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若村麻由美と岡本圭人、
深い信頼で演じる家族の物語

フランスの劇作家フロリアン・ゼレールが家族をテーマに描いた3部作『Le Père(ル ペール) 父』『Le Fils(ル フィス) 息子』『La Mère(ラ メール) 母』(以下『父』『母』『息子』)の中から、日本初演の『母』と再演の『息子』を同時上演する。これまで『父』は2019年、『息子』は2021年に岡本圭人と実の父・岡本健一の共演で上演。ラディスラス・ショラーの演出で、若村麻由美は3部作すべてに出演となる。3人の役者らが同じ役名で演じ、異なる家族を描く『母』と『息子』。稽古中の岡本圭人と若村が来阪し、作品の魅力や意気込み、互いへの思いを語った。

子供の自立により空虚感にさいなまれる母の苦悩を描く『母』。思春期の息子と父親の関係性を深く描く『息子』。母アンヌ役の若村は「『父』からの年月を経て、今『母』をやることがまさに今の自分にふさわしいと感じています」。岡本は『息子』で18歳、『母』では25歳の息子ニコラを演じる。両作品ともに父親ピエール役は「尊敬する大先輩の1人」でもある実の父・健一。初演ではその難しさを克服して初舞台を踏んだ。「実の親子が親子役をすることで、この物語がよりリアルにお客様に届けられるのではと思っています。今回、また新たな気持ちでニコラに向き合っています」と語る。

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初演から2年半の間に2作品で舞台共演した若村を「演劇界の母」と呼ぶ。「すごく安心感があります。若村さんのアンヌは本当に魅力的で、今稽古場で目が離せない状態です」。若村も「初演とはまったく違うニコラです」と言う。「鮮烈な感じが素晴らしかった初演から、経験と作品への理解がより深まって豊かになり、幕が開くのが楽しみな再演です。溺愛しないように気を付けながら(笑)、舞台上では一役者として戦えるように頑張ります」。

作品を通して観客へのメッセージを。「『息子』を観ることで『母』の理解が深まったり、『母』を観ることで『息子』の解釈が変わったり。違う家族の物語ですがリンクしている感じで、同時上演ならではのおもしろさ、楽しさがあると思います。お客様が今後の家族との向き合い方を考えるきっかけになるような作品になれば」(岡本)。「シリアスなお話のように感じますが、物語には日常に起こりがちな笑いもあり、『母』は希望の光を感じるようなラストシーンです。女性の方は共感してくださるでしょうし、ゼレールが自分の母を思って書いた『母』なので、男性にも楽しんでいただけるお芝居だと思います。多分、観終わった後でみなさんが芝居の感想より自分自身のことを語りたくなるような作品だと実感しています」(若村)。

取材・文/高橋晴代




(2024年4月 4日更新)


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『La Mère 母』『Le Fils 息子』

【東京公演】
『La Mère 母』
▼4月5日(金)~29日(月・祝)
東京芸術劇場 シアターイースト
『Le Fils 息子』
▼4月9日(火)~30日(火)
東京芸術劇場 シアターウエスト

【鳥取公演】
『La Mère 母』
▼5月5日(日・祝)14:00
『Le Fils 息子』
▼5月6日(月・休)14:00
鳥取県立倉吉未来中心 大ホール

Pick Up!!

【兵庫公演】

『La Mère 母』
チケット発売中 Pコード:524-183
▼5月10日(金)18:00
▼5月11日(土)12:00
[出演]若村麻由美/岡本圭人/伊勢佳世/岡本健一

『Le Fils 息子』
チケット発売中 Pコード:524-979
▼5月11日(土)17:00
▼5月12日(日)13:00
[出演]岡本圭人/若村麻由美/伊勢佳世/浜田信也/木山廉彬/岡本健一

兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
全席指定-8500円 
[作]フロリアン・ゼレール
[翻訳]齋藤敦子
[演出]ラディスラス・ショラー
※未就学児童は入場不可。

[問]芸術文化センターチケットオフィス■0798-68-0255

【富山公演】
『Le Fils 息子』
▼5月18日(土)14:00
『La Mère 母』
▼5月19日(日)14:00
オーバード・ホール 中ホール

【山口公演】
『Le Fils 息子』
▼5月25日(土)18:00
『La Mère 母』
▼5月26日(日)14:00
山口市民会館大ホール

【高知公演】
『Le Fils 息子』
▼5月31日(金)19:00
『La Mère 母』
▼6月1日(土)14:00
高知市文化プラザかるぽーと大ホール

【熊本公演】
『La Mère 母』
▼6月8日(土)14:00
熊本県立劇場 演劇ホール

【長野公演】
『La Mère 母』
▼6月15日(土)14:00
まつもと市民芸術館 主ホール

【愛知公演】
『La Mère 母』
▼6月29日(土)13:00
▼6月30日(日)13:00

『Le Fils 息子』
▼6月28日(金)13:00
▼6月29日(土)18:00
穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール

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