LOSTAGE 五味岳久の奈良からの手紙~LOVE LETTER form NARA~|LOSTAGE|五味岳久|ライブハウスFEVER|西村等|音楽|連載|ぴあ関西版WEB

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Profile

西村等(写真左)
ライブハウス新代田FEVER、コーヒーショップRR代表。肩書きは多数。ご本人曰く「FEVERの掃除してますとか言ってたりする」。栃木の高校を卒業後、埼玉にある音響専門の短大へ進学。卒業と同時にロフトグループに入り、下北沢シェルターの店長を務める。シェルターから独立後、新代田にライブハウスFEVERをオープン。その後、陸橋を挟んだFEVERの隣でコーヒーショップRRを展開することに。近年ではアジア圏でも活動の幅を広げている。

FEVER
www.fever-popo.com/

新代田RR
http://rrknnn.tumblr.com/


五味岳久(写真右)
ロックバンドLOSTAGEのボーカル&ベース。地方発信/地域密着をモットーに、地元奈良を拠点に独自の活動を展開中。メジャー/インディーを問わず、様々なジャンルのアーティストとの親交も深い。地域密着/地元発信のレーベル兼レコードショップ「THROAT RECORDS」主宰。2017年1月4日にスロートレコードよりTheSpringSummerの2ndフルアルバム『Trash & My Young Hearts』をリリースした。

LOSTAGE HP
http://www.lostage.co/

THROAT RECORDS
http://throatrecords.tumblr.com/

Event

銀座ロフトでRRが期間限定オープン!

6名のアーティストとコラボしたドリップバッグをご用意。RRブレンドの犬の絵は五味さん作画。

『SHARE COFFEE × SHARE ART』
【期間】9月28日(木)~10月17日(火)
【場所】銀座ロフト
※ドリンクの提供は12:00~20:00。10/4・11のみドリンクの提供は休み。
詳細はこちら

Release

【LOSTAGE】

『In Dreams』(アルバム)
発売中

split7

THROAT RECORDS
2600円(税込)

<収録曲>
01. さよならおもいでよ
02. ガス
03. 窓
04. ポケットの中で
05. REM
06. 泡沫の
07. 戦争
08. I told.
09. 僕のものになれ
10. Shoeshine Man

LOSTAGEライブ会場、THROAT RECORDS店頭、THROAT RECORDSオンラインショップで発売中。


『ポケットの中で』(Unofficial Video)

Live

【LOSTAGE】

LOSTAGE In Dreams TOUR
▼7月9日(日)
山形酒田hope(山形)
▼7月10日(月)
仙台BIRDLAND(宮城)
LOSTAGE単独公演
▼7月12日(水)
静岡UMBER(静岡)
W / 突然少年
▼7月14日(金)
新代田FEVER(東京)
LOSTAGE単独公演
▼7月21日(金)
奈良NEVERLAND(奈良)
LOSTAGE単独公演
▼8月12日(土)
高松TOONICE(香川)
LOSTAGE単独公演
▼8月13日(日)
高知X-pt.(高知)
[ANDES IS BURNING!! Vol.5]
W / アルパカス
▼8月18日(金)
福岡UTERO(福岡)
LOSTAGE単独公演
▼8月19日(土)
広島4.14(広島)
LOSTAGE単独公演
▼9月2日(土)
名古屋HUCK FINN(愛知)
LOSTAGE単独公演
▼9月22日(金)
十三FANDANGO(大阪)
LOSTAGE単独公演

▼10月5日(木)
京都MUSE(京都)
W / KONCOS
▼11月10日(金)
吉祥寺WARP(東京)
LOSTAGE単独公演
▼11月2日(木)
KOBE KINGSX(兵庫)
Wbacho/mu-neujohn
▼11月23日(木)
横浜FAD(横浜)
W / AGE FACTORY
▼12月16日(土)
札幌KLUB COUNTER ACTION(北海道)
W / THE THANKS / the hatch
▼2018年1月27日(土)
沖縄OUTPUT(沖縄)
W / teora / aieum 他

 

「LOSTAGE presents 生活2017」
Pコード:344-811

▼10月21日(土) 12:00
▼10月22日(日) 12:00

スペースU 古河(茨城)
スタンディング-4800円
10/21(土)
[出演]LOSTAGE/おとぎ話/GEZAN/ Age Factory/突然少年/他
[弾き語りステージ]achico/木下理樹/Keishi Tanaka/島崎マサル/佐々木陽平/他
10/22(日)
[出演]LOSTAGE/cinema staff/MUSIC FROM THE MARS/uncommon ghost/skillkills/あらかじめ決められた恋人たちへ/他
[弾き語りステージ]KUDANZ/長谷川健一/浜田一平/ゆうき/他
[出店(両日)]
THROAT RECORDS/RR/R食堂/えるえふる/LIKE A FOOL RECORDS/まぼねん/ドラヤキワダヤ/cafe couwa/魚進(22日のみ)/THE SHRiMPSカタヌキ/Kore Kara/apaapa cafe(21日のみ)/ねこ屋/他
※小学生以下は無料。
※出演者は予定のため変更の可能性あり。出演者変更に伴う払戻し不可。
※他に2日通し券あり、Pコード:782-893参照。
[問]シブヤテレビジョン
[TEL]03-5428-8793
チケット情報はこちら


「十三月の甲虫 presents“全感覚祭17”」
▼10月7日(日) 3:00~22:00

ROUTE26近辺特設ステージ(大阪)
入場無料(投げ銭)
[問]
http://pyouth-mag.com/zenkankaku17/

 

Age Factory「RIVER release TOUR」
Pコード:341-257
▼10月13日(金) 19:00

金沢vanvanV4(石川)
スタンディング-2500円(整理番号付・別途ドリンク代必要)
[共演]LOSTAGE/ASPARAGUS
※未就学児童は入場不可。
[問]FOB金沢
[TEL]076-232-2424
チケット情報はこちら

Pコード:341-261
▼10月14日(土) 19:30

松本ALECX(長野)
スタンディング-2500円(整理番号付・別途ドリンク代必要)
[共演]LOSTAGE/ASPARAGUS
※未就学児童は入場不可。
[問]FOB新潟
[TEL]025-229-5000
チケット情報はこちら

Pコード:341-261
▼10月16日(月) 19:00

新潟CLUB RIVERST(新潟)
スタンディング-2500円(整理番号付・別途ドリンク代必要)
[共演]LOSTAGE/bacho
※未就学児童は入場不可。
[問]FOB新潟
[TEL]025-229-5000
チケット情報はこちら


「暮らしと音楽」
▼10月28日(土)11:00

鳳鳴地域交流センター(旧鳳鳴小学校校舎・体育館)(山口)
前売-3000円 当日-3500円
※小学生以下 入場無料。
[出演]LOSTAGE(奈良)/susquatch(東京)/e;in(京都)/elephant(山口)/e.t.c(山口)/shiNmm(山口)/Gofish(名古屋)/オガサワラヒロユキ(大阪)/ボギー家族(福岡)/その他の短編ズ(福岡)/まやかしプラスチック(広島)/中野祥平(島根)
[問]kurasi.to.ongaku@gmail.com

 

「sunset BLUE 2nd Anniversary」
百々和宏/五味岳久/氏原わたる
Pコード:342-372
▼11月19日(日) 18:00

sunset BLUE(愛知)
自由席-3300円(整理番号付・別途ドリンク代必要)
※小学生以上有料。
[問]sunset BLUE
[TEL]052-325-3410
チケット情報はこちら


「F.A.D YOKOHAMA presents THE SUN ALSO RISES vol.44」
9月30日(土)チケット一般発売
▼11月24日(金)19:30

FOKOHAMA F.A.D.(神奈川)
前売-3500円 当日-4000円(共にドリンク代別600円)
[出演]銀杏BOYZ(弾語り)
[共演]五味岳久(LOSTAGE)
[問]F.A.D YOKOHAMA
045-663-3842(13:00~23:00)

 

「"Sad Dream"Vol2」
▼11月25日(土)18:30

KYOTO SOLE CAFE(京都)
前売-3000円 当日-3500円(共に1ドリンク別)
[出演]日暮愛葉(Seagull Screaming Kiss Her Kiss Her) / 五味岳久(LOSTAGE)
[問]http://solecafe.jp/

 

「POLLY NIGHT」
▼12月2日(土)18:30

CHIBA LOOK(千葉)
前売-2500円 当日-3000円(共に要1ドリンク)
[出演]LOSTAGE/FORGET ME A NOTS/akutagawa
[問]千葉LOOK
043-225-8828(15:00~22:00)

 

「ASPARAGUS TOUR」
Pコード:597-427
▼2018年1月28日(日) 17:30

鹿児島SRホール(鹿児島)
オールスタンディング-3500円(要1ドリンクオーダー/整理番号付)
[出演]LOSTAGE/No edge
[問]SRファクトリー
[TEL]099-227-0337
チケット情報はこちら

LOSTAGE 五味岳久さんがインタビュアーとなり、“今、気になる人”と会い、それぞれの生活圏から見えている景色や、これから見たい光景を語り、考える、連載企画『奈良からの手紙』。第13回は関西圏を飛び出して、初めての出張です。ライブハウスFEVERの店長、西村等さんに会いに新代田へ行きました。インタビューは同じく新代田の駅前に位置する西村さんのコーヒーショップRRの2階で行いました。インタビューの前には西村さん、五味さんの知り合いのミュージシャンが訪れたり、最中も階下でお客さんとの談笑の声が聞こえてきたりと、街のサロンとしての機能も見えてきたRR。FEVERとともに、新代田を拠点に西村さんの未来への眼差しを追いました。

 

「今は世代を超えて、バンドがいい具合にジョイントしてるっていう
面白い雰囲気があって。しかも、ぬるっとしている感じじゃなくて、
ちゃんとバンドが切磋琢磨しているかな」(西村)

 

五味岳久
(以下、五味)

西村さんは栃木出身で、東京に出たのは進学とかで?

西村等
(以下、西村)

親父が転勤族で、たしか埼玉かどこかで生まれて、横浜行って、大阪行って、栃木に行ったのかな。大阪も吹田とかにいて。親父が家買うっつって栃木で買って。小学校5年生くらいにその家に入ってから、小学校、中学校、高校ぐらいまでずっとつるんでるヤツとかとバンドを組んだりして。

五味

バンド!?

西村

バンドを中学生ごろにやり始めて。同時にスケボーとか、ああいう文化に触れ出して。ビデオとか見て「サーフィンとかやってみたいよね」「でも栃木、海ねえじゃん」みたいな話をしてて。音楽は、メロコアの初期みたいな。GREEN DAYとか、NOFXだったりがあったりして。その前から音楽が好きだったんだけど、初めて買ったCDがハロウィン (笑)。姉貴がいたから、ユニコーン聴いてたりとか、プリプリ(Princess Princess)だったり、岡村ちゃん(岡村靖幸)とか。それで雑多なバンドを中学でやってて。高校でもやって。それからライブハウスに行くようになって、ライブハウスの仕事が面白そうみたいな感じになって。埼玉に音響の専門学校というか、短大があって。川越の方。高校卒業して実家から川越にある音響の学校に行って、19歳からシェルターに入ったから、三都物語をずっとやってた。栃木、埼玉、東京を。

五味

学生の時からシェルターに行ってたんですか?

西村

2年制だから1年通ったらもう就職活動で。本当にライブハウスで働こうと思って、拾ってくれたのがシェルターだった。

五味

そうなんですね。それで卒業して。

西村

卒業して、東京に出ますと言ってシェルター1本で働き始めて。バイトで入って、(それから)どうする?って感じだったから、バイトで入って最終的には店長とか、そういうところまで行きたいですって意思表示をしていたから、「じゃあ、西村やってみっか」みたいな感じで、店長とかブッキングで携わっていって。

五味

シェルターが東京にあったから、東京なんですね。

西村

そう。当時、メロコアとか聴いていて、ハイスタ(Hi-STANDARD)がズドンと来て、ハイスタが出るライブハウスに行きたくて、はじめは新宿ロフトに。小滝橋にあった昔のロフトに「バイト募集していないですか?」って聞いたら「今はしてないです」「分かりました」。そういえばシェルター行ったときにバイト募集の紙が貼ってあったなって電話したら、「今、募集してるからよかったら面接来てください」ってなって。そこがダメだったらギグアンティックに行こうと思ってた。

五味

ハイスタ基準ですね(笑)。こんなところにハイスタ! FEVERでハイスタってやってたんでしたっけ?

西村

ハイスタはやってないですね(笑)。シェルター時代に、俺が店長やっているときに出てもらったりとかして。

五味

あの距離で見てるんですね。

西村

FEVERできてからはKenさん(Ken Yokoyama)に出てもらったりしているから、それは本当にライブハウス冥利に尽きるというか。

五味

世代的に僕と西村さんってそんなに違わないですよね。

西村

今41。

五味

3つ違いか。同じようなものを聴いてたんですよね。

西村

ハイスタとかメロコアとか聴きながら、その後エモっぽいのが出てきて、こういうのすごくいいなぁみたいな感じになった後に、日本でもそういうバンドとか出てきて。VOLUME DEALERSあたりとか、eastern youthとかも初期って言ったら変だけど、北海道から出てきて、そういう感じになってきて。昔の20000Vで活動していたバンドがシェルターの方でやりたいみたいな話が、俺がまだペーペーの時にあって。俺が店長になってからは自由が利くからぜひやりましょうみたいな話になって、どんどんやっていったっていう時代があって。その後もちょっとエモっぽいバンドもいっぱい出てきて、easternとかどんどん大きくなっていって。で、ギターロックとか言われるようになってからBUMP(BUMP OF CHICKEN)とかアジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)とかが出てくるようになって。

五味

聖地ですね。

西村

あの時は面白いのが出てきて、次にまた若いのがばーって出てきてっていうことが繰り返されてた。最近そういうのが少ないような気もしていて、何か面白いことないかなって常日頃思うんだけど。ただ、最近はGEZANだったりとか、20代の子たちの熱量のあるバンドが来てるのが。ちょっと世代じゃないところ--40に入ったくらいの人と20代の人とがうまいことジョイントしてる具合があるなって。

五味

世代を超えた。

西村

そう、年代で別れてないというか。それをすごい感じていて。シーンとしてではなく、面白い雰囲気。しかも、ぬるっとしている感じじゃなくて、ちゃんとバンドが切磋琢磨しているのかなって。

五味

今は新代田FEVERの代表で…肩書きってどうなってますか? 肩書きがそのつど違いますよね。正味、何の人なんやってなってきてますよね。僕と知り合ったのは下北沢のシェルター時代。

西村

シェルター時代に僕が店長とブッキングをやっていて、LOSTAGEと出会って。で、ロフトグループを退社することになって、自分でライブハウスを立ち上げたいってプランニングしてできたのがFEVERというライブハウスで。ここで自分の会社も作って、FEVERの店長とブッキングをやるようになって。今、話しているRRはその後の流れで、近くにコーヒー屋があったらいいなと思っていたところ、いい物件が空いて。コーヒーを淹れてくれるバリスタさんいないかなって思ってたけど、自分で淹れた方が面白いかもと思って、自分でコーヒー屋も作りました。

五味

RRは後付けじゃないけど…。

西村

RRに関してはコーヒースタンドが近くにあったら面白い街になるんじゃないかなって。街を作ろうとは思ってはないけど、新たなコーヒー屋があったら面白いなと思って。

五味

シェルターで店長やってたじゃないですか。それを辞めて独立して、自分でライブハウス始めようと思ったきっかけは、何かあるんですか?

西村

仕事上、よくあると思うんだけど、現場にいたいけど年齢とともに別の仕事をしてみたらどう?みたいなことを提案されるとか。たとえば事務所でデスクワークして、お金の管理をするとか。具体的に言うと、シェルターとロフトっていう二枚看板がロフトグループにあって、ロフトの仕事もやっていこうよっていう話がありつつ。ただ俺はずっとシェルターっ子だったから、どうしてもシェルターにしがみつきたくて。

五味

現場で働きたい。

西村

っていうのがあって。それができないようだったら、いろいろ考えないといけないなっていう年齢になったのが、20代の終わりから。当時は具体的なプランはなかったけど、30になる前に「このままいったらどうなるんだろう」って考えたりして。で、その流れで行動し始めた。

五味

結構考えてた?

西村

薄々と考えていて。ただ辞める度胸もなかった。ロフト辞めてもっと面白いことを自分でやったらどうなるんだろうな…って夢見てたみたいな感じですね。

五味

思い切って「FEVERやるぞ」って、「俺がやるぞ!」みたいな感じになったのは何でなんですか?

西村

そうなったのは、上から具体的に「こういうことしようよ」みたいなプランニングされて。にっちもさっちも行かないから辞めて、自分でやろうと思ったタイミングがたまたま、30代前半ぐらいだった。

五味

あの時物件を探してましたよね? すぐ見つかったんでしたっけ?

西村

シェルターを辞めてほぼ1年後にFEVERが立ち上がっていて。辞めるって決まって自由な時間ができたり、自分の休みを使って物件を探したりしてた。

五味

辞めた時点ではまだ何も?

西村

決まってなかった。お金も回ってなかったし、場所も決まってなかったし。

 

「うまい麺屋はどこでも儲かる。どんだけ辺鄙なところでやっていても
うまいものは食べたい。ライブハウスもいいバンドが出ていたら、
そこに行きたいって、それは変わらずあると思う」(西村)

 

五味

新代田を選んだ理由は?

西村

新代田を選んだ理由は…偶然。

五味

偶然?

西村

新代田でやりたかったっていうより、駅のそばの物件でやりたかったっていうのが正直あって。

五味

駅近の物件。

西村

駅に近いライブハウスってないよね、みたいな。で、シェルター辞めた前後で、ブルックリンが流行りだして。

五味

ああ、ニューヨークの。

西村

ニューヨークの。川一つ越えた物件の安いところに若者が集まって、文化を作ろうとしているというか。実際はお金がないからそこしかなかったっていう事情もあると思うんだけど、俺もそれに近い感覚で、下北でやりたかったんだけど、物件もないし、思っているより家賃も高いから、安いところってどこなんだろう?って探して。その後、ロンドンにも行って、ロンドンも同じような状況だったから、面白いライブハウスだったり、いいギャラリーっはちょっと外れたエリアの駅の前にあるよみたいな。

五味

人がいっぱいいる、みんなが知っているような街ではなく。

西村

ちょっと外れているところ。それは世界どこでも同じ、家賃相場とかも一緒で、人気がない街とか、人気がない駅の家賃が安くて、借りやすい。その時、俺がずっと言っていたのが「うまい麺屋はどこでも儲かる」。山の頂上でやってる蕎麦屋でも、どんだけ辺鄙なところでやっているラーメン屋でも行列ができたりする。それは、うまいから行きたい。そこに行きたい。ライブハウスもいいバンドが出ていたらそこに行きたいっていうのは変わらずあるだろうっていうのと、ブッキングを頑張ってやってた自負もあって、そこで頑張ったらどうにかなるんじゃないかって。駅も近いし、道も迷わないし。そこに文化がなくても、熱量が高かったらみんなそこに引っ張られるんじゃないかなって思って。それでやり始めたのがFEVERで。まあ、下北の隣だったっていうのは偶然だけど、自分的にはラッキーだった。

五味

思っていたより下北沢に近かった。実際、FEVERは出だしからいいのがガンガン入ってましたよね。

西村

シェルターで10年くらいお世話になってたから、「シェルターでお世話になった西村が新しく立ち上げたところに1回、出とこうか」っていうのもありつつ…。

五味

人脈もありつつ…。

西村

人脈が全くなくやってたら、クローズしてたかもしれない。ただ、知り合いとして1回は出てよっていうのはもうさすがにないから。次にそろそろ…。

五味

それでもう何年くらいですか?

西村

8年。

五味

8年か。じゃあ、安定じゃないけど、まあ、大体定まってきたというか。

西村

土台はかなりできあがって、それもあってこのコーヒー屋もできたし、その中で自分が動けるようになった分、どういうふうに面白いことをしていこうかなぁって。

五味

次、どうするか考えているんですね。

西村

うーん、何個かあって…。次に何かやりたいなって思っているところで、アジアに行くのが面白そうな気がする。ちょうどその玉を投げてくれる人がここ3年くらいの間に何人かいて、その人のボールをもらって、実際に行動に移して、今、アジアにちょこちょこ行ってるっていう。アジアにライブハウスを作りたいわけじゃなくて、アジアのいいバンドを受け入れるライブハウスを持ってるし、日本のいいバンドを知っているから、向こうに投げ込む体制が取れたらお店の活性化にもつながるし。「海外にライブハウスを作りたいんだ?」っていろんな人に言われるんだけど、そういうつもりではなくて。

五味

向こうに作るというよりは、架け橋になる感じ。

西村

そんな感じ、バイプレイヤー的な立場の方が自分としては面白いんじゃないかなって。そういう立場の方がきっと面白いことができるんじゃないかな。

五味

何で新代田から海外に? 日本の地方とか…例えば大阪にFEVERを作るとかもあると思うんです。

西村

前のお店でも大阪に作るとか、博多あたりに作るかっていう話が出ては消え、出ては消えしていて。奈良でも、大阪でも、博多でも、韓国でも、台湾でも、タイでも、そこにライブハウスを作るとなると、現地を理解して、現地のことが分かっている人がいて、土着的にしないと面白いことはできないだろうなっていうのが常日頃から頭の中にあって。だから、FEVERを作る時も駅のそばっていうのがメインにあったけど、世田谷からあんまり離れたくなかった。なんとなく世田谷感みたいなものが身についていたし、上野の方でやるとか、浅草でやるとかっていうのは、ちょっと違うなっていうのがあったから。

五味

その土地の感じが自分の中にもあるっていう自覚があって、この辺でやっている感じ?

西村

たとえば奈良でやるんだったら、奈良の人がブッキングするとか、(奈良在住の)店長がいた方がいい気がするし、海外にもその土地のルールがあるから、それを分かっていたり、こっちも理解するように努力しないといけないし…。

五味

それで今、ちょいちょい(海外に)行ってるんですか?

西村

それで行って、俗に言う“街のグルーヴを感じ取ろうぜ”って(笑)。

五味

(笑)、ちょっと分かってきた?

西村

(笑)、最近、ちょっと分かってきた。

五味

俺やっと、新代田の感じが分かってきた。

西村

新代田は本当に、見事に何にもないところだったから。この辺はラーメンストリートって言われて。今はもうないんだけど、当時、なんでんかんでんっていう店ができてから、この辺が“ラーメンの街”って言われて。それで認識されたところに、ぽこっと自分が「ライブハウス作ります」みたいな感じで入って。みんな、来たことなかったんだよね。

五味

僕、地方の奈良なんで、余計ね。東京の人だったら違うかもしれないけど。

西村

東京の人でも新代田ってどこですか?みたいな感じで。一般の人に「下北の隣なんですよ」って説明したら、「ああ」ってイメージしやすいというか。

五味

そこまでの認知度はない?

西村

まだない。だから東京ローカルみたいなニュアンスが相変わらずあって。

五味

でもFEVERができて、RRができて、すぐ近くにもcinema staffの辻がえるえふるやったり、LIKE A FOOLを作ったり。街の感じが変わってきてますよね? こないだ環七の…。

西村

『新代田環七フェスティバル』っていう弾き語り中心の、6軒くらい使って行き来できるイベントがあって。

五味

サーキットイベントみたいな。

西村

ここ(RR)でも弾き語りやって、すごく面白かった。

五味

そういうこともラーメン屋しかなかったらできないじゃないですか。

西村

それができるようになったっていうのは、ちょっと熱量が上がってきたってことなのかなって思う。みんなに言われたのは、「いろんな人が、がっついてないっていうのがすごくいい」って。東京の中でも急にのんびりしてる。環七もあるし、せかせかしたイメージもあるけど、いる人が穏やかって。それもあって、あのイベントも大成功だった。

五味

誰が主催やったんですか?

西村

一応FEVERで。お金の切り盛りとかも含めて全部、自分でやって、いろいろまとめて。FEVERのスタッフが優秀だったからどうにか。基本的には全部、俺がやってた。

五味

そうなんですか。自分がやりたいと思って?

西村

何かやってみよう思ってやったら、街の人とか、お客さんとか、出演者がすごく喜んでくれて。来年やるかどうかはまだ決定してないけど。

五味

どこのお店を使ったんですか?

西村

FEVER、RR、えるえふる、クロッシング、あとPOPOも使って。あと環七バーっていうところとか…。

五味

この街をこうしていきたいとか、こうなったらいいのになとか、何かありますか?

西村

勝手に誰かが来て、勝手にお店とか作ってもらう方が…。村長になるつもりもないから(笑)。「こういうことやりたいんですよ」って頭下げにくるとかまったく(笑)。勝手に作って勝手にやってもらった方が…。

五味

村長感出てきてますけどね(笑)。

西村

いやいやいや(笑)。(お店が)できてから仲良くなるっていいなぁって思ってるんだけど。

五味

あんまり、俺が街を引っ張って行くぞとかは…。

西村

もう全然。早く代変わりしてもらいたいくらい(笑)。

五味

そうなんですね。じゃあ、もうマイペースに。

西村

生きている中でストレスがなくなることはないんだろうけど、でもあんまし無理しない感じでできるのが一番いいペースなのかなぁって。ただ10周年に向けての仕込みとかは考えていて。

五味

もう考えてるんですか? まだ2年以上ある。

西村

夏休みの宿題を8月31日にやるタイプだから、前からやってかないといかんなぁって。

五味

って言って、結局、前の年とかに焦ってもうて。

西村

「生活」とかやってるから、分かるでしょ?(笑) ギリギリになる(笑)。『環七フェス』をやるときに、ラーメン屋とかで弾き語りとかできたら面白いなって思ってたんだけど、まあ、いきなりは無理でしょうって。街でそういうことをやっていることを分かってもらって、それから話をしていく方が、もしやれるとなったら可能性はそっちの方が高いかなって。

五味

時間かかりますよね。街を巻きこんだりするのは。

西村

ちょっと街の人との融合じゃないけど、RRとかは街の人と仲良くしている感じで、ちょっと愛されてきた感は自分でも感じるから、どういうふうに溶け込んでいこうかなぁって。ライブハウスっていうだけで怖いとか、行かない人が多いから。どうしても狭い芸術性のあるところだと思われているところがある。もうちょっと間口が広がるといいなぁって思っていて。

五味

RRを始めてからちょっと雰囲気変わりましたもんね。人と関わる感じが。前はライブハウスの店長っていう感じだった。

西村

きっとFEVERだけだったら、この辺でうろうろしていても“ライブハウスの人”だったんだけど、今は下北とかでRRのお客さんとかに会ったりして、談笑できるくらいになって、それはそれで面白い。この前は神泉、渋谷の端っこあたりでここのお客さんに会って「あれ!」とかって。

五味

……悪いことできないですね(笑)。

西村

できない(笑)。

五味

絶対にできない。

西村

奈良あたりまで行かないとダメですね(笑)。

 

「自分で組んだツアーで行くライブハウスを思い浮かべたら、
大体、誰がやっていて、どういう店長がいるかが分かるところ」(五味)

 

五味

僕は傍から見てて “いいサイクルやな~”って思います。ライブハウスだけにいたら多分、できないこととか…。人との交流とかも。RRでお客さんと喋っている姿とか見てたら、すごくいいなと思って。僕はちょっと違うけど、ライブハウスでバンドで演奏していて、レコード屋で普段、店に立っていて。僕も店を始めてからお客さんと話をする機会が増えて、それで変わりました。関わり方とか、お客さんとか、音楽を聴いている人とか、街の人とかもそうですけど。

西村

シェルターにいた時は、仕事しているところがいつも同じカウンターで、ライブ観て、終わった後、精算とかして、そこでまた仕事しながら酒飲んで。酒を出すカウンターにいるから、バンドマンとかとそこで話したりしてコミュニケーション取れて、ああでもない、こうでもないとかって言ってて。FEVERできてからはコミュニケーションが少なくなってきていたんだけど、RRができてからバンドと話す機会がすごく多くなっている気がして。「西村、今、コーヒー屋にいるんだ」ってコーヒーを買いに来てくれて、そこでコーヒー飲みながら、今後重要な、キーになることを話してたりとか。面白いことができそうなネタをそこで作ったりとかできるから。

五味

人と話す時間が増えたんじゃないですか。

西村

増えましたね、RRできてから。すごい昔、これは他の人にも話したりしたんだけど、シェルターの店長になったときに、1回家で泣いた時があって。

五味

家で泣いてた? 誰が泣いてたんですか?

西村

俺が(笑)。「俺は居酒屋の店長になりたかったんじゃねえ」って言いながら。そのぐらい、ライブの後とかがすごく賑わってたんです、シェルターって。打ち上げもそうだったし、バンドマンとかもガンガン飲みに来てたし。

五味

あ、そうですね、シェルターはそういうイメージ。

西村

1回、ストレスフルになって、それで家で泣いて (笑)。今思えば、それが一番大切なことだったんだなって。ライブをやってもらうことが大切なのは間違いないんだけど、そのあとに打ち上げとか、酒を飲んでなくてもいいんだけど、喋ってるうちにぽろっと出てくる本音とかが聞けるのは0時前後ぐらいだったりするから。その時はまだ分かってなくて。あの時泣いてた自分がいるから、余計にそういうことを大切にしたいなっていうのがあって。一番、面白いことを拒否しちゃってたんだろうね、その時は。

五味

そればっかりになったら本末転倒ですしね。しんどかったりしますけど。バンドの人が毎回、毎回、打ち上げやっているのは多分それなんかなって…。

西村

最近は昔ほどじゃないと言っても、みんなどこかで飲んでるから。

五味

あれもほんま、しんどいなっていうときもあるけど(笑)、その日のライブどうやったとか、最近どうしてるとか、全然どうでもええ話とか、バンドの友達とか、ライブハウスの人とかとして、次のイベントにつながったりするし。正味、その日にやらなくてもいいと思うんです。別の日に改めてやってもいいし。そういう意味でも、ライブハウスの近くに集まれる店ができるのはいいですよね。

西村

アジアとかに頑張って行ったりするのも、向こうの人にメールとかじゃなくて、会って話したりするのが大事だなって思うんです。海とか越えたら余計に。なんか意味がないかもしれないけど、とりあえずおいしいご飯食べる(笑)、また来てる、みたいな感じになるのが重要な気がして。

五味

そうですよね。会わないと分からないですよ。

西村

がっちり仲良くならないといけないっていうわけじゃないけど、顔を見ている方がこっちも安心するというか。

五味

そうですね。それができる環境が整いつつ。

西村

FEVERできた当時はFEVERを頑張らないといけないからそれができなかったけど、今は優秀なスタッフがいて、ちゃんと回って、土台ができてるから、次の面白いことをやりたいなって。いろんな人とジョイントして…。

五味

最近、そういう意味で気になるバンドとかいます?

西村

若いっていうところで言ったら、Age Factory。最初、観た時に「若くねぇ!」って思った(笑)。あの感じとかすごい…(笑)。若いバンドだって聞いてたけど、全然若さがないねみたいな。これ、ほめ言葉で言ってるんだけど(笑)、何か調子よく上がってきたし。

五味

来てますねぇ…。ライブハウスは他のところも行ったりするんですか? 国内では。

西村

1個だけ手伝っているバンドがあるから、それが動く時に…。

五味

何で名前伏せるんですか?(笑)

西村

(笑)、傾いた形になるのがすごい嫌で。他のバンドから「西村がやるのはあのバンドでしょ」ってなるのが…。ただ、Crypt Cityは付き合いが長くなったけど、相変わらずお手伝いしているって言い方をしていて。

五味

そうですね。僕もレーベルで関わっていますけど、がっつり何かやるって感じじゃないですよね。そもそもバンドのスタンスとして。

西村

売れないより売れた方がいいのはもちろんなんだけど、現時点ではバックアップをしているってところ。バンドが動く時だけ地方とかも行って。地方のライブハウスの人と話したり、そこの街の何かを、例えばおいしいものだったりとかコーヒーを探してる(笑)バンドマンが地方とか行って、ああだった、こうだったって話を自分も体験したい。それはすごい欲求としてある。

五味

ツアーとか行けないですよね、お店とかあったら。

西村

5周年のとき、FEVERツアーやって。ライブハウスが出張しますみたいなのを。それは5周年があったから。もしかしたら10周年でやるかもしれないし、もしかしたら海外とかでやるかもしれないって気持ちもあるし。その辺とかうまいことやって。「あのライブハウスの隣にあるラーメンうまいよね」っていうのが共通項としてあるとすごく楽しくなるし、自分の中で糧になるから。ずっとお店とか、新代田にいると、どうしても窮屈になるというか。

五味

シェルターツアーの時、僕らも誘ってもらって出させてもらって。

西村

シェルターツアーもFEVERツアーも、両方誘っているのはLOSTAGEくらいかな。

五味

両方出させてもらってます。ライブハウス主体で地方回るって話はあんまり聞かないから、あれめちゃくちゃいいなってその時から思ってて。

西村

シェルターツアーの時は、大阪はファンダンゴ、名古屋はハックフィンみたいな。特にメロコア勢は決まっていて、そこでやるのがマスト。そこに行ってみたかったし。

五味

どういうところなんやろうって。

西村

行ってみてすごい分かった。そこにみんなが惹かれる理由、店長さんの顔とかがすぐ分かるというか。

五味

アルバムのリリースツアーも、ファンダンゴとハックフィンです(笑)。FEVER、ファンダンゴ、ハックフィン(笑)。

西村

店長さんの顔が出てくるところは強いですね、そういう意味では。

五味

そうですね。

西村

新しいライブハウスとかも増えたりしてるから、そっちも気になるっていうのもあるし。やっぱり行ってみないと、自分が体現して初めて「また行きたい」とか「辞めとこう」とか、そういう判断基準が自分の中で呑み込めるかな。

五味

そうですね。今、それ言われて、自分が組んだツアー、どこ行くかなってライブハウスを思い浮かべたら、大体誰がやっていて、その人とどういう話をしたか、どういう店長がいててとか、出てきますね。

西村

ライブハウスとか、やっている人の顔が見えるのが重要だなって。

五味

そうですよね。

西村

あんまり大きい会場とかになると、それがどんどん薄れてきてしまうのは仕事量の問題でしょうがないのかも知れないけど、やっぱりライブハウスって自分が思うのは300人キャパくらい。500キャパくらいになるとちょっとニュアンスが変ってきちゃうのかな。

五味

……そうなんですよ…! まったく同じこと考えながらツアーを組んでました。そうなんですよね。無意識でそういうところでやりたくなるんかな。今、気になるライブハウスとかあります? 個人的な興味とかで。海外でもいいです。

西村

現時点で、今どうなってるの? 大丈夫?っていうのは、Hidden Agenda(香港のライブハウス)じゃないの? TTNGとmyletsが大変なことになったとこ。

五味

あ~! そういう意味で気になる?

西村

時間軸が前後するんだけど、俺が海外、特にアジアに興味を持ったのは、「Offshore」っていうサイトやっている山本(佳奈子)さんっていう女性がいて、その人が何年も前からアジアの文化を引っ張ってきたり、日本の文化を海外に投げたりするのを一人でずっとやっていて。知り合いじゃなかったんだけど、その人から「Hidden Agendaのドキュメンタリー映画ができて、上映後に日本とHidden Agendaの人とでトークセッションをやりたいんだけど、よかったら西村さん出ませんか?」っていうメールが来て。山本さんのことは知らなかったんだけど、面白そうだからやってみましょうっていう話になって。その時に初めて海外のライブハウスってどんな感じなのかなって。それでHidden Agendaのことも知って。今、東京にWWW Xとかできて、ライブはまだ観れていなくて、リハ中にちょっと中を覗かせてもらったりして、いいライブハウスだなと思った。意識が高いのは伝わってくるから。

五味

あ、そうなんですね。

西村

うん。やり方としてうちと合致するわけじゃないんだけど、あそこに出たいなって思うライブハウスが、今、都内は少ないと思うから、FEVERはそういうライブハウスになりたいと思ってずっとやってきて。いろんなバンドマンがFEVERでやりたいって言ってくれるように頑張りたいなって、口にはしないけどそう思っていて。地下にあって暗くて、臭くてみたいなライブハウスじゃない、WWW Xはクリーンなイメージのライブハウス。そこはFEVERとニュアンスも似てるし、目指しているところがもしかしたらリンクするんだろうなって。まあ、名取(達利)さん(WWW / WWW X代表)の人柄も知っているから、バンドとか「そこでやりたい」とかってなってくるべき。できて1年も経ってないから、今後の流れがどういうふうになるかなんだけど。

 

「何かを動かすとき、1回会ってるか、会ってないかって、
1と0っていうくらい違う」(西村)
「ライブハウスって人が顔を合わせて何かする場所やから」(五味)

 

西村

知らない人からオファーとか来たらどうする?

五味

メールでですか? さっきの話とかぶるんですけど、めっちゃ長いメール、字面だけ見たら熱量あんねやとか、そういうメールがたまに来るんです。でも、それだけだとやろうかなみたいな判断材料としてはちょっと乏しいというか。実際に1回、どこかで会ったりとか、バンドのヤツもそうですけど、会ってちょっと話したことあるだけでだいぶ違うから。

西村

1回会ってるか、会ってないかって、その1と0って全然違うから。

五味

会ったことあるかどうかで変わって来るから、基準って言ったらそれだけですね。話したことあるか、顔を見たことがあるか。それ以外にもお金のこととかもありますけど。

西村

そんなことも言ってられねえよみたいな仕事とかもあるかもしれないけど、うちらがやってることって、そこはすごく重要だな。

五味

そうですね。

西村

会ったことがあるか、話したことがあるか。

五味

そうなんですよ。どこかで会って、ちょっと挨拶しただけでもいいんです。“どういうヤツなのか”っていうのは、全然知らないと分からないじゃないですか。

西村

会ってる会ってないは、大きく違うんじゃないかな。特に何かを動かす時は。

五味

結局、ライブハウスって人が顔を合わせて何かする場所やから、そこに向かっていくのにメールだけってなったら無理やと思うんですよね。考え方は一緒ですね、西村さんと。

西村

今度のツアーで新しく行くライブハウスとか、行ったことないところは?

五味

基本は自分でブッキングしてるから。X-pt(クロスポイント)っていう高知のところだけ行ったことないですが、アルパカス企画だから。

西村

なるほど。あいつらに任せておけば問題ない。

五味

そうそうそう。全員、人で選んでる感じです。完全に。改めて(ツアーのライブハウスを)見たら、人やったなって。

西村

hope(山形)も行ったことないな。

五味

ここも「Do it」っていう伝説のフェスの運営をやっていた人からメールがあって。行かせてくださいって。そんな感じで行きますね。

西村

いいな、沖縄。

五味

沖縄とかもう、自分らの全体の打ち上げみたいな感じがありますね(笑)。

西村

最後は沖縄っていう感覚って10年くらい前からあるでしょ。それを今度、例えばタイに行ってみようとか、そういうのもいいかなって。

五味

それもう最高。はめ外し過ぎて大変なことになる。

西村

韓国、台湾、タイでいろいろできたらいいなと思っていて。その理由としては旅費が安い。LCCができてから。

五味

そうですね。こないだタイに一緒に連れていってもらったじゃないですか。それも正味、沖縄に行く感覚とそんなに違わない。

西村

違わないよね。それができるんだったら、それはそれで面白いし。お金の面とかもあると思うけど、あっちの国で面白いことをやっているバンドマンがすっごいいるから、いろいろ紹介したいなって。そういうことが人とのつながりができたら面白いんじゃないかな。きっかけ作りができたらいいんじゃないかなっていうのがFEVERの次の段階に入っていることだと思う。相変わらず英語が喋れるわけじゃないから、よくつながるなって思うけど(笑)。今度、台湾に行くんだけど、台湾でも台湾の言葉と英語しか喋れない人と、英語が喋れないFEVERの二人が向こうでミーティングするからどうしようかなって(笑)。

五味

ミーティングになるんですか?(笑)。会えば何とかなるだろうって。

西村

会って。結局会うのが重要だから。0を1にしようと。

五味

そうですね。とりあえず1回会おうって、それがキーワードですね。なんか、テーマに沿ったすごいいい話を聞けた気がします。改めて、話してみて、基本的に西村さんの考え方と僕が普段考えていることはすごく近いなって思っていて。イベントでもそうですし、海外進出も見てたら、西村さんがこういうことやんねや、僕もどうしようかなみたいな、そういうことが普段からあったりして。話する時もそうですし、考えるきっかけを与えてもらってきたから。ツアーのことも考えてたから、それを確認できた感じでした。今日はいい話をありがとうございました。

西村

ありがとうございました。

 

 


取材:五味岳久(LOSTAGE)
撮影:名越啓介(Commune Ltd.,)
企画:高橋はじむ
企画・構成:岩本和子
取材協力:新代田RR