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関西最大のライブサーキット
『MINAMI WHEEL 2012』の出演者の中から
独断と偏見と愛をもってススめる
ラインナップ“推しメン”企画リターンズ・第2弾!

 大阪ミナミ一帯のライブハウス20ヵ所以上を舞台に繰り広げられる、関西音楽シーンの秋の名物イベント『MINAMI WHEEL』。パス1枚で1日ライブ見放題のスタイルで、これからの音楽シーンを担う注目新人を中心に、今年もジャンルレスに300 組以上が出演する同イベント。ぴあ関西版WEBでは、昨年好評を博したカウントダウン企画として、関係各者が選んだオススメアーティストをピックアップする『MINAMI WHEEL 2012 “俺の推しメン” リターンズ』を始動。第2回目は、音楽からお笑いまで、時にはイベントも開催と幅広く活躍する、ライター・鈴木淳史さんがレコメンド!

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 関西音楽界の『なるほど!ザ・秋の祭典スペシャル』と言えば『MINAMI WHEEL』なわけだが、思い返せば僕が大学生の頃、つまり90年代後半に産声を上げたこのイベント。今や新人発掘青田買い的な意味合いもあるイベントになっているが…とここまでは全く去年と同じなので、去年の原稿を覚えてくださっている方はお怒りでしょうが…。さぁ、さっさといきましょう! 今年は、3バンドを紹介させて頂きます。やはり、関西のイベントですから、最初は(東)大阪のバンドから。

 ギャーギャーズ。もう字面だけでうるさい…(褒め言葉ですよ)。去年、十三ファンダンゴのヤングスタッフから、やたらと薦めてもらったのが彼ら。で、オールドスタッフという書き方は失礼ですが、店長のTさんやバーカンにおられるTさんという年配の渋い男性チームからも話は聞いていたのです。約20年ずっと現場を見ているダブルTのおふたりも言うのだから間違いないと思いつつ、機会を逃しまくり、気が付いたら2012年。ある日、とあるバンドのイベントにライブレポで向かったわけです。ゲストバンドの1つとして観たわけですが、まぁ圧倒的でした。「何が圧倒的か?」って、音が圧倒的にギャーギャー凄いんですよ。これ、ふざけてるんじゃないです。左端にドラムくん、そして竿隊3人がずらりと並ぶ。右端のギターくんがボーカルでありまして、とにかく始まるやいなやマグマのようなグルーヴが跳ねるんですよ。まるで鍵盤くんがいるかの如く。個人的に泥んこ野球みたいな表現が好きなんですが、まぁ思いっきり泥んこ野球ですよ。ちょっと野蛮な感じもいい。あと、特筆すべきは単なる土着的な感じだけで終わるんじゃなくて、踊れるってこと。だから跳ねると感じるし、まるで鍵盤くんがいるんじゃないかとも思う。それで迫力の度合いはギャーギャーしているから、たまったもんじゃない。気が付けば私、ライブレポを忘れて踊り狂っていました。主催者のバンドマンさんに言われましたよ。「凄い踊ってましたね!」って。少し申し訳ないなとも思ったのですが、そのバンドマンさんも「そりゃ、踊るでしょ!」って顔してたし、嬉しそうだったから、エエとしませう。てなわけで、みんなでギャーギャーズを観て、ギャーギャー騒ごうよ。最高に楽しいから。

 さて、お次は福岡出身で東京を拠点に活躍するBoogie the マッハモータース。去年、京都のメトロでサエキけんぞうさんと野宮真貴さんのインタビューをしたわけです。ハルメンズという、昔サエキさんがされていたバンドを約30年ぶりに始動させ、ゲストボーカルに野宮さんまで迎え…そんときにバックバンドとして、お声が掛かったのが彼ら。80年代のテクノサウンド…まぁYMOが筆頭なわけですが、懐かしのニューウェーブな匂いがプンプンする。ちょうど、この『MINAMI WHEEL』が始まった頃、ニューウェーブバンドが東京で流行りましたよね。いろいろなバンドが出て、結局そこから残ったバンドはポリシックス。何で彼らだけ、がっつり爪痕を残せたんだろうと考えるわけです。それは結局、ニューウェーブという形に捉われなかったから。とにかく鳴らしたい音を鳴らす。当たり前っちゃ当たり前のことですが、これは難しいわけですよ。文章でも何でもそうですが、ひとつの形が出来ると、そこに乗っかるのが簡単なわけですから。そして、無機質に見せて、熱があった。で、このBoogie the マッハモータース、まさしくそうなんです。だって、単なる四つ打ちのおしゃま気取ったピコピコさんなんて、すぐ消えちゃいますから。でも、Boogie the マッハモータースにはバンドの熱がある。サエキさんと野宮さん、インタビューのときに言ってました…「とにかく音が凄かった…」。何か、2組続けてアニマル浜口的な「気合いだ!」みたいなニュアンスになってんじゃないかって、今さらながら心配になってきました…。まぁ、最近では珍しいタイプのバンドですし、特に関西にはなかなかいないですから、体感して欲しい。ピコピコなんだけど、ちゃんとバンド感があってタイトで気持ちE。ちょっと切ない感じがあるのも、この季節にはエエかもですね。

 そして、ラストです。D.W.ニコルズ。ニコルズを最初に観たのは、2年前の初春でした。何か、さっぱりした感じの小奇麗な歌モノイベントで、そんときの僕にはビビビとはこなくて、当たり障りのない挨拶をした覚えしかない。そして、ちょうど2ヵ月後の『OTODAMA 音泉魂~ヤングライオン編~』。主催イベンターの清水音泉に所属する若手バンドが『OTODAMA~音泉魂~』への参戦権を賭けて戦うというプロレス的なイベントなのだが、この日、個人的にはニコルズが開花したような気がした。雨というコンディションの悪さの中、あるバンドはバケツから水をかぶり、あるバンドはトイレの屋根に登り、あるバンドは水がたまった舞台上をスライディングするなど、どのバンドも火事場のクソ力でイベントの趣旨に応えていた。

 それらのバンドはいわゆるロック色強いバンド、ニコルズのようなアコギを主体とした歌を聴かせるバンドは非常に戦いにくかっただろう。しかし、ボーカルのわたなべだいすけは2ヵ月前とは別人のように「みんなの方にまで屋根よ伸びろ~!!」などと、いい意味で意味不明だけど心意気をしっかりと持ったライブをした。僕は歌をしっかりと聴かせる人も好きだし、ゴリゴリの衝動で押し切る人も好きだ。ただ、どんなジャンルであろうと気持ちのこもっていない人は伝わらない。その日から観るライブ全て、ニコルズは魂の叫びだった。爽やかな歌声と爽やかな演奏なのに、MCになると、まるでSCOOBIE DOのコヤマシュウかKING BROTHERSのケイゾウかというような気迫バッキバッキの言葉を放ち出す。死ぬ気でやってんだなと思う。もちろん歌声も演奏も爽やかなんだけど、必死に届けようとする力を感じる。意識は持てば持つほど変わる、そう思わせてくれたバンド。ライブ前にメンバーが握手するとこなんかも、たまらなく好きだ。これから戦いへ挑む雰囲気を凄く感じる。普通、春風とかについて歌ったら、MCは「大阪のたこ焼き大好きです!」なんていうぬるさでも許されるんだけど、彼らは違うよ。挑発してくるから、煽ってくるから、鼓舞してくるから。その辺のカッコだけのロックバンドなら、すぐ足元すくわれちゃいますよ。

 てなわけで、今年の紹介も終わったわけだが…暑苦しい…。我ながら暑苦しい…もはや熱苦しいという方がピッタリだろうか。ロックでもポップでもフォークでもエレクトロニカでもダブでもヒップホップでもレゲエでもインストゥルメンタルでも何でもいいんです。心意気を感じるか、上辺だけでなく、チャラくなく、本気でやっているか。そんなもんだと思います。あくまで、僕は3つのバンドの話をしましたが、皆さんそれぞれの熱いバンドを探してください。ウィスパーボイスでも凄い人なら、熱を感じられますから。おあとがよろしいようで。




suzudama11.jpgライター 鈴木淳史
Twitter: @suzudama12


『OTODAMA~音泉魂~』の勝手に後夜祭『SUZUDAMA~鈴木魂~』というイベントを4年もやらしてもらってる僕ですが、ライターのイメージが薄いらしく、たまに文章を読んだ知り合いから驚かれる始末。そして何気にイベントに出した実の母親である鈴木オカン玲子(65)が、ちょっとしたライブハウスでの有名人になってしまうオチも。10月5日には梅田クラブクアトロで、SCOOBIE DO(名誉座長)、四星球(新座長)、N'夙川BOYS(見届け人)と“新座長襲名披露公演”と銘打って、『SUZUDAMA~鈴木魂~』をやって参りました。新しい音楽サイト・型破リヰナでは、何故か親子でリレー連載もやっています。

(2012年10月10日更新)


Check
ギャーギャーズ●10/14(土) 18:15~FUNJ
Boogie the マッハモータース●10/13(土) 19:00~FUNJtwice
D.W.ニコルズ●10/13(土) 21:15~minami horie ZERO

MINAMI WHEEL 2012“俺の推しメン”リターンズ
特設サイト

他のセレクターも続々登場! 出演者やタイムテーブル
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https://kansai.pia.co.jp/special/minamiwheel2012/


Live

『MINAMI WHEEL 2012』

チケット発売中 Pコード175-562(1日券)
▼10月12日(金)18:30/13日(土)・14日(日)14:00
ミナミ・ライブハウス各所
金曜日券2500円 土曜日券3500円 
日曜日券3500円 ※3日通し券はSold Out!!
FM802リスナーセンター info@funky802.com
※未就学児童は入場不可。出演者、会場、開演時間は変更となる場合があります。

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