NEWS

ホーム > NEWS > 能楽界のスター集結、 大阪城で幽玄の美に浸る3日間!

能楽界のスター集結、
大阪城で幽玄の美に浸る3日間!

大阪城天守閣が夕暮れに染まる頃、豊国神社の宮司による「火入れ式」が行われる。かがり火に揺らめく能舞台。闇の気配と共に、幽玄の世界が華開く――。豊臣秀吉が愛したと言われる能より、全8曲を楽しむ3日間。4回目を数える『大阪城本丸薪能2019』が10月12日(土)から14日(月・祝)に開催される。円熟味を増す名優から今をときめく花形役者、さらに時代を担う若手までが出演。人間国宝の大槻文藏、野村萬斎、大槻裕一の3名が見どころを語る。
 
「人気曲の数々を、趣向を凝らして表現させていただきます」と文藏。『弱法師』では世阿弥が書いた演出を復活させる。「シテは同じ俊徳丸ですが、ツレの妻と2人で出てきます。ワキは現行の高安通俊から天王寺の住僧に変わり、登場人物も7、8人と随分増えます」。本作で通俊を演じる萬斎は「うちの親父(万作)がやっていた役を勤めます」と初役に挑み、『茶壺』では息子の野村裕基との親子共演が実現。また『竹生島 女体 道者』にも触れる。「参詣に来た2組の夫婦が神様にあやかろうと、最後に妻が旦那を肩車する。非常に珍しくおもしろい演目です」
 
薪能は大阪城西の丸庭園で20年近く開催された後、しばらく途絶えていたが、2014年に今の大阪城本丸広場に会場を移し再開。そんな“第2章”を企画したのが大槻裕一だ。「西の丸庭園では数千人キャパの会場に合わせて広い能舞台を組んでいましたが、本丸に移動してからは、大槻能楽堂と同じ三間四方の舞台でやっています。ちゃんと能や狂言を見ようという観客の意識もあり、広大な空間でも集中力の高さを感じます。イヤホンガイドの貸し出しも好評で、お客様からも舞台と客席とのキャッチボールができているというお声を聞いています」と手応えを語る。自身の見どころには静御前と平知盛を演じ分ける『船弁慶』を挙げ、最終日には文藏と共に『弱法師』と『土蜘蛛』の2曲に出演する。「私たちシテ方は1日に何役もやることがないので、お互いがツレ、シテの2役を勤めるのは挑戦です」と意欲を見せた。
 
今年は人間国宝から弱冠20歳の若手まで幅広い層の共演が実現する。「稽古や教えにも色々ありますが、先輩方と同じ舞台に立つ中で教わり、自分で見出すというのが大事。一番大きな伝承だと思います」と文藏。裕一は「観世御宗家をはじめ、3日連続でご出演いただける野村萬斎さんたちが花を添えてくださるからこそ、今日まで続けてこられた。4回目も一日一日に見所が詰まっています。あとはブラッシュアップあるのみ」と改めて決意を口にした。
 
公演は10月12日(土)から14日(月・祝)まで、大阪城本丸広場 特設能舞台にて上演。チケット発売中。

取材・文:石橋法子



(2019年10月 1日更新)


Check
左から、野村萬斎、大槻文藏、大槻裕一

『大阪城本丸薪能2019』

チケット発売中 Pコード:494-132
▼10月12日(土)~14日(月・祝) 18:00
大阪城本丸広場 特設能舞台
VIP席-16000円(優先入場/6列目迄の座席確保/特製パンフレット付)
S席-10000円
[出演]観世清和/大槻文藏/大槻裕一/野村萬斎/野村裕基/他
※未就学児童は入場不可。
※雨天時の中止及び決行に関しては当日の14時に公演オフィシャルHPにて随時ご連絡いたします。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

チケット情報はこちら


オフィシャルサイト