創立10周年の劇団壱劇屋が挑む
野田秀樹作品『TABOO』
1月の本公演に向けてプレ公演を開催!
パントマイムやダンス、アクションなど、身体表現を取り入れた作品や、セリフがなく殺陣だけで魅せる「Wordless×殺陣芝居」シリーズで注目を集める劇団壱劇屋。劇団創立10周年を迎えた彼らが、 1月12日(土)、劇団初挑戦となる大阪・森ノ宮ピロティホールで、野田秀樹作の『TABOO』に挑む。その本公演に向けて、12月14日、門真市民文化会館ルミエールホールでプレ公演を行った。
『TABOO』は、1996年、NODA・MAPの第3回公演として上演された作品で、バカとして育てられた天皇の子・一休を軸に展開する物語。舞台は室町時代の京都。後小松天皇と南朝の女・梢の息子である一休は、南北戦争の火種になると、命を狙われ逃げおおせ、旅芸人の一座に拾われる。バカは役者を始め、芸を磨き、恋を覚え、師匠に憧れ、「せぬ芸」へと辿り着く。バカの出自を知る者たちにより、南北の戦に巻き込まれる一休だが、己の芸を完成させるべく、道を探し続ける…。

演出の大熊隆太郎が高校時代に出会い「やってみたくても太刀打ちできない事を悟った」という野田作品。劇団創立10周年を機に、「当時あきらめた野田作品に、燃やし続けたエンジンをフル稼働で挑みます」と語る今作。この10年で積み上げてきたマイムやダンスなどの身体表現を駆使しながら、野田戯曲の躍動感を表している。目まぐるしい場面展開で運動量も多く、セリフも言葉遊びを取り入れながら矢継ぎ早に繰り出される本作。一筋縄ではいかない作品だが、劇団員それぞれが熱量を持って挑んでいるのが印象的だ。
本番約1ヵ月前の完成度としては目を見張るものがあったが、まだ多少荒削りな部分もある。役者それぞれがここからさらにセリフを自分のものにできれば、表現の幅もますます広がるはず。また、衣服を素材にした舞台美術が施される本公演で、どんな世界が立ち上がるのかも楽しみだ。公演は1月12日(土)の1日限り、お見逃しなく!
(2018年12月20日更新)
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