなったら置くというだけの話で。

五味

俺がいいと思えば置く。

和田

そうそう。当時はぴんと来ぇへんかったような音楽がさ、今はよく聴こえるとかもあるやん、絶対。あと、売るから、俺は頑張って。売る説得力が要る。たとえば、“何であのバンドが”っていうのがあったりすると思う。それはちゃんと、その人を分かってるから。何が好きなのかも分かるから、そっち側を説明して売ろうとしてる。そういう見せ方がちゃんとできるからっていうのがある。売れるから置くっていうのはあんまりない。

五味

置くからには売る。売れるから置くんじゃない。

和田

うん。売れるから置くのは他にもっとあるよ。

五味

あ~、いいこと言いました! でも、DAWAさんから地元感を引き出すのは難しいですね。話題変えよう。レコード・ストア・デイ、どうでした? 今年はリリース、いっぱいしたじゃないですか。去年と比べると、びっくりするぐらい盛り上がって、うわーってなったじゃないですか。あれは何でやと思います? (ASIAN KUNG-FU GENERATION)ゴッチが頑張った?

和田

もあるし、俺らも頑張った。

五味

何でそんな盛り上がるって分かってたんですか?

和田

盛り上がるって分かってないよ。

五味

いや、言ってた、盛り上がるとか。

和田

「今年は来そう」やろ? それは徐々に。途中で気づくんよ。

五味

気配が。

和田

そうそう。いろいろアンテナを張ってはいる。ジャンルもそうやんか、俺らみたいなレコード屋って向こう(海外)の流行とか重要になってくるやん。来そうなジャンルとか、分かんのよ。リリースのリストとか見てると、日本のメディアに出る前から増えてくるから。発売2、3ヶ月前のリストを見てるわけやん。“最近、グランジっぽいのを押してるのが多いな”とか。YouTubeとか見てもそうやし。何を押しているか実感するから、それを早くキャッチして、早く紹介していかんと。

五味

実際にそうなるんですか?

和田

ジェイムス・ブレイクとかもそうやし、ウォッシュド・アウトの後、チルウェイブとか出てくるし。逆に、昔エレクトロが流行ったけど、ダンスミュージックがどんどんダメになっていくのも気づかなあかんやんか。それでリリースが減ってくるとか、トップアーティストがいなくなってくる。でも表現が変わって“EDM”になってとか。そういうのは敏感に見てるから。

五味

そういう感じで、レコード・ストア・デイが…。

和田

感覚的に分かる。周りがいろいろ言ってるし。それこそ、出す前からゴッチともしゃべって。あとレコード・ストア・デイ協会ともよく話をしてたから。

五味

どう思いました? その盛り上がりとか。健全でいいなとか。

和田

健全というか、ありがたい。

五味

もちろん僕もありがたいなと思って。いっぱい売れたから。

和田

それに尽きるんじゃない?

五味

不自然な感じがちょっとしたんですけど。

和田

それはある。ただ、あれを続けられるようにやっていかなあかんから。きっかけは与えられた気がする。レコードを買う人って習慣みたいなもので、買い始めたら買う。昔、買ってたけど、しばらく買わんかって、久しぶりに買ってみたら面白かったって言う人もいるし、初めて買った人がその後も買うようになったこともあるし。逆に“もう、うざい”ってなった人もおるけど。ただ、今回は買う人が増えた気がするから、つながる話かな。

五味

来年に?

和田

来年もそうやし、普段の営業にも。そういうことは、レコード・ストア・デイがなかったら、あり得へんかったことやんか。

五味

変化ありました?

和田

うーん…5月の売上げの良さは、何となくつながった気がする。6月に入ってからはあかんけど(笑)。

五味

その時だけみたいな感じが。

和田

そうならないようにするのが俺らの日々の努力。

五味

ああ…「俺ら」に俺も入ってるってことか。

和田

頑張れよ(笑)。

五味

そうすね。

和田

「レコード・ストア・デイの売上げ60%アップ」っていうニュースあったやん。俺、データ提出していないのに、どこの情報やねんと思って。

五味

噂じゃないですかね。

和田

噂(笑)。今年のレコード・ストア・デイの売上げの何%かは担ってるよ、FLAKEが。一切、報告してないのに「60%アップ」って出たから、“これ、タワレコだけの情報ちゃうんか”と思って…。

五味

クレーム入れたんですか?

和田

クレームは入れてないけど、ツイッターでつぶやいた(笑)。

五味

その、やりっぱなしなのもアレなんじゃないですかね。

和田

いいやん、問題提起だけでいい。それで周りが気づいて、“ああ、ほんまや”って思ってくれたらさ、ちょっと変わるやん。情報操作されてるんじゃないかって思ってもらった方がよくない? 実際多いし。

五味

売上げが上がっているのは確かじゃないですか。

和田

確かやけど、数字が出たからびっくりした。ただ、オリコンからは電話がかかってきた。「くるり(『ロックンロール・ハネムーン』)が売れてるから、チャートに入るかもしれん」って。

五味

7インチが?

和田

7インチ。7インチは一週間で1000枚くらい売ってるんよ。これってCDやったらたぶんオリコンチャートに入んのよ。ただ個人店の情報が入らへんやん。それでオリコンから調査が入って、チャートの可能性があると。

五味

そんだけオリコンとかを狂わせる…。

和田

くるりやで。

五味

そのくるりを出したんですよ、DAWAさんが。5年前だったら大ごとじゃないですか。やっぱ、そういうところに俺はいるんやなって自覚が要るんじゃないですか。俺は大阪を背負ってるっていう自覚。言わんでいいすよ、別に。「俺は大阪を」とか言わんでいいけど。

和田

レコード屋としてはあるよ。刺激をちゃんと与えられるようにしたいし。レーベルもそうやし。

五味

DAWAさんのホームってどこなんですか? 居場所みたいな。

和田

大阪。

五味

でも大阪には愛着はないんですよね?

和田

でも大阪。だって言ったやん、さっき。ツアーしても大阪に(お客さんが)入るようにしてきたんは、お店が大阪にあるから。

五味

嬉しい?

和田

嬉しいよ。東京に勝ってるやんって思うもん。

五味

そういう意識は少なからずあるっていうことですか。

和田

あるよ。

五味

あるって言ってよ! 最初から!!  は~…難しい。

和田

ちゃんとやってるよ。引っ張っていこうっていうほどではないけど。それをやっちゃうと自分がつぶれるから。変なプレッシャーとか、責任感とかに。

五味

でも程よいプレッシャーとかあった方が…。

和田

程よいプレッシャーはあるやん、だから。でもそれを背負っちゃうとさ、これで来年、レコード1枚も出さへんかったら「ああ、もうFLAKEはあかん」ってなるわけやん。

五味

まあ、そうですけどね。

和田

じゃもう、続けるしかないやん、毎日。

五味

タイトルが減ることはある?

和田

それはあるよ。タイミングの問題やから。今もリリースしてるやん、金 佑龍も出したし、今度、ソンドレ・ラルケも出すから。

五味

FLAKEで? レコードを?

和田

レコードも、CDも。

五味

何かこうね…ちょっと逃げ道を用意しているような感じが…。何かこう…確信あるはずやのに、“俺がやらなあかん”って思ってるはずやのに、“いやいや、俺はそうじゃない”って、そういうポーズをして…。そう言われるとね、不安を煽る。(レコードを)出してもらう立場からしたら。もうちょっとしっかりしてほしいな。

和田

やってるやん。

五味

やってますよ。やってるからこそ、もっと“俺がやってる”っていう姿勢を見せてもいいと思うんですよ。

和田

見せてるって、充分。ちゃんとやってる自信はある。

五味

やってるからみんなFLAKEから出したいって思うと思うんですけど、そこをはっきり「やってる!!」って言ってもらった方がいいです。気持ちいい。俺についてこいみたいな。

和田

頼られたくないんよ。

五味

ほら、そういうところなんですよ。……このインタビュー、どうなんですか? 大丈夫ですかね? はぁ……、落としどころ、どうしたらいいんかな。

 

「“名物店長DAWAさん”と言われるのは…。
名物店長がおるような居酒屋も好きじゃないし」(和田)

 

和田

どっちかに振り切れてたらできてない。

五味

FLAKEみたいなお店が?

和田

うん。瞬発力だけやから。こっち行ったら悪い、こっち行ったら成功っていうことの前にやるから。それであかんかったっていうのもあるし、次に違うことが始まったということもある。あんまり考えとかを背負っちゃうと、身動きとれへんというか…。俺がそんなにキャパがあるとは思わへん。とりあえず止まるとつぶれるっていうのがあるから、そのモチベーションを保つのは思いつき。瞬発力を形にしていくことをずっと続けていかないと…。

五味

そこで1個ずつ背負っていったらもたないと。

和田

そうそう、絶対もたへん。

五味

心も体も。

和田

たぶん。……やったことないけど。

五味

やってみましょうよ!

和田

だから、それが怖いから…(笑)。

五味

怖がってたらできないじゃないですか。でも、まあ…、分かるんですけどね、ぼんやり…。

和田

俺は、「これがやりたいから、こうやってますよ」っていうのはない。レコード屋を始めたのも、レコード屋で何年もやってきたから、サラリーマンできへんなって思って、レコード屋しかないと思ってのことやから。レコード屋をなんとかしたいっていうのはないもん。

五味

もうレコード屋をやるしかない。

和田

やるしかない感はあったな。覚悟もあった。

五味

……きれいごとを言わないですね(笑)。まあ、そこがいいんですけど。こういうインタビューって、まあ、ええ感じになるじゃないですか。今回はそれがない…。

和田

いい感じのことしか言ってなくない? 納得できること言ってるやん。

五味

大体、ええ感じで終わるのに、今回はええ感じで終わらへん。

和田

終わらせろよ。それがインタビュアーの仕事ちゃうん?(笑)

五味

いや~、ちょっと難しい、取材対象としては。

和田

ひも解かれたり、分析されたらあかんねん。答えがない、ぼんやりしてるから面白いなって思うから。

五味

大体のことは答えがないですよ。

和田

でも落とし込むやん、みんな。

五味

“こういうことにしとく”ってあえて落とし込んで、ちょっとずつ前進していくことが、今後につなげることなんじゃないですか?

和田

うん? ……うん。

五味

だから落としどころはあった方がいいんですよ。

和田

でも感覚的やし、習ってやってきたわけでもないし、売り方も、方法も、自分で考えてやってるわけやから。

五味

今後の新しい世代を育てるためにも…。

和田

育てるとか、そんな大層なこと思いたくないねん。もちろん意識はあるで。リスナーの質を上げたいっていうのはあるよ、ぼんやりと。そんな上からの話じゃないけど、こういう音楽がいいって思う人が増えればいいなって常に思ってるから、それが大前提にあるから、日本のロックを“あんまり面白くない”って思ってるのもある。良し悪しの前に流行りが先に来るから。だから、ピンと来るかどうかの感覚でやるしかない。となる――優劣つけるとかまた言われるけど、洋楽の方がやっぱり、音楽のジャンルとか、新しい音楽が出てくる感じは絶対、面白い。トリップ・ホップとか、マッシヴ・アタックとかが出て、ジェイムス・ブレークが出てきたときは、“またこんなん出てきた”とか思ったけど、ああいう歌もののソウルで、音数少ないのんとかいっぱい出てきたやん。でも日本にはまだおらんやん。そういう動きも見てると面白いし、日本でEDMバキバキのアーティストもおらんやん。俺が知らんかもなだけやけど。 “新人で、18歳で、EDMすごいの”とかって出てこんやん。tofubeatsはまた違うし。そういう面白さは洋楽の方があんのよ、実際。瞬時に世界を変えてしまうくらい、人気が出たりするやん。スクリレックスとか。あれも本当はハードコアのボーカリストやんか。

五味

そういうのをDAWAさんが仕掛けたらいいんですよ。

和田

NOKIES!はそう思って出したし…。出したしっていう、そんな上からの話じゃないけど。今はHAPPYとか出てきたけど、メディアが乗っかるのが遅いだけで。俺らは最初からやってる。

五味

レーベルもやってるじゃないですか。それは何でやってるんですか? 日本のバンドは何で出すんですか?

和田

日本のバンドとかは、それを出すことで何か広がりがあるかなって思って。

五味

それをフックアップしたりとか、盛り上げたいとか?

和田

そうそうそう、「面白いバンドが出てきたよ」っていう。

五味

そういう盛り上げたいっていう気持ちはあるんでしょう!? その気持ちはどこから来るんですか?

和田

なんやねん、それ(笑)。

五味

やっと落としどころが見つかったかもしれん。

和田

いやだから、思ったからよ、感覚的に。

五味

いいと思うから売りたいと思った。

和田

このバンドが面白いから出したい。たとえば他のレーベルを紹介するとか、メジャーを紹介するとか、選択肢があるやん。そのうちの一つの“自分のところでやる”っていう選択肢と一致しただけの話で。「こんな感じで、こうやって出したい」って言ったら、「それがいい」って言ってくれたから、「じゃあやろう」って。

五味

でもそれは、やらんでええことじゃないですか、レコード屋として、本来は。リスクを背負うわけでしょう、やることで。それは何でやるんですか。

和田

仕入れるのと一緒。10枚仕入れて1枚しか売れへんかったっていうのと同じ感覚。

五味

数字だけじゃないでしょう、でも。

和田

優劣はないよ。……何を引き出そうとしてんの?

五味

DAWAさんの温かい部分ですよ(笑)。

和田

あるって。そこでしかできてないやん。

五味

やっぱ、レーベルとかをやるってことは、こいつらを何とかしたい、盛り上げたい、こういうシーンを盛り上げたいとか…。

和田

何とかしたいっていうか、入口でいいと思ってる。ただ、そいつらがライブハウスにノルマ払ってやるよりかは、1つ先を見せられるやんか。そこまでをやりたい。大阪城ホールを埋めるまで育てようとかは思ってない。

五味

熱い気持ちでしょう、そこにあるのは。

和田

あるよ。

五味

……あるじゃないですか!

和田

だからあるって言ってるやん、さっきから。

五味

……よかったです。もうこれ以上無理。これ、まとまんのかな?

 

--では、ちょっといいですか。レコード屋さんの条件として、大阪の堀江にあるのと、五味さんのお店のように奈良にあるのとでは、全然、違うじゃないですか。そういうところでも、その土地に居る意味があると思うんです。そこはどうお考えですか?

和田

始めた時はあんまり考えてない。いい物件を見つけて、パッと閃いてやろうっていう感じ。

五味

僕の場合は、地元で何かやりたいっていうのがあったから、ものすごい地元愛を俺は背負ってる。DAWAさんは口にしないですけど、“関西の顔”とか、そういうふうに周りから思われてんのは自覚してると思うんです。自分が思ってなくても。

和田

思われてるのが分かるから、余計、やりづらい。

 

--Buzzfeed(海外のまとめサイト)の「あなたが死ぬ前までに訪れるべき魅力的な世界のレコード店 27選」でFLAKE RECORDSが取り上げられましたが、それに関しては?

和田

あれはめちゃうれしい。

 

--そういうことと“顔”と思われるのは、また別ですか?

和田

別。名物店長とか言われるのはすごく嫌なんですよ。

五味

人にスポットが当たるのが嫌なんですよね。店に当たるのはいいけど。

和田

Buzzfeedは品揃えとかで選ばれたので、すごくよかったなって思う。「名物店長、FLAKE・DAWAさん」とか言われるのは好きじゃなくて。名物店長って括られるのがあんまり…。居酒屋さんもそうで、名物店長がおるような居酒屋は好きじゃないんですよ。

五味

なんで居酒屋にたとえんねん。

和田

一番身近やん。

 

--DAWAさんというフィルターを通して、いい音楽を伝えたい?

和田

お店を見てくれって言うのはある。

五味

でもお店は、DAWAさんがいないと、ああいうふうにはならないわけじゃないですか。

和田

もちろん、意識はしてるよ。俺がやってるっていうのはあるけど、俺をピックアップする必要はないやん。表に出るのはあんまり好きじゃない。

五味

それは何で?

和田

……恥ずかしいというか(笑)、しんどいやん。逃げたいだけかもしらんけど、怖い。店のこと以外でピックアップされるのはしんどい。

五味

……DAWAさんの写真、全部モザイクかけましょか?

和田

急に顔出しNG来た(笑)。店に立ってて、俺はお客さんのこと知らんけど、向こうは知ってるとかもあるやんか。その距離感が合わへんというか。まだバランスが取れてないです。しんどい。

五味

そのしんどいを乗り越えて…。

和田

あと10年くらいかかるわ。もう十分やろ?

五味

いやいやいや、そこが気になる。器で言ったらDAWAさんと俺は、形は違うと思う。 “自分がこうしたい”っていう器の大きさは、DAWAさんの形で大きくしてもらった方が頼れるというか、そうしてもらえたら“そこに乗っかっていこう”ってなる。“まあ、こうなったらええけど、別にならんでもええわ”っていうより、“ここを目指そうぜ”みたいな、そういう舵取りの人がいた方が…。それってレーベルの役目やと思うんです。僕もできてないところがあるけど…。

和田

自分の限界を分かってるつもりやから、身の丈の感じはあるかも。そこが物足りへんって思う人もおるかもしれんけど、でもそれ以上のことはできへん気がしてる。

五味

できる! 割り切ってる部分もあるでしょ、店は店。俺は俺とか。

和田

全部一緒やで。生活の90%以上は店のことしか考えてない。だから、あえて切り替えようと意識していて。そうじゃないとずっと仕事してるし、自分の店に押しつぶされるなぁって。FLAKEが大きくなってるやん、思ってる以上に。それを背負ってんのが俺ってなると、ちょっとしんどい。規模感がおかしくなってる。

五味

何回しんどいって言うんですか(笑)。

和田

いや、規模感おかしない? 個人店で。

五味

それを面白がられたらいい。

和田

面白がってる部分もあるけど、怖い部分もある。8年間やってきて、今年のレコード・ストア・デイが盛り上がったっていうのが一つのピークで。盛り上がりそうっていうから、仕掛けたわけで。それは面白がってやってるやん。で、一応ピークに行ったから、次は下がるのか、もっと上がるのか。感覚的に来年もいけそうってなってきたら、スイッチが入るかもしれん。選択肢が常にある状態というか、“こう”って一つに決めるのはようせえへん。方向転換できる余白は常にないとって思ってる……かな? うまいこと言えた?

五味

……いや、全然響かないですね。別にでもね、全部が全部、対談をいい感じに終わらせる必要はないし。「そうか、この二人は考え方が違うんや」って思われてもいいと思う。対談自体は意味があったんですけど……。落としどころを作りたかったですね。でも嘘のないインタビューだったと思います。最後に今後の活動を聞きたい。

和田

「あの時、ああ言ってたのに、今は違うやん」って非難する風潮があるやん。それは好きじゃない。あの時はあの時、今は今っていうのでいいと思うねん。

五味

人に何言われるか、気にし過ぎやねん、君は。

和田

全部そのバリアのためのインタビューちゃうで(笑)。

五味

逃げ道作ったら勝てへんと思うで。

和田

どこに勝つねん。

五味

自分にや! でもよく分かりました。DAWAさんがどんな人か。

和田

ずっとこんなんやって。ちょっと説明しただけやろ。

五味

言葉にするとね、まあまあ、めんどくせぇ!って思った。

和田

お前に言われたないわ。世間的に言うと絶対、五味の方がめんどくさい。

五味

いやいや、(DAWAさんは)それが表に出てないだけですよ。確信した。俺と一緒やん。

和田

全然違う。

 

 


ロケ地:aran cafe(奈良・大和郡山) 
取材:五味岳久(LOSTAGE)
撮影:河上良(bit Direction lab.)
企画:高橋はじむ
企画・構成:岩本和子