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大阪松竹座、新春恒例の『壽初春大歌舞伎』に向けて
中村鴈治郎、中村扇雀、片岡愛之助が語る!

お正月を寿ぎ、新しい年を華やかにスタートさせる大阪松竹座の「壽 初春大歌舞伎」。大みそかで満88歳の坂田藤十郎を筆頭に、息子の中村鴈治郎と中村扇雀、そして孫の壱太郎、虎之介の三代が出演する。「楽しい気持ちで初春を松竹座で迎えていただけたら」と言う扇雀の言葉どおり、関西のお正月公演にふさわしい演目がズラリと並ぶ。昼の部は『九十九折(つづらおり)』、『大津絵道成寺』、『酒屋』の三演目。夜の部は『義経千本桜 川連法眼館の場』、『夕霧名残の正月』、『大當り伏見の富くじ』を上演。京都・南座での顔見世興行に出演していた鴈治郎、扇雀、そして片岡愛之助が顔をそろえ、それぞれの抱負を語った。

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「三代そろって出させていただける。こんなうれしいことはございません。初春らしい、いい公演に」と鴈治郎。「またみんなでお正月を大阪で迎えられてとてもうれしい。父と共演できる喜びをお客様にもお伝えできれば」と扇雀。1月は久しぶりの大阪となる愛之助は、「大阪に戻ってこれてうれしいです。大阪らしい狂言がたくさん並ぶ中で、久しぶりに父(片岡秀太郎)と共演できた12月に続き、1月も『義経千本桜』で共演でき、本当にありがたく思います」。
 
『九十九折』は、京都を舞台にした三百両を巡る悲恋の物語で、およそ45年ぶりの上演。『大津絵道成寺』は、「歌舞伎座でやり、今回が2回目」と言う愛之助が、五役を早替りで魅せる華やかな変化舞踊。『酒屋』は、大坂で起きた心中事件を題材にした世話物で、鴈治郎が宗岸と半七の二役を43年ぶりに登場させる。藤十郎は三勝、扇雀はお園役だ。「やりたかった役なので、すごく楽しみ。本当なら父がお園をしたいでしょうが」。
 
『義経千本桜』は、ケレンに富んだ趣向で知られる歌舞伎三代名作のひとつで、愛之助と父・秀太郎の共演が見もの。8年ぶりの人気演目『大當り伏見の富くじ』は、松本幸四郎が流行を取り入れた演出で贈る笑い満載の喜劇だ。『夕霧名残の正月』では、初演時から藤十郎が演じてきた伊左衛門に、鴈治郎が初役で挑む。「藤十郎の襲名時に作った芝居。口上が付いて短かったので、今回は藤間の御宗家と相談しながら作ります」。夕霧を演じる扇雀は「自分が出るところはちょっと舞踊劇風に。そして何より、高齢になった父が元気なうちに、坂田藤十郎が復活させた演目を息子二人がきちっと引き継いでいきますという思いを強く込めてやります」。そしてそれは、壱太郎、虎之介へと継承されていく。現代に生きる伝統芸能・歌舞伎の神髄を見届けたい。
 
公演は1月3日(金)から27日(月)まで、大阪松竹座にて。チケット発売中。

取材・文:高橋晴代



(2019年12月27日更新)


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『壽初春大歌舞伎』

チケット発売中 Pコード:497-962

▼2020年1月3日(金)~27日(月)
大阪松竹座
1等席-17000円 2等席-9000円 3等席-6000円

<昼の部 11:00>
「お秀清七 九十九折」
「大津絵道成寺 愛之助五変化」
「艶容女舞衣 酒屋」
[出演]坂田藤十郎/中村鴈治郎/中村扇雀/松本幸四郎/片岡愛之助/中村壱太郎

<夜の部 16:15>
「義経千本桜 川連法眼館の場」
「夕霧名残の正月 由縁の月」
「大當り伏見の富くじ」
[出演]片岡秀太郎/中村鴈治郎/中村扇雀/松本幸四郎/片岡愛之助/中村壱太郎

※貸切=1/4(土)・23(木)16:15。
※日時・席種により取り扱いのない場合あり。4歳以上は有料。
[問]大阪松竹座■06-6214-2211

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