ホーム > NEWS > 「関西に充満するエネルギーを示したい」 岩松了が“震災”をモチーフに初の書き下ろし! ピッコロ劇団員ほか、関西の精鋭たちが挑む
兵庫県立ピッコロ劇団が、関西で活躍する俳優たちと作品を作り上げる「ピッコロシアタープロデュース」。これまで、『真田風雲録』('10年)、『天保十二年のシェイクスピア』(’11年)、『劇場版 日本三文オペラ』(’12年)と、大人数でのパワフルな舞台を繰り広げてきた同劇団が、劇団代表、岩松了の作・演出による『泡-流れつくガレキに語りかけたこと』を上演する。
今作が劇団への初の書き下ろしとなる岩松は、ピッコロ劇団ならではの作品に仕上げるべく、地元の新聞から題材を探したという。「神戸新聞を2ヵ月くらい読んで探していたんですが、なかなかピンとくるものがなくて。ただ、そのときにずっと話題になっていたのが、ガレキの処理問題といじめ問題。以前、震災のガレキがアメリカの西海岸に流れつくニュースを見て、演劇にできないかなと思っていたんです。結局、兵庫県に限らない話にはなりましたが、普遍的なテーマではあるので、このふたつを軸に書くことにしました」。
描かれるのは、“海上生活者法案”により、海上で生活することになってしまった家族たちの物語。些細なことで社会生活を踏み外した人たちが暮らす海上に、ある家のガレキが流れてくる……。「ガレキといっても、かなり家に近いガレキ。みんなでそこに誰かを住まわせたい、虚になった部分に実を与えたいという話ですね。お盆の上に乗っかるように海上で暮らす人たちを描くことで、我々の気持ちの中に深く食い込んでしまった不安定さを表現できたらと思っています。現代を象徴するような、確定できないものが非常にうごめいている世界観を作りたいですね」と、語る岩松。総勢33名の出演者とともに作品を作ること、また、自身が関西で滞在制作をすることにも意欲を見せる。「ピッコロシアターのためにも、関西演劇界のためにも、こうして大勢が集まって交流することは、とてもいいことだと思う。私は普段、東京で活動をしていますが、東京でやっている自分も含めて、東京に敵対したい気持ちがとても強い。こっちにもこんなエネルギーがあるんだということを見せたいと思います。東京でやっていないことをやりたいという気持ち、エネルギーをある形にしたいという気持ちがとても強いです」。
また、孫高宏や平井久美子、森万紀らピッコロ劇団員も「劇団員としても待望の作品。岩松さんの書き下ろしは初めてですので、気合いが入ります。関西で活躍されている役者さんたちとのコラボレーションも楽しみにしてください」と意気込み、オーディションで選ばれた仙台出身のマイク・ハンは「他人事とは思えない。後世に残るような作品にしたい」と語った。
架空の世界に“生”の感覚を生み出し、静かな中にも熱いエネルギーがみなぎる岩松作品。80名を超える応募者の中からオーディションで選ばれた16名の精鋭たちと、17名のピッコロ劇団員とともに作り出す、関西発の貴重なステージだ。
【あらすじ】
社会とつながろうとして失敗した家族は
海の上で暮らしていた
漂流するその家族たちにゆっくりと
ガレキが、家のガレキが、近づいてくる
ガレキは漂流家族たちの間をぬって
海辺へと流れてゆく。
家族たちは新しい社会とのつながりを求めて
そのガレキを追うが……。
(2013年2月19日更新)
発売中
Pコード:424-622
(公演日3日前まで発売)
▼2月21日(木)~24日(日)
(木)19:00
(金)14:00/19:00
(土)13:00/18:00
(日)14:00
兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
一般-4500円(指定)
大学・専門学生-3000円(指定)
高校生以下-2500円(指定)
[作][演出]岩松了
[出演]東 龍美/今井佐知子*/今仲ひろし*/今村彩夏(劇団てんてこまい)/岡田 力*/杏華*/ことえ(空間悠々劇的)/こんどうけいいち(演劇集団ザ・ブロードキャストショウ)/佐野 剛*/サリngROCK(突劇金魚)/孫 高宏*/高橋恵美子/立花明依/橘 義*/土居志央梨/道幸千紗*/中川義文*/新居則子(劇団パロディフライ)/丹羽実麻子/野秋裕香*/原 竹志*/平井久美子*/風太郎*/マイク・ハン/松田早穂 (ベビー・ピー)/三木千種 (劇団ひまわり)/峯 素子(遊気舎)/森 好文*/森 万紀*/山田まさゆき(突劇金魚)/山田 裕*/吉村祐樹*/渡部純二
※未就学児童は入場不可。
[問]兵庫県立ピッコロ劇団
[TEL]06-6426-8088
ピッコロシアター公式サイト
http://hyogo-arts.or.jp/piccolo/