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一般観客のトークバトルで決まる異色のランキング
「関西Best Act」の2013年度上半期分が決定!

私こと吉永美和子が主宰の一人を務める「関西Best Act」の2013年度上半期の話し合いが、7月21日に行われました。いわゆる“演劇の権威”的な方々が選ぶのではなく、ただ1つの条件「関西で3本以上の芝居を見た」観客であれば誰でも参加できる企画です。関西の芝居を対象にした賞レース的な企画はほとんどないこともあり、我ながら年々注目度が上がってきているなあと思います。
 

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※画像は劇団子供鉅人の『コノハナ・アドベンチャー2』のチラシ。

まず今年の作品部門は、Best Act史上最大級というぐらいの混戦具合でしたが、その中から1位に輝いたのは、アングラ・ポップとも言うべき世界で注目される、劇団子供鉅人の『コノハナ・アドベンチャー2』。2位は痛烈な視点の群像劇を得意とする劇作家・横山拓也のユニット、iakuの『流れんな』。3位は寺山修司の遺作を維新派の松本雄吉が演出した、パルコ・プロデュースの『レミング』が選ばれました。


実は子供鉅人は、2012年下半期の『幕末スープレックス』から連続しての1位。「『幕末…』とはまったく違うSF調の世界観と、オリエンテーリング形式の観劇スタイルが斬新」との声が寄せられました。僅差で2位となったiakuには「別段センセーショナルな題材を扱ってるわけじゃないのに、強烈な印象が残る。横山作品は本当にハズレがない」とのコメント。『レミング』は「台詞は間違いなく寺山なのに、維新派のリズムを貫き通し、しかも意外とすんなり頭に入ってくる舞台にしたのがすごい」という声が聞かれました。


続いて役者部門で1位になったのは、東京の演劇ユニット・カスガイの『バイト』で工員役を演じた、京都の劇団・悪い芝居主宰の山崎彬。2位は、男肉 du Soleil『石田剛太のスペース☆コブラ』で、ゲストであるにもかかわらず主役を張った、ヨーロッパ企画の石田剛太。3位は、大阪バンガー帝国の看板俳優・大塚宣幸(伊藤えん魔プロデュース『オズの魔法使い』)、パフォーマンスグループ・dots主宰の桑折現(烏丸ストロークロック『国道、業火、背高泡立草』)、近年は1人朗読劇に専念している林英世(「林英世のひとり語り」)、遊気舎の中堅女優・峯素子(iaku『流れんな』)の4人が同時受賞という、異例の事態となりました。※3位の表記は50音順


過去にも客演先の舞台の演技で、2回ベスト3入りをしていた山崎は、これが初のベスト1。「悪い芝居では役者としては抑え気味だけど、繊細な演技とダイナミックな演技を同時にできるすごい役者。欲を言うなら、男前キャラをもっと前に出して!」との意見。石田には「コブラっぽいキザな演技が意外とハマってた。他に出ていた芝居も含めて、今が旬? と感じさせるぐらいの勢いがある」などの声が。3位の役者たちには「どの舞台に出ても、印象深いけど悪目立ちもしないというバランスが良い」(大塚)、「作品のヘヴィな世界観を一身に背負った、強烈な色気がたまらなかった」(桑折)、「“照明変わった?”と錯覚させるほどの語りの力は、今や超能力に近いかも」(林)、「どんなにエキセントリックな役でも、演じている役柄のバックボーンがちゃんと見えてくるのは見事」(峯)など、全員ランクインの方向で話し合いが進んだのも無理はないと思うほど、熱心なコメントが寄せられました。


 「関西Best Act」は、最初に書いた通り、簡単な条件で誰でも気軽に参加できます。もし選ばれる作品(役者)の傾向に納得できなければ、次の話し合いに参加して自分の意見を反映することも可能なのです。また結果を決めることよりも、この話し合いでいろいろな人の芝居の見方に触れることができるのが、一番の楽しみ…という常連さんもおられます。次の2013年下半期の話し合いは、2月頃を予定。これを読んでいるアナタも、次は“審査員”になってみませんか?

(文/吉永美和子)




(2013年7月26日更新)


Check

●ランクインした劇団、俳優の公演情報

東京パフォーマンスドール PLAY×LIVE 『1×0』
[作]ウォーリー木下/登米裕一/横山拓也 [演出]ウォーリー木下
[出演]東京パフォーマンスドール/竹下宏太郎

発売中 Pコード:560-885
エピソード1
▼8月15日(木)~18日(日) (木)(金)19:00 (土)(日)13:00/17:00
エピソード2
▼8月22日(木)~25日(日)(木)(金)19:00 (土)(日)13:00/17:00
CBGKシブゲキ!!
全席指定-4800円 HMDシート-4800円
小学生・中学生・高校生-3500円(当日引換券/公演当日要身分証)
※未就学児童は入場不可。
[問]キューブ[TEL]03-5485-2252

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悪い芝居vol.15『春よ行くな』
[作・演出]山崎彬 [音楽・演奏]岡田太郎
[出演]呉城久美/大川原瑞穂/池川貴清/大塚宣幸(大阪バンガー帝国)/山崎彬/植田順平/宮下絵馬/北岸淳生/森井めぐみ

発売中 
▼8月22日(木)~8月27日(火)
(木)(金)19:30 (土)(日)13:30/18:30
(月)14:00☆/19:30 (火)19:00
in→dependent theatre 2nd
▼9月11日(水)~9月17日(火)
(水)(木)(金)19:30 (土)13:30/18:30
(日)13:30 (月・祝)15:00 (火)14:00☆/19:00
駅前劇場
[前売]一般-3000円 一般ペアチケット-2500円(2名1組-5000円)
学生-2000円 学生ペアチケット-1500円(2名1組-3000円)
高校生以下-1000円
※チケットぴあ取扱なし。ペアチケットは枚数限定。上演日時によって早割あり。当日券は一般、学生とも一人500円増し。公演詳細は悪い芝居公式サイトまで。
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ヨーロッパ企画「建てましにつぐ建てましポルカ」
[作][演出]上田誠 [音楽]滝本晃司
[出演]石田剛太/酒井善史/角田貴志/諏訪雅/土佐和成/中川晴樹/永野宗典/西村直子/本多力/花本有加/吉川莉早/菅原永二

※プレビュー公演
7月27日(土)10:00~一般発売 Pコード:430-322
▼8月31日(土) 15:00 栗東芸術文化会館さきら 中ホール 
前売-2000円(指定)
※未就学児童は入場不可。
[問]栗東芸術文化会館さきら[TEL]077-551-1455

発売中 Pコード:430-323
▼9月5日(木)~8日(日) (木)(金)19:00 (土)(日)13:00
▼9月7日(土)18:00
京都府立文化芸術会館 前売-3000円(指定)

7月27日(土)10:00~一般発売 Pコード:430-726
▼9月28日(土)13:00/18:00・29日(日)13:00
シアターBRAVA! 前売-4000円(指定)
※9/28公演は、おまけトークショーあり(ヨーロッパ企画メンバー)。学生シートは取り扱いなし。未就学児童は入場不可。
[問]サウンドクリエーター[TEL]06-6357-4400

※他、9/13(金)名古屋アートピアホール、9/18(水)~26(木)東京・本多劇場、10/3(木)広島・アステールプラザ中ホール、10/5(土)・6(日)福岡・西鉄ホール公演あり。

東京パフォーマンスドール PLAY×LIVE 『1×0』エピソード1
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1329557

東京パフォーマンスドール PLAY×LIVE 『1×0』エピソード2
http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1329572

悪い芝居公式サイト
http://waruishibai.jp/

ヨーロッパ企画
http://artist.pia.jp/pia/artists.do?artistsCd=36250136

関西Best Act公式サイト

http://maruta.be/kansai_bestact