松たか子が串田和美の名作に挑む
3/14(金)~16(日)シアターBRAVA!で上演される
『もっと泣いてよフラッパー』の製作発表をレポート
先日、東京・Bunkamuraシアターコクーン稽古場にて音楽劇「もっと泣いてよフラッパー」の製作発表とミニライブが行われた。
作・演出・出演の串田和美、主演の松たか子をはじめ、松尾スズキ、秋山菜津子、りょう、大東駿介、鈴木蘭々、石丸幹二らが登壇した。本作は串田が1977年に書き下ろし、92年までに5公演が行われた人気作品。1920年代空想のシカゴを舞台に、踊り子や、八百長ボクサー、ギャングのボス、異国の皇太子など様々な人物の恋物語が全編にちりばめられる音楽を背景に繰り広げられる。
松は中学生の頃、本作を客席から観たとのことで、「『これはお芝居だよ』と言ってくれる舞台を観たのは初めてでした。『私はお芝居が好きなんだな』と分からせてくれた作品です。」と語った。串田和美は、「今回は22年ぶりの再演だが、これまでも、再演する度にアレンジや台詞も変えてきた作品。演劇でなければできない、演劇の楽しさを詰め込んだ舞台だと思う。」と語った。

ミニライブでは、登壇者を含めたバンドメンバーが登場。劇中の約30曲の内、4曲が演奏され、松たか子が出演者によるバンド演奏をバックにのびのびとした透明感のある歌声を披露した。メイン曲「もっと泣いてよフラッパー」では、フルメンバーが登場。松と同じく、踊り子役のりょうがつやのある高音を披露すると、続いて秋山菜津子が色っぽいハスキーな歌声で盛り上げた。学生時代にもサックスを演奏経験がある石丸幹二は、「ビッグバンドで演奏するのが夢だった。」という事で、さすがの音色を聞かせた。チューバを演奏する大東駿介は、当初の1カ月は音も出なかったそうだが、ソロパートを含め半年の音楽稽古の成果を感じさせる腕前も披露。
また歌唱力に定評のある鈴木蘭々に加え、松尾スズキもコーラスで参加。が、「歌も踊りもある舞台なので皆、音楽の特訓をしていますが、僕が出るのはそれ以外の部分なので、そこで何をするか特訓中です(笑)。」と語る一幕も。初演から続く、ノスタルジーと幸福感を刺激する音楽に加え、音楽監督を務める佐橋佳幸らの手により、新曲も加わるとの事で、ますます楽しみな舞台になりそうだ。
ミニライブ中は、記者達がペンを走らせながらも、笑顔で演奏と歌に聞き入る姿が印象に残った。ちらりと本編を垣間見せるミニライブを通して、芝居の楽しさを感じさせる串田和美のたくらみに記者達がすっかりはめられてしまったひと時だった。
公演は2月8日(土)から3月2日(日)まで東京・シアターコクーン、3月7日(金)から9日(日)まで長野・まつもと市民芸術館 主ホール、3月14日(金)から16日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて。チケットは発売中。
(2014年1月31日更新)
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