ホーム > 劇団 石塚朱莉 > 第23回 前田公輝「天才てれびくん the STAGE~てれび戦士REBORN~」

 

 

 

Profile

前田公輝(写真右)
まえだごうき●1991年4月3日生まれ、神奈川県出身。6歳の時、ホリプロ・インプルーブメント・アカデミー1期生で芸能界入り。2008年『ひぐらしのなく頃に』など多数の映画で主演を務める。2008年日本テレビ『ごくせん』、2015年TBS『アルジャーノンに花束を』など多数のドラマに出演し、2016年日本テレビ『ダマシバナシ』では主演を務める。2019年は映画『3人の信長』、『HiGH&LOW THE WORST』、ドラマ『貴族誕生-PRINCE OF LEGEND』などに出演。2020年1月10日に公開された映画『カイジ ファイナルゲーム』にも出演している。

https://www.horipro.co.jp/maedagoki/

 

石塚朱莉(写真左)
いしづかあかり●1997年7月11日生まれ、千葉県出身。ニックネームはあんちゅ。NMB48チームM。趣味は映画鑑賞。2016年夏、悪い芝居の『メロメロたち』で初舞台、初主演を果たし、2017年4月、悪い芝居『罠々』に出演。9月、劇団アカズノマを旗揚げ。2018年4月、柿喰う客の七味まゆ味を演出に迎えて、同劇団の人気作『露出狂』をABCホールにて上演。2019年1月~2月には第2回公演『夜曲 nocturne』(作・横内謙介、演出・七味まゆ味)を大阪、東京で上演した。

NMB48公式サイト
http://www.nmb48.com/

Stage

天才てれびくん the STAGE
~てれび戦士 REBORN~

チケット発売中 Pコード498-522

▼2月1日(土)17:00
▼2月2日(日)13:00/17:00
COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
全席指定-8200円 
【脚本】小林雄次 【演出】井上テテ
【出演】前田公輝/長江崚行/鎮西寿々歌/ド・ランクザン望/飯田里穂(声の出演)/高野洸/多和田任益/松村優/麿赤兒/横山だいすけ
※2/1(土)17:00公演アフタートーク(〔出〕前田公輝/長江崚行/ド・ランクザン望 /高野洸)。
※2/2(日)13:00公演アフタートーク(〔出〕前田公輝/多和田任益/松村優)。
※3歳以上は有料。3歳未満は保護者膝上に限り無料。但しお席が必要な場合は有料。
[問]キョードーインフォメーション
■0570-200-888

チケット情報はこちら

今回は、俳優の前田公輝さんです。6歳でホリプロ・インプルーブメント・アカデミー1期生として芸能界入り。以降、映画『ひぐらしのなく頃に』、『3人の信長』、ドラマ『ごくせん』、『アルジャーノンに花束を』、『ダマシバナシ』など多数の作品で魅力的な主人公や役柄を演じています。2019年には映画『HiGH&LOW THE WORST』で演じた轟洋介役でブレイク。今最も活躍が期待される若手俳優のひとりです。現在は主演舞台『天才てれびくん the STAGE~てれび戦士REBORN~』の公演中。27年にわたり放送されてきたNHK・Eテレの人気子ども番組の舞台化で、前田さんも子役時代に「てれび戦士」として同番組に出演しました。「俳優人生の原点」と語る作品を前に、子役時代のエピソードを交え、理想の役者像について伺いました。

 

主演は“頭を垂れる稲穂”でありたい

石塚朱莉
(以下、石塚)

前田さんは何歳頃「天才てれびくん」に出演されていたのですか?

前田公輝
(以下、前田)

12歳だったので、16年前ですね。

石塚

舞台のコピーにも「大人になったきみたちへ」とありますが、稽古場で当時の共演者の皆さんと久々に集まられていかがですか。

前田

稽古しながら当時「天才てれびくん」に出演していたころの風景がフラッシュバックする瞬間が何度もあります。子ども時代を思い出すからこそ、大人になった自分たちを出さないといけないなと身が引き締まる思いですね。当時は「楽しい」という素の自分を出してやっていた部分もあったので。お仕事としてエンタテインメントをちゃんと届けたいなと思っています。

石塚

ガイネンブカイ……違う、カンガイ? あ、感慨深いだ! ですね。

前田

そうですね……って、ちゃんと意味分かってます!? 僕もそういうところがあるので、めちゃ分かります。楽しいですね~(笑)。

石塚

ありがとうございます(笑)。何ていうか、エモいというか。

前田

そうです、エモいです。エモいって、結構いろんな使われ方がありますもんね。以前は「ヤバイ」みたいな意味で使われていましたけど、今は「懐かしい」という感じで使われていて。それでいうと、めちゃめちゃエモいです。

石塚

当時と変わったなと感じる部分は?

前田

共演の長江崚行、鎮西寿々歌とは、彼らが現役で番組に出ていた頃に、夏のNHKホールのイベントで共演させてもらってるんですよ。当時彼らは10歳、11歳。それが、いまや20歳を過ぎて一緒にお酒を飲む機会もあるんです。当時からは考えられないぐらいの経験値を積んだことが、ひと言交わしただけでも分かるんですね。それで、この舞台が余計楽しみになりました。

石塚

頼もしいですね。

前田

本当に、まさか頼もしいと思えるなんて! やはり当時の記憶があったので、舞台では僕が少し「天才てれびくん」という看板を牽引できればいいなと思っていたんですけど。実際は、みんなで一緒にやれるぐらい大人になっていて。彼らの成長を10秒ぐらいニヤニヤしながら見てました。どこか、お父さんのような気持ちが強いのかもしれないですね。

石塚

頼もしいキャストに支えられると、主演としてもいっそう輝けるのでは?

前田

じつは僕、久々の主演なんです。やりたいと思っていても、うまくいかない時もありましたし。「なんであいつが主演なんだ」と思ったこともありました。

石塚

そうなんですね。

前田

いざ主役を担わせていただくと、気配りすることが多くて大変で。過去に「何であいつが主演なんだ」と思っていたような方も、「じつはあいつも俺の知らないところで気を遣ってくれてたんだな」とすごく尊敬の念に変わりました。

石塚

具体的にはどんな気配りを?

前田

そんな過度にではなく、誰か悩んでいないかなとか、休憩中さりげなく見ています。今回「楽しい」がテーマの舞台でもあり、稽古場が殺伐としていたら、多分関係性もぎくしゃくして演じる役柄も死んでいくと思うので。共演者の方々が気持ちよく過ごせる雰囲気を作ることがみんなにとっての幸せだし、楽しさに繋がるのかなとは思っています。

石塚

確かに現場の雰囲気がいいと、作品も良くなりますよね。

前田

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」のことわざじゃないですけど、主役が誰よりも一番腰を低くしている現場が素敵だなと、過去にいろんな先輩方の背中を見ながら思ったので、このタイミングでそれに気づけたことは、僕の役者人生にとってすごく大きなことだなと思っています。

 

「子役芝居」の壁を乗り越えて

石塚

子役を経験したからこその強みとは?

前田

じつは子役から始められた方は「子役芝居」という壁にぶち当たる。喜怒哀楽の表現がある程度の段階で止まってしまい、制限される。レパートリーがなくなる瞬間があるんです。一生ぶち当たりたくない壁なんですけど、そこにぶち当たると既視感のある芝居になって、自分の色が無くなるんです。僕も一応その壁は乗り越えられたかなと思っているですけど。逆に自分で乗り越えられたと思っていられるからこそ、自由な感情に持っていける。そこは強みになっているかもしれません。

石塚

きっかけとなるような作品があったのですか?

前田

まず最初の壁が16歳の頃に初めて出演した映画『ひぐらしのなく頃に』という作品です。主演をさせていただいたのですが、当時はあまりお芝居が好きではなかった。「有名になるためには、お芝居をしなくちゃいけない」という感覚でした。本当に最低な考えなんですけど…。その現場で壁にぶち当たり、その壁を乗り越えた瞬間に「お芝居でご飯を食べていきたい」と思いました。けど、そこから身体が言うことをきかなくなった。

石塚

えっ、そうなんですか。

前田

感情、表情、身体の使い方が変な感じで、これが先輩方から聞いていた「子役芝居の壁」なのかなと。何回やっても抜け出せない。肌に染み付いたものだったので、無意識に反応して、楽なところに持って行っちゃうんですよね。すごくしんどかったです。1年間ぐらい壁にぶち当たって、それから経験を積んで、なんとなく抜けてこられたかなという感じです。

石塚

もともとお芝居が好きではないところから始まって、今はどんな感じですか?

前田

もう大好き! 生き甲斐みたいになっていますね。

石塚

目指す役者像は?

前田

基本的にエンタテインメントはその場限りのものじゃないですか。瞬間的なストレス発散や癒やしとか、それぞれの楽しみ方があっていいとは思うんですけど。僕はその先みたいなものを贅沢にも伝えられたらいいなと思っていて。見た人に何かを持ち帰ってもらって、それが自分の引き出しの中にあることで、少しでも幸せな人生を歩けたらすごくいいなと思うんです。それが僕もやってて良かったなと思える瞬間なのかなと、最近すごく感じます。プライベートでも仕事でも、関わってくれている方々に幸せになってもらえるような人になるのが、いま一番僕が目指しているところです。

 

大人のヒーローショーを楽しんで

石塚

舞台は映像に比べて稽古期間が長いですが、今回の公演では横山だいすけさんなど共演者の方々からもいろんなことを吸収できそうですね。

前田

そうですね。今回「楽しい」「つまらない」に加え、「笑顔」とういのが大事なテーマのひとつにあって。横山だいすけさんは、子どもたちを笑顔にするプロフェッショナルなので、そこは僕らも学ぶべきところがあるなとすごく感じます。今回の舞台でも“歌のお兄さん”として少し登場される場面があるのですが、そこでのだいすけさんのオーラたるや圧倒的です!

石塚

お話としては分かりやすい?

前田

めちゃめちゃ分かりやすいです。目線を変えると物語を深くも楽しめるので、小学生でも分かるし、大人にも通じるような構成になっていると思います。それぞれ見方は違っても、全員の中に何かが生まれるようなものがあると信じています。

石塚

歌、ダンス、アクションもあって。

前田

どこか大人のヒーローショーのような雰囲気です。同時に「見てくださる方に楽しんでもらう」という番組のテーマも引き継がれていて、そこに安心もしましたし、台本を読んでいてうるっときちゃいました。今回演じる本人役も、ずっとてれび戦士だった台本上の前田公輝と実際の僕とでは、やっぱり微妙に違うわけじゃないですか。それでも今の自分にリンクするような部分も書かれてあって、グッと来ましたね。

石塚

当時テレビを見ていた少年少女もグッときそうですね。

前田

めちゃめちゃくると思います。当時の楽曲もありますし、番組が始まった27年前のオープニング曲を僕らが歌うんです。それこそ、感慨深いですよね。

石塚

いつか、前田さんが麿赤兒さん演じる仙人役をするぐらい、シリーズ化してほしいです。

前田

おお! なるほど…僕が仙人役に。レジェンド級になるということですね。その発想はなかったです(笑)。今回、東京と大阪で上演させてもらって、どういう反響になるのか、僕もワクワクしています。ゆくゆくはいろいろと派生していけたらいいなと思います。大人になったてれび戦士たちの“居場所”みたいなものとして提示できれば。確かに、伝説が生まれればいいですよね。生まれるようにがんばりたいです。

石塚

私も楽しみに伺います!

前田

ありがとうございます。シンプルな言葉の中に大事なメッセージ性がある作品です。シンプルに考えることがきっと一番身体にとっても優しいことだったりもするので。今回初めて「天才てれびくん」を経験される方にも、こんな素敵な世界観があるのかと思ってもらいたいですし、舞台を見たことで、日々生きることがラクになったり、活力につながれば嬉しいですね。

 

取材:石塚朱莉(NMB48)
撮影:木村正史
企画・構成:葛原孝幸/黒石悦子
文:石橋法子

 


 

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