さらなる成長のために
セレッソ大阪のエース、柿谷曜一朗が海外へ挑戦
リーグ5連覇中で来シーズンのヨーロッパチャンピオンズリーグにも出場するスイスの強豪、フースバル・クラブ・バーゼル1893への完全移籍が発表されたセレッソ大阪のエース・柿谷曜一朗。7月9日に記者会見が開かれ、時おり目に涙を浮かべなから移籍を決断した理由などを語った。
「2012年に帰ってきて、このチームで8番をつけてプレーできると決まったときは、セレッソにいていちばん幸せやった時間かなと思います」とセレッソでの思い出を語った柿谷。4歳からセレッソ大阪の下部組織で育ち、2006年にはクラブ史上最年少の16歳でプロ契約。2009年途中に期限付き移籍した徳島ヴォルティスから2012年に復帰してからは主力としてチームを牽引し、昨年は「森島さんから直接言われたときは少し泣きそうになるくらい感激しました」と憧れだった8番を継承した。その8番の重圧を背負いながらも、昨シーズンはリーグ戦34試合に出場し21ゴールをマーク。終盤まで優勝争いを展開する原動力となっていた。
セレッソがめちゃくちゃ好きで、セレッソでタイトルを取りたいという想いを抱えていたこともあり、「自分からセレッソのユニフォームを脱ぐというのはすごく難しい決断でした」。それでも移籍を決めた理由については、「理由はたくさんありますが、やっぱりワールドカップを経験して、個人的にも日本の力というものを世界に示せなかったというのがすごく悔しかった。もっといい準備ができ、もっとチームに貢献できたんじゃないかと思いました。あの舞台ではベンチから見ている時間が多かったですけど、本当に中心選手として試合に出たいという気持ちが強くなったというのもひとつの理由です」とのことだった。
7月16日(水)付けで完全移籍となるため、”セレッソ大阪の柿谷”として出場可能な試合は7月12日(土)に行われる天皇杯2回戦と、15日(火)のJ1リーグ第12節・川崎フロンターレ戦の2試合のみ。出場するのかは分からないが、川崎戦の終了後にはセレモニーが予定されている。
「自分が尊敬している人たちのいいところを全部取り入れて、取り入れることができたらまたこのチームで本当の8番をつけられる選手になれるんじゃないかと思います」とも語った桜のエース。4年後に向けた世界への挑戦が始まる。
取材・文:金子裕希
(2014年7月10日更新)
Check