東京で若い女の子たちをキャーキャー言わせてブイブイ言わせてるらしい
「梅棒」というダンスパフォーマンス集団が、
2月に大阪に乗り込んでくると聞いて、
「いやいや、ちょっと待ってえな。それ、ほんまに関西でウケるん?」
ということで、行ってまいりました。
結論から言います。
めっちゃ楽しいやん!
で、
ずるいわーーーーー!
です。
まず、お知らせしないといけないのが、
「新ジャンルのエンタテインメント」であるということ。
要約すれば“ストーリーをダンスで伝える舞台”なのですが、
単なる演劇でもないし、ミュージカルでもないし、
ダンスセッションでもないし、なんちゅうたらええんやろ?
“J-POPダンス絵巻”とか、かなり近いかな。
“J-POP DANCE EMAKI”って書いたらそれらしい?
まず、ダンサーの力量がハンパない!
うまいなぁ、かっこええなぁ、は、たぶん当たり前なんでしょう。
もう、ほんまに、どんだけキレッキレやねん。
1秒間にどんだけのアクションしてんねん。
関節どうなってんねん。首とか、ヒジとか、股関節とか。
レントゲン見てみたいわ。
だけでなく、ストーリーを綴っていく時の表情がええねんな。
セリフはなく、踊りながら喜怒哀楽をここまで表現するって、
あんまり観たことない。すごい。そして、ずるい!
ポイントとして、ストーリーを構成しているのがJ-POPのヒット曲たち。
めくるめく流れる耳なじみあるメロディーは、
イントロがかかるだけでわくわくするし、
曲によっては、いろんな思い出がよみがえったり、前のめりになったり。
10代から30代までの女子をターゲットにしてるのかなと思ったら、
ふいに80年代の懐メロともいうような曲がかかったり。
その選び方というか、バランスというか、使い方が、実にうまい!
そして、ずるい!
そして、何より何より、
時々はさみ込んでくる笑いのボケ=ギャグが小憎らしいくらいイケてる!
これ、残念ながら関西人も吹き出してしまうの、あります。
うーっ!言いたいけど、ネタバレやなぁ。ヒントは“赤”。
悔しいけれど爆笑しました。
全体のトーンとしてはシュッとしてて、オシャレで、
その上でキッチリ“笑い”が分かっている感じ。これはかなり、ずるい!
個人的には美優ちゃんという子どもとIGさんの女装にはまりまくり。
美優ちゃん。あれ、絶対、背中のチャック開けたら大人のダンサー出てくるで。
SAMさんとかが普通に汗ぬぐいながら出てくるんちゃうん。
せまかったぁ、とか言いながら。
うますぎるもん。キレッキレすぎるもん。イカツすぎるもん。
ほんでIGさん。
ある意味女性より女性らしく、それが行き過ぎて絶対女性ではない動きが、
ツボ。
東京公演はダブルキャストで、
今日私が見なかったBチームは別の男性が女性役をするらしいのですが、
なんと、大阪公演はその二人ともが出演。
この“オカマ対決”は、東京公演にはない贅沢な見どころと言えるでしょう。
めっちゃ楽しみ!
ダンス、曲、ギャグ。
もう、それぞれが、どストレートに観る人に刺さってくる「梅棒」。
シンプルに、分かりやすくて鮮烈で楽しいです!
関西初お目見えを見逃す手はないでしょう。
あ。最後にもひとつ。
序盤の物語は、鉄拳さんのパラパラ漫画を実写化したような
ファンタジックな展開です。
これも、お楽しみに。
それにしても、やっぱり、つくづく、ずるいわぁ。
文:さとうしんいち