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柳家三三のツアー『ニッポンあちらこちら2019』がスタート! 
サンケイホールブリーゼに独演会として初挑戦

柳家三三が日本各地を回る落語会ツアー『柳家三三ニッポンあちらこちら2019』が9月にスタートした。2013年に47都道府県を47日間で回ったツアーなど、全国で落語会を行ったことでつながった縁で今年も各地へ赴く。そして12月17日(火)にはサンケイホールブリーゼでの独演会も開催、『火事息子』『安兵衛道場破り』を披露する。「大阪はかつてない大きさの会場でもあるので、自分でも楽しみにしていますし、不安と期待と両方ある」と三三、『柳家三三ニッポンあちらこちら2019』について意気込みを語った。
 
演目は当日決めることが多いが、広島での『居残り佐平次』、大津の『寝床』は決まっている。当日に演目を決めるというのは「シェフのお任せみたいな感じ」。その日のライブ感や、自分が楽しいと思うことを大事にしたいという。「時には、ベストなチョイスじゃなく、明らかに違ったということもあります(笑)。その日のお客様に合わなかったというのと、やってみて“全然覚えてなかった”って。びっくりするぐらい“あれ? 次どうだったっけ?”というくらいの精度だったこともありますが、そういうことも含めて最近は楽しいと思えるようになりました」と気持ちに変化が起きているという。
 
「前はきっちり決め込んでいました。もちろんベースにはそれが必要なんですけど、本番の舞台でも稽古でやったことをその通り再現しようする傾向が私にはあるんです。そうじゃなくて、高座に上がったら出たとこ勝負、“どうしよう”と思うことも含めて楽しいなって」。この頃は多い時に週に1、2回、以前はなかった現象が起こるようになったという。「高座に上がって、落語の物語に入った時、近未来に出てくるような半透明のモニターが自分の目の前に現れて、落語の世界が映像になって見えることがあって。僕はその映像のままをしゃべればいいだけなので楽しいです。ただ、いつも出てくるわけじゃないのが難点(笑)」。そんな時は、高座姿も生き生きとしていると思うと自己分析。今回は一体どうなるか、こちらもお楽しみに。
 
独演会としては初めて登場するサンケイホールブリーゼでは、「火事とけんかは江戸の花」といわれるくらい火事の多かった江戸の町を題材にした『火事息子』を披露。「笑いの要素が全くないわけではないけれども、人情噺の要素が強い落語です。季節も、筋立ても東京らしいお話だろうなと思います。頻繁に演じられるものではないのですが、昔から圓生師匠をはじめ、多くの師匠がされてきたネタ。以前、志ん朝師匠から“若い頃に教わった時はこうだったんだけど。今こう思ってこうやるんだ”と実際に楽屋で聞かせてもらったこともあります」。
 
また、「落語的な嘘をどう見せるかが面白い」と三三。例えば、火事を防ぐため土蔵の扉などの隙間に泥を塗る場面で、壁の釘につかまるところや、登場人物たちが会話をする際の顔の角度など、三三の演出に注目だ。
 
『安兵衛道場破り』は講談が元になった、赤穂浪士にまつわる一席。「堅苦しい話ではなくて、内容もばかばかしい。宝井琴柳先生という講談の師匠に教わりましたが、落語にしたら講談よりも膨らんで、自分でもこんなふうになるとは思わなかったという噺です。色合いの違う噺をお楽しみいただければ」と三三。
 
サンケイホールブリーゼといえば、米朝一門のホームグラウンドでもある。「前身のサンケイホールでの米朝師匠の独演会は、小さな会場ではなく、大きなホールでやろうと勝負に打って出たことが始まりだと思います。東京、大阪を問わずホールで落語会や独演会を行うという先鞭をつけたと言っても過言ではありません。落語の歴史の中でも大きなことだと思います。そういう伝統や歴史を桂吉弥さんからお聞きしました。きっと落語が好きな大阪のお客様にとっても特別な場所だと思います」と敬意を表す。だが、当日は気負うことなく楽しみたいと笑顔を見せた。

取材・文:岩本



(2019年10月15日更新)


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柳家三三独演会

【大阪公演】

チケット発売中 Pコード:496-384
▼12月17日(火) 19:00
サンケイホールブリーゼ
全席指定-3500円
[出演]柳家三三
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

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