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子供のために生きるファンテーヌに、今の自分が共感

 2003年に初舞台を踏んで以来、多くのミュージカルに出演し、その存在をミュージカル界に刻んできた知念里奈。世界43か国で上演されている人気ミュージカル『レ・ミゼラブル』(以下、『レ・ミゼ』)では、コゼットを振り出しに、エポニーヌ、そして現在はファンテーヌ役で出演している。作品に対する思いを聞いた。
 
 2005年にコゼットとして初めて『レ・ミゼ』に出演し、物語を体験してきた。「もともとの舞台は罪を犯したジャン・バルジャンが司教に救われ、新たな人生を歩む、宗教的な要素が強い話でしたが、日本に舞台で持ってきたときに、宗教になじみのない日本の観客のために、セリフや演出で宗教的なニュアンスが分かりやすくなるように工夫され、変わっていきましたね。特に最近は同名映画の影響もあり、登場人物が天国に行くシーンがより理解しやすくなりました」と話す。

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 日本でも上演回数約3000回を誇る『レ・ミゼ』の歴史の中で、3人のキャストを演じてきた女優は珍しいだろう。「哀れな孤児だったコゼットはジャン・バルジャンに救われ、愛する人と結婚して幸せになる。一見、コゼットとは対極の生き方をする、エポニーヌも希望をマリウスに預ける。今、演じているファンテーヌもコゼットに望みを託し、彼女のためだけを思って死んでいく、ある意味で幸せな人」。それぞれの役を通すと、コゼットという希望で繋がり、違う視点で物語が見えるという。「お客さまもそうだと思うんです。少女のときはコゼット、失恋したらエポニーヌ、子どもを持ったらファンテーヌと状況に合わせて共感する役が違う。それが舞台が長い間愛される秘訣なんですね」。自身も9歳の男の子を育てる母親だ。「ファンテーヌを演じるのは今回で3回目ですが、愛する者のために懸命に運命に立ち向かう姿には共感できますし、その強さを尊敬しています」。

ファンテーヌが歌う、名曲『夢やぶれて』は見せ場のひとつ。「今や誰もが知っている曲なので大事な役目だと実感しています。夢はかえらないという歌詞を、夢を諦めないという気持ちを込めて大切に寂しくなりすぎないように歌いたい」。息子も舞台を見に来たそうだが、「娼婦のシーンは目をつぶっていたと(笑)。それに、家で息子に子守唄で『レ・ミゼ』の曲を歌ったら、暗すぎると却下されました(笑)」と幸せそうに明かしてくれた。 
 
今後も末長く『レ・ミゼ』の舞台に出演したいという。「次は悪役のマダム・テナルディエしかないねといわれます(笑)。年を重ねて、彼女が演じられるぐらいの容量のある人間になりたい」。今しばらくは、知念の器そのもののファンテーヌを堪能したい。 
 
公演は6月1日(月)まで東京・帝国劇場にて上演中。その後、名古屋、福岡、大阪、富山、静岡でも上演される。チケットは発売中。

取材・文:米満ゆうこ
写真:木村正史



(2015年5月27日更新)


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知念里奈

ミュージカル『レ・ミゼラブル』

▼上演中~6月1日(月) 東京・帝国劇場
▼6月10日(水)~30日(火) 名古屋・中日劇場
▼7月8日(水)~8月1日(土) 福岡・博多座

Pick Up!!

【大阪公演】

発売中 Pコード:442-248

▼8月8日(土)~29日(土)
梅田芸術劇場メインホール 
S席-14000円 A席-9500円 B席-5500円

[作]アラン・ブーブリル&クロード=ミッシェル・シェーンベルク
[原作]ヴィクトル・ユゴー
[作詞]ハーバート・クレッツマー
[オリジナル・プロダクション製作]キャメロン・マッキントッシュ 
[演出]ローレンス・コナー/ジェームズ・パウエル
[出演]
(ジャン・バルジャン)福井晶一、吉原光夫、ヤン・ジュンモ
(ジャベール)川口竜也、吉原光夫、岸祐二、鎌田誠樹 
(エポニーヌ)笹本玲奈、昆夏美、平野綾、綿引さやか
(ファンテーヌ)知念里奈、和音美桜、里アンナ 
(コゼット)若井久美子、磯貝レイナ、清水彩花
(マリウス)原田優一、田村良太、海宝直人 
(テナルディエ)KENTARO、萬谷法英
(マダム・テナルディエ)森公美子、浦嶋りんこ、谷口ゆうな 
(アンジョルラス)上原理生、野島直人、上山竜治 他

※未就学児童は入場不可
※キャストスケジュールは公式HPをご覧ください。
※出演者並びにスケジュールに変更がありました場合には、何卒あしからずご了承くださいませ。出演者変更の場合でも他日への変更及び払い戻しはいたしかねます。

[問]梅田芸術劇場■06-6377-3800

▼9月5日(土)~7日(月) 富山・オーバード・ホール
▼9月17日(木)~24日(木) 静岡・静岡市清水文化会館(マリナート) 大ホール

チケット情報はこちら


ミュージカル『レ・ミゼラブル』公式サイト