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繁昌亭大賞各賞、NHK新人落語大賞受賞者が
天満天神繁昌亭で記念ウィーク開催!

天満天神繁昌亭では、3月末から6月頭にかけて、第18回繁昌亭大賞の各賞受賞者と2023年度NHK新人落語大賞受賞者が、トリや中トリを務める受賞記念ウィークを開催する。登場するのは、繁昌亭大賞受賞者の桂吉坊(5/6~5/12)、同奨励賞の桂福丸(5/27~6/2)、同新人賞の桂米輝(3/25~3/31)、そしてNHK新人落語大賞の桂慶治朗(4/22~4/28)。先頃、行われた記者会見では、上方落語界の将来を担う気鋭の4人が記念ウィークへの思いを熱く語った。

まず意気込みをたずねてみると...。吉坊は「この度は1週間、トリを務めさせていただきます。繁昌亭ができた時は、うちの師匠の桂吉朝もおりませんでしたので、いろんな方々が師匠がわりになってくださり、本当に支えていただきました。今回も、たくさんの師匠方、先輩方、後輩の皆さんが出てくださいます。また、林家小染兄さんにも出番をお願いしておりましたが、残念なことでございまして。その分までもというのは非常に失礼な言い方ですけど、そういう方々の上でやらせていただいているのだなということを忘れずにやりたいと思います」と語った。

また福丸は「有難いことに、初めて昼席のトリをやらせていただきます。師匠・桂福団治が生きてる間に、このめでたい場所に呼べたというのが、実は一番嬉しいこと。テーマは、1日だけ来ても面白いし、7日来ても面白いという。春団治一門ということで、花火を上げられるように頑張ります。花火を上げるのは上手いはず...春団治一門は、花火師(花菱)が定紋でございます」と洒落を交えて意気込みを。新人賞の米輝は「7日間のうち6日、私の師匠の桂米團治がトリをとり、私が中トリという重たいところをやらしていただくという。本当にいい経験になると思いますし、今から楽しみであり、怖くもあり...。7日間、必死で頑張りたいと思います」。

一方、NHK新人落語大賞に輝いた慶治朗は「この度は自分で初めて番組を組ませていただきました。2つ目が常の出番ですので、トリというのは非常に身に余る重い出番。本来でしたら、その日その日で演目も考えながらとなるんですけど、今回は皆様方に甘えさせていただいて、"演目出し"でやらせていただいております。先輩方、後輩方のお力でたいへん盛り上げていただけると思いますので、あとは自分の演目をしっかり頑張っていきたいなと」と意欲を見せた。

記念ウィークは受賞者自らが考える趣向を凝らした番組編成もさることながら、どんな演目を披露するのかも大きな注目ポイントだ。「今回は自分の出番の前を先輩が務めてくださいますんで、こちらの意をくんで『こいつは、こういう噺が多いから避けてやろう』という方と、あえて、それにぶつけてきはる方といらっしゃいますんで、戦々恐々としながらも、それがトリというものの責任かなと思っております。その中でお客さんが最後に楽しかったなぁと言うて帰っていただけるようなネタを。鳴り物が入る噺が好きなんで、芝居噺とか、他にも鳴り物がたくさん入って陽気な噺ができればなと思っております」と吉坊が本意を明かせば、慶治朗は「7本のうち6本(1本は当日のお楽しみ)、自分の中で非常に思い入れのあるネタばかりを選ばせていただきました。『はてなの茶碗』『一文笛』『子は鎹』『七段目』『鬼の面』に、1本は自作落語『今度はもっと』も入っています。師匠に稽古をつけていただいたネタがほとんどで、笑いあり、涙あり的な内容になれば」と話す。

片や福丸は「繁昌亭ができたぐらいから楽屋に入らせていただき、トリの師匠が色んなネタを最後に出しはるのがカッコいいなぁと思っていたので、私も色んなネタを用意しておいて、最後にいいのを出してお客さんを満足させるっていうのにチャレンジしたいなと。最近は『女性が出てくる噺、いいよ』って言うてくれはる方がいるので、女性が出る噺はするかなと思います」と明かす。米輝は「今回は受賞ウィークで"桂米輝"とタイトルが入ってますんで、お客様の印象に残るようなネタをできたらいいなと。ちょっと目だつようなネタをやりたいと思っております。それが新作か古典かは、その日の体調次第ですけど」と笑わせた。

今回の受賞を機を改めて考えるところはあるのだろうか。最後に、今の心境や今後の展望を聞いてみた。吉坊は「個人的に、昨年はたくさん賞を頂戴した1年で。賞というのは、やっぱりお客様が喜んでくださる...一番それを感じることが多かったなぁと思いますね。そういう意味でも、繁昌亭大賞なら『なるほど大賞やな』と言っていただける。また、そこで初めてのお客さんも、そういう大賞があるんだな、そういう芸なのだなという風に言っていただけるように。来年も大賞を取れるぐらいの気概で挑みたいなと思っています」と今後を見据える。

慶治朗は「賞を取ってから高座が変わってきた、という風に言うていただきます。短期間でも何かしら自分の心境ですとか、高座が変わっていくことがあると思いますので、これからもしっかりと普段の積み重ねをしながら、そういうキッカケもつかんでいけるようにできたらなと。ライフワーク的な大きな会を、頻度や規模を大きくしていけるように...それが一つの大きな道かなと思っていますので、毎月毎月、会をやる。自分の一番やらなあかんところです」と気を引き締めた。

福丸は「お客様とか寄席に対してなんか恩返しをしたい、という気持ちがさらに強くなりましたね。お客様が本当に喜ぶことは何やろうと。もちろん、落語をやることもそうなんですけど、お見送りやご挨拶も含めて、お客さまとの触れ合いとか喜んでもらえることを、これからも考えていきたいと思います」と落語以外にも心を配る。

最後に米輝は「落語に全然興味のない人にどうやってアピールするかというのを考えますね。例えば、漫才とかピン芸人とかに交じってネタをやる機会も、ちょこちょこといだくんですが、ウケたら落語家もオモロイと思ってもらえたかなと。けど、スベったら落語に対して申し訳ないという思いになるんです。申し訳ないという状況にならないように頑張っていきます」と決意を語った。

取材・文/松尾美矢子




(2024年3月21日更新)


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写真左より)笑福亭仁智、桂慶治朗、桂吉坊、桂福丸、桂米輝

天満天神繁昌亭

桂米輝 第18回繁昌亭大賞新人賞受賞記念ウィーク

▼3月25日(月)~3月31日(日)13:30


桂慶治朗 2023年度NHK新人落語大賞受賞記念ウィーク

▼4月22日(月)~4月28日(日)13:30


桂吉坊 第18回繁昌亭大賞受賞記念ウィーク

▼5月6日(月)~5月12日(日)13:30


桂福丸 第18回繁昌亭奨励賞受賞記念ウィーク

▼5月27日(月)~6月2日(日)13:30

公演日の1ヵ月前より発売 Pコード:597-700 
一般-2500円(指定)
65歳以上-2300円(指定、要証明書)
身障者-2000円(指定、要証明書)
学生-1000円(指定、小・中・高・大・専門学生、かつ25歳未満、要証明書)
※出演者は天満天神繁昌亭ホームページ(https://www.hanjotei.jp/)でご確認ください。
※未就学児童は入場不可。
[問]天満天神繁昌亭■06-6352-4874

公式サイト
https://www.hanjotei.jp/

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