宝塚花組公演が開幕、明日海りおが天草四郎を熱演!
トップスター・明日海(あすみ)りお率いる宝塚歌劇花組公演、ミュージカル『MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-』、ショー・スペクタキュラー『BEAUTIFUL GARDEN -百花繚乱-』が7月13日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。
第一幕のミュージカル『MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎-』は、島原の乱の指導者として多くの伝説を残した天草四郎時貞の姿を、新たな視点でドラマチックに描き出した作品。衣装や美術に現代的なエッセンスを加えた、新たな日本物ミュージカルとなっている。
時は江戸時代初期、幕府による禁教令が出された後も、九州・天草には数多くのキリシタンが隠れ住んでいた。激しい嵐が去ったある日、そこにひとりの男が流れ着く。男は過去を語ろうとせず、自らの名前すら口にしなかったが、キリシタン大名として知られた小西行長の遺臣に拾われ、四郎と名付けられた。貧しくも、心豊かな島の者たちと暮らすうちに四郎の心もほぐれ、彼らの信仰に興味を抱くようになる。その後、四郎はキリシタン弾圧や過酷な年貢の取り立てに苦しむ民衆のために立ち上がる…。
明日海が演じるのは、もとは海賊の首領“夜叉王丸”として旅していた四郎。慈悲深く温かい天草の人たちと過ごすうちに、四郎にも温かい気持ちが生まれ、彼らを救いたいという熱い思いが湧き上がる。その四郎の心の変化を明日海は繊細に表現して魅せる。トップ娘役・仙名彩世(せんな・あやせ)演じる島原の美しく清らかな娘・流雨(るう)との恋、そして、柚香光(ゆずか・れい)演じる南蛮絵師・リノとの友情が生まれていく様も見どころだ。仙名は美しく優しい流雨を情感たっぷりに演じ、柚香はリノが抱える複雑な感情を丁寧に表現している。一揆のシーンでは大階段を使い、群舞を織り交ぜながら、殺陣によるアクションを繰り広げる。激しくも美しく、尊さを感じさせる演出に目を奪われた。
第二幕のショー『BEAUTIFUL GARDEN -百花繚乱-』は、そのタイトル通り、色とりどりの花が咲き薫る永遠の花園をイメージ。プロローグでは、明日海をはじめとするスターたちが華やかな蝶となって舞い踊り、時に激しく、時には妖艶にめくるめくステージを繰り広げていく。TUBEやT.M.Revolutionなどの誰もが知る楽曲を使った場面もあり、夏らしくホットなエンタテインメントショーが楽しめる。
公演は8月20日(月)まで、兵庫・宝塚大劇場にて。東京公演は9月7日(金)から10月14日(日)まで東京宝塚劇場にて開催。東京公演のチケットは8月5日(日)発売開始。
取材・文:黒石悦子
撮影:三上富之
(2018年7月20日更新)
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