生駒里奈、「お客さんの心が読める」超能力者に!
乃木坂46の初代センターとして人気を博し、現在は女優として活動する生駒里奈。今年2作目となる主演舞台『-4D-imetor』は、俳優の池田純矢が主宰する娯楽に特化した演劇シリーズ「エン*ゲキ」の第5回公演。「量子力学」をテーマに、奇術×謎解き×演劇の融合を試みる新感覚のアトラクション・エンタテインメントだ。会見で生駒は「本当にアトラクションに乗っているようなワクワク感をお届けしたい」と意気込みを語った。
物語は、テロ組織による総理人質立てこもり事件に始まる。奇妙な犯行手口に超能力研究所の所長・渡来暦は、犯人は四次元に干渉できる新人類「4Dimetor」と推論、事件の真相を追い始める。同じ頃、彼の前に研究所の壁面を突き抜けるように記憶を失った少女ノアが現れて……。謎が謎を呼ぶミステリアスな本作で、生駒はヒロインのノアを演じる。
渡来暦役の池田からは、イメージにぴったりとオファーを受けた。「きっとみなさんが抱く天真爛漫なイメージに合っていたんだと思います。でも実際の私はノアほど責任感は強くないですね」と役との共通点は多くない。が、その違いこそ舞台へ向かわせる原動力と続ける。「自分に自信が持てない人間でもあるので“自分でない時間”を増やしたい思いと、純粋に舞台が好きとの思いが重なっている感じです」。
役者として経験を積む中、近年は舞台への取り組み方にも変化が出てきた。「以前ならお芝居を観ても『叶わない』と後ろ向きだったけど、最近はどうすれば技術を上げられるかを考える。前向きになれたのは進歩かな」。年始の舞台では35公演を完走し、初めて口が回らなくなる体調の変化も経験した。「整体の先生にケガする寸前でしたよと言われました。周りに迷惑をかけるのは良くないことだけど、でも初めてちゃんと身体を使って芝居ができたように思えてうれしかったです」。
「エン*ゲキ」シリーズの魅力についてはこう話す。「前作のテーマが『サロメ』で原作は読むと難しいのに、舞台では目から入る情報で私でも理解できた(笑)。音楽との融合でもありライブ会場にいるような感覚にもなって、いろんな楽しみ方ができるのが魅力だなと。今回も量子力学と聞くと難しそうに感じるけど、舞台では私が超能力者になって日替わりでお客さんの心を読んだり、観客を巻き込みながら物語が進んでいく。ドラマとしても現代社会が抱える問題や人との絆がリアルに描かれ、最後は涙するくらいほっこりさせられます。演劇の魅力が詰め込まれた作品なので、食わず嫌いせずに観てほしいなと思います」。
公演は5月8日(金)から18日(月)まで東京・紀伊國屋ホール、5月23日(土)・24日(日)大阪・ COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。チケットは3月22日(日)一般発売。
取材・文:石橋法子
(2020年3月19日更新)
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