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池乃めだかがアートキャラクター「トらやん」に!? 
吉本新喜劇と現代アートによる初コラボ
「吉本新喜劇×ヤノベケンジ」記者会見レポート!

関西のお笑いの代表ともいえる吉本新喜劇と、大型機械彫刻作品で国際的に評価される社会派現代アーティストのヤノベケンジ、そしてヤノベが教授を務める京都造形芸術大学の3者のコラボレーションによる「吉本新喜劇×ヤノベケンジ」が、2014年2月14日~16日の3日間、よしもと祇園花月で開催されることが決定。ヤノベが起草したあらすじを、吉本新喜劇が笑いに包み込んで届ける。先頃、祇園花月で行われた記者会見には、ヤノベケンジ、本公演の座長を務める内場勝則、そして、ヤノベの代表作である「トらやん」の衣装に身を包んだ池乃めだからが登場。画期的な試みとなる本公演への意気込みを語った。

――まず、このお話を最初にお聞きになった時の感想をお願いします。

ヤノベケンジ(以下・ヤノベ):吉本興業さんから、去年の100周年の時にアートとのコラボレーションという話を1度受けていたんですが、お笑いの世界とどう関われるか、最初は困惑していたんです。その次に来られた時には、新喜劇と一緒に何かやって欲しいと。新喜劇といえば吉本興業の本丸。そことタッグを組ませていただくということは、吉本さんは相当な決心だと思い、これは引き受けるしかない。僕自身も今回のコラボをすることで、アーティストとしての評価が全くなくなってしまうのではというリスクは感じていたんです。でも、大阪生まれ大阪育ちで、毎週新喜劇を見ていましたし、ある意味、憧れのスターの方々と一緒にさせていただくというのは夢のような舞台。これは命がけでという思いで、関わらせていただきました。

内場勝則(以下・内場):最初、芸術家というのは難しい方かなと。でも、ヤノベさんにお会いした時に、「僕は美術館とかには行きますが、正直見にいっても意味分からんと、そのまま素通りします」って言うたら、ヤノベさんも「僕も分からないです。興味ないものは見ません」と。そこで、「良かった」と一気に近づきました。一番、面白いなと思ったのは、アートの世界っていうのは作ったものが後世まで残っていく。僕たち新喜劇は、作ったものはすぐ壊していくという。また、アートはメッセージがあるじゃないですか。新喜劇にはメッセージが一切ございませんので、何も参考にするものはないという。これをライブで、同時進行で見てもらう。こっちは壊していく、アートは残していく。そのぶつかり合いがどう変化していくのか、楽しみにしています。

池乃めだか(以下・池乃):ちょっと異論を言わしていただくと、新喜劇もメッセージがあると思うんです。子供の時に、勉強せえへんかったら、あんな人間になるでと(笑)。今日は、いよいよエライことになってきたなと、ヒシヒシ感じております。でも、怖いですけど自分のできる範囲で忠実にやっていくしかないんでね。とりあえず、えらいことになったなぁ、もう後にはひけんなと。

――ヤノベさんは、具体的にどういう形で関わられるのですか?

ヤノベ:最初は例えば美術セットだけを作るとか、僕自身の作品を貸すぐらいに思ってたんですが、あらすじから一緒に作っていこうじゃないかと言っていただいて、これはとても面白いなと。内場さんと脚本家の方と話を作って、ほぼ大筋はできつつあります。トらやんは2004年に発表した作品で、僕の作品を代表するキャラクター。バーコード頭でちょび髭の、元々腹話術人形のキャラクターだったんです。それを池乃さんが演じていただくという。僕が一番大事にしている作品を、新喜劇に捧げるという思いです。

――舞台美術は、ある程度決まっているのですか?

ヤノベ:僕自身は、できるだけ新喜劇のセオリーを壊さないような形にはしたいと思っています。実は、遠くの背景は、京都造形芸術大学の卒業生が中心になって、在校生と一緒に作らせていただきます。プラス、この新喜劇のプロモーションも学生たちが頑張ります。

――今回の舞台に込められたメッセージは?


ヤノベ:テーマとしては世界平和。今回、特にエネルギー問題についてはメッセージを込めていこうと思っています。が、新喜劇なので重たいメッセージを、どれだけいい形で皆さんが料理していただけるか。

内場:僕はメッセージはないです。見る人が感じることだと思うんで。我々の評価って、面白いか面白くないかだけなんでね。難しいことは京都造形大学の方におかませしまして、ぜひ面白いと言われるものを。こういう経験ってほんとにできないんで、違う刺激がすごくあります。色々な役者さんとコラボすることもありますが、また違ったふうなので非常に楽しみです。高卒の私が、まず大学生と関われるっていうのが嬉しくて。大学にお邪魔した時には、憧れのキャンパスやぁって(笑)。嬉しくて、寝転んだろかなと思いました。

池乃:ヤノベさんは、できるだけ新喜劇のセオリーを守りつつとおっしゃいましたけど、僕はそんなことは考えてもらわない方がありがたいなと。普段通りにと考えていただいたら、結局何にも得るもんがなかったりします。トシもとっておりますので、他の方たちも気を遣ってあんまり厳しいことをおっしゃいません。そんな中で好き勝手にやってたら、僕ら終わってしまうんです。毎年、新しいこと、トンデモナイことを、しんどいな、嫌やなと思ってやっても、終わった時には達成感があるんですね。ヤノベ先生には、あまり吉本新喜劇を考えずに、「俺の考えた通りにやってくれ」というような台本になった方がありがたいと思っております。

――座長として、今回の舞台で大爆笑を誘う自信は?

内場:自信はあります。絶対、大丈夫です。だって、めだかさんが、こんな格好(トらやん)してはるんですよ。また、内容も懐かしいと思えるところもありますし、設定だけでも楽しいものになってますんで。いつも通り、お子さまからおじいちゃん、おばあちゃんまで腹抱えて笑っていただけるものはお届けできると思います。

――舞台設定を言える範囲で教えていただけますか?

ヤノベ:2幕ものです。1970年の大阪万博開幕直前というシーンから始まって、時間旅行で、ある未来に行くという。あとは秘密なんですが、僕としてはかなり刺激的な内容で、とても破壊力のある新喜劇になると思います。

――アートとは違う、あらすじ作りの難しさはありましたか?

ヤノベ:今までトらやんとかゆるキャラのようなものをアートの世界に持ち込んだり、割とお笑いみたいなものを取り入れてはしてきたんですね。それが本場のところに行っていいのかっていう迷いは最初はあったんですが、それを越えさえすれば、開放的な気持ちで思いっきりぶつかっていくという楽しみでいっぱいです。

――元々、吉本新喜劇にどういうイメージを持っていましたか? また、将来的に吉本新喜劇とのコラボの予感はありましたか?

ヤノベ:新喜劇のセオリーは何かというと、昔から変わらぬベタなセットの中で、役者の方の狂気ともいえるぐらいの笑いの芸の中で巻き起こる人情劇ですね。その部分を、例えばアートの持つ分かりにくさとかで染めることなく、笑いと人情という劇の中にどう取り入れるか。吉本新喜劇っていうものの印象を残しながら、みなさんが理解してもらえるものにと。予感は全くなかったんですけど、この前もトらやんのスーツを池乃さんに着ていただいた時に、実は動揺しました。というのは、この作品を池乃さんのために作っていたんじゃないか、と思えるぐらいピッタリだったんです。そういう意味で、予感というか必然的に結ばれた何かがあったんではないかと。

「吉本新喜劇×ヤノベケンジ」公演は、2014年2月14日(金)、15日(土)、16日(日)に、よしもと祇園花月で開催。アートキャラクター「トらやん」に扮する池乃めだかを中心に、内場勝則、未知やすえ、Mr.オクレなど、新喜劇の豪華メンバーが出演する。

(取材・文/松尾美矢子)




(2013年11月27日更新)


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写真左から内場勝則、池乃めだか、ヤノベケンジ。
写真左がトらやん。

よしもと祇園花月夜公演2月
〈吉本新喜劇×ヤノベケンジ〉

発売中

Pコード:597-132

▼2014年2月14日(金) 19:00

▼2014年2月15日(土) 19:00

▼2014年2月16日(日) 19:00

よしもと祇園花月

全席指定-3500円

[出演]内場勝則/池乃めだか/Mr.オクレ/未知やすえ/他

※5歳以上または身長110cm以上のお子様はお席が必要となります。
※車椅子の方はチケット購入前にチケットよしもとコールセンター[TEL]0570(041)356まで要問合せ。
※ビデオ・カメラまたは携帯電話での撮影禁止。出演者は変更になる場合がありますので予めご了承下さい。尚、変更に伴う払戻しは行いません。
※最新の出演者情報はよしもと祇園花月ホームページでご確認下さい。

[問]チケットよしもと予約問合せダイヤル
[TEL]0570-550-100

よしもと祇園花月
http://www.yoshimoto.co.jp/gion/

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