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Profile

奥菜恵(写真右)
おきなめぐみ●1976年8月6日生まれ、広島県出身。1992年、テレビドラマ『パ★テ★オ』PART1、2(フジテレビ)でデビュー。1996年のミュージカル『アンネの日記』で初舞台、同作品で第34回ゴールデン・アロー賞演劇新人賞を受賞する。以降も数々の映像作品、舞台作品に出演。2017年3月に東京、大阪で上演されるOFFICE SHIKA PRODUCE『親愛ならざる人へ』は、2013年の『象』以来、約3年ぶりの舞台となる。


石塚朱莉(写真左)
いしづかあかり●1997年7月11日生まれ、千葉県出身。ニックネームはあんちゅ。NMB48チームBII。趣味は映画鑑賞。2016年夏、悪い芝居の『メロメロたち』で初舞台、初主演を果たす。2017年4月には同じく悪い芝居『罠々』に出演決定!

公式サイト
http://www.nmb48.com/

Stage


写真:江森康之

OFFICE SHIKA PRODUCE
『親愛ならざる人へ』

[作・演出]丸尾丸一郎
[音楽]オレノグラフィティ
[出演]奥菜恵/佐伯大地/オレノグラフィティ/鷺沼恵美子/椙山さと美/木村さそり/矢尻真温/浅野康之/丸尾丸一郎/久世星佳

★花嫁の妹役はダブルキャスト
【破】
破天荒な妹編…妹役:鷺沼恵美子/友人役:椙山さと美
【天】
天真爛漫な妹編…妹役:椙山さと美/友人役:鷺沼恵美子

 

【東京公演】
Pコード:456-019
座・高円寺1
全席指定-4900円
ヤング券-3500円(22歳以下/公演当日要年齢確認証)

【破】
▼3月2日(木)19:00
▼3月4日(土)14:00
▼3月5日(日)14:00/19:00
▼3月8日(水)19:00
▼3月10日(金)19:00
▼3月11日(土)19:00

【天】
▼3月3日(金)19:00
▼3月4日(土)19:00
▼3月7日(火)19:00
▼3月9日(木)19:00
▼3月11日(土)14:00
▼3月12日(日)14:00

※ヤング券は公演当日会場にて座席指定券と引換え。
[問]オフィス鹿(高橋)
[TEL]03-6265-8518

 

【大阪公演】
Pコード:456-431
ABCホール
全席指定-4900円
ヤング券-3500円(整理番号付/22歳以下/公演当日要年齢確認証)

【破】
▼3月17日(金)19:00
▼3月19日(日)14:00
▼3月20日(月・祝)14:00

【天】
▼3月18日(土)14:00/19:00
▼3月19日(日)19:00

※未就学児童は入場不可。ヤング券は公演当日会場にて座席指定券と引換え。
[問]キョードーインフォメーション
[TEL]0570-200-888

特設サイト
http://shika564.com/shinai/

チケット情報はこちら

石塚朱莉、悪い芝居『罠々』に出演決定!

2月15日(水)10:00~チケット一般発売
Pコード:456-371

悪い芝居vol.19『罠々』

[作・演出]山崎彬
[音楽]岡田太郎
[出演]渡邊りょう/山崎彬/野村麻衣/植田順平/中西柚貴/北岸淳生/畑中華香/長南洸生/東直輝
川人早貴/松尾佑一郎(以上、悪い芝居)

石塚朱莉(NMB48)/緒方晋(The Stone Age)

【大阪公演】
▼4月8日(土)18:00
▼4月9日(日)13:00/18:00
▼4月10日(月)19:00
▼4月12日(水)19:00
▼4月13日(木)14:00/19:00
▼4月14日(金)19:00
▼4月15日(土)13:00/18:00
▼4月16日(日)13:00
HEP HALL
※4/11(火)=休演

【東京公演】
▼4月18日(火)19:00
▼4月19日(水)19:00
▼4月20日(木)14:00/19:00
▼4月21日(金)19:00
▼4月22日(土)13:00/18:00
▼4月23日(日)13:00
東京芸術劇場シアターウエスト

[前売]
一般-3900円
U25-3000円
高校生以下-2000円

[悪友割]
一般-3500円/人
U25-2500円/人
高校生以下-1000円/人

※U25(25歳以下)・高校生以下は、要証明。
※当日券は前売料金+500円。
※悪友割 … 3人以上1組割引。事前予約のみ。枚数限定。

特設サイト
http://waruishibai.jp/wannawana

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2016年7月、京都の劇団・悪い芝居の『メロメロたち』に出演し、女優として初舞台を踏んだNMB48の石塚朱莉さん。役者としての第一歩を踏み出したばかりの彼女が、さらなる高みを目指すべく、脚本家や演出家など演劇界の諸先輩方に「演劇のいろは」をお聞きします!

第2回にご登場いただいたのは、女優として舞台・映像などで幅広く活躍されている奥菜恵さん。1996年の『アンネの日記』で初舞台を踏んだ後、2000年には松尾スズキ作・演出の『キレイ 神様と待ち合わせした女』で主演を務めるなど、数々の話題作に出演。2017年3月には、劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が作・演出を手掛ける舞台、OFFICE SHIKA PRODUCE『親愛ならざる人へ』を控える奥菜さんに、毎回、どんな思いを持って稽古や本番に挑んでいるのかなど、これまでの経験をもとに舞台女優として大切なことを教えていただきました!

 

私の初舞台と、奥菜恵さん

石塚

私、去年初舞台を踏ませていただいたんですね。その作品が戦争を題材にしたもので、演出家さんの薦めもあって奥菜さんが出演されていた『キレイ』を観て、役の研究をしていたんです。なので、今回お会いできてすごくうれしいです!

奥菜

え~!そうなんだ!? 恥ずかしいな(笑)。ありがとうございます。

石塚

すっごくキレイで、真っ白な雰囲気をまとっていて。すごいな~と思ってずっと観ていました。

奥菜

初舞台はどんな作品だったの?

石塚

悪い芝居という劇団の『メロメロたち』という作品で、戦争中の時代にいる女の子とバンドの話を絡めた物語だったんです。そこで、主人公の女の子の葛藤だったり、女の子同士のぶつかり合いを中心に物語が進んでいくような作品でした。

奥菜

そうなんだ~。観たかったな(笑)。

石塚

それで『キレイ』を観ていたときに、奥菜さんが“真っ白”の役というか、純粋で真っ直ぐな女の子を演じられていたと思うのですが、演じるときはどんなことを意識されていたんですか?

奥菜

あれは私が二十歳のときの作品だったのね。で、どうやったら真っ白に見えるかとか、あまり考えていなかったかもしれない。ただ本当に、役としてそこに立つことに、がむしゃらに集中していた感じだと思う。

 

アドバイスを柔軟に受け止めること

石塚

奥菜さんの初舞台はいつ頃だったんですか?

奥菜

16とか17歳とかそのくらいだったかな~。

石塚

その時って、いろんな作品をやるうえで、どんなことに気をつけていましたか?

奥菜

本当に初めてのときは右も左も分からなかったから、とにかく人の話をよく聞いて、指示されることに柔軟に対応できるように心がけていたかな…。いろんなことを聞き入れる心の状態や耳を持つことを、そのときはすごく考えていたような気がします。そして、イメージするその色になれるように。

石塚

周りの方の言葉をちゃんと受け止めるというか…。

奥菜

そうですね。演出家さんに限らず、先輩の俳優さんのアドバイスだったりをちゃんと聞いて、そこから必死に何か手掛かりを手繰り寄せる作業をしながら、その場所にいようとしていた記憶はあります。

石塚

私は周りの方から言われる言葉を受けて、気持ちではできているつもりなんですけど、外に出すことが難しくて。

奥菜

私もそんな偉そうに言える立場じゃないんだけど、自分がこう見せたい、ああしたい、こういうふうに見られたいということにとらわれるよりもまず、そこまで持っていく心の状態を作ることが大事なんじゃないかなと思うの。

石塚

心の状態…ですか。

奥菜

難しいね(笑)。例えば、すっごく悲しいことがあって泣いているシーンがあったとしたら、“涙を流すこと”とか形ばかりに意識がいくと、肝心な心が全然動いていなくて。とにかく涙を流そうとすることだけに意識がいっちゃう。

石塚

あ~、そうですね。

奥菜

だけど、そもそも、涙を流す理由というか、悲しい思いに至る何かが起きたわけで。稽古場では、そういうことを必死に手繰り寄せようとしてきた気がする。

石塚

手繰り寄せるためにどんなことをやってきたんですか?

奥菜

それは、この仕事をやっている以上は永遠のテーマだと思っていて。役を演じるときって、自分だけど自分とは違う人になって、その瞬間に生きているわけで。だから、人物を深く掘り下げていくことしかないんだと思う。周りの人の意見も聞きながら、一つずつ、その人の気持ちを掘り下げていくことかなと思います。

 

舞台『親愛ならざる人へ』

石塚

次に出演される『親愛ならざる人へ』のラジオドラマの台本を読ませていただいたんです。今回は、人間らしい役というか、嫌な部分も見せていくような、人間味あふれる人物を演じていくにあたって、どういうことを意識されているのかな、と。振り切った役よりも、人間らしい人を演じる方が難しいんじゃないかなと思うんですが、いかがですか?

奥菜

それこそお稽古で掘り下げて、手繰り寄せていくしかないですよね。口汚い言葉を出している裏にはきっと何か理由があって、幼少期のことだったり家族に対しての思いだったり、そういうものを深く掘り下げていく作業になるのかなと思っています。それが今回の私の課題かな。

石塚

いつも、役作りはどういうふうにされているんですか?

奥菜

そのときそのときで、共感できる言葉もあれば、まったく共感できないものもあるんですよね。でも、共感できなくても理解しようとはすると思う。今回も共感できる部分もいっぱいあるけど、実際自分がそう振る舞うかといったらそうではないし(笑)。あとは、今回は最初から最後までコメディなので、お客様にどうやったら楽しんでもらえるか、考えながら作り上げていけたらいいなと思っています。

石塚

ちなみに、舞台を始めた頃のことを覚えていますか?

奥菜

ん~、あまりハッキリとは覚えていないけど、自分自身が楽しみながら舞台に立っていたなって思う作品が結構、転機になっていたりしていて。それが『キレイ』だったりするんですけど。

石塚

それは何が良かったんですか?

奥菜

その時代の私にとっては、人間の裏表とか、汚い部分を見せることにすごく快感を覚えたというか(笑)。だってそれが人間でしょ、って。キレイばっかり、いいことばっかりが人間じゃないし、キレイな部分も汚い部分もあってこそ人間でしょっていうことを、自分自身を肯定する意味でも転機になった舞台だなと思っています。

 

対談を終えて

石塚

むちゃくちゃ緊張しました! ずっとDVDで研究をしていた奥菜さんが目の前にいらっしゃるので…(笑)。

奥菜

うれしいな~。こうやって自分が出た作品を、自分自身の勉強のために観ていただけるのはすごくうれしいです(笑)。

石塚

最後にお聞きしたいのですが、舞台女優として一番大切なことって何だと思いますか?

奥菜

若いときって、上の人からの言葉ってあまり心の奥まで届かないというか、そのときはちゃんと聞いているんだけど、流れちゃう部分もあると思うのね。でも、後になって思うと、“あのとき、あの先輩が言ってくれた言葉ってこういうことだったんだ”って思い知るときが結構あって、そういう方たちの言葉ってすごい宝物なんだなと思う。だから、そうやって先輩に言われてきたことを、ちゃんと宝物としてこれからも大切にしていかなきゃいけないなと思います。

石塚

なるほど…勉強になります。今日はありがとうございました!

第3回は2月末更新予定です。

 

取材:石塚朱莉(NMB48)
撮影:奥田晃介(松鹿舎)
文:黒石悦子
企画:葛原孝幸
企画・構成:岩本和子
取材協力:OFFICE鹿


 

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