2017年の好評を受け、
”ブラバン”の新たな物語を上演！
『新生！熱血ブラバン少女。』会見

博多華丸が主演を務める博多座25周年記念作品『新生！熱血ブラバン少女。』の記者会見が行われ、出演者の博多華丸、紅ゆずる、鈴木梨央、星野真里、宇梶剛士、脚本を手がけるG2、演出を手がける加納幸和（花組芝居）が登壇した。

本作は、2017年に華丸が主演を務め、吹奏楽部の名門校・精華女子高等学校（福岡県）吹奏楽部の生徒たちとつくりあげた舞台『熱血！ブラバン少女。』の7年ぶりの新作。今回は「博多座25周年記念作品」として、引き続き華丸、精華女子高等学校吹奏楽部の現役生徒たちが参加しながら、前作とはまた違う物語になるという。脚本は引き続きG2、演出は新たに加納幸和が務める。

会見の冒頭、博多座プロデューサー岸原剛の挨拶では、5回目の座長公演となる博多華丸について「ある時は明太子を作った男、ある時は造船所でタップダンスをしたり太鼓を叩いたりするおじさんといろんな役をやっていただきましたが、すべてがお客様に力を与えてくれるものになりました」と振り返り、「我々博多座も、まさに華丸さんのように、全国のお客様に観に来ていただける九州発信のエンタテインメントをつくっていこうとがんばってまいります」と話した。

その華丸は、前回を振り返り「青春の1ページに参加させていただいて、回を追うごとにいい舞台になりました。この舞台をきっかけにエンタテインメントの世界に入った人もいたりして、舞台は終わっても脈々と続いている作品になりました。今回は続編で新しく脚本を書いていただいたので、期待に応えられるようにがんばりたいです」と意気込む。

鈴木演じる葵の母を演じる紅は「母親役は初めてです」と明かしつつ、「私は博多座さんが大好きで、『絶対にもう一度あの舞台に立ちたい』という思いがあったので、それもとても楽しみです。大阪出身ですので、新歌舞伎座での公演は凱旋公演だと思い、気合を入れて頑張っていきます」と話した。今作でトランペットに初挑戦する鈴木は「自主練をしたり基礎練習をしたり、みんなでゆっくり合わせたりしています」と明かし「みなさんと素敵なハーモニーを奏でていけるようにがんばります」、前作から引き続き出演する星野は「前回、ほんっっとに楽しかった。お話もですし、演じたキャラクターも魅力的で、華丸さんはじめ共演者の方々と一緒に居られる時間が楽しく、博多という街が楽しくておいしくて、帰りたくなくなるような時間でした。今回もあの生演奏を聴きながら台詞を話せるかもしれないこと、私自身も期待しています」、同じく引き続きの出演となる宇梶は「この作品は台詞がすべて博多弁で、僕は（テレビ番組で）福岡の街をくまなく歩いた努力が報われます（笑）。（華丸が座長を務めるシリーズは）プロデューサーと華丸さんの色が静かに染み込んだ座組で、そこから立ち上がる"博多座でしか観られない舞台"というものが確かにある。全国から観に来ていただける方の気持ちにお応えできる舞台をつくります」と熱く語った。

G2は前作を振り返り、「（台本を書くにあたり）ブラスバンドにまつわるいろんなドキュメンタリーを見たりノンフィクションを読んだのですが、何を見ても読んでも号泣するんです。心が震えてしまう。そんな"事実"に対抗しうる"絵空事"を書くために、のたうち回って脂汗を流しまくってなんとか台本を仕上げました。それから数年経ち、プロデューサーから『またやりましょう』と言われた時、再演ができると思いすっごくうれしかったんです。そしたら『新作を書け』と。一度は断りましたが、結局お引き受けし、僕が全幅の信頼を置く加納さんに演出をお願いできました。命削って書きました。素敵なキャストとスタッフが集まりました。開幕を心待ちにしています」と話す。

今回から参加する加納は「大劇場で演出するのは20年ぶりです。G2さんの作品に出たことはありますが、G2さんの台本を演出するのは初めてでございます。キャストのみなさんもはじめましてです。この歳になってこんな仕事を引き受けてしまってちょっと後悔しておりますが（笑）、どうぞご寛容にお付き合いいただければと思います」と笑顔で挨拶をした。

『新生！熱血ブラバン少女。』は4月6日(土)から21日(日)まで福岡・博多座、26日(金)から28日(日)まで大阪・新歌舞伎座にて上演。

取材・文／中川實穂
撮影／岩村美佳

（2024年3月 5日更新）