襲名披露公演に襲名披露スペシャルウィークと
この夏のなんばグランド花月は六代桂文枝一色に

7月16日（月・祝）に大阪・なんばグランド花月で行われる『三枝 改メ 六代 桂文枝 襲名披露公演』で六代目・桂文枝を襲名する桂三枝が4月25日、会見を開き、公演概要とポスタービジュアルを発表した。

なんばグランド花月を訪れたお客様からの祝福の拍手を浴びながら始まった会見。まずは三枝がご挨拶を。

桂三枝（以下、三枝）「7月16日に六代目文枝を襲名させていただくことになりました。去年の7月16日に記者発表をさせていただきました時は、まだまだ先だという気持ちでしたけども、そしてまだ文枝を継ぐ実感がなかったんですけども、あと2ヶ月となっていよいよかと、本当に今、緊張しております。春團治師匠に報告し、米朝師匠に報告し、段々襲名するんだなという実感がわいてまいりました。亡き五代目文枝師匠に喜んでいただけるような襲名披露興行になるように、そして私も師匠の所に入門した時には、まさかこういう形で師匠の名前を継がせていただくとは思っていませんでしたけども、六代文枝として恥じない芸人になりたいと思います。そして、7月16日は東西の落語家さんに集結していただきまして、今までいろんな落語会に出ましたけども、こんな豪華なメンバーで、なおかつ一番最後に出していただくことを考えただけでも、これから眠れないんじゃないかと思います。ですから、できるだけ考えないようにしながら襲名に向けて調整していきたいと思います」

同公演では、三遊亭圓歌、桂歌丸、桂春團治、笑福亭松之助ら東西の名人が多数集結し、華を添える。そんなゲストについて以下のように語った。

三枝「東京からは三遊亭圓歌師匠。落語協会の前々会長、前会長で馬風師匠ですから、圓歌師匠にも上方落語協会会長になりました時から教えていただきまして、桂歌丸師匠は芸術協会の会長でございまして、両協会から来ていただきます。そして関西からは春團治、松之助師匠、仁鶴師匠、ざこばさん、染丸さん、文枝の一門からはきん枝くんと文珍くん、そして私の一門からは三歩という、本当に豪華なメンバーで盛り上げていただけて。今から考えるとちょっとどんな落語会になるのか想像できないんですけども、たくさんの人に観に来ていただいて、“落語はすごいな”“元気があるな”ということを吉本興業の人にもわかっていただきたいし、大阪のお客さんにも“落語、やるなぁ！”というところを見ていただきたいという気持ちです」

続いて先代文枝への思いと、六代文枝を襲名するにあたっての決意を述べた。

三枝「いつも言いますが、五代目文枝は見事に五代目の役を果たされたと思います。それは、戦後消えなかった上方落語を次世代に継承いたしました。そして、次代を担う弟子を20人も育てました。私は六代目として師匠との違う文枝像をこれから一生懸命努力して、作っていきたいと思っています。六代文枝をよろしくお願いいたします」

今回発表されたポスタービジュアルは3月下旬にニューヨークで撮影され、レディー・ガガとのコラボ写真でも知られる世界的なファッションフォトグラファー、テリー・リチャードソンが手がけた。今までにない襲名ビジュアルを打ち出している三枝に、その感想やニューヨークでの撮影エピソードを聞いた。

三枝「私、失礼ながらお会いするまでテリー・リチャードソンさんという方を知らなかったんです。レディー・ガガを撮った方ということで、ニューヨークへ行きました。丸一日いたのは２日間という非常に厳しいスケジュールでニューヨークに参りました。そして、どんなスタジオで撮るのかなと思っておりましたら、下町のビル街のオフィスみたいなところでして。このウィンクしている写真は、3つ目の衣裳の時のものなんですが、本来は襲名の写真って座布団を敷いていないんですが、あまりにも床が汚くて座布団を下に敷いてもらいました(笑)。まあ、撮り終わったら写真の処理で消してくれると思ったんですが、そのままで。後ろの壁も本当はスクリーンとか使うと思うんですけど、本当に壁なんです。ここでオバマ大統領やレディー・ガガを撮ったそうですが、テリー・リチャードソンさんはこういうポーズを撮ってくれと言うんですけど、そのポーズがやったことのないもので。口をあけて舌を出してくれとか、そんなんできませんと言うわけにもいかないですし、向こうの言うままに撮られました。こんな襲名の写真は見たことがないですが、これは３、４枚撮ったうちの1枚で、テリーさんはすぐOKと言うんです。それですぐ違うものを撮りに行くんですけど、何を撮ってるのかなと思ったら、脱ぎっぱなしのはかまとか撮ってましたね。これが面白いと言って。実に変わった方でございまいた。それで、これを撮り終えて隅で着物を着替えていたら、私の着物用のカバンをいつの間にか座布団の上に置いて、それを撮ってましたね」

他にもこんな珍しいエピソードが。

三枝「まあ、着替え中にパンツ一丁になったら、そのまんま来てくれ、来てくれと。そして私は下着１枚で“ええ!?”と言いながら行ったら、テリーさんも脱いで、パンツ一丁同士で撮ったりして。本当に貴重な経験をさせていただきましたね」

そんなニューヨークの現場にも同行し、オフショット撮影を担当したフォトグラファーの新田桂一のもと、2012年度内に桂文枝襲名記念写真集を発売予定だという。

なお、襲名披露公演の翌日7月17日(火)から23日(月)まで、なんばグランド花月では、“スペシャルウィーク”と題して展開。三枝は、全3回公演の口上をゲストとともに務めるほか、六代文枝襲名記念の吉本新喜劇にも出演する。なおゲストは後日発表。

『三枝 改メ 六代 桂文枝 襲名披露公演』は7月16日になんばグランド花月で上演。チケットは5月12日(土)より一般発売開始。チケットぴあでは4月30日(月・祝)から5月10日(木)まで先行抽選販売(プレリザーブ)を実施する。7月17日から23日の『なんばグランド花月』は順次チケット発売開始。

（2012年4月26日更新）

Tweet Check