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小野田龍之介が『ミス・サイゴン』で
世界への祈りを込める

感情豊かでのびやかな美声と卓越したダンス力でミュージカル界の注目を集める小野田龍之介が、日本初演30周年記念公演のミュージカル『ミス・サイゴン』に出演する。一見、狂言回しのエンジニアやベトナムの少女キムに目が向く作品だが、小野田が海宝直人、チョ・サンウンと交互キャストで演じる米兵クリスもキーパーソンだ。小野田がその思いを熱く語ってくれた。
 
1970年代のベトナム戦争末期、戦争孤児のキムと米兵のクリスは恋に落ちる。しかし、陥落寸前のサイゴン混乱の中、キムと離ればなれになったクリスは、母国に戻り、後に米国人女性エレンと結婚する…。6年前にもクリスを演じた小野田は「演じる前から、クリスは世の女性やお客さまから、本当に嫌われる役だなという印象が強かったんです(笑)」と明かす。「“君だけだよ”と言っているのにアメリカに戻ったら別の女性と結婚し、今の時代なら非難を浴びそうですけど(笑)、演じてみるとあの時代だからこそ選択した道というのがある。僕は毎回、クリスの役の価値を上げたい、真意を伝えたいと思っています」と力を込める。
 
『ミス・サイゴン』を作る過程で、キャストは様々な戦争映画やドキュメンタリーを見て参考にするそうだ。「軍人たちは戦争の目的とは別に、破壊行為に走ることがあります。クリスも自分でコントロールできなかった瞬間がたくさんあり、子どもや女性を間違えて撃ってしまい、深い自責の念を抱く中で、キムと出会ったことが自分の贖罪になった。背負った罪を彼女で浄化することができるかもしれない。キムを守り抜くのが使命だと思っていたんです」。

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『レ・ミゼラブル』のクリエイティブ・チームによる、心に染み入る楽曲も特徴だ。「クリスとキムが歌うシーンは、特にロマンティックですが、ふたりに課せられているのは、絶対に離れないという狂おしいほどのエネルギー。歌っていてこんなにも汗がこぼれる大変なシーンだとは思っていなくて。エネルギーが違った方向へ向くと、チャラチャラした男に見えてしまうので、互いを求める強い力を大切に歌いたいです」。クリスと結婚するエレンについてはどうだろう?「クリスは戦争のすべてを忘れたいと思っている。心にトラウマや傷を負った兵士や市民がたくさんいて、彼も例外ではない。クリスは聖母のような存在のエレンに心を救われた男なんですよね」。自身も年を重ねた今回は、「3人の愛の形」をより大切に演じたいという。
 
2020年の再演はコロナ禍のため中止。世界では新たな戦争も勃発した。「改めて世界に対する祈り、生きるための祈りを深く描いた作品だと痛感しました。今まで以上の覚悟を持って、その祈りを届けたいです」。
 
公演は7月24日(日)から8月31日(水)まで東京・帝国劇場(7月24日(日)から28日(木)はプレビュー公演)、9月9日(金)から19日(月・祝)まで梅田芸術劇場メインホール、その後、愛知、長野、北海道、富山、福岡、静岡、埼玉を巡演。
 
大阪公演のチケットは6月19日(日)一般発売。一般発売に先駆け、6月18日(土)23:59までプリセール実施中。

取材・文:米満ゆう子



(2022年6月13日更新)


Check

ミュージカル『ミス・サイゴン』

【東京公演】
▼7月24日(日)~8月31日(水)
※7月24日(日)~28日(木)はプレビュー公演
帝国劇場

Pick Up!!

【大阪公演】

6月19日(日)一般発売 Pコード:510-868

▼9月9日(金)~19日(月)
梅田芸術劇場メインホール
S席-15000円 A席-10000円 B席-5500円

[オリジナル・プロダクション製作]キャメロン・マッキントッシュ
[作]アラン・ブーブリル/クロード=ミッシェル・シェーンベルク
[音楽]クロード=ミッシェル・シェーンベルク
[演出]ローレンス・コナー
[歌詞]リチャード・モルトビー・ジュニア/アラン・ブーブリル
[出演]
市村正親・駒田 一・伊礼彼方・東山義久(交互出演)
高畑充希・昆 夏美・屋比久知奈(交互出演)
小野田龍之介・海宝直人・チョ・サンウン(交互出演)
上原理生・上野哲也(交互出演)
知念里奈・仙名彩世・松原凜子(交互出演)
神田恭平・西川大貴(交互出演)
青山郁代・則松亜海(交互出演)


※未就学児童は入場不可。一部キャストは交互出演。本公演チケットを「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売致します。興行主の同意のない有償譲渡は禁止されています。
※販売期間中はインターネットのみで販売。店頭での受付はなし。

[問]梅田芸術劇場■06-6377-3800

【愛知公演】
▼9月23日(金)~26日(月)
愛知県芸術劇場 大ホール
【長野公演】
▼9月30日(金)~10月2日(日)
まつもと市民芸術館
【北海道公演】
▼10月7日(金)~10日(月・祝)
札幌文化芸術劇場hitaru
【富山公演】
▼10月15日(土)~17日(月)
富山 オーバード・ホール
【福岡公演】
▼10月21日(金)~31日(月)
博多座
【静岡公演】
▼11月4日(金)~6日(日)
アクトシティ浜松 大ホール
【埼玉公演】
▼11月11日(金)~13日(日)
ウェスタ川越 大ホール

チケット情報はこちら


オフィシャルサイト


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