アイヌ語で「蝶」の意味を持ち、「ウポポ」と呼ばれるアイヌの伝統的な歌の再生と伝承をテーマに活動している女性４人によるグループが、MAREWREW(マレウレウ)だ。同じメロディーを1拍ずつずらして歌い継ぎ輪唱する「ウコウク」というスタイルは、天然のトランス・ミュージックとも呼ぶべき稀有なもの。昨年夏には待望の1stフルアルバム『もっといて、ひっそりね。』をリリース。オーストラリアやチェコ、イギリスなどで様々な音楽フェスにも出演した。

 

　そんな彼女たちの「マレウレウ祭り 大阪編 vol.3」が8月9日(金)大阪・東心斎橋のCONPASSにて開催される。その魅力の拡がりは、UA、SPECIAL OTHERS、サカキマンゴー、キセル、オオルタイチ＋ウタモ、木津茂理、細野晴臣など、過去の共演者からも分かるが、今回の共演には、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文が決定。

 

　この組み合わせを意外に思う人も多いだろうが、後藤はここ2年連続で、アイヌの聖地・白老(シラオイ)で行われる『TOBIU CAMP』というフェスに出演している。そのきっかけとなったのがマレウレウだ。「音楽は本来、ロックやレゲエやヒップホップ、クラシックやジャズだって、その土地と結びついているものだと思う。だから、その土地のことや国のこと、文化のこと、大きく言えば歴史を学ぶことに直結する。そういう音楽との接し方も、生活を豊かにすると思う」と後藤は語る。

 

　なお、京都ではurbanguildと和泉屋旅館での公演も決定している。ライブで本領を発揮するマレウレウの「ウポポ」の魅力。一緒に歌う観客とのセッションも、強烈な体験となるはずだ。