中村七之助が「錦秋特別公演2016」を語る!
2005年から毎年欠かさず行われている「錦秋特別公演」。中村勘九郎、中村七之助を中心に中村屋一門が行う巡業公演だ。きっかけは「地方にいると交通費や宿泊費がかかり、歌舞伎をなかなか観に行けない」というファンからの手紙だった。その声に「自分たちが全国各地に行き、たくさんの方に歌舞伎を観てもらおう」と公演が始まった。
今年の演目は、「歌舞伎塾(立役、女形の出来るまで)」「汐汲」「女伊達」の3本。「歌舞伎塾」では歌舞伎がどのようにして出来上がるのか、普段は見ることのできない舞台裏を披露。また「草摺引」を例に、勘九郎、七之助がトークを交えながら楽しく紹介する。「汐汲」「女伊達」はいずれもスタンダードな曲だが、「汐汲」は七之助の華やかな女形を、「女伊達」では珍しい勘九郎の女形を楽しめる。
七之助よれば、「今までは芸談をやっていましたが、今年は『歌舞伎塾』で『立役』と『女形』ができるまでを生でお客様にお見せする企画です。効果音などの解説などを僕達兄弟が解説して進行して行きます」。
「歌舞伎塾」は一度、行ったことがある。その時とても好評だったため、「錦秋特別公演」に取り入れた。「僕達もスーツ姿で出ます。歌舞伎ってそんなに敷居が高くないんだなと思ってもらえたら。いろんなことにチャレンジさせていただいて、なかなか本公演ではやらない演目もあえてやっていましたが、今回は『歌舞伎塾』もすることから、『汐汲』『女伊達』という分かりやすい作品を選びました」(七之助)
「錦秋特別公演」を始めて、歌舞伎を好きになったお客様が増えた。「すごく嬉しいし、やってきた意味があるなと思います」と七之助。「関西のお客様は面白いものに対する熱量がすごい。僕達もやっていて楽しいです」と大阪、京都公演に期待を寄せる。「歌舞伎塾」では客席に下りてお客様とコミュニケーションをとるのも面白いのではと意欲も見せる。
「錦秋特別公演2016」は、11月13日(日) にNHK大阪ホールで、14日(月)に ロームシアター京都 メインホールで開催。チケット発売中。
(2016年9月 3日更新)
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