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ホーム > NEWS > 『MINAMI WHEEL 2015』の出演者の中から 独断と偏見と愛をもってススめる 大好評ミナホ“推しメン”5周年企画・第4弾は ライター鈴木淳史さんからの熱いレコメン!

『MINAMI WHEEL 2015』の出演者の中から
独断と偏見と愛をもってススめる
大好評ミナホ“推しメン”5周年企画・第4弾は
ライター鈴木淳史さんからの熱いレコメン!

 大阪ミナミのライブハウス20ヵ所以上を舞台に繰り広げられる、関西音楽シーンの秋の名物イベント『MINAMI WHEEL』。パス1枚で1日ライブ見放題のスタイルで、400 組以上が出演するこの巨大イベント。そこで、ぴあ関西版WEBでは、毎年大好評のカウントダウン企画として、関係各者が選んだオススメアーティストをピックアップする『MINAMI WHEEL 2015 “俺の推しメン” 5th Anniversary』を実施! そう、今年で5周年なんです!! 第4回目は、音楽からお笑いまで、時にはラジオDJにイベントも開催と幅広く活躍する、ライター・鈴木淳史さんがレコメンド!

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 今年で何と5年目となるこの原稿だが、3年前にすでにこんな言葉を書いている。というか、こんな言葉で〆ている。

“てなわけで、今年の紹介も終わったわけだが…暑苦しい…。我ながら暑苦しい…もはや熱苦しいという方がピッタリだろうか。ロックでもポップでもフォークでもエレクトロニカでもダブでもヒップホップでもレゲエでもインストゥルメンタルでも何でもいいんです。心意気を感じるか、上辺だけでなく、チャラくなく、本気でやっているか。そんなもんだと思います。あくまで、僕は3つのバンドの話をしましたが、皆さんそれぞれの熱いバンドを探してください。ウィスパーボイスでも凄い人なら、熱を感じられますから。おあとがよろしいようで”

 これに少し付け加えるとしたら、普遍性のメッセージがあるかどうか。特に言葉がある音楽なら、絶対に大事。そして、風景や情景を感じるか。これは、インストバンドでもトラックメーカーでも感じられますからね。歌が入ってようと入ってまいと、歌心を感じるんですよ、ええ音楽は。毎年敢えて数を絞って、熱を込めて、お送りしております。てなわけで、今年も参りませう。


 初日は、同じ共通点を持つガガガSPKidori Kidori。“どこに共通点あるんだよ!”と怒り狂ってるそこのあなた。分からないですかね? そう2組とも崖っぷちを経験して、そこから這い上がってきているのです。ガガガは’05年にコザック前田(vo)氏がパニック障害を起こし、Kidoriは’14年にベースが精神疾患で脱退。そして共に、その直後に出した作品、『青春狂時代』と『!』が素晴らしかった。で、2組とも、僕はそれまでに全く出会いがなかったのも付け加えておきたい。どのタイミングで出会うかなんかは本当に分からなくて、僕は偶然タイミングが、そういう時期だった。でも、明らかに2組とも作風が変わっていた。何か突き抜けた感じがした。崖っぷちを味わった人間だからこそ、描ける哀愁…。一度、突き抜けた人間は強い。

 さぁ、2日目でやんす。結成20年、デビュー15年のキャリアを持つ大阪のバンドPAN。何と言っても、11月11日(水)発表のニューシングル『想像だけで素晴らしいんだ』が、本当に会心の一撃。サンプル盤を9月頭に頂き、我が家のラジカセから鳴り響いたとき…今までのPANと全く違う空気が漂った。“…あれ…これナニ…何かエライ風が吹いてる…”ってなった。だが、前述の2バンドみたいに何か崖っぷちがあったわけでもない。なのに何故、こんなに変われるんだ!? それも、このキャリアで。昔、某音楽雑誌がやたらめったらアホみたいに“覚醒”という言葉を使っていたが、覚醒とはこういうときに使うもんだろう。やっぱりずっとライブハウスでやっているバンドは、野球で言うところの肩が本当に強く仕上がっている。どう覚醒したかは想像して、とにかく当日耳を傾けなはれや!

 続いて、この人たちは結成5年で、今年メジャーデビューしたばかりと一見新人バンドなんですが、実は全員三十路過ぎ。てか、どこまで書いていいか分からないんだけど、みんないろんなバンドを経験してきて、そこでのザ・チャレンジなんですよ。名は体を現すというけど、本当にチャレンジしている。不動のセンターである沢田チャレンジ(vo)氏は10代の頃のエピソードから一方的に知っていて、過去の2バンドも知っている。結局辞めなかった、結局諦めなかった…そして今、とにかく明るいバンドでぶちかましている。そのね、知る必要はないかもなのよ。でもね、知っていたら楽しいのよ、物語(ストーリー)って。そんな物語(ストーリー)があるなんてことを全く勘付かせないくらいに、明るくハッピーなヴァイブスをぶちまけてるから、是非とも遊びに行ってくださいな。

 でもって、夜の本気ダンス。先日メジャーデビューが発表されたり、各フェスでもものすごい数のキッズが踊り狂ったりと今や上り調子で、僕みたいに下手したら老害にもなるかも知れないようなヤヤコシヤのライターが応援しなくても十分なんだろうけど。ただ、ひと言だけ書かせてください。彼らのダンスミュージックは本物です。速いだけで体をスポーツ的に動かすだけの音楽ではなく、心が動かされる音楽…真のダンスミュージックだと思います。言葉が素晴らしい、メロディが素晴らしい、何よりもミディアムテンポが素晴らしい。一度、『You&I』というナンバーを聴いてみてください。以上です!

 3日目。去年、書かせてもらったバンドの“さよなら、また今度ね”が、何と活動休止になってしまった…。去年の音源も素晴らしかったから、本当に驚いたニュースであった。が、菅原達也(vo&g)くんが早速、新バンドを立ち上げた。それがめ組。現時点では音源発表はなく、YouTubeで『500マイルメートル』という楽曲のPVが上がっているのみ。さよなら時代から菅原くんの楽曲はポピュラリティを感じさせる壮大なロックンロールで、何よりもキャッチー。さよなら時代から、ずっと大手音楽雑誌が応援しているのだが、その雑誌が90年代に応援していたバンドたちを彷彿させるような、流行旬に捉われない衝動性と普遍性を感じることが出来る稀有なバンド。『500マイルメートル』含め、菅原くんのバンドのPVにはユーモアがある。そこも大好きな点。で、何よりも両手を突き上げたくなるメロディーセンス! 始まったばかりですが、本当に楽しみ。余談ですが、彼が選ぶ女子メンバーの存在感が素晴らしい。存在感のあるメンバーを選べるというのは、フロントマンのセンスでしかないですから。てか、いつか“さよなら、また今度ね”もやってね。

 いよいよラスト!!  Helsinki Lambda Club。今年3月に1stミニアルバム『olutta』を発表。そのときにはフライヤーに文章を書かせてもらったりもした。その文章も踏まえつつ、改めて書かせていただきたい。まぁね、言うてまえばオールディーズでノスタルジックなバンドです。ルーツミュージックは大切だが、知っていたら偉いなんて小難しいことを一切言うつもりはない。僕はねコード進行とか分かんねえけど、このバンド、そんな大変なことはしていないかも知れない。コピーだってしやすいかも知れない。でもね、そんなことは、どうでもいい。彼らはシンプルなルーツミュージックを愛しながらも、本気でファッションミュージックになろうとしている。ルーツを否定するなんて誰でも出来る。時代を上手に操れば、ファッションになることも、そう難しいことではない。ただ、僕は永遠に残る音楽を聴きたい。消費される音楽なんて、まっぴらごめんだよ。こんなにカッコいい古臭いことを今の時代に敢えて叩きつけている素敵な阿呆が、この世界、今どこにいる!? 誰もやっていないことを一生懸命誠実に貫き通す…それがロックンロールやと信じている。テレキャスターで変拍子が流行旬の時代…“ロックは死んだ”って言われ続けて“あの娘がどうとか”歌い尽くされた時代…僕らの前に現れたHelsinki Lambda Club。怒りと哀しみのメッセージを恥ずかしげもなくストレートにぶちかますヘルクラ(勝手に略してゴメン!!)で、最終日をぐっちゃぐっちゃに終わらしてください。


 わぁ~今年は過去最多の7バンドを書かせてもらいました。セックスマシーンボールズは昨年書いたので、今年は敢えて書いてませんが、相変わらずのパッション野郎たちです。何の心配もしていません。

 あとね、おまけ的にちょいと書かせて貰います♪ 初日になんばHatchで開催の『MINAMI WHEEL 2015 EXTRA EDITION』も要注目。去年9月1人になった志磨遼平…様々なメンバーを従えているが、今回はいったいどんな形態で現れるのかドレスコーズ!? 10月7日発表のニューアルバム『ねむらない』で…ここではない、どこかへ完全に連れて行ってくれる最強の浮遊感を手に入れた髭!! MO’SOME TONEBENDERは、もう何も考えないで、とにかく耳の穴をかっぽじ~て、(心の中で)正座して轟音に身を委ねろ!! 何はともあれ、素敵な音浴び3日間をお過ごしください。おあとがよろしいようで。




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ライター 鈴木淳史
Twitter: @suzudama14


関西の名物イベンターである清水音泉協力のもと、’09年から主催するイベント『SUZUDAMA~鈴木魂~』が、何と7年目8回目を迎えます。今年は初のトークライブ『SUZUDAMA’15~真剣バンドマンしゃべり場~』と題して、10月23日(金) 19:30~難波はLoft PlusOne Westで! 日高央(THE STARBEMS)、TOMOVSKY、北島康雄&U太(四星球)、山本剛義(ボールズ)が喋くり倒します!! 40代、30代、20代の熱いトークバトル(!?)を私、鈴木淳史が見届け進行をいたします♪ 本業は雑誌ライター・インタビュアーで、ABCラジオ『よなよな~なにわ筋カルチャーBOYZ~』(火曜22:00~25:00)では喋り手を担当しとります☆

(2015年10月 6日更新)


Check
ガガガSP●10/10(土)14:15~心斎橋JANUS
PAN●10/11(日)17:00~BIGCAT
ザ・チャレンジ●10/11(日)20:00~サンホール
め組●10/12(月・祝)16:00~AtlantiQs
Helsinki Lambda Club●10/12(月・祝)20:15~americamura FANJ twice

MINAMI WHEEL 2015
“オレの推しメン!” 5th Anniversary特設サイト

他のセレクターも続々登場! 出演者やタイムテーブル
お得情報に関連イベントetcはこちらをチェック!!

https://kansai.pia.co.jp/special/minamiwheel2015/


Live

『MINAMI WHEEL 2015』

チケット発売中 Pコード269-763(1日券)
▼10月10日(土)~12日(月・祝)14:00
ミナミ・ライブハウス各所
土曜日券3500円 日曜日券3500円 
月曜日券3500円 ※3日通し券はSold Out!!
【お問合せ】FM802 リスナーセンター info@funky802.com
※6歳以上は有料。出演者、会場、開演時間は変更となる場合があります。

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