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溝端淳平、別役実の不条理劇は
「すごく面白い体験になる」

演劇はもちろん映画、ドラマの脚本・演出など、傑出した活躍を続ける加藤拓也が、日本における不条理劇の第一人者、別役実の『カラカラ天気と五人の紳士』に挑む。おかしくて、ちょっと不思議な劇空間に現れるのは、堤真一、溝端淳平、野間口徹、小手伸也、藤井隆の五人の紳士と、高田聖子、中谷さとみによる二人の女性。とりとめのない会話の応酬から始まった劇世界は、やがて予測不可能な展開へと発展する。

本作で「紳士2」を演じる溝端淳平。初めて演じた不条理劇は、2017年上演のハロルド・ピンター作『管理人』だった。演出は森新太郎。「『管理人』で、不条理劇をやる面白さが体感としてありました。それは言葉ではちょっと説明できないものなのですが、不条理と謳っているものに対して誠実に、まっすぐにアプローチしながらも答えがないということが、このお芝居の本質っぽいなと思って、すごくいい経験をさせていただきました」。

そしてこのたびの別役実作『カラカラ天気と五人の紳士』だ。演劇界の次代の担い手と嘱望される加藤拓也が演出する。「加藤さんは今、大注目の演出家さんだと思いますし、いつかご一緒できたらと思っていたので、すごく光栄です。自分より年下の演出家さんとは初めてなので、どういうふうにアプローチされるんだろうとか、ちょっとビビりながら構えているという感じです(笑)」と、茶目っ気たっぷりに稽古前の心境を語った。

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加藤演出のどこに惹かれたのだろうか。「加藤さんは、すごく斬新なことをやっているけど、構えていないというか、とってもナチュラルに虚を突いてくるような演出だと思いました。難しいことをやっているようには見せずに、自然と物語の中に入れてくるところとか、才能に溢れた方なんだなと」。

また、シス・カンパニーの舞台に初めて出演することも嬉しいと笑顔を見せた。「毎回、素晴らしいキャスティングをされているシス・カンパニーさんの主催公演に、初めて声をかけていただけた喜びが、個人的にはありました」。

戯曲を読んでの感想を尋ねると、「別役さんの作品はちょっと心温まるというか、クスッと笑えるところもたくさんあって。30年ほど前の戯曲ですが、根底で伝えてくるものとかは現代に切り込んでいるなと思うところが多々ありました」と答えた。

溝端は「紳士2」を演じる。「「紳士1」とか「紳士3」とか、それぞれの役を個性たっぷりの先輩方に当てはめて戯曲を読んだら、想像するだけでめちゃくちゃ面白くて。(稽古前から)"もう面白いじゃん!"と。いち演劇ファンとしても、このキャスティングで、この戯曲で、加藤さんの演出というだけでワクワクしました」。

溝端は作品に向き合う際、通常はロジカルな思考だという。「でも、不条理劇の場合は、なぜこうなるのかと考えだしたらきりがないので、その時に起きる事象を最優先にして作っていけたら。いい意味での瞬発力というか、その場その場で感じることを重視しようかなと思っています」と、本作にあたってのアプローチを明かした。

五人の紳士たちの軽妙なやり取りはコントのようだとも。「不条理劇と言いますが、見やすい作品だと思います。ずっと面白いんです。特に小手さんと野間口さんの役は、当て書き? と思うぐらい、はまっています。五人の紳士がどこから来て、どういう生活をしているのかとか、そういうことが気にならないぐらいに物語が進んでいくと思うので、そこも楽しんでもらえたら。物語の世界への巻き込み方は、加藤さんは特にお上手な気がするので、別役さんと加藤さんの化学反応も楽しみです」。

会話劇において、たとえば戯曲の上では意思疎通していても、向き合ってそのセリフを声に出してみるとなかなかコミュニケーションが通じない、ということもあるのだろうか。「もちろん通じないことはあります。でも、戦いみたいになってもそれが面白かったりするときもあります。通じるときは呼吸が合いますね。普段の会話でもすごくしゃべるけど会話になっていないなと思う人と、それでもキャッチボールできているなと思う人がいて、その感覚に近いものがあると思います」。

それを踏まえての、今回の俳優陣への期待感とは。「この紳士五人は"五人でひとつ"みたいなところがあるのですが、百戦錬磨の先輩方ばかりなので、そこは何の心配もありません。最近、僕は映像で若い方と共演することが多くて、それはそれで勉強になっているのですが、先輩しかいない現場はすごく久しぶりなので、そこも楽しみです」。

キャストの中では最年少となる。「僕は今年で35歳なんですけど、俳優陣の中では最年少なんです。胸を借りられる先輩方ばかりなので、思う存分、僕も暴れたいと思います。自分の出したいものを出して、皆さんが楽しめるものを作れたら。これだけ個性豊かな俳優さんを加藤さんがどうまとめて、別役さんの物語を具現化していくのか、すごく面白い体験になると思います」。

取材・文/岩本
ヘアメイク/塩山千明
スタイリング/黒田領




(2024年3月 8日更新)


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「カラカラ天気と五人の紳士」

あらすじ

ある日、ある所に、「棺桶」を担いでやって来た五人の紳士たち(堤真一・溝端淳平・野間口徹・小手伸也・藤井隆)。どうやら、五人のうちのひとりが懸賞のハズレくじでもらった景品らしい。せっかくの景品を役立てるためには、仲間の一人が死んで棺桶の中に入らねば、と、五人の議論が始まった。いかに本人が死を意識せず、痛みを感じる前に死ねる方法がないものか…と模索する五人。そこへショッピングバッグを抱えた女性二人(高田聖子・中谷さとみ)が現れた。彼女たちは、同じ懸賞の当たりくじの当選者たちだったのだ。そして、その一等賞の景品とは…?


【東京公演】

▼4月6日(土)~26日(金)
シアタートラム


【岡山公演】

▼5月2日(木)~4日(土・祝)
岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場

Pick Up!!

【大阪公演】

3月9日(土)一般発売 Pコード:523-142
▼5月7日(火)18:00
▼5月8日(水)14:00
▼5月9日(木)14:00/18:00
▼5月10日(金)14:00
▼5月11日(土)14:00/18:00
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
S席-10000円 A席-7000円 
[作]別役実
[演出]加藤拓也
[出演]堤真一/溝端淳平/野間口徹/小手伸也/高田聖子/中谷さとみ/藤井隆/徳高真奈美(ヴィオラ演奏)
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

【福岡公演】

▼5月15日(水)~16日(木)
キャナルシティ劇場

公式サイト
https://www.siscompany.com/produce/lineup/karakara/

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