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フランスで大絶賛!
林英哲が画家・藤田嗣治の人生を太鼓で描く

世界各地で日本のエンタテインメントとして人気が高まっている太鼓。多くの太鼓集団が誕生しているが、その第一人者と言えるのが林英哲だ。11年間のグループ活動後、1982年よりソロ活動を開始、1984年に初の和太鼓ソリストとして、ニューヨークのカーネギー・ホールでデビューした。2000年にはベルリン・フィルと共演するなど、全世界の交響楽団と共演多数。新しい音楽としてのオリジナルな太鼓表現を築き、日本の文化紹介のため国際的な派遣も多い。その創作活動を披露するのが、毎年お正月恒例の「新春スペシャルコンサート」だ。

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2018年は海外公演を5回も開催した林英哲。そのうち3回がフランスで、10月には日本政府主催行事の一環で、パリのフィルハーモニーホールで上演。披露したのは、アーティストを主題にしたテーマ性のある作品のひとつで、画家・藤田嗣治を取り上げた『レオナールわれに羽賜べ(はねたべ)』。1時間近い組曲を終えると、満席のフランス人客が総立ちでブラボーの嵐に。「こんな音楽的なことが太鼓でできるとは!」と絶賛された作品を今回上演する。

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フランスで創作活動をしていた藤田嗣治は今年が没後50年。「『レオナール』は、曲の展開がそのまま藤田さんの人生のストーリーです。最初は船出から。まだ見ぬ異国に、画家を志した若いアジアの青年が、ひと月近くかけて船で行く。太鼓をいろいろなものに見立て、さまざまな打ち方で。左右の太鼓をひとりで打ち分けるシーンは、ヨーロッパとアジアの間で悪戦苦闘した日本人を表現しようと。また、僕の作品には珍しく、道化のシーンがあります。ピエロが出てくる。藤田さんはおどけたキャラクターも人気だったので、作品に取り入れたくて。2度の大戦のシーンや、最期を迎えるシーンも。藤田さんの絵のイメージは衣装などに反映させています。セリフがあるわけでも、芝居をするわけでもないんですが、かなり演劇的な組曲です」。“英哲風雲の会”のメンバーも成長し、俊英4名が林と共に作品に挑む。

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「譜面や指揮者がある音楽とも対応できるレベルの、演奏家としての太鼓打ちを育てないと、と思ってきて。ダイナミックな組曲の形式がうまくこなせ、複雑な構成にも対応できるようになりましたね」。フランスからは何度も呼ばれる。「ヨーロッパでは、太鼓はお祭りという感覚はなく、ステージパフォーマンスのアートという受け取り方で、作品の意図をくみ取って高く評価してくれる。僕は、太鼓をその位置まで持っていきたいと思ってずっと続けて来ました。とても時間がかかりましたが、ありがたいことだな、と、今思っています」。
 
公演は1月3日(木)、大阪・森ノ宮ピロティホールにて。チケット発売中。

取材・文:高橋晴代
撮影(公演写真):S.Oguma



(2018年12月27日更新)


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撮影:サイトウリョウ

林英哲 新春コンサートスペシャル2019

チケット発売中 Pコード:128-885
▼2019年1月3日(木) 13:00
森ノ宮ピロティホール
全席指定-7500円
[共演]英哲風雲の会
※スペシャルゲスト山下洋輔は怪我のため出演中止となりました。予めご了承ください。
※未就学児童は入場不可。
[問]キョードーインフォメーション■0570-200-888

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